尾白川渓谷~日向山 紅葉登山 エメラルドグリーンと白砂の絶景 

尾白川渓谷~日向山 紅葉登山 エメラルドグリーンと白砂の絶景 

白砂の絶景で有名な南アルプスの日向山へ登ってきました。

標高1660mとそこまで高い山ではないですが、山頂はアルプスの高山帯を思わせる花崗岩と白砂の世界が広がっており、甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳の絶好の展望台にもなっています。

最短ルートである矢立石から登れば1時間程度で山頂に着くので、初心者や家族連れでも親しみやすい山ですが、今回はややロングルートになる尾白川渓谷コースを歩きました。

体力がある人にはこちらがおすすめ。何といっても尾白川渓谷が美しすぎます!エメラルドグリーンの清流がとても綺麗で、滝も見ながら楽しく歩けます。紅葉もちょうど見頃を迎えていました。

日向山からの絶景と合わせて、尾白川渓谷の秘境感ある清流もおすすめです。

 

エメラルドグリーンの尾白川渓谷と白砂の日向山―――

 


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だいぶ記事を書くのが遅くなってしまったけど、10月中旬に登った日向山の記録です。

ブログは書いていないけど、今回歩いた尾白川渓谷~日向山のコースは実は今年の4月にも歩いていて、その時は桜とセットでの山旅プランでした。内容は充実していたんだけど、天気があまり良くなくて展望もいまいちだったので、このたび紅葉を狙って再訪。

1年の間に同じ山に2回登るというのはあまりしたことがないけど、今回は見事なまでの快晴で、尾白川渓谷の清流と紅葉、日向山の白砂の世界を満喫することができました。

 

尾白川渓谷から日向山へのルートは往復8時間近くになるので、矢立石コースに比べるとやや健脚向け。アップダウンや急登もあるので、なかなか疲れるけども、エメラルドグリーンの渓谷歩きや間近で見れる迫力ある滝など、日帰り登山としては見どころ豊富です。

日向山に歩き応えを求めるのであれば、このコースは本当におすすめ。ぜひ行ってみてください!

 

~~ 2015年10月25日 尾白川渓谷と日向山 ~~

10月下旬にもなると、山の上のほうでは紅葉も終わって見頃は標高の低い所へと移っていきます。

そうなってくると狙い目になるのが、山のふもとを流れる渓谷。都内近郊の渓谷として有名な西沢渓谷と迷ったけど、今年4月に不完全燃焼で終わった尾白川渓谷へと再び行ってきました。

 

朝8時半に尾白渓谷駐車場に到着。尾白川渓谷コースは長いと言っても往復8時間弱なので、この時間からのスタートでも十分間に合います。

4月に来たときは車数台しか停まってなかったけど、今回は結構停まってました。

 

登山届は右奥の黄色いボックスに提出できます。登山届がしっかり用意されているのは、ここがあの有名な甲斐駒ヶ岳黒戸尾根のスタート地点でもあるから。入口の標識も日向山の文字はなく、甲斐駒ヶ岳になっています。

ここから日向山に登る人のほうがもしかしたら少ないのかもしれない。

 

低山用の25Lザックで登山開始。前回が谷川主脈縦走だったので、今回はかなり気楽です。

 

スタートしてすぐに行きつく駒ヶ岳神社。黒戸尾根に挑戦する人はここで安全祈願でもするんでしょうね。

自分はまだ黒戸尾根には登ったことはないけど、やっぱり長丁場になるみたいね……。挑戦してみたい気持ちもあるけど、ストイックな登山はそこまで求めてもいないので、登る日が来るかはわからない。

 

尾白川渓谷があるのは山梨県北杜市白州。白州といえばウイスキーが有名ですな。”南アルプスの天然水”の工場があるのもここ白州。水が綺麗な証拠。

 

このつり橋が登山道の入口。橋の下には尾白川が流れているけど、早くもその水の綺麗さを見ることができます。

 

橋の上からでもわかる水の透明度。奥に行くとまだまだこんなもんじゃない清らかな川が待っています。

 

登山道に入ってすぐに黒戸尾根との分岐点。標識の通りに尾白川渓谷道へ進むけど、左へ行く日は来るのだろうか……

 

尾白川コースはこんな感じの鉄柵で整備されています。道幅は狭いけど、危険個所は大してないのでご安心を。

 

序盤は川に沿って歩くので標高も全然上がらず、無駄にアップダウンが多いです。

それでも横目にきれいな川が流れているので、気分は悪くない。登山道も静かなもんです。

 

まず最初の見所スポットが千ヶ淵。ここで早くも尾白川渓谷の真骨頂を見せつけられる。

 

見事なまでのエメラルドグリーン!光と影の加減がまた絶妙で、森の中のオアシスのような幻想的な空間でした。

写真で見ても綺麗だけど、この空間が醸し出す独特の雰囲気がたまらないので、ここはぜひ実際に訪れて体感してほしいところ。晴れていないとどす黒く見えるだけなので、絶対に晴れの日を狙ってください!(4月に来たときはこんなに綺麗に見えなかった…)

 

階段を上ったり下りたり。序盤はずっとこんなような道が続きます。

 

渓谷沿いはまだ緑が多かったけど、上を見上げると紅葉も混じってカラフルな葉がなんとも綺麗でした。

今年は目が肥えるほど、紅葉を見ている気がする。

 

緑豊かな登山道なので、新緑の時期もおすすめだと思います。次に来ることがあれば5月ごろに歩いてみたい。

 

こんな感じで川に近寄れる場所も。入浴剤のバブを入れたような緑色(笑)

小さい滝もたくさんあって、この渓谷歩きだけでも十分楽しめるレベル。

 

落ち葉が金粉みたい

 

 

この後も設置された鎖場や橋を頼りにひたすら歩いていく。4月に歩いた時もそうだったけど、週末なのに登山者もほとんどいない尾白川渓谷。それなのに整備はしっかり行き届いている感じで、ただただ感謝。

これはぜひとも布教活動をしなければと思った( ̄▽ ̄)

 

三ノ滝に到着。絶好の休憩場所にもなっているので、ここで休んでいる人がちらほらいました。

 

こちらが三ノ滝。滝自体はそこまで大きくないけど、巨岩が点在して独特の迫力があります。

右の岩が何となく人の顔に見える気がする…

 

川の流れに沿って少しずつ標高を上げていく登山道。

 

山が徐々に色づいていくのが面白い。真っ赤に染まるような紅葉ではないけども、緑と黄色と赤のバランスがちょうどいい割合で、これはこれで十分綺麗でした。

 

足元にも秋が転がっている。栗やどんぐり、落ち葉もふかふかで晩秋の気配も漂う。

 

旭滝に到着。標識を読んでもらうとわかるけど、なんとも神秘的な滝だそうで。

朝早く登るとコバルト色の滝と虹の絶景が見れるみたいですよ!

 

個人的には滝よりも感動したのが、この景色。

滝の手前に広がるこの白い岩壁とエメラルドグリーンの清流が絶景でした。今回の登山のハイライトとさえ言える場面。

滝までは左側の淵を辿っていけば見ることができます。やや滑りやすいので要注意。

 

川の底まで見える透明度。南アルプスの天然水が作られるのも納得する綺麗さ。

すごいよ、尾白川渓谷!

 

こちらが旭滝。驚くほどの大きさではないのであしからず(^^;

 

なんとも秘境感ある場所でした。滝よりも手前のこの岩に囲まれた空間が絶妙。

ルートを少し外れて降りてこないと来れない場所だけど、ぜひここは立ち寄ってほしい。

 

まだまだ続く渓谷歩き。途中、道幅が狭いところもあるので、すれ違う場合は要注意。

標識を見る限りだと落石の危険もあるみたい。

 

お次にあったのが百合ヶ渕。それぞれのスポットに標識があって説明文が記されているので読んでみてください。

百合ヶ渕については、岩壁の合間から清流が見下ろせる場所でした。

 

時にはもろい橋も。傍目に崩壊した橋の残骸があったりもするので、こういう通行規制は素直に守る。

 

 

10時20分、神蛇滝に到着。ここは団体さんと思われる人たちが休憩していてかなり賑わってました。

単に自分たちのスタートが遅かっただけで、尾白川渓谷はやっぱり人気なのかな。

 

こちらが神蛇滝。紅葉と合わさってとても綺麗な滝でしたが、惜しいのが遠目にしか見れないところ。

 

神蛇滝を眺める。距離的にはこんな感じ。

 

良く見ると、滝の上の陽が差すところが何となく神々しい雰囲気でした。できることなら近づきたかった。

 

神蛇滝展望台にあった石碑。

「僕たちはこの日を決して忘れやしない 僕たちに山があると同じように」

亡き友を想う山仲間の深い思いが伝わってきます。

 

お次は不動滝へ。この不動滝が尾白川渓谷の中では一番の大きさを誇る滝になります。

 

 

綺麗に色づく日向山山麓。日向山自体は山頂の白砂が有名であって、そこまで紅葉の山というわけではないけども、それでも立派な南アルプスの一角。南アルプスらしい黄色メインの紅葉です。

 

不動滝手前の立派なつり橋。左奥にチラッと見えているのが不動滝。滝を俯瞰するならこのつり橋が絶好の場所です。

 

不動滝へ近づくには避けられないこの岩場。1本ロープが垂れ下がっていて、ここを登る必要があります。

距離は大したことないけどほぼ垂直。下りがやや怖いかもしれないのでお気をつけて。手袋必須!

 

岩場を乗り越えて現れる不動滝。尾白川渓谷の中では一番の大きさを誇る滝です。

 

見てくださいよ。こんな感じで滝を撮れるようにもなったんだぜ!

シャッタースピードを意のままに操れるようになった瞬間( ̄▽ ̄)

 

不動滝を過ぎると渓谷歩きも終わり。ここから日向山まで急登が続きます。

 

急登の最中、苔大好きあやのが見つけたタヌキノチャブクロ。ホコリタケというキノコの一種みたい。

つつくと煙のように胞子を出して面白かった。

 

急な階段。標高を一気に上げていきます。

ようやく山頂へ向かっている感じがしてきた。

 

どんどん色づいていく紅葉。色とりどりのもみじが本当に綺麗でした。

 

登山らしくなってきた。ここまでもアップダウンが多くて結構歩き応えあったけど、ここから先もなかなかの登りが続きます。

お手軽な矢立石コースとは違って、しっかり山登りさせられます。

 

紅葉が予想以上に綺麗。今年はシルバーウィークの北アルプス朝日岳をスタートに、栗駒山涸沢那須岳谷川主脈と紅葉を楽しんできたけど、過去振り返ってみても紅葉登山としては一番充実した年だったかもしれない。

色づきに関していえば日向山はこれまでの山には劣るけど、エメラルドグリーンの渓谷という一味違う魅力を備えている点では、これもまた素晴らしい山旅。

山の上の紅葉が終わった晩秋時期には、渓流歩きも一つの選択肢としてありだと思います。

 

急登をある程度登り終えると林道に出ます。落ち葉が敷き詰まって林道という感じはしないけど、かつて車も通っていたであろう道です。

 

その面影がこの崩落したガードレール。4月に登った時にも見たけど、その時と変わらぬ状態で残っていました。

 

12時過ぎ、錦滝の休憩所に到着。この裏手に滝があります。

 

岩肌を滑るように流れる錦滝。見応えとしては不動滝に劣るけど、落差はなかなかのもん。

冬場はアイスクライミングのゲレンデになるようです。

 

錦滝から先が今回のルートの中では地番の急登。所々にロープや鎖も設置されています。

 

急な階段。この後もしばらく樹林帯が続きますが、奇跡的ともいえる景色の変容は突然訪れます。

 

!!!!!

いきなり目の前に広がる白砂の世界。先ほどまでの樹林帯から一変!雪山を彷彿させるほどの真っ白な世界にいきなり引きずり込まれます。

 

北アルプス燕岳さえ思わせる花崗岩と白砂の世界観。なんで標高2000mにも満たない山でこんな景色が広がるのかわからないけど、とにかく目の前の景色が一気に変わります。

展望も開けて、それまで見れなかった山々も見渡せる。

 

まずは富士山。南アルプスの山に登ったからには富士の展望は外せない。

10月下旬ながらも数日前に雪が降ったようで、ほんの少しだけ冠雪してました。

 

次に目を引いたのが鳳凰三山。象徴的な地蔵岳の尖がったオベリスクがここからでもよく見えます。

 

ビーチの砂浜のような道を登っていく。先ほどまでのエメラルドグリーンの清流とは打って変わって、白とブルーの世界。それがまた面白い!

 

何度見てもここが標高2000mに満たない山とは思えない。。。

手軽に登れてこれほど贅沢な展望が得られる山は早々ないと思う。

 

最も間近に見えるのが甲斐駒ヶ岳。序盤の分岐でもあった黒戸尾根も目の前に見えます。

こちら側からだと逆光にもなっているせいか、甲斐駒ヶ岳の白さはいまいちわからない。

 

反対側の摩利支天から望むと、こんなかっこいい甲斐駒ヶ岳の姿を見ることができます。

南アルプスは北アルプスに比べるとやや地味というか、玄人向けな印象があるけど、1つ1つの山の迫力はすごいものがある。

 

日向山ビーチから甲斐駒ヶ岳を望む。

白砂エリアに入れば周囲展望が開けるので、休憩場所には困らない。

 

山頂までの白い稜線。雁ヶ原と呼ばれる白いザレ場。これこそが日向山のシンボル。

 

13時、日向山山頂に到着。序盤の渓谷歩きで遊びすぎたのもあって、登りだけで4時間半も費やしてしまいました。

山頂は矢立石コースから登ってきた人もいてかなりのにぎわい。雲1つない登山日和で、小さい子どもも元気に登っておった。

 

何座目か数えてないけど、山梨百名山をまた1つ制覇。

 

真っ白な白砂と深いブルーの空、その果てに見えたのが八ヶ岳

思えばここ2年近く登っていない八ヶ岳。雪山として登りやすい山域でもあるので、雪が積もったらまた行ってみようかと思ってます。

 

西側に広がる白砂のザレ場。蟻地獄のように広がる砂の急斜面。

不思議な山だ…

 

これぞマウンテンビーチ! 山にいながら波打ち際の雰囲気味わえる白砂の日向山。

八ヶ岳の展望も見事なもんで、他の山とは一味違う世界観。浜辺っぽい山頂ということで、海好きを連れてくるにもいいかもしれないな。

 

なんでここだけ白砂が広がっているんだろうか……。

疑問だけど謎のままのほうが夢広がるので、特に調べないです。とにかく高山帯に匹敵する景色が広がっているので、まだ登ってない方はぜひ登ってみてください。

 

帰りは矢立石コースで下山。こちらから下っても、スタート地点の尾白渓谷駐車場に戻れます。

 

こちらは急登もなく、歩きやすい道が続いていました。これなら小さいお子さんも登山初心者も安心して歩ける。

 

 

紅葉もきれいで落ち葉もフカフカ。尾白川渓谷からの急登とはまるで違う、快適な登山道でした。

 

1時間ほどで矢立石駐車場に到着。こんな感じで路駐するように停めるようです。

ここからスタートすれば1時間ほどで山頂に着くので手軽に登れるけど、ここまでの林道はなかなかの悪路らしい。そんなに台数停めらえる駐車場でもなさそうだったので、矢立石コース登るのであれば早めに来るのがよさそう。

 

尾白川駐車場まではここからさらに40分ほど下る必要があります。

この登山道が意外に迷いやすかったりもするので少し注意。一度林道に出るのが正解なので、もし迷ったら左手に見える林道へ脱出しましょう。(実際、少し迷った…)

 

16時前に尾白川駐車場に到着。時間にしたら7時間ほどの登山でしたが、なんとも中身が濃い山旅でした。

 

下山後の温泉は登山口からほど近い「尾白の湯」へ。 露天風呂からは八ヶ岳も見えて、快適な温泉。

 

尾白の湯から八ヶ岳を眺めて今回の旅もおしまい。

朝から晩まですっきりと晴れてくれて、天気に関しても文句なしの1日でした。

 

 

今年2度目の尾白川渓谷。エメラルドグリーンの清らかな水がとにかく綺麗で、独特の秘境感ある雰囲気がたまらなかったです。

滝と紅葉も見ごたえあって、尾白川渓谷単体でも十分楽しめるコースだと思います。日向山の真っ白な世界とはまた違う魅力があるので、尾白川渓谷と日向山、セットで登れば面白さも数倍跳ね上がる。

しっかりと歩きたい人には本当におすすめのルートなので、強くお勧めしておきます!

 

尾白川渓谷とマウンテンビーチ日向山の登山記録でした。

 

最後に……

9月シルバーウィークから続いた紅葉登山編も、この日向山が最後になります。今年は例年以上に紅葉を愛でれた気がするので十分満足!

毎度読んでくれてる方もいらっしゃったようで、ありがとうございましたm(__)m

 

山記録はまだいくつか残っているので、年内にもう1つくらい記事書けたらいいなと思ってます。

良ければまた読みに来てください。

 

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【日程】

2015年10月25日 快晴

【コースタイム】

尾白川駐車場(8:40) — 神蛇滝(10:20) — 不動滝(11:15) — 錦滝(12:10) — 日向山(13:00~14:00) — 矢立石駐車場(15:00) — 尾白川駐車場(15:40)

 

 

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