【東北】三ツ石山 圧巻の紅葉風景・バスで行く裏岩手縦走日帰り登山

【東北】三ツ石山 圧巻の紅葉風景・バスで行く裏岩手縦走日帰り登山

東北・岩手の三ツ石山へ登ってきました。

岩手山と八幡平を結ぶ”裏岩手連峰縦走コース”の途中にある山で、栗駒山と並んで本州で最も紅葉が早いと言われている紅葉の名所。9月中旬から色づきが始まり9月下旬には早くもピークを迎えるのですが、今年は前年に比べると紅葉の訪れが早くて9月20日頃にはすでに盛りを迎えていました。

今回は公共交通利用の特権を生かして、登山口と下山口を変更。松川温泉から登り始めて、源太ヶ岳~小畚山~三ツ石山~大松倉山と裏岩手縦走ルートの稜線を歩き通して網張温泉へと下山。どちらも盛岡駅から路線バスが出ているので、日帰りでの周回コースを設定することが可能です(※バスの本数は少ないので要注意)

アルプスよりも一足先に、錦秋の風景に彩られた三ツ石山の紅葉を楽しんできました。

 

裏岩手・三ツ石山 日帰り紅葉登山

 


毎年恒例になりつつある、紅葉時期の東北遠征登山。今年もアルプス界隈より一足先に紅葉を愛でるべく行ってまいりました。

場所は東北・岩手県の『三ツ石山』。

八幡平から岩手山までいくつもの峰が雄大な稜線となって連なる”裏岩手連峰縦走コース”、その途中にある標高1466mのピークが三ツ石山。日本百名山の狭間に位置しているので、この山自体はそこまで存在感があるわけでもないのですが、ここは本州でも最速の紅葉が見ることができると言われている、東北有数の紅葉名所。

2年前に登った栗駒山と並んで語られることも多く、ここ数年の秋の登山雑誌にも頻繁に取り上げられているので、知名度もどんどん高まってきています。かく言う私も雑誌を見てその存在を知ったご身分。

ここらの山域は路線バスが充実しているので、例によって公共交通での登山が可能です。時間の制約がある中でもできる限り長く稜線を歩くべく、”松川温泉~源太ヶ岳~小畚山~三ツ石山~大松倉山~網張温泉”というかなり欲張ったルートで周回してきました。

 

2017年9月22日 三ツ石山 日帰り紅葉登山

都内から遥々岩手の山へ日帰り登山――

そうあっさり言われたときに移動距離を考えたらかなりの強行に思われがちだけど、公共交通利用なら案外そうでもなく、むしろ北アルプスなんかに行くよりも金銭的にも安く済むのが実際のところ。

JR盛岡駅

もう何度目かの東京~盛岡の夜行高速バスを利用して、早朝にJR盛岡駅に降り立つ。日程次第では最安値で3000円台からバスがあるので探してみてください。

過去、この駅を基点に八幡平、岩手山、早池峰山、秋田駒ヶ岳と公共交通のみで巡り歩いた、自分の中では東北の登山拠点となりつつある場所。

 

盛岡駅~松川温泉行き3番バス乗り場

今回お世話になる路線バスは3番乗り場の松川温泉行き。登山者には嬉しく、早朝6時台の第1便があります。

八幡平や岩手山、早池峰山へ向かうバスもJR盛岡駅から出ているので、アクセス面では本当に充実しています。岩手界隈の山の選択肢が増えるのも、こういった交通・コスパの良いところが大きい。

 

バス車内から見る岩手山

この週は休みが変則的だったので、今回は久しぶりの平日登山。松川温泉行きのバスはがら空きでした。

盛岡駅からどこの方面のバスに乗っても、走り始めて数分で車窓からどでかい岩手山の姿を見ることができます。

 

松川温泉・峡雲荘

8時45分、松川温泉に到着。バスは峡雲荘の前に到着して、ここは日帰り入浴もやっているので下山後に立ち寄るにはちょうどよい温泉施設です。ちなみに露天風呂は混浴で、この峡雲荘に限らず松川温泉のほぼすべての露天風呂は混浴になっています。

僕も下山後にこの温泉に入る”予定”でした。

 

松川温泉バス停

松川温泉までのバスの一番のネックは乗車時間。盛岡駅から2時間もかかるので睡眠時間に充てるしかない……。

それでも乗車運賃は1140円。乗車時間を考えたらかなり安いと思うし、高速バス仕様なので乗り心地は悪くないです。

盛岡~松川温泉のバスの本数はあまり多くはなく、日帰りで三ツ石山に登るなら帰りは16時20分発最終便の一択になるかと思います。源太ヶ岳~三ツ石山を周回するならコースタイムを巻きで歩かないといけないのでお気を付けください。

 

松川温泉 源太ヶ岳登山口

時間に余裕はないですが、自分は何としても裏岩手連峰縦走コースの稜線を歩きたかったので、源太ヶ岳~三ツ石山の馬蹄形ルートを選択。

源太ヶ岳の登山口は道路脇の矢印のところになります。

 

三ツ石山登山地図

入口にあった登山地図。ここから源太ヶ岳の山頂までは約2時間30分。そこから三ツ石山を周回してこの松川温泉に戻ってくる馬蹄形ルートを組めるのがここの登山口の良い所。標準タイムだと総行動時間が8時間を超えますが、だいたいヤマレコを見る限りだと大半の人が7時間ほどで歩けてるので、まぁ大丈夫でしょ。

 

松川温泉 源太ヶ岳登山口

9時に源太ヶ岳登山口よりスタート。16時20分の最終バスに間に合わせるのは当たり前だけど、温泉に入る時間も確保したかったので、稜線に出るまでの展望のない樹林帯はやや飛ばし目で。

展望の効かない道はさっさと通過して稜線に時間を割く!これに限る。

 

源太ヶ岳登山道

標識に従って柵の左側を通って登山道へ入っていきます。

三ツ石山の紅葉だけが目的なら、三ツ石山山頂へ直接登るルートがあるので、そちらが良いかもしれません。その方が時間に余裕もありますが、源太ヶ岳を登った身としてはこちらからの馬蹄形ルートを猛烈におすすめしたいところ。

後々この気持ちはわかってくれるはず。

 

源太ヶ岳 木道の登山道

最初は比較的緩やかな登山道。木道も敷かれていたりして、思っていたよりも整備されて歩きやすい道です。

ルート上、迷うようなポイントは一切なし。森の雰囲気も綺麗だし、途中に水場も用意されているのでかなり快適。

 

源太ヶ岳・丸森川

丸森川の仮設橋を渡っていく。気を付けるとしたら増水時のここの通過くらいかな。

東北の山なので登山道の状況より熊の存在の方が気になりました。平日で人も少ないので、熊鈴ジャランジャン鳴らしつつ、独り言も加えながら稜線を目指していきます。

 

源太ヶ岳・水場

40分ほどで水場に到着。源太ヶ岳まで早くも残り1.2kmの地点。

 

源太ヶ岳の水場

水量豊富で綺麗な水場。ここから先のルート上には水場が一切ないので、必要な分はここで確保しておきましょう。

 

源太ヶ岳 森のトンネル

水場を過ぎたあたりから登りもきつくなってきますが、登山道には岩も少ないのですこぶる登りやすい。こういう道は下山路に使っても膝に来なくて快適に下りられるんだけどねぇ、、、(前回の大日岳からの下山路に対して)

おまけに登るにつれて葉の色づきも目立ってくるので、先行く足にも力が入ります。

 

源太ヶ岳 紅葉登山

ある程度登って視界が開けてきたら、もうこっちのもん。この先下山するまではひたすら展望の良い道が続きます。

標高1300m程度で景色が開けるのも東北の山ならでは。9月中旬にして森林限界を超えた先では早くも紅葉が始まっています。

 

源太ヶ岳 登山道からの紅葉風景

少し登って振り返ってみる景色が、この日最初の絶景。

草紅葉と森の中に垣間見える紅葉、パッチワークのように赤・黄色・緑が散らばる様がまた綺麗です。

整列するように立ち並ぶ樹を見ていると、ここら辺は冬場に来れば見事な樹氷が立ち並びそう。

 

源太ヶ岳 展望の良い登山道

雲1つない秋晴れの空。日差しは暑いけど、時折吹く風は涼しいので快適な登山です。1年を通してこの紅葉時期が一番歩きやすい。

周囲は草紅葉に彩られた草原風景で、この斜面を登って行けば源太ヶ岳に到着します。

 

源太ヶ岳山頂

10時15分、源太ヶ岳山頂に到着。予定のコースタイムの約半分、1時間以上の貯金ができたので、これで帰りのバスにも間に合うことが確定(やったぜ!)。あとは時間を気にせずゆったり展望を楽しみたいと思います。

ちなみに標高は1545mで、今回歩く縦走路の山の中では最高峰となります。

 

源太ヶ岳の岩手山の展望

まず語るべきはこの岩手山の展望。森林限界を超えてからずっと見えてはいたけど、間近に見る岩手山は迫力が桁違い!形も見栄えの良い三角形しています。今回は登らないですが、標高2000mを超える岩手県屈指の名峰。

麓に見える湯けむりが松川温泉の地熱発電所。あそこら辺から登ってきました。

 

源太ヶ岳~三ツ石山の縦走路

こちらはこれから三ツ石山目指して歩いていく至福の稜線天国。

稜線好きには猛烈にそそられる景色。歩きたい、あそこは絶対に歩きたいぞ!

 

源太ヶ岳の三ツ石山・秋田駒ヶ岳の展望

三ツ石山もここから良く見えます。一番左のピークがそれですが、山頂付近が真っ赤に染まっているのがこの距離からでもわかりました。紅葉も良さそうだけど、あのフラットな稜線もすごくいい!

後ろに見えているのは花の名峰・秋田駒ヶ岳

 

源太ヶ岳 稜線の登山道

まだまだ歩き始めなので休まず先へ。ここからはいよいよ快適な稜線の縦走路に入っていきます。

走り出したくなるような平坦な稜線。裏岩手連峰縦走コースの特徴の1つがこの起伏の少ないフラットさ。

 

八幡平方面の裏岩手連峰縦走コース

北側には八幡平から伸びる裏岩手連峰縦走コースが見えます。多少の登り返しはありますが、こちら側も穏やかな山容でとても歩きやすそう。

今回は日帰りなので全部は歩けないけど、八幡平から岩手山をつなぐ縦走はいつかやってみたい。

 

源太ヶ岳登山 稜線の池塘

池塘も点在する穏やかな雰囲気。

今回歩けるのは裏岩手連峰縦走コースの4分の1ほどの区間ですが、それでも十分この縦走路に魅力に浸ることができます。というか、もしかしたら一番美味しいとこ取りの区間かもしれない。

 

三ツ石山までの稜線と秋田駒ヶ岳の展望

稜線上は早くも紅葉が目立ってきます。

紅葉のメインは三ツ石山ですが、その手前の小畚(こもっこ)山の色づきもそれに匹敵するものがありました。写真に映っている中央左のこんもりした山が小畚山。

 

裏岩手連峰縦走コース 広大な稜線登山

素晴らしき稜線ハイク!今のところアップダウンなんて全くない、平坦で身体に優しく、なおかつ展望の良い天国のような道が続いています。

ニヤつきながらの進行の最中、展望の中に見知った山を発見。

 

裏岩手連峰縦走コースから眺める森吉山

秋田県側にそびえる森吉山。秋田内陸線の列車の旅と合わせて樹氷を見に行ったのは今年3月のお話。

こうして展望の中に過去登った山を見つけると、その時の思い出も呼び起こせるのが登山の1つの面白さ。色々な山に登れば登るほど、そういった局面も増えてきます。

 

大深岳山頂

源太ヶ岳から少しばかり歩いた先に大深岳の山頂がありました。山頂と言っても標識がなければ通り過ぎてしまいそうな、稜線の途中にあるピーク。背丈ほどの草木に覆われているので、山頂からの展望はありません。

 

裏岩手連峰縦走登山 大深岳から三ツ石山へ

ここから南に進路を取って、次の小畚山を目指します。厳密にいうと先ほどの源太ヶ岳は裏岩手連峰縦走コースには入っていなくて、この大深岳手前の分岐で縦走路の本線と合流します。

なので、ここからがいよいよ裏岩手縦走の本番。

 

紅葉する裏岩手連峰縦走コース

紅葉もどんどん綺麗になっていく。

心配事と言えば熊との遭遇くらい。道の大半は展望が良いですが、基本的に狭い一本道が続くので熊との鉢合わせになると逃げ場もなくてヤバい。ヤマレコを見ると熊と遭遇して馬蹄形撤退した記録なんかもありました。(なんか最近、熊との遭遇記事を真っ先に見つけてしまって、神経質になってしまう……)

ここら辺は三ツ石山に比べると、全然人もいなかったです。

 

源太ヶ岳~三ツ石山 日帰り紅葉登山

まぁ熊の心配も紅葉を見ていたら、頭の片隅に追いやられる。

小畚山が近づくにつれて、遠目から見えていた山の色づきが間近に迫ってきます。すでにこの距離からでも十分見事な風景だけど、ここの紅葉はまだまだこんなもんじゃ収まらない。

 

源太ヶ岳と岩手山

東側を見れば常に見えている岩手山。左側の丘が源太ヶ岳で、稜線から突き出たような絶好の展望台になっています。

岩手山を見ているとやや左に傾いているように見えるけど、写真はちゃんと水平に撮っています。こちら側から見ると、盛岡市街を覗き込むように前のめりになっている姿が印象的。

 

八瀬森分岐点

八瀬森分岐点に到着。ここを右へ行くと秋田駒ヶ岳・乳頭山方面へとつながる縦走路となりますが、人もあまり多くはなく廃道のような箇所も多いんだとか。

縦走するとなるとかなり根気がいりそうですが、途中にある大白森の湿原は手つかずの自然が残る楽園らしい。こういう人があまり歩かないルートの情報は、仕入れるだけでも夢が広がって楽しいですな。

 

八瀬森分岐から眺める岩手山と三ツ石山

分岐を左に進んで三ツ石山方面へ。この分岐付近は岩手山と三ツ石山を同時に写真に納められる絶好のシャッタースポットにもなっています。

フラットな稜線が終点の岩手山に至るまで続いているのも見て取れます。

 

源太ヶ岳から三ツ石山への縦走路

なおも続く快適な縦走路。驚くほどアップダウンがなくて、源太ヶ岳からここまでスキップし続けても来れそうな具合になっております。

稜線においてフラットは正義。無駄なアップダウンなんていらんのよ。

 

小畚山の紅葉

そうこうするうちに近づいてきたのが小畚山。そしてそこに至るまでの稜線に彩られた紅葉!

三ツ石山を前にして早くも素晴らしい秋色の景色。

 

小畚山の紅葉風景

稜線付近の色づきが凄まじいことになっているのが良くわかります。

ここからはいったん標高を下げて、あの紅葉平へ向かう。

 

源太ヶ岳と平坦な稜線

源太ヶ岳から伸びる稜線がいかに平坦なものかよく分かる景色。

源太ヶ岳も山頂にいた時には気づきませんでしたが、あちらの山の斜面もしっかりと紅葉していました。

 

紅葉と岩手山

紅葉と岩手山

色づいて間もないので、葉っぱもまだ生き生きとしてます。

 

小畚山の紅葉

上から見えていた紅葉の庭園に降り立つ。

その場に立ってみて、また凄まじい色づきを体感できます。

 

紅葉

 

三ツ石山・小畚山 紅葉登山

登山道わきに広がる赤と黄色の紅葉。部分的に緑も残っていて、とても華やかに彩られた道。

こんな景色を独り占めできるとは贅沢すぎる!

人の手で作り上げたかのような驚くべき色づき具合です。

 

紅葉の裏岩手連峰縦走コース

後ろを振り返ってみても絶景。

稜線上は背の高い樹がほとんどないので、常に展望の良い景観が約束されています。

華やかすぎて目がチカチカする。サングラスなしでは語れない素晴らしさだぜ!

 

源太ヶ岳~小畚山~三ツ石山 紅葉登山

小畚山への登り。ここだけ部分的に急登ですが、山頂は目と鼻の先なので登りも短時間で終わります。

「こもっこやま」という名の響きに相応しい、こんもりとした山容してますね。

 

小畚山 山頂手前の急登

この急斜面も紅葉がピークになっていました。

眩しいくらいに彩られた登山道が続きます。

 

小畚山の紅葉と稜線

紅葉も素晴らしいけど、稜線好きとしては稜線にいちいち目が行ってしまう。

本当に笑ってしまうくらいの平坦さ。左へ延びるのが先ほどの分岐点だった八瀬森方面の道なのですが……

 

八瀬森方面に延びる稜線

視線を先へ辿っていても緩やかな下り坂、それが長く続く稜線。

どこまで身体に優しい設計になっているだ、ここの稜線は。

 

八瀬森方面の高層湿原

そしてさらに視線を先にやって見ると、雲ノ平のような台地に広がる高層湿原もあったり。あそこは何という場所だろうか……?

草紅葉が進行しているがはっきりとわかり、あそこも降り立ってみたらまた楽園なんでしょうね。

 

小畚山 山頂手前の岩場

裏岩手山域のポテンシャルの高さを感じつつ、小畚山山頂へ。

突如現れた岩場が出てきたら山頂も近いです。

 

小畚山 一面の紅葉風景

小畚山の圧巻の紅葉風景。この色づきは本当に見事で、2年前に登った栗駒山を彷彿させる景色が広がっています。

この斜面の紅葉は山頂に行くと逆に陰になって見れないので、登っている間に何度も振り返って堪能すべし。

 

小畚山山頂

 

小畚山山頂

こうして11時30分、小畚山(こもっこやま)山頂に到着。ここに来て、ようやく人も増えてきました。

すでに圧巻の紅葉風景を見れてしまったけど、本番はむしろここから。

 

小畚山から眺める三ツ石山と岩手山

小畚山から望む三ツ石山と岩手山の展望。

本来なら主役のはずの岩手山が霞むほどの紅葉風景!

 

小畚山から三ツ石山の紅葉

三ツ石山へ至る稜線の色づきが凄まじいことになっております!

その中に伸びるあまりにも贅沢な1本道をこれから歩いていく。

 

小畚山から眺める源太ヶ岳の稜線

源太ヶ岳から歩いてきて本当に良かったと思えた瞬間でした。

小畚山で軽く休憩したけども、地元のおじいちゃんに話しかけられて「今年は紅葉早いんですか?」って聞いたら「ここ1、2年が遅すぎて、ようやく例年に戻った」と言ってました。

通常であれば9月20日頃から見ごろを迎えるようです。

 

小畚山から三ツ石山へ 日帰り紅葉登山

満を持して三ツ石山へと至る紅葉の稜線天国へダイブ。

 

三ツ石山の紅葉

紅葉に見惚れて全然足が前に進まない。

三ツ石山の紅葉は赤が強く、下手な表現で良ければ「朱色のペンキを盛大にこぼした」感じです(語彙力が足りない……)

 

三ツ石山稜線からの岩手山と紅葉

 

三ツ石山 紅葉登山

稜線に敷かれた1本道をずっと先へ歩いていく。

序盤から登山道の道幅は狭くて、すれ違う場合は立ち止まる必要があるけど、平日が功を奏してここら辺も快適に歩けてます。

 

三ツ石山の稜線から眺める秋田駒ヶ岳と紅葉

左手に岩手山があるなら、右手には常に秋田駒ヶ岳。

秋田駒ヶ岳~乳頭山の稜線も個人的にはかなり気に入った道です。夏の花の時期に訪れましたが、秋田駒ヶ岳の紅葉もかなり綺麗と聞くので、来年の候補にちゃんと入れてあります。

 

三ツ石山の真っ赤な紅葉 稜線登山

息を呑む紅葉風景が続く。

都内近郊ではまず味わえないレベルの色づき。凄まじいものがあります。

 

青空と紅葉

立ち止まってまじまじと見る紅葉も綺麗。青空が余計にコントラストを上げて見栄えを良くしてくれる。

 

三ツ石山 紅葉登山

左奥に見える岩が乗った山が三ツ石山。その手前にも1つピークがあります。

 

三ツ石山・覘標ノ台

覘標ノ台と呼ばれる展望台。地図には記されていない場所かもしれませんが、小畚山と三ツ石山の中間地点に位置しており、ここからも贅沢な景色が見渡せます。

 

三ツ石山と紅葉と草原

三ツ石山方面の展望。ここに来てようやく真正面から三ツ石山を捉えることができます。

紅葉もさることながら、広々した草原の中に森もあったり、裏岩手の大自然が凝縮されたような景観。素晴らしいの一言!

山頂に乗っかった岩もチャームポイント。岩手山の山頂付近に通称・おっぱい山という山があるけど、こちらも負けないシルエットしてますな( ̄▽ ̄)

 

覘標ノ台から源太ヶ岳方面の稜線と紅葉

小畚山方面の展望。源太ヶ岳からこれまで歩いてきた稜線を見渡せます。

標高で言うと、今回の縦走コースの最高地点が最初に登った源太ヶ岳なので、緩やかに下降する稜線がなおのこと歩きやすいです。源太ヶ岳までの登りを頑張ってしまえば、あとは登山と言うよりお散歩。

疲れを全く感じずに紅葉を楽しめるって素敵です。

 

三ツ石山の真っ赤な紅葉

おっぱい山三ツ石山の山頂付近が異様に紅葉しているのがわかります。ペンキを塗りたくったかのように……

山の反対側も色づいてはいますが、本当に綺麗なのはこの北側の紅葉風景。そういう意味でもこの縦走路は北側から歩いた方が良いかと思います。

 

岩手山と紅葉

紅葉の果てに岩手山。

三ツ石山山頂からも同じような構図で写真が撮れて、そのアングルが良く雑誌なんかでも使われています。

紅葉時期に関しては岩手山は三ツ石山の盛り上げ役に徹している感じ。

 

覘標ノ台から三ツ石山へ 紅葉の稜線登山

南にストレートに伸びる道に入って三ツ石山山頂へ。

トレラン姿の人もチラホラすれ違いましたが、これくらいの平坦さならトレランを一切しない自分でも多少は走れそうな気がしました。

 

三ツ石山の紅葉と稜線

三ツ石山の北側に広がるこの草原風景がまた雄大で気持ち良い景色。

紅葉を抜きにしても見どころ豊富なのが裏岩手縦走コース。

 

三ツ石山 稜線の木道

途中にはまた木道も敷かれていたり。

この先にまた1つ見どころポイントがあります。

 

三ツ石山 木道と三ッ沼

 

三ツ石山 三ッ沼の紅葉

三ツ石山の北側に広がる三ッ沼。この周りも紅葉が綺麗でした。

三ツ石山は南側の奥産道コースが最短で登れて一番登山者も多いみたいですが、山頂だけをピストンするだけだとここら辺の景色は見ずに終わってしまうので、それはあまりにもったいない。

日帰りなら、多少時間はかかっても松川温泉を基点に馬蹄形で周るのをお勧めします。

 

三ツ石山 稜線の草原

三ツ石山の広大な草原風景。ここもお楽しみポイントの1つ。

すれ違っている中で、奥産道コースから登って小畚山までを往復している人がいましたが、それでもいいかもしれないです。とにかく小畚山~三ツ石山区間の稜線をぜひとも歩いてほしい所。(欲を言えば源太ヶ岳までも)

 

三ツ石山 紅葉登山

三ツ石山の紅葉ゾーンに入ってきた。

ここら辺まで来てしまうと紅葉に目が慣れてきてしまっている自分がいるけど、それでも登山脇を彩る紅葉はとても綺麗です。

 

三ツ石山から源太ヶ岳方面の稜線と紅葉

山の上とは思えない広々とした景観。稜線と言うよりは高原に近い雰囲気があります。

そこに紅葉が加わるんだから、もう最高よ。

 

三ツ石山 山頂の巨岩

稜線上からずっと見えていた三ツ石山山頂の巨岩にようやく近づく。

近くで見るとかなりデカいです。

そしてちょうどお昼時ということもあって、巨岩の周りにはたくさんの人が休憩してました。

 

三ツ石山山頂

この巨岩は南側から登ることができます。こちら側から見るとあまり大きい岩に見えませんが、北側が大きく切れ落ちているので、岩の迫力を体感する意味でも三ツ石山はやはり北側から攻めるべきところか。

 

三ツ石山山頂の標識

12時20分、三ツ石山山頂に到着。源太ヶ岳~小畚山と登ってきたけど、本来の目的地はここ。

ですが、すでにお腹いっぱいなほど紅葉を楽しめてしまいました。

 

三ツ石山から望む岩手山と紅葉

三ツ石山山頂に登ったら、おそらく誰もが写真に納めるアングルがこちら。

山頂一面を赤く染める紅葉とその果てに聳える岩手山。雑誌でも良く取り上げられる景色で、三脚置いて大きいカメラとレンズで撮影している人も何人かいました。

 

三ツ石山から望む秋田駒ヶ岳と紅葉

こちらは紅葉と秋田駒ヶ岳。

岩手山と同様、この日は一日中稜線からその姿を見せてくれていました。

 

三ツ石山から望む裏岩手連峰縦走コースの稜線と紅葉

三ツ石山山頂から歩いてきた稜線を見渡す。これほど長くフラットな稜線を歩いたのは初めてな気がします。源太ヶ岳以降はほとんど疲れを感じずに歩くことができました。

 

紅葉と岩手山

記念にもう1枚。

紅葉の名峰として取り上げられるだけあって、三ツ石山山頂の色づき具合はやはり桁外れでした。見事なまでの錦秋の情景。

ここまでの色づきを見るとどうしても栗駒山と比較してしまいますが、個人的な感想としては山全体の色づき具合は栗駒山、歩いていて楽しいのは三ツ石山、といった印象です。

 

三ツ石山 紅葉の登山道

山頂でお昼を食べて、時計を確認。まだ13時前という予定よりもだいぶ速いペース。

三ツ石山あたりの稜線のコースタイムはかなり甘めだと思います。普通に歩いてもやや巻ける感じ。紅葉なんかを見て時折立ち止まってちょうどいいくらい。

時間に余裕があるので、予備として考えていた”プランB”を考え出す……。

 

三ツ石山山頂

ひとまず三ツ石山からさらに先へ進んで、いったん三ツ石山荘まで降ります。

ちなみに南側から見る三ツ石山山頂は写真のような感じ。こちら側からだと巨岩も見えず、だいぶ印象も違います。

 

三ツ石避難小屋と紅葉

三ツ石山山頂直下に見えた三ツ石山荘。こちら側の斜面も派手に紅葉していました。

 

三ツ石山に咲いていたリンドウ

紅葉の中にも数多く残っていたのがリンドウの花。時期が少し遅かったのか花はあまり開花していませんでしたが、紅葉の中では紫色の花が目立っていました。

 

三ツ石山から眺める岩手山と大松倉山

下る途中、目の前に見えてきた山が大松倉山。緩やかな山容の山で、あの山を越えていくといよいよ岩手山の領域に入っていきます。

 

三ツ石避難小屋

三ツ石山から15分ほど下って三ツ石山荘に到着。

北側の松川コースと南側の奥産道コースはここで合流となります。

 

三ツ石避難小屋の池

目の前には池も広がる、長閑な雰囲気の中に建てられた山小屋。

 

三ツ石避難小屋・室内

三ツ石山荘の室内。無人の避難小屋ですが、小屋の中はものすごく綺麗。

ごく普通の山小屋と差し支えない清潔感がありました。

 

三ツ石避難小屋・トイレ

トイレもご覧のように男女別に分けられている充実っぷり。

避難小屋泊はこれまで全然したことがないけど、これくらい綺麗な小屋なら積極的に利用したいですね。

 

三ツ石避難小屋の湿原

 

三ツ石避難小屋の草紅葉

小屋の裏手も湿原になっていて、見事な草紅葉が広がっていました。

稜線上に草紅葉はあまりなかったので、これはこれで新鮮な景色。最後まで余すところなく錦秋風景を見せてくれます。

 

三ツ石避難小屋の分岐点

そして三ツ石山荘の分岐点に到着。

まぁここに来る頃には決まっていて、時間もまだ余裕があるのでここから左へ行く松川温泉ルートは下らずに、もう少しだけ裏岩手縦走路を楽しむことにしました。

ということで、時間が有り余った時のために用意しておいたプランB決行。分岐を直進して、大松倉山方面を目指します。

 

裏岩手連峰縦走コース・三ツ石山

三ツ石山の紅葉とはここでお別れ。

こうして傍から見ると、山全体はまだ緑が生い茂っているのに、山頂付近だけが意図的に色を塗ったように紅葉している。色づきが顕著すぎて、少し不思議な紅葉にも見えた三ツ石山でした。

 

三ツ石山から大松倉山へ

ここから先は網張コースと呼ばれる縦走路。網張温泉からリフトを利用して登ってこれるルートですが、やや距離があるのでこちらから登ってくる人はそう多くはなさそうです。

網張コースはむしろ岩手山登山に良く利用されるコース。

 

大松倉山山頂

大松倉山の山頂は稜線の途中にあるピークのはっきりしない場所でした。

標識が立てられていなければ、まず気づかなかったようなところです。

 

大松倉山から犬倉にかけての紅葉

こちら側も紅葉が綺麗でしたが、先ほどまで派手な紅葉を見せつけられていたので、これくらいではもうあまり満足できなくなってしまったぞ。

 

大松倉山~犬倉 紅葉とぬかるみの登山道

紅葉のトンネルをくぐってひたすらリフト乗り場の犬倉方面へ向かいます。

途中、分岐点も一切ない1本道で下りることもできないので、時間に余裕がなさそうなら松川温泉へ下山した方がいいです。

この道、ひたすら横移動でアップダウンこそそこまでないですが、展望もほとんどなくなく、なおかつぬかるみが激しいので精神的に結構疲れます。

 

犬倉から眺める三ツ石山方面の稜線

ようやく森を抜けて笹の道に出た時には、三ツ石山からもすっかりと離れていました。

間は省略してますが、結構距離あった気がします。

 

岩手山・犬倉分岐

それでも予定より早く14時には犬倉分岐に到着。

ここから三ツ石山方面と岩手山方面へ登山道が分かれます。

 

岩手山・犬倉山の紅葉

ただの分岐点ですが、個人的には思い出のある場所。

4年前、岩手山を登った時には、山頂から鬼ヶ城の岩稜を歩いて黒倉山~姥倉山~犬倉山と登り、向こう側からこの分岐点に到着。4年の時を経て、あの時のルートとようやく繋がった。

 

犬倉からリフト乗り場へ

4年前の縦走路と繋げられたことで、また1つ今回の登山に価値が加わって言うことなしの山行となりました。

途中まではお気軽な紅葉ハイキング気分でしたが、最後は達成感も得られてリフト乗り場へ。

 

リフト乗り場展望台から犬倉山の紅葉と姥倉山

ここに来た途端に岩手山に登った懐かしい記憶が蘇る。(2013年10月14日岩手山登山の記録)

山頂からの展望も見事でしたが、それ以上に楽しかったのが鬼ヶ城の岩稜帯。さらに黒倉山から姥倉山にかけての開放感ある稜線に感動した覚えがあります。

あの時、八幡平までの縦走路を歩いてみたいとか思った気がするけど、今回の行程と合わせたら裏岩手連峰縦走ルートの約半分は歩けたことになる。八幡平まで繋がる日もそう遠くはないかもしれないです。

 

網張温泉リフト乗り場

犬倉リフト乗り場に到着。ここから歩いても下山できるけど、網張温泉側まで歩いてこれたご褒美と言うことで躊躇わずにリフト乗車。

 

網張温泉リフト

このリフトの運行日は事前に調べておく必要がありますが、紅葉時期は基本的に毎日動かしてくれています。

それとバスに乗って帰る場合はちゃんとリフトに乗っている時間も考慮しなければなりません。山頂駅から麓に下山するまで、40分くらいかかるので。

 

網張温泉スキー場

15時に網張温泉スキー場に下山完了。松川温泉から岩手連峰を挟んで反対側へ降りてきました。

当初の予定とは変わったけど、事前に網張温泉のバスも調べておいて良かった。こちら側まで降りてしまえば、バスの乗車時間も1時間に短縮できます。

唯一の心残りは松川温泉に入れなかったことくらい。

 

網張温泉・温泉館

網張温泉本館の日帰り入浴は14時までだったので、隣の温泉館へ。バスの最終便が16時15分なのでゆっくり1時間は温泉に入れます。

 

網張温泉館

千年の名湯・網張温泉。日帰り入浴600円、露天風呂あり。牛乳あり。

良い湯でした。

 

網張温泉バス停

こうして温泉でさっぱりして16時15分発のJR盛岡駅行きのバスに乗車。三ツ石山はかなり混んでいましたが、ほとんどの人が車で訪れるようで、バスに乗ったのは自分の他に1人だけでした。

バスの乗車時間はかかるけど、今回自分がやったみたく公共交通利用でも登山は可能です。

 

盛岡駅で海鮮丼

盛岡と何の関係もないけど海鮮丼食べて今回の登山行程は終了。

 

お疲れ様でした。

 

初秋の三ツ石山・裏岩手縦走登山、文句なしの紅葉風景を拝むことができました。あまりバスを利用しての周回ルートを歩いている記事が見つからなかったけども、巻くところを巻けば松川温泉を基点に馬蹄形ルートを歩くことは可能だと思います。

さらに言えば、今回自分が歩いたように松川温泉~源太ヶ岳~三ツ石山~網張温泉という北から南に抜けるルート取りもできなくはないです。

三ツ石山の紅葉と稜線

いずれにしろ、三ツ石山に登ったらぜひとも北側の稜線も少しは散歩してみてほしいです。東北らしい雄大な稜線、というよりも高原に近い大自然が広がっているので爽快感極まりないです!

稜線好きならぜひ源太ヶ岳から歩いてみてください。アップダウンなんてご勘弁、フラットな稜線を余裕っ面で闊歩したい、なんていう方にとっては打ってつけの縦走路になっていますよ。

 

紅葉と岩手山

個人的には4年前の岩手山登山で歩いたルートと繋げられたのも大きかったです。裏岩手縦走コースで言えば、あとは源太ヶ岳より北の八幡平へ抜ける箇所だけ歩けばすべて繋がるので、いつか敢行したいと思います。

 

9月中旬にして錦秋の風景に浸れた、裏岩手縦走・三ツ石山日帰り紅葉登山でした。

 

おしまい。

 

【日程】
2017年9月22日 快晴

【コースタイム】
9:00 松川温泉
10:15 源太ヶ岳
11:30 小畚山
12:20 三ツ石山(~12:40)
13:00 三ツ石山荘
13:20 大松倉山
14:15 犬倉リフト乗り場
15:00 網張温泉

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