【東北】森吉山 樹氷広がる雪山登山と秋田内陸線で行く列車の旅

【東北】森吉山 樹氷広がる雪山登山と秋田内陸線で行く列車の旅

東北・秋田県の森吉山(標高1454m)へ行ってきました。

冬の森吉山と言えば『樹氷』。東北の厳しい環境下で作り上げられた雪と氷の造形、”スノーモンスター”とも呼ばれる巨大なモニュメントは圧巻の光景で、森吉山はそのモンスターの聖地の1つとなっています。

今回は森吉山での雪山登山と合わせて、秋田名物・内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)の列車の旅も絡めて車窓からの冬景色も楽しんできました。森吉山観光パスというお得なチケットがあるので、それを利用するのがおすすめです。

冬の東北ならではの壮大な樹氷ワールドと、冬のローカル列車の旅を満喫できた1日でした。

 

森吉山樹氷登山と秋田内陸線の列車の旅―――

 


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「東北」と「雪山」というキーワードが出てきたら絶対に外せないのが樹氷・スノーモンスター

有名どころで言えば、蔵王や八甲田山あたりですが、今回の森吉山も東北有数の樹氷の群生地となっています。去年は樹氷目的の雪山登山はしなかったので、スノーモンスターに出会えるのは2年ぶり。

公共交通機関での登山が多い人にとっては、今回のプランは強くお勧めしたいところ。樹氷シーズン中は森吉山観光パスというお得なチケットが発売されていて、秋田名物にもなっている秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)と森吉山登山をうまく絡めて旅ができるようになっています。

秋田内陸線については昨年大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」のモデルにもなっている駅があるので、知名度も急激に増したんだとか。

 

登山をする過程でたまに乗り込むローカル列車。車とは違って時間制約などがあったりしますが、その地独特の雰囲気に浸れて違った面白さがあります。

 

2017年3月5日 森吉山雪山登山と列車の旅

都内から秋田まで、当然ながら遠い道のりとなりますが、今回もうまい具合に利用できる夜行バスがあります。

それが池袋から出ている花輪・大館・能代行きの「ジュピター号」。途中の鷹巣(たかのす)というところが下車するバス停で、そこが今回の旅のスタート地点となります。

 

池袋駅を22時に発ち、空も明るくなった7時半過ぎに「いとく鷹巣ショッピングセンター」に到着。(※この1つ手前のバス停が「いとく大館ショッピングセンター」という似たような名前なので間違えて降りないように注意)

夜行バス慣れしている自分にとっては、乗車してから現地までひたすら寝ているだけなので、行く先が長野だろうが新潟だろうが秋田だろうが、身体的な負担というのは大して違わない。むしろ、7時半なんて普段よりも遅くまで寝ていられるので、体調としては絶好調な状態。

 

ショッピングセンターから駅までは徒歩10~15分くらい。ケースデンキの方へ歩いていくのが良い目印になります。

途中にコンビニらしきものは見当たらなかったので、必要なものはあらかじめ買っておくのが無難です。

 

歩いて10分ほどで鷹巣駅に到着。ここが秋田内陸縦貫鉄道の始発駅。

秋田名物にもなっている『秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)』。縦貫鉄道というだけあって、秋田県内を縦に走っている列車で、この鷹巣駅は最北端の駅になります。なので、今回はここからひたすら南下していく形になります。

 

こちらが路線図。今いる鷹巣駅から途中の阿仁合駅というところで降りて森吉山登山を楽しみ、下山後はそこから再び内陸線に乗って終点の角館駅を目指します。

逆に角館駅始発で北上するのももちろんありですが、自分が調べた限りでは、角館駅スタートだと都内からの夜行バスで始発に間に合うのがなかったので鷹巣駅を起点にしました。

これだと8時16分阿仁合駅行きのちょうど良い時間の列車に乗ることができます。

 

山奥を走る列車ではたまにある自然災害によるバス代行輸送。これもローカル線ならでは。

映画「君の名は。」のファンで聖地巡りをしている人にとっては、もしかしたらこの代行輸送は痛いのかもしれない。小渕駅~阿仁合駅の間にある前田南駅こそが、映画の中で登場する駅のモデルになった場所になります。

……と一丁前に語ってますが、自分はこの時は映画の聖地になっているなんて全然知らなくて、帰りのタクシー運転手さんからの話を聞いて初めて知りました(笑)

 

列車が出るまで30分ほど。その間にやっておくことが、こちらの森吉山観光パスの購入。秋田内陸線乗り放題と森吉山までのタクシー料金、さらに阿仁スキー場のゴンドラ料金がすべてセットになった、超お得なチケットです。

鷹巣駅内で買うことができます。乗合タクシーは事前予約制なので、前日までに予約しておきましょう。

 

今日1日はこれさえあれば怖いものなし。究極のアイテムを手に入れたような気分だぜ!

パンフレットにも書いてある通り、2017年の森吉山観光パス(冬季)は1月7日~3月5日まで。今日がギリギリ最終日。これを利用したいがために、何とかこの日に時間を作って遥々東京からやってきたわけです。

冬のローカル列車はあまり乗ったことがないので、登山前からすでにわくわく感が止まらない。

 

待ち時間も大してなく、スムーズに列車の時刻を迎える。夜行バス・ジュピター号からのこの秋田内陸線の接続は、うまくできていると思います。

登山者っぽい人は自分以外にはいなかったですが、先ほどの森吉山観光パスを買ったのは他にもう一人いて、森吉山までご一緒することになりました。向こうは登山目的ではなく明らかに列車メイン。複数台のカメラをセッティングしてせわしなく撮影している様を見て、列車へのただならぬ愛を感じました。

 

こちらが秋田内陸線の列車。終点の阿仁合駅が森吉山の最寄り駅になります。

 

内陸線の車内。ローカル線では良く見られる4シートボックスの形式。これ、足を置くスペースが狭いからあんまり好きじゃないんだけど、この日は休日だからなのか車内はガラガラで4,5人しか乗りませんでした。

先ほど自分と同じく観光パスを買った青年も隣のボックスに座ってビデオカメラをスタンバイ。なるほど、、、1台は動画用として常に車窓の風景を撮り続けるのか。

後々乗合タクシーで聞いたところ、札幌からわざわざフェリーに乗ってやってきて、こうして鉄道の旅を満喫しているようでした。以後「鉄道クン」で。

 

車窓からの風景を眺めながらのんびり向かうのも、遠征登山らしくて非常に心地よい時間。

あまり秋田内陸線の話だけすると全然森吉山に着かなくなるので、列車の旅の詳細はまた後半で。

 

駅の注意書きに記載されていた通り、途中区間が通行止めになっているので、この阿仁前田駅でバスに乗り換えとなりました。

この駅まで乗っていた乗客は7、8人でしたが、そのまま代行バスに乗って阿仁合駅へ向かったのは自分含めて3人だけでした。その一人がもちろん鉄道クン。

駅標にあるこの次の「まえだみなみ」という駅が、映画「君の名は。」にも登場した駅。残念ながらバス代行ですっ飛ばしてしまうけど、鉄道クンは想定内だったのだろうか……?

 

バス代行でも予定時刻通りに駅に着くのがすごいところ。9時14分、阿仁合駅に到着。

奥に停まっているのが乗ってきた代行バスで、手前の車が予約していた乗合タクシー。この乗合タクシーに乗ったのは僕と鉄道クンの二人だけでした。乗合タクシーへの接続含め、駅員さんとタクシー会社の方が丁寧に案内してくれるあたり、非常に好感持てました。

全力でもてなしてくれてる感じする。秋田内陸線の経営も厳しい状況っていうし、どうか機会があればこの森吉山観光パスを使って登ってみてくだされ。

 

阿仁合駅から20分ほどタクシーに乗って、阿仁スキー場に到着。タクシーで20分なんて片道だけで観光パス代になりそうな距離。列車料金、タクシー代、ゴンドラ料金含めて4800円は、公共交通利用をしてきた身としては破格の料金設定だと思います。(秋田内陸線の存続を願って全力でPR!)

ゴンドラ乗り場にでかでかとかかれた「森吉山」の文字。それ以上にその横の「ハハハ」というのに目が行くけど、これは森吉山をモチーフにして北秋田市が制作した正真正銘のPRロゴ。山をイメージしつつ人の笑い声を表現した、シンプルだけど一度見たら忘れない素敵なロゴだと思いました。(ハハハ秋田という観光ページがあったので良ければ見てみてください)

 

森吉山の登山危険個所についての案内。

観光客が散策する樹氷平までの場合は登山届は必要ないですが、それ以上登る場合は登山届が義務付けられています。樹氷平だけでも樹氷がないことはないけど、迫力は今一つ。やはり一丁前のスノーモンスターに出会うなら登るしかない。

 

当然山頂を目指すので、ここで登山届を記入。スキーレンタルの係員に提出します。

 

登山届を提出すると、このような番号が記載された登山カードをもらえます。30番ということで、すでに29組が先行して山登りをしているということか。

カードに書かれてある通り、これをゴンドラ乗り場の係員に提出。

 

このゴンドラがまたすごい。乗車時間約15分、標高差600m以上を一気に稼いで標高1160m地点まで連れて行ってくれます。

山容がなだらかな分、標高を上げるスピードもゆっくりで森吉山の豊かな森の景色を存分に楽しめる。

 

しばしの空中散歩を満喫。

そして、最初の絶景はゴンドラの中から見ることができました。

 

 

山肌がこれ以上ないくらい綺麗に白く輝く樹氷風景。

明け方まで雲が多い天気だったので、霧氷となって白い樹々が並んでおりました。

 

ゴンドラからでもこの絶景。

この先にどれだけの景色が待っているのか、期待が猛烈に高まった瞬間でもありました。

 

山頂駅に近づくにつれて、霧氷の陰から樹氷が姿を現し始める。

ここはまだスキー場のコース脇だけども、それでも上の方ではスノーモンスターの片鱗を見ることができるようになってきます。

 

10時過ぎ、ゴンドラの山頂駅に到着。

夜行バスに乗って鷹巣に到着したのが7時半だから、そこからさらに2時間半かけて秋田県内を移動して、今ようやく登山口に到着。予定を立てた時点では移動時間の多い山行を覚悟してたけど、、、

いやいや、全然そんなの苦痛に感じないほどの秋田内陸線の旅。やっぱり電車やらバスやらを駆使した登山スタイルは自分に合っているんだなと改めて認識した1日でもありました。

登山の面白さは実際に登っている時間だけが全てじゃないっていうのを、今回は特に強く感じた。

 

こちらのスキー場トップが冬の森吉山の登山口。観光客が鑑賞できるように圧雪されていたので、とりあえず何も着けずにツボ足でスタートします。

森吉山に実際に登ってみてわかったことですが、冬場はどれだけ雪が降ろうが、正規ルートを通るのであればとりあえず12本アイゼンとピッケルは必要ないです。急な斜面は皆無だったので。

その代わり、ストックとスノーシューorワカンは必須。万能なチェーンスパイクはあれば安心。

 

 

スタートするよりも前に、やはりこの美しすぎる樹氷(霧氷)風景に心奪われる。

この先で目にするスノーモンスターとは一味違う、上品な感じの景色で本当に見惚れてしまいました。

これを見れただけでも登りに来た甲斐は大いにある。

 

いざ、登山開始。

入口の番人のように1体の成長途中のモンスターが佇んでおりました。

 

横を見れば霧氷風景。標高差というのは樹々の変化を見ると一目瞭然で、奥の方には早くもお目当ての樹氷群らしき雪の塊が見えてきました。

 

どんどん登る。トレースを抜きにしても、ここら辺は雪が締まっていたので、ツボ足でも難なく歩くことができました。

上空のすぐ近くを雲が流れ、空を限りなく身近に感じることができます。

 

序盤で早くも現れ始める樹氷・スノーモンスター。写真のこれは成長途中ではあったけども、左の方へ向かってノソノソと歩いている感じがして、一番モンスターっぽく見えた。

 

う~ん、どうしても振り返ってしまう霧氷の世界。

だいたい霧氷というのは夜明けから明け方の早い時間帯にだけ見ることのできる風景。日差しが照り付ける日中は溶けて消えてしまうので、この日も帰りに来た時にはだいぶ消えてなくなってました。

 

霧氷ゾーンに別れを告げて、ここからいよいよ樹氷のメインどころに突入。

穏やかな斜面を登って行く先に、徐々に雪のモンスターが現れてきます。

 

 

冬の森吉山のメインとなる樹氷の世界に飛び込む。

序盤の樹氷は黒々とした部分もありましたが、ここら辺まで登ってくると樹全体が雪で覆われて真っ白いモンスターになります。

 

 

森吉山の樹氷。大量の降雪と猛烈な吹雪によって樹々が凍り付き、こういった摩訶不思議な雪のモニュメントを作り出す。

ここまで大きくなった樹氷はもはやお化けのように例えられ、スノーモンスターとかアイスモンスターと呼ばれるものになります。このモンスターを見ることができるのは日本国内では限られていて、そのほとんどは東北の山。

この森吉山以外にも、有名どころでは蔵王山とか八甲田山とか吾妻山とか。

 

整然と立ち並ぶ樹氷群。

過去に蔵王山吾妻山でスノーモンスターを見たことはあるけど、それに比べるとここのモンスターたちはスタイリッシュな感じ。

その日のコンディションだろうけど、何というか全体的に痩せマッチョでスタイル抜群のモンスターが揃ってました。

 

モンスターたちの横をすり抜けるように登って行く。

あまりモンスターに近づきすぎると、床が抜けて雪に埋まるので要注意。場所によっては洒落にならないくらい、深い穴に落とされます。

 

スマートな体型をしているので、奥行きが見通しやすい。

はるか奥まで樹氷の群生が続いているのが見て取れました。

 

振り返ってみるモンスターたち。

見ている方角は日本海の方になりますが、森吉山より西に高い山がないのでかなり遠くまで見通せます。

秋田の山というと、有名どころでは鳥海山を思い浮かべますが、この森吉山よりははるか南。ここは秋田の中でも青森や岩手に近い位置になります。

 

 

この後も樹氷に囲まれた道を登って行く。

ゴンドラ駅からスタートすると、最初に見える小高い丘が石森という場所で、そこに到達するとまた景色が一変してすごいことになります。

 

こちらが石森からの風景。

奥に見えるこんもりした山が森吉山山頂。目先にある広大な稜線がなんともそそられる景色。

 

そしてそれ以上に感動させられたのが、この整然と立ち並ぶモンスターたち。

近くで見るモンスターは1つ1つの大きさに圧倒されると、遠巻きに見るとその群生の規模に度肝を抜かす。

凄まじい景色に思わず声を上げてしまう。

 

緩やかな山容でその全貌を捉えることができるので、先行者も良く見えます。

雪のモンスターのすぐ脇を通っていく登山者たち。

 

これも東北ならではと言える、広大で緩やかな稜線を登って行く。

雪がない時期でもここら辺はさぞ気持ちよさそうな風景が広がっているんだろうな~、と想像を膨らませると花の時期にも来てみたくなります。

 

 

本当に圧巻の光景。

日本屈指の樹氷と言えば蔵王山や八甲田山が有名なんだろうけど、ここも間違いなく樹氷の聖地と言える山。

 

 

この穏やかな稜線美も見逃せない。

雄大という言葉がピッタリの開放感ある道が続きます。

傾斜は緩やかですが、この手の広い道はガスに巻かれると途端に方向感覚がなくなるので、それだけ注意が必要。途中途中に目印のポールが立てられているので見逃さないように。

実際、ガスによって正規の登山ルートを見失って遭難事故も起きています。

 

 

雪に埋まった阿仁避難小屋に到着。小屋の埋まり具合からも、相当な積雪量であることがうかがえます。

この小屋からの眺めもまた圧巻。

 

 

山頂直下に立ち並ぶスノーモンスターの群生地、それを俯瞰できる絶好の展望スポット。

1つ1つのモンスターの大きさも徐々にですが大きくなっていきます。

 

 

ツクシのようにぴょこぴょこと生えた樹氷群。

日常とはかけ離れた世界観。

 

スノーモンスターの脇を通って山頂を目指す。

道は相変わらずの圧雪で歩きやすかったけど、ここら辺まで来ると足も膝下まで埋まりだしたのでワカン使いました。

森吉山はバックカントリーで登る人が多いので、ほとんどの人はスキーもしくはスノーシューで登ってます。列車の旅の中でスノーシューを持ってくるのはさすがに邪魔だったのでやめましたが、ワカンだけでも十分登れました。スキー場でスノーシューレンタルするのもありです。

 

光り輝く森吉山山頂。

風はほとんどなかったですが、雲の流れるスピードが速かったので、日差しの移り変わりで色々な景色を見れました。

 

振り返ってみる樹氷群。

シュプールが色々と描かれているあたり、ここら辺は気持ちよく滑れるんでしょうね。

スキーがうまくなれば雪山の幅は確実に広がるので、羨ましく思いながら人の滑りを見てました。

 

山頂までの直登。

……と言っても、大して傾斜のない緩やかな斜面。

 

ゴンドラに乗って来たのもあるけど、全体的に道が緩やかなので、終始疲れを感じることなく樹氷狩りに没頭することができます。

 

山頂手前にいた雪のゴジラ。

この樹氷群を越えると、山頂までは広大な雪の斜面になります。

 

ラスト山頂までのビクトリーロード。終始雲が多い空模様でしたが、ガスられることなく登れて良かったです。

 

11時40分、森吉山山頂に到着。巨大なエビの尻尾が普段の気象条件の過酷さを物語っていました。

ゴンドラ山頂駅からは歩いてだいたい1時間30分ほど。登山行程としてはかなり短いので、天候さえ気を付ければ体力的にはそれほど求められる山でもなかったです。

一応、日本二百名山に選定されている山。

 

山頂からの風景。雲が多かったので写真ではそれほど写ってはいませんでしたが、この日は青森・岩手県方面が比較天気が良く、八甲田山あたりは肉眼で見ることができました。

何より雪国なだけあって、四方八方が見事な雪景色。秋田の内陸に位置しているのもあって、周辺は山ばかりでした。

 

後ろから登ってくる登山者。

スキーを履いて登ったり、ボードを担いで登ったり、はたまたスノーシュー履いて純粋に登山を楽しんだり、みんなそれぞれのスタイルで山登りを楽しんでいました。

 

スノーモンスターに囲まれた中で休憩している人をパシャリ。

だいたい森吉山のモンスターの大きさはこれくらい。規模と大きさ共に吾妻山と同じくらいでした。

そう考えると、やはり蔵王の樹氷は別格と言わざるを得ない。

 

2015/2/21 蔵王の樹氷巡り登山

見上げるほどの樹氷。

年々降雪量が減っているという噂もあって、森吉山も本来ならこれくらいのモンスターは育つのかもしれません。

今回に限っては蔵王に比べたら小ぶりだったけども、それでも東北ならではの景色に触れることができたので登りに来た意味は十分にありました。

 

下山途中にまさかの雪が舞う。。。

ガスったら少し厄介だと思ってたけども、それも数分で少し経てばまた青空が戻ってきてくれました。

 

 

振り返ってみる森吉山の樹氷群。こうして遠目で見ると、本当にたくさんの樹氷が立ち並んでいるのがわかります。

天気も途端に雪が降り始めたりして安定しなかったけど、逆にそういう天候下でなければこれほどの樹氷が育たないのだろうな~、というのもあったり。

東北の冬の天候の厳しさを垣間見ることもできた一幕でした。

 

阿仁避難小屋に戻る。

大半は埋まってますが、入口は誰かが頑張って掘っていたので入れるようになってました。

 

 

何度も振り返ってしまうこの景色。

樹氷に加えて東北ならではの穏やかな稜線と、自分好みの景観が詰まった景色でした。

 

 

あとは穏やかな稜線を歩いて石森へ。

森吉山は花の百名山にも選ばれているあたり、初夏の季節にはこの稜線も凄まじいお花畑が広がるんでしょうね。

そう思うとますます夏の森吉山へも登りたくなりました。冬季の観光パスは今日まででしたが、夏季も観光パスが発売されるそうなので、同じようにそれが使えます。

 

最後に石森からの森吉山全景を拝めて樹氷ワールドを後にする。

登山行程としては短かったけども、素晴らしい景色に浸れたコースでした。

 

森吉山登山道から望む風景。

鳥海山は残念ながら見れなかったので、またの機会のお楽しみに取っておきます。

 

樹氷・スノーモンスター狩りを楽しんで、ゴンドラ駅に帰還。

麓にスキー場があると、レストランなんかも頼れるし安心感があります。

 

ゴンドラに乗ってスキー場麓へ下山。

文明の利器に頼って、美味しい所だけ頂ける冬の森吉山雪山登山でした。

 

13時40分、阿仁スキー場に下山完了。

帰りの乗り合いタクシーは14時30分のを予約していたので、それまで着替えたりレストランで食事したり、時間つぶしました。

麓がスキー場だといくらでも時間が潰せるので有り難いです。

 

阿仁スキー場の売店で売られていた森吉山の登山バッチ。430円という、割とリーズナブルなお値段で売られていました。

日本百名山には選ばれていないものの、次点の日本二百名山の1つであり、花の百名山にも選ばれているのでブランド力もなかなか。

その山容を見ても、穏やかな稜線が敷かれたあたり個人的にも好きな部類の山でした。

 

こうして14時30分の乗合タクシーに乗って再び阿仁合駅へ。土合駅を思い出させる綺麗な三角形をした駅舎です。

行きで一緒になった鉄道クンは1本前の12時30分のタクシーに乗ると言っていたので、帰りは別の方とご一緒になりました。

そして、この方から秋田内陸線がアニメ映画「君の名は。」の舞台になったと教えてもらったわけです。

下調べを大してしなくても、色々と情報を仕入れられるあたりに公共交通利用の楽しみがあったりもします。

 

阿仁合駅の駅前。特に商店とかもない、ごく普通のローカル駅です。

駅横に「内陸線資料館」という施設がありました。

 

こちらは駅の待合室。

秋田内陸線でここまで充実した駅舎はほとんどなく、大抵は駅舎もない無人駅が基本です。

観光パスは持ってましたが、次に乗る列車が特急だったので特急券だけ別で購入しました。…といってもたったの300円(安すぎる!)

 

待合室横にお食事処も用意されています。

洋食レストラン「こぐま亭」。ここのオムライスは評判と聞くので、機会があれば食べてみてください。自分は乗り換え時間がそれほどなかったので、ゲレンデのレストランでうどんを食ってしまったけど、ちょっともったいないことをしたかもしれない。急いで食べればいけたかも……

 

代わりに駅売店で売られていたこちらの「おかしないまんじゅう」を購入。

秋田内陸線の車内でも推していたお土産品だったので気になっていたけども、ちょうど阿仁合駅で売られていたので買ってみました。

列車を待つコーヒーブレイクにはちょうど良いおやつ。

 

秋田内陸線の証としてスタンプがあったので、迷わずゲット。

こういうのを集めだすと、日本各地域のローカル線を巡りたくなってしまう。。。

 

 

秋田名物・秋田内陸線。売店にはいろいろなお土産品が売られていたので、列車の待ち時間もそれほど苦にならないと思います。

 

駅舎内に飾られていた秋田内陸線のフォトギャラリー。

色々な季節の列車風景が並んでいました。

 

その中に、なぜかくまモン(笑)

右の赤いのが秋田内陸線のゆるキャラ「ないりっくん」

 

ここから再び秋田内陸線に乗車。行きの続きで、ここからさらに南下して角館駅を目指します。

ちなみに、森吉山で別れたと思っていた鉄道クンがこの列車に乗車してきました。

どうやら1本前の列車で前田南駅方面へいったん戻っていた様子。聖地を巡っていたんでしょうかね?本数の少ないローカル列車、戻ったりする手もあるのか。。観光パスをフル活用している感じでした。

 

秋田内陸線のプラットホームからの景色。

ローカル列車というただそれだけで趣きがあります。

 

こちらが乗った車両。行きで乗った列車とは全然違う派手な装飾の車内でした。

一応、特急列車になりますが、座席の配置などは特に変わりはなし。それでもフリーWi-Fiが使えたりと割と新しめの車両で、実は1日数本しか走っていないリニューアルしたばかりの特別車両でした。

 

北から南へ秋田内陸を大移動。

 

可愛らしい装飾は地元の小学生たちが作ったものらしいです。

 

装飾以上に気になったのが、この秋田犬の写真。30~40枚くらい飾られて、これを全部見るだけでも時間つぶせたよ。

全部子犬の写真で、モフモフ具合にとても癒されました。

 

列車が出発したと同時に配られた「秋田犬っこ列車乗車記念証」。先月運行が開始された車両だったようで、たまたまでしたが運よく乗ることができました。

この証明書は4月中旬まで配っているとのこと。

 

再び車窓からの風景を楽しむ。陸橋を渡ったり、長いトンネルを抜けたり、景色の変化としては阿仁合駅~角館駅の方が見ていて面白かったです。

 

地方の駅らしい無人のプラットホーム。

内陸線のほとんどがこんな感じの駅で、駅舎がある鷹巣駅や阿仁合駅がむしろ稀。

 

 

 

特急列車はまさかの車内販売がありました。

車内の造りとか全く同じだったけど、これだけで特急感が出る。

 

鉄道クンが降りて行った阿仁マタギ駅。もうじき日没を迎える時間ですが、まだいろいろと巡るようです。なんか登山をした自分以上に体力を使ってそうに見えました。

ちなみにここは打当温泉という温泉がある駅になります。

 

角館が近づいてくると同時に見えてきた秋田駒ヶ岳。正解は白岩岳のようです。(コメントでご指摘いただいたあわさん、ありがとうございます)

 

こちらは岩手山。こちらが秋田駒ヶ岳でした。

2年前の夏に秋田駒ヶ岳~乳頭山を縦走したけど、花と稜線の楽園でものすごいお気に入りとなった山。またいつか再訪したい。

夕暮れ時の冬景色を見ながら南下していく内陸線。

経営難で存続が難しい路線でもあるとのことだけど、どうか頑張って続けてもらいたい。

 

こうして16時半過ぎに終点の角館駅に到着。

 

1日費やして鷹巣~角館まで秋田内陸線を縦断完了。

登山をしていた時間と同じくらい列車移動を楽しんだ1日でした。

 

陽が沈みかける角館駅前。

角館は武家屋敷と桜並木が有名な観光地。都内からの直通バスもあります。

 

 

無事に終点の角館駅に到着して、この日の山旅もおしまい。

今回のように公共交通機関を利用して東北遠征登山がしたいのであれば、森吉山はぜひともおすすめ!冬は樹氷、夏は高山植物、森吉山観光パスさえあれば秋田内陸線の列車の旅と合わせて大いに楽しむことができます。

電車に乗っている時間がただのつまらない移動ではなく、ローカル線ならではの景色に浸りながら旅行感覚で楽しめたので、普段の日帰り登山以上に中身の濃い1日になった気がします。

 

お目当ての森吉山の樹氷・スノーモンスターも期待以上のスケールでした。穏やかで広々とした稜線も自分の好きな所でもあったので、いつか夏季版の森吉山観光パスも利用して行ってみたいです。

 

こういった列車の旅を絡めた山登りは、今後も機会があれば計画立てて行こうと思います。

 

 

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【日程】

2017年3月5日 晴れ時々曇り

【コースタイム】

阿仁スキー場ゴンドラ山頂駅(10:00) — 森吉山(11:40) — 山頂駅(13:15)

 

 

 

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