【南アルプス】上河内岳~聖岳~光岳 畑薙ダムからテント泊縦走登山(後編)

【南アルプス】上河内岳~聖岳~光岳 畑薙ダムからテント泊縦走登山(後編)

8月の南アルプス南部、上河内岳~聖岳~光岳テント泊縦走登山。2日目は聖平小屋からいよいよ聖岳山頂へ。

この日はとにかく雲海が素晴らしかった!夜明けから朝焼け、そしてご来光と、刻々とその色彩を変える雲の変動がとにかく感動的で、その果てにそびえる富士山も絶景でした。

山頂からは赤石岳や荒川岳など近隣の南アルプスはもちろん、中央アルプス、遠くには北アルプスまで雲海に浮かぶ山なみを存分に堪能。前聖岳から奥聖岳に至る稜線ではチングルマの穂の群生が広がっていて、いよいよ夏山も終盤を迎えていると感じさせられた風景でした。

聖岳下山後は一気に光岳まで向かうというハードスケジュールでしたが、基本的には稜線歩きだったので1日目ほどの苦労はせず、無事に3日間歩き通せました。

今回の登山のメインとなる日本百名山2つのピークを踏む後半戦。

 

聖岳から見渡すまばゆい雲海世界―――

 


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1日目からの続き。

前日に畑薙ダムからの急登を何とか登りきって、上河内岳を経て聖平小屋へ。今年1発目のテント泊登山にしてはやや無茶しすぎたかな、と反省点が残るも天気に恵まれて充実した1日目でした。特に茶臼岳~上河内岳の広々とした稜線は高山ならではの開放感全開の素晴らしい道なので、強くお勧めしておきます。

かなりの疲労感でシュラフにもぐり込んだら速攻で眠ってしまいましたが、身体はすこぶる快調だったようで、2日目に目が覚めるときには疲労感もすっかりなくなってました。

 

颯爽と準備してテント場を出発。まずは、今回の登山の一番のメインスポットとなる聖岳を目指します。

 

~~ 2016年8月11日~13日 上河内岳~聖岳~光岳(2・3日目) ~~

まだ夜明けまでの早朝4時。暗闇の中、ヘッドライトをつけて聖岳山頂へ向けて歩き出す。

明け方は深い霧に包まれて視界もそれほど良くない状況でしたが、山の上ではすごい絶景が作り出されていたことを、この後知ることになります。

 

小屋からだと登り160分もかかる距離ですが、テント類は置いて身軽でアタックできるので、足取りは非常に軽い。山頂まで2時間もかからなかったです。

山頂までは道も明瞭なので、真っ暗でも特に問題なし。

 

ヘッドライトが不要になったのは登り始めて40分ほど経った頃。

目の前を覆っていた霧が一気に晴れ渡って、いきなり空の明かりが差し込むという幻想的な瞬間。

雲の上に出たと知ると同時に、目の前に絶景が飛び込んできました。

 

溺れそうなほど波打つ雲の海。雲の上に出た直後だったので、目線の高さに雲海が広がるという稀に見る光景。

朝焼けに染まる空も綺麗でした。

 

雲の上に出て間もなく、聖岳手前の小聖岳に到着。聖岳本峰が目の前にそびえる絶好の展望台になっています。

 

ただ、この時はどうしても雲海に目が行ってしまう。

刻々と変わる空の色、雲の荒波も次第に収まっていき、あの山も姿を現す……

 

雲海のかなたにそびえる日本最高峰『富士山

南アルプスに登ったらやはり見ないわけにはいかない富士の姿。1日目は東側が雲に覆われていたので見えなかったけど、2日目にこうして無事にお目にかかることができました。

朝焼けの空と相まって、本当に素晴らしい景色。

 

小聖岳から前聖岳へ。稜線を伝って前聖岳の懐へ行くと、そこからはひたすらガレ場の急登になります。

ここからだと前聖岳が壁になって北側の景色は見えませんが、前聖岳山頂に立てば名峰群が立ち並ぶ素晴らしい景色を見れるのでどうかお楽しみに。

 

迫力ある岩稜帯をこれでもかと見せつけてくる聖岳。赤石岳や荒川岳もそうだったけど、南アルプスの山は本当に1つ1つの山がでかすぎる。見上げるほどに圧倒させられる景観でした。

 

聖岳山頂を目指している最中にご来光。

聖岳の陰から暖かい太陽の光が差し込む。

 

黄金色に染まる雲海と富士山がまた絶景!涙が出るくらい素晴らしい風景でした。

辛かった1日目の登りも、こうして絶景に出会えたならなんて事はない。頑張って高い山に登ったからこそ見ることのできた景色。

 

ガレ場の急斜面が続く。

1日目と同じようにテント装備でここを登っていたら、さぞかしヒィヒィ悲鳴を上げてたんだろうけど、なんせ荷物が軽いので非常に快調。聖岳山頂までは展望を楽しむ余裕をもって登れた時間でした。

 

5時40分、聖岳山頂(前聖岳)に到着。自分と同じく、真っ暗なうちから登っていた人たちがちらほらいました。

 

標高3013m、聖岳。今年初の標高3000m超え。

聖岳(ひじりだけ)ってやっぱり名前がかっちょいいね。日本アルプス最南端の3000m峰。名前も風格も、どことなくラスボス感がある。

 

南アルプス南部といえばこのどっしりとした立派な標識。静岡県が用意したものなのか、赤石岳や荒川岳にもこれとまったく同じ山頂標識がありました。

 

周囲360℃開けた山頂。じっくり周りの展望を見ていく。

 

まずこちらは兎岳から赤石岳へとつながる稜線。今回は光岳にも登りたいためにこの縦走路は断念したけども、聖岳~赤石岳はぜひ繋げたいところ。見た目アップダウンが多くて大変そうだけど、南アルプスらしい緑多い稜線はそそられる。

雲海の奥には中央アルプスの姿もありました。

 

そして、そのはるか奥には薄っすらと北アルプスも見えました。

この日は午後から天気が崩れる予報だったけども、明け方はどこも快晴。これからお盆を迎える時期ということで、北アルプスはさぞ混んでいるんでしょうね。

 

すぐ目の前にそびえるのが赤石岳。聖岳に劣らずずっしりと構えた山容。

赤石岳に登ったのは2年前の秋。南アルプス南部に初めて足を踏み入れたのがこのときでした。

 

2014年10月11日~12日 赤石岳~荒川岳縦走登山

南アルプス南部初進出となった思い出深い山旅。赤石岳山頂から見た朝焼けに染まる雲海と富士の絶景は、過去の登山を振り返ってみても、5本の指に入るほど印象に残っている景色。

雲海や富士山なんて山に登っていれば割と見慣れたものにはなってくるけど、それでもつくづく飽きない景色だな~と思う。何度見ても感動させられます。

 

今回は今回でまた違った姿の雲海。

太陽もすっかり登ってまぶしいほどに輝く雲の海が、赤石岳のときとは異なる感動がありました。

 

こちらは西側の景色。聖岳の陰に隠れた方面だったけども、良く見たら影聖岳が出来上がってました。雲海に映る三角形の影がおそらくそれ。

この日の雲海、夏雲らしい分厚く真っ白い雲だったので、あらゆる景色を投影していた。

 

南側の歩いてきた方面。左が上河内岳、中央が茶臼岳、右奥が光岳かな。

今日はこの後下山して光岳まで歩かなきゃいけない。昨日以上のロングコースで時間的にもシビアだけど、この絶景を見ていたら問題なく歩き通せそうな妙な自信がみなぎってきた(笑)

 

そしてこちらが東側の風景。雲海の果てにそびえる富士山と太陽の光が物凄い絶景を作り出していた!

太陽以上に雲海の輝きがまぶしい。

雲海という言葉の通り、雲の躍動がしぶきを上げる荒波のようで、本当に海のように見えました。

 

雲の上に堂々と浮かぶ富士山。思えば、今年まともに富士山の姿を見たのはこれが初めてな気がする。

8月にして初富士と呼べる景色に出会えました。

 

稜線の先に聳える少し低いピークが奥聖岳。聖岳のもう1つのピーク。

滅多に来れない場所なので、当然あちらにも行ってみることに。

 

奥聖岳までは片道15分ほど。穏やかな稜線ハイク、ここにも1つの絶景が広がってます。

 

チングルマのお花畑。稜線上の両脇にすごい群生の規模で、この時期はすでに穂の姿へと変わっていました。

チングルマは穂になっても綺麗な姿を見せてくれるのでお気に入りの高山植物。7月は満開の花の姿で見ることができると思うので、時間が許すならぜひ奥聖岳まで歩いてみてください。

 

標高を少し下げて2978m、奥聖岳に到着。こちらの山頂は自分とお仲間さんたちで貸し切りでした。

 

相変わらず目の前に見える赤石岳。位置が少し東に寄ったので、前聖岳からは見えなかった荒川岳も右奥に見えました。

左奥にそびえる山は塩見岳かな?

 

兎岳から先の稜線。こうして眺めている間にも、TJARの何人かの選手が歩いているであろうコース。

あの稜線の間に「百間洞山の家」という山小屋があって、あの山小屋は東海フォレストグループになっているので、宿泊すれば畑薙ダムから椹島までのバスが利用可能となります。

コースタイムは厳しいけど、1日目で聖岳を登って百間洞山の家まで行ければ聖岳~赤石岳縦走は1泊2日で行けるので、いつかチャレンジしてみようかな。

 

奥聖岳から眺める前聖岳。右下が兎岳。

短い距離ではあるけども、この前聖岳から奥聖岳の稜線も周囲に素晴らしい展望が見られるので、たまらない場所でした。

 

最後にもう一度富士山と雲海を眺める。

夜明けからの空は刻々と姿が変わるので、同じ場所にいても景色の移り変わりを大いに楽しめる。日帰りでは見れない景色を存分に堪能できました。

 

稜線を伝って前聖岳へと戻る。

 

聖岳から下山。どんどん登ってくる人がいるので、帰りのガレ場は落石発生させないよう慎重に。

雲の中へダイブするように一気に急斜面を下っていきます。

 

雲の高さと同じくらいまで降りてきた。

そして、ここでも1つの絶景に出会う。

 

やや見づらいけど、まさかのブロッケン現象!はっきりとした虹は撮れなかったけども、紛れもない虹の輪が出来上がっていました。

霧に包まれる前の最後のご褒美か…(´;ω;`)

 

小聖岳から振り返る聖岳。

短い時間ではあったけども、南アルプスに相応しい絶景を色々と見せてくれました。これから行く光岳に登ることはもうないかもしれないけど、聖岳はまた絶対に来ることがあるはず。

次に登るときはどんな景色を見せてくれるのか、早くも楽しみです。

 

樹林帯に入ってからは単調な下り坂ではあったんだけども、ここで1人の有名人とすれ違い。

赤いザック背負った方は、日テレ『世界の果てまでイッテQ・登山部』の中島健郎さん。カメラ担いで登ってました。

TJAR関連なのか定かじゃないですが、今回は登山界で名の知れた人に色々と出会った気がする。

 

雲の下に来てからは霧に包まれてしまいましたが、登りでは真っ暗だった登山道が実はお花畑だったことを知った。

トリカブトがここでも綺麗に咲いてました。

 

7時40分、聖平小屋へ戻る。この時間になるとテント場も閑散としてました。

テント許可証を返す傍らで驚いたのが、この昼食メニュー。カレー・中華丼500円ってなんてリーズナブルなんだっ!これは間違いなく赤字覚悟ですね。無料のフルーツポンチと合わせて、聖平小屋のサービス精神には恐れ入ります。

10時からというのが残念だったけど、昼に来たなら絶対に頼んでました。500円って、、、相当お腹空いてたらカレーと中華丼両方頼んじゃうわ。

 

聖平小屋から離れたくはなかったけども、テントを撤収して光岳へ。

昨日歩いてきた道をそのまま戻ります。

再び重たい荷物がのしかかる……

 

昨日歩いているときに感じてはいたけども、南岳への登り返しがなかなかきつかった。。展望は一通り1日目で楽しんだのでガスったままでいてくれたらいいものの、なぜかこの修羅場で晴れ渡って、灼熱の日差しがまた辛かったです。

 

それでも、最後に雲に包まれる前に見せてくれた聖岳の姿。

コースを変えてまた遊びに来ます。

 

1日目の来た道を戻るだけので途中は省略。南岳~上河内岳を経て茶臼岳を目指します。

相変わらず前を悠々と歩く日傘野郎が憎いぜ!(笑)

 

ガスっていてもその雄大な景色は堪能できる上河内岳~茶臼岳の稜線。

茶臼小屋の分岐まで差し掛かったら、そのまま稜線を直進して茶臼岳方面へと歩いてきます。

 

こちらが日本三百名山にもなっている南アルプス・茶臼岳

あいにくガスって何も見えなかったので、先を急ぎました。

 

茶臼岳から先は尾瀬を思わせる木道や湿原もあったり、南アルプスとしては珍しい景観が広がってました。

ここら辺まで来ると標高は2500mを切って森林限界より低くなるので、稜線を歩いていても樹に囲まれる時間が多くなっていきます。

 

12時30分、希望峰に到着。ここから片道20分で仁田岳へピストンすることもできますが、展望が期待できなかったのでスルーしました。

晴れていれば360℃の絶景が拝めるピークのようです。

 

希望峰から先へ。鞍部に出るまでかなりの急坂を下ることになります。つまり引き返すときは急登を登り返すことになるわけで……

地図上にここから易老岳までは「平坦なトラバース路」なんて書かれてましたが、それなりに小さいアップダウンはあって結構疲れました。ただ、普通に歩いていれば多少なりとも巻ける区間でもあると思います。希望峰から易老渡まで標準タイムでは1時間35分となっていましたが、ヘトヘトの自分でも1時間弱で歩けたし、ここは甘く見積もりすぎな気がしました。

 

13時30分、易老岳に到着。標識を意識しなければスルーしてしまいそうな展望のないピークでした。

 

まだまだ光岳までは先が長い。

ここまで来ると標高も2200mくらいになるので、登山道もすっかり樹林帯になりました。アルプスの稜線を歩いていて、ここまで展望がないのも珍しい。

南アルプスというよりは奥秩父に近い雰囲気だなと歩いていて思った。

 

最も厄介だったのが、三吉平から静高平までの登り。写真に写っている沢の岩場を登っていくのですが、これがとにかく長く感じた……。

すでに歩き始めて10時間以上、テント泊装備でのこの急坂はきついものがありました。

 

ブツブツ文句を言いながら、何とか静高平に到着。

嬉しかったのがここの水場が豊富に流れていたこと。山と高原地図では「涸れていることも多い」なんて書いてあったけど、ドバドバと水が流れてました。注意書きにも書いてありますが、光岳小屋から水場までは往復15分ほどかかるので、ここで必要な分は汲んで行ったほうがいいです。

 

ラストは木道。最後まで樹林帯なら嫌だったけど、こうして開放的な気分に浸れたからまぁよし。

途中、晴れていればイザルヶ岳へ立ち寄りたかったんだけども、ガスが取れそうになかったのでこちらもスルーしました。イザルヶ岳は光岳以上の大パノラマが見渡せるピークとのことなので、もし晴れていたら立ち寄ってみてください。

 

15時50分、なんとか16時前に光岳小屋に到着。サラッと書いたけど、聖平小屋からここまでは本当に長かった……

 

小屋で受付を済ませてテント設営。テントが密集しているように見えますが、光岳小屋のテント場はこれくらいの広さの区画が2つほどしかないです。もう1つの区画も埋まりつつあったので、無事に晴れてラッキーでした。

光岳小屋はシュラフ持参の素泊まりであれば3000円で泊まれるので、小屋が空いていたら小屋泊もありだと思います。あいにくこの日は小屋が一杯だったけども、3000円という料金設定にはそそられた。

 

テントを設営して、その日のうちに光岳へ。テント場から歩いて10分ほどです。

 

こちらが光岳

噂には聞いてたけども、樹林帯に囲まれて展望が一切ない南アルプス日本百名山。良く日本百名山に選ばれたな、、、と誰もが一言文句を言いたくなるであろう、悪名高いピーク。一丁前に標識だけはここにも立派なものが置かれています。

展望のないやや残念なピークだけども、ひとまずこれで北・中央・南の日本アルプス百名山はすべて完登!よぅ頑張ったよ、自分……

 

光岳からさらに先へ行くと光岩という岩場に出ます。展望を求めるならこちらへ。

山小屋のスタッフさんの話によると、光岳と名付けた由来もこの光岩にあるようで、夕日に照らされて光り輝いたこの石灰岩が山の名前になったんだとか。この岩ありきの光岳と考えたら、ぜひとも立ち寄るべき場所。

例によって真っ白な世界でしたが、反対側は切り立った崖になっているので、上に立つとなかなかのスリル味わえます。

 

こうして、無事に聖岳~光岳を登り切った2日目。

いや~、、本当に疲れた。。。途中リタイアしそうになったシーンもあって、久しぶりに追い込まれた登山でした。

3日目もコースタイムは長いですが、一度歩いた道を戻るだけなので、ここまで来ればもう気分的には楽なもん。心身ともにリラックスして眠れました。

 

3日目の記録はサクッと書いて終わりに……

 

この日もまだ真っ暗なうちに光岳小屋を出発。起きた瞬間は満点の星空でしたが、テント撤収の時にはすでにガスっちゃいました。

 

霧がかかるもののけの森。真っ暗なうちは周りに誰も歩いてなくて結構怖かったけど、明るくなってしまえば、その独特な雰囲気がまた楽しめた。

 

光岳は南アルプスに属してますが、山単体の雰囲気は聖岳とは全く別物。

霧が覆う深い森、稜線とはまた一味違う世界観に浸れます。

 

帰りは来た道を帰るだけなので途中は省略。鞍部から希望峰までの登り返しが一番きついところでした。

希望峰を過ぎて木道まで戻ってきたときには晴れ間も見えて、運よく茶臼岳の全容も見えてきた。

 

茶臼岳まで戻ってくれば、元通り南アルプスらしさが復活。茶臼小屋に泊まったら、30分くらいで登って来れるこの茶臼岳がご来光の絶好の展望台になると思います。

 

茶臼岳を越えて再び上河内岳に至る稜線へ。この景色を見たのももう何度目か……。

行ったり来たりで3日間いただけなのにだいぶ馴染みのある場所になってしまった(笑)

結局この日は聖岳は見えずじまい。聖岳は赤石岳と繋げたいので、いつの日かまた登りに来ようと思います。(今回のルートは絶対に取らないけど…)

 

茶臼小屋へ。すぐ上の稜線は何度も行き来してたけど、この小屋は初日以来。たった2日ぶりなのになんだか懐かしく感じました。

今回無事に光岳まで登れてしまったから、もしかしたらこの小屋へ来ることも、もうないかもしれない。そう思ったのもあって、無駄に20分くらい休憩したな。

小屋の周りにはお花畑が広がっていて、長閑な雰囲気の山小屋でした。

 

帰りは再び魔の樹林帯へ。登ってくる人がみんなへとへとに疲れているのを見て、初日の自分を重ねる。

登ってきたからこそわかるその辛さ。ここの登山道はすっかり苦手意識がついてしまったなぁ~、、

余程のことがない限り、もう歩くこともないだろう……

 

9時30分、横窪沢小屋まで降りてきた。登りで麦茶を頂けた素敵な山小屋。下山でも頂けちゃいました。

登りで決めていた通り、ここでしばらく休憩。

 

山小屋の入口には通過したTJAR選手たちの一言が添えられてました。全部読んだけど、挑戦する人間の言葉は重みがある。旅の道中で何人かとすれ違ったけど、この南アルプスに入るころには疲れもピークだろうに、みんな楽しそうに歩いているのが何よりすごいと思った。

 

そんなことを思いつつ、自分はこちらの名物・横窪ラーメンを頂く!

本当はカレーが食べたかったんだけど、この小屋の食事はこのラーメンだけでした。基本的に自分のテント泊での食事はラーメンだから、登山中は米がほしくなるんだよな。

ラーメン食べて米への欲求がさらに高まった。

 

序盤の吊り橋。「こんなのもあったなぁ~」というほど、この後の登りがきつくて最初のほうは記憶に薄れていた。昼に差し掛かる時間帯、降りるにつれて暑さも増してきたので、沢の水浴びが最高に気持ちよかったです。

 

┐(´д`)┌ヤレヤレ峠も越えて12時ちょうど、登山口の畑薙大吊橋到着。

 

ここまで降りてきてやっと一息つけた感じ。2泊3日にしては3日間ともロングコースでかなり歩き通した。久しぶりに心底疲れたぜ。。。

 

大吊橋を越えたら、あとは道なりに沼平ゲートへ。気が抜けたからなのか、この最後の林道歩きがまた辛かった……。

 

エメラルドグリーンの畑薙ダムが唯一の癒しの景色でした。

 

12時50分、沼平ゲートに到着。

上河内岳~聖岳~光岳、こうして無事に終了!

 

下山後の温泉は「赤石温泉・白樺荘」。畑薙ダムから一番近い温泉で、ここ以外あまり選択肢がないので、登山客のほとんどがここへ来ます。週末は相当混むので、なるべく早めに降りてきてサクッと入ったほうが良いかと思う。食堂もありますが15時までだったのでお気を付けください。

 

~~~~~~~~~~~~~

 

やや長くなってしまったけども、前編と合わせて2泊3日の南アルプス南部、上河内岳~聖岳~光岳テント泊縦走登山の記録でした。

 

今回のルートは易老渡登山口が不安定で使いづらいというのもあって、畑薙ダム基点の変則ルートにしましたが、無駄な行き来が多いのは否めないので、余裕をもって歩きたいなら易老渡完全開通を待った方がいいと思います。もしくは赤石岳も合わせて登って3泊4日にするとか。

 

もう2度と同じルートを取ることはない今回のコースでしたが、上河内岳の稜線を往復できたのは、それはそれで楽しかったので良かったです。

特に茶臼岳から見る上河内岳の雄姿、山頂から眺める聖岳~赤石岳~荒川岳の絶景は、日本二百名山にしておくのはもったいないほどの絶景でした。あまり大声じゃいけないけど、光岳より上河内岳の方が日本百名山に相応しい気が……

 

聖岳は期待通りの山でした。遠くから見ても近くから見ても、その圧倒されるほどの大きさは南アルプスならではの3000m峰の迫力!

さらに今回は雲海というオプション付きで、絵に描いたような現実とは思えない絶景を堪能。波打つ雲海と遠くそびえる富士の姿が、この3日間での一番のご褒美でした。

 

ついでという気持ちで申し訳なくもあったけど、光岳も無事に登頂。今回の聖岳・光岳を登ったことで、日本アルプス百名山は完登!一通り登ることができました。

ひとまず陰ながら登山の目標の1つとしていたものがこうして終わりました。次の目標はまだ決めてないけど、アルプスに限らず、登りたい山、歩きたいコースは手に余るほど残っているので、これからもたまに山に繰り出していけたらと思います。

 

この長い記録を最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。

おしまい。

 

 

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【日程】

2016年8月11日~13日

【コースタイム】

・2日目

聖平小屋(4:00) — 小聖岳(4:50) — 前聖岳(5:40) — 奥聖岳(6:10) — 聖平小屋(7:40~8:30) — 南岳(9:50) — 茶臼岳(12:00) — 希望峰(12:30) — 易老岳(13:40) — 三吉平(14:30) — 静高平(15:20) — 光岳小屋(15:50~16:20) — 光岳(16:30) — 光石(16:40) — 光岳小屋(17:05)

・3日目

光岳小屋(4:15) — 易老岳(5:40) — 希望峰(7:00) — 茶臼岳(7:50) — 茶臼小屋(8:10~8:30) — 横窪沢小屋(9:30~10:00) — 畑薙大吊橋(12:00) — 沼平ゲート(12:50)

 

 

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