【中央アルプス】三ノ沢岳 ナイフリッジの稜線を行く日帰り雪山登山

【中央アルプス】三ノ沢岳 ナイフリッジの稜線を行く日帰り雪山登山

2017年のゴールデンウィーク前半は中央アルプスの三ノ沢岳(標高2847m)へ登ってきました。

木曽駒ヶ岳や宝剣岳と同様に、通年運行している駒ヶ岳ロープウェイを利用して千畳敷から日帰りで登ることができる三ノ沢岳。中央アルプス主稜線からは外れた位置にあるため、知名度はそこまで高くはないですが、稜線から孤立しているが故にその端正な山容は見事で、独立峰のように凛々しい姿を見ることができます。

GWになってもまだまだそこは冬山の世界。序盤の急登に始まり、ナイフリッジの稜線やトラバース路など、雪崩や滑落の危険を伴う雪山登山はなかなかの難易度でしたが、木曽駒ヶ岳や千畳敷カールとはかけ離れた静けさがそこにはありました。

 

中央アルプスの静かな孤峰・三ノ沢岳―――

中央アルプス・三ノ沢岳のナイフリッジを行く雪山登山

 


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遡ること2ヶ月前、そろそろ桜の開花も始まろうかという3月中旬のある日のこと、

「GWのご予定はいかがですか??」

まさき

雪山からの使者さながらに、この男(まさき)からこんなお声がけがかかった瞬間、今年のGWに雪山登山が組み込まれることが確定。

2014年の北アルプス表尾根縦走、2015年の北アルプス槍・北穂高登山、それに続くGWのアルプス雪山登山第3弾が開催となりました。

 

紆余曲折あって登ることにした山が中央アルプスの『三ノ沢岳』になったわけだけども、三ノ沢岳と聞いてパッと位置がわかる人もそう多くはないはず。

かくいう自分も今回の山行を決めるまでは、特にその存在を意識したこともなかった山でした。

 

それでも何度かこの山は目にしていて、昨シーズンの冬の木曽駒ヶ岳の山頂に立った時もそう。

スーッと雲が取れて目の前に中央アルプスの白銀の稜線が姿を現した瞬間。天を貫く宝剣岳と遠くでずっしりと構える空木岳、それに並んで確かに三ノ沢岳もいた。

木曽駒ヶ岳から見た三ノ沢岳

 

今回はそんな場所にある、三ノ沢岳です。

これまで特に意識をしなかった山でしたが、この日を境に自分の中で特別な存在にもなった登山でした。

 

2017年4月30日 中央アルプス・三ノ沢岳 雪山登山

三ノ沢岳へ登るルートは基本的には1つで、木曽駒ヶ岳同様に千畳敷からのスタートになります。

そんなわけで、もう何度目かの菅ノ台バスターミナルへ。

 

菅ノ台駐車場

朝7時の菅ノ台バスターミナル駐車場。駒ヶ岳ロープウェイへ向かうには、ここからバスに乗り換えになります。

 

菅ノ台 バス・ロープウェイチケット売り場

バス・ロープウェイチケット売り場の行列。GWということでたくさんの人が始発便に乗るべく、販売開始前から並んでおりました。

この時期の始発のバスは7時15分ですが、人が多くて7時過ぎに臨時便を出してくれたのでそれに乗車。

 

駒ヶ岳ロープウェイ

バスの臨時便に合わせて、ロープウェイも7時50分の臨時便に乗れました。この時期のロープウェイは8時から17時までの営業で、1時間に2便(毎時00, 30分)出ています。

 

木曽駒ヶ岳・千畳敷

8時過ぎにロープウェイの山頂駅である千畳敷に到着。雪山に登るならできればもう少し早く動きたいところだけど、こればっかりは仕方ない。通年でロープウェイを動かしてくれてるだけでも感謝です。

ここにはホテルもあって、こちらも通年で宿泊が可能になっています。

 

冬の木曽駒ヶ岳・千畳敷カール

例によって、まずは目を奪われるのが目の前に広がる千畳敷カール。雪のある時期に来るのはもうこれで3回目ですが、何度見ても壮観で素晴らしい眺め。

 

冬の千畳敷カール・八丁坂

よく見ると、すでに核心部でもある八丁坂の急登に取り付いている登山者を発見。おそらくホテルに前泊していた人だと思いますが、先陣を切ってカールの急斜面に斬り込んでいく姿が勇ましく見えました。

 

千畳敷から極楽平への登り

惹かれる雪のカールだけども、今回自分たちが行くのはこっち。

千畳敷カールとは逆の斜面で、三ノ沢岳へ行くにはこちらを登って行きます。到着時はまだ足跡1つありませんでした。

 

準備する傍らで、登山指導員からもルート情報を聞く。雪崩のリスク、稜線上のルート取りとかとか…

2年前のGWにも木曽駒ヶ岳には登りに来たけども、その時とは積雪量がまるで違う。ここ数日間で雪もまた降り積もったようで、歩ける箇所もその時によって日々変わる。

 

千畳敷から極楽平までの想定ルート

まず目指すのは目の前の斜面を登り切った極楽平。そこまでの大まかなルートはだいたいこんな感じで行くことにしました。

 

三ノ沢岳登頂アタック開始

そんなわけで8時40分、三ノ沢岳目指して登山開始。

今回ご一緒する、まさき、岳、きりちゃん、どうぞよろしくmm

 

千畳敷から雪崩多発地帯へ

一歩先へ進んだその瞬間から、すでに危険と隣り合わせの冬山フィールド。

残雪期とは言え、ここ数年のゴールデンウィークと比べたら確実に雪の量が多い状況。この前日にも白馬大雪渓で雪崩事故が発生していたし、最初から最後まで油断ならない。

 

極楽平までの直登

まずはいきなり雪の斜面を直登。ウォーミングアップなしに、いきなり心臓破りの坂から始まります。

少し前を歩く人たちはこのまま宝剣岳まで直登していたので、途中でトラバース路に入ったのは自分たちだけでした。

 

雪の千畳敷カールと登山者

横から見る千畳敷カール。あちらも続々と後続者が核心部へと入って行くのが見えました。

 

極楽平への雪の直登

見上げるほどの傾斜。足元を見ればゴロゴロと雪の塊が落ちているし、ここはノンストップで登り切るに限る。

上の方で湯気のように沸き立っているのは、強風によって舞い上げられた雪煙です。上はかなり風が強そうで……

 

雪の伊那前岳

宝剣岳に向かう登山隊たち、そのバックに大きく聳えるのが伊那前岳。こういうワンシーンを見るだけで、人間が自然に対してあまりにも小さい存在であることを痛感させられる。

雪を纏うと余計にスケールも増して見える。

 

極楽平へのトラバース路

急登を登り切り、問題のトラバース路に入った。

ここから南に進路を取って、稜線に出れそうなポイントを探る。

 

中央アルプス・極楽平へのトラバース路

下から見る雪庇

遠目に見るとわかりづらいけども、稜線には大小様々な雪庇が出来上がっているので、取り付くポイントは割と限られてる。

ここ数日の降雪で雪庇も再構築されたようで、このあたりは日々ルート工作も変わってくると思います。

 

上から見下ろす駒ヶ岳ロープウェイ・千畳敷駅

後ろを振り返ってみるとなかなかの高度感。直登してきただけので、まだスタート地点のロープウェイ駅が眼下に見えます。

やはりこちら側へ来る人はあまりいないようで、自分たちの後ろを歩いてくる人はいませんでした。

 

雪煙舞う極楽平

登り切れそうな箇所を見つけて稜線に取り付く。

……と、同時にそれを遮るかのように強風が吹き荒れて雪煙が舞い上がる。

極楽平まででさえ、そう簡単には登らせてくれない。

 

雪の極楽平へ

強風にさらされながらも、どうにかよじ登る形で稜線に出る。

先行き不安な風ではあったけども、予想に反してこの強風は長続きはせず、次第に弱まってくれたのは幸いでした。

 

中央アルプス・雪の極楽平

30分ほどの急斜面を制して稜線に出る。

この開けた場所が浄土平で、目の前に忽然と白き山が姿を現す。

 

中央アルプス・冬の三ノ沢岳

この山こそ、今回登りに来た三ノ沢岳

こうしてしっかりと目にするのは今回が初めてだったけども、何という美しいシルエット……!!

仙丈ヶ岳のような優雅なカールを持ち合わせながらも、その頂きは武尊山の剣ヶ峰さえ彷彿させる鋭さ。この山の存在を今まで無視していた自分が恥ずかしいぜ……

 

中央アルプス・雪の三ノ沢岳

こんな形で一応稜線伝いに繋がってはいるものの、途中で大きく切れ落ちているので、その佇まいは独立峰のようにさえ見える。

主稜線から外れて孤立して佇んでいるあたり、”中央アルプスの孤峰”という言葉がピッタリの存在。

山頂を目指すなら大きく登り返さないといけないので、夏場でもあちらへ行く人はそう多くはないようです。(標準タイムで片道1時間40分の道のり)

 

極楽平から空木岳方面の稜線

この極楽平は中央アルプス縦走路で言えばただの通過点。こちらは南の空木岳へと向かう方面ですが、さすがに冬に歩いている人はほとんどいないであろう領域。

 

極楽平から宝剣岳方面へ

三ノ沢岳へ行くには宝剣岳方面へ。急斜面を登り切っても、本当の核心部はここから。

 

極楽平から三ノ沢岳の稜線へ

誰もいないノートレースの雪原を横切って、宝剣岳から伸びる尾根の方へと移動。

 

中央アルプス・雪の三ノ沢岳

三ノ沢岳とこれから歩く稜線の全貌が見えてきた。

 

三ノ沢岳のナイフリッジ

三ノ沢岳へと至るナイフリッジの稜線。この尾根道が三ノ沢岳の山頂へとつながる唯一のルート。

見たところ仙丈ヶ岳で見た雪の稜線よりも狭く切れ落ちた道……。一筋縄では到底いかないけど、三ノ沢岳に登りたければここを行くしかない。

 

三ノ沢岳へのルートファイティング相談

稜線に突入する前にルートについて作戦会議。どこをどう行くか、その場に行ってみないとわからないことも多いけど、遠目でもある程度の想定をしておくのとしておかないのとでは雲泥の差だと思うの。

登山指導員との話では、ナイフリッジが少しでも潰れていたら稜線の真上を歩けなくもないってことだったけど、刃先が尖りすぎているので、どうやらそれは無理そう。

 

冬の中央アルプス・三ノ沢岳

城のように勇ましく鎮座する三ノ沢岳。中央アルプスの盟主は木曽駒ヶ岳じゃなくてこいつなんじゃないかとさえ思える圧倒的な風格。見れば見るほど気圧されて怖くもなるけど、やはりこの雄姿に魅せられる思いも強い。

 

三ノ沢岳のナイフリッジへ突入

最後まで行けるかわからないけど、とりあえず山頂目指して稜線に突入。

 

中央アルプス・三ノ沢岳のナイフリッジ

まずは北側の斜面をトラバース。向かって写真右側が北斜面、左が南斜面。

基本的に北側斜面が切れ落ちているので、できれば南側を歩きたいけど、序盤は雪庇も作られてしまっていたので、北側を歩かざるを得ない。

 

中央アルプス・三ノ沢岳のナイフリッジ

いきなり緊迫した道に差し掛かる。

最初に言ってしまうと、三ノ沢岳の稜線上で一番怖く感じたのが、この入口のナイフリッジ箇所。仙丈ヶ岳の痩せ尾根なんて比じゃないくらい緊張したわ、、、

 

三ノ沢岳のナイフリッジ 切れ落ちた北側斜面

少しでも足を滑らせたら、もうおしまい。切れ落ちて下も見えないのでまず助からないでしょうね。。

過去の三ノ沢岳の記録を見る限り、GWに入る頃には雪も減って稜線の上をなぞって歩けた年もあるみたいだけど、今年は雪も豊富なのでそうもいかない。

怖いので極力下を見ないで進む。

 

三ノ沢岳のナイフリッジ通過中

途中途中に岩場もあるのが、また嫌らしい。

残雪期とは言え、やっていることは厳冬期と何ら変わらない冬山登山。ピッケルやアイゼンを駆使しての雪山は、今シーズンはおそらくこれで最後だろうけど、最後にして難易度としては一番高いものを持ってきた気がする。

 

三ノ沢岳 雪山登山

緊張感のある急峻な稜線が続く。

この時になると風も気にならないほど弱まってくれたのは助かった。強風が続いていたら、ここの通過も危うかったかもしれない。

 

残雪の三ノ沢岳・ナイフリッジ

ナイフリッジという言葉通り、刃のように鋭く尖った雪の尾根を進んでいく。

もう少し雪が解けて雪庇も消えてくれたら刃先を歩けるんだろうけど、この時のコンディションでは無理でした。

 

ゴールデンウィークの三ノ沢岳 雪山登山

最初の核心部を過ぎてやや広めの場所に出ると一呼吸おける。

南側は比較的緩やかな斜面になっているので、北側にさえ入り込まなければそれなりに安心感があります。

 

三ノ沢岳の稜線から見る空木岳方面

その南側の展望。奥に見えているのは木曽駒ヶ岳と並んで日本百名山にも選ばれている空木岳

眼下には雄大なカールも広がっています。

 

中央アルプス・雪の空木岳

左奥に見えている一番高い峰がおそらく空木岳。

GWになってもなおこの雪の量。見栄えとしては北アルプスと変わらない白銀の世界でした。

 

雪の中央アルプス・三ノ沢岳 日帰り登山

まだまだ先は長いので突き進む。

ここから先は基本的に南側へ取り付くので滑落の危険は減るけど、道は引き続き狭い尾根なので油断はならない。

 

三ノ沢岳の雪の稜線をトラバース

ここから最鞍部のコルまでのルート取りは人によって分かれるかもしれないです。

稜線を伝って刃先を潰して歩けなくもなかったけども、途中途中にやっぱり雪庇が見受けられたので、自分たちは斜面をトラバースすることにしました。

 

三ノ沢岳山頂へ 稜線をトラバース

誰もいない道なき道を進んでいく。自分たちで足跡を付けていくのは雪山登山の1つの醍醐味でもあったりするけど、それをGWのアルプスで行えるというのは非常に幸運だと思った。

人が少ないとは予想していたけど、まさかの貸し切りとは思わず、これもまた三ノ沢岳を選んで良かったと思えた瞬間でした。

1人では絶対に来ようとは思わなかっただろうけど……

 

三ノ沢岳の稜線を通過

例によってこの手のトラバース路は雪が崩れてもおかしくはないので、ノンストップで突き進む。

 

三ノ沢岳の稜線のコル

コルに差し掛かるあたりで良さげな休憩ポイントがあったので、ここで小休止。ここからまた標高差200mほどを登り返すことになるので、休めるところで休んでおく。

 

宝剣岳~三ノ沢岳の雪の稜線

休憩ポイントから歩いてきた稜線を振り返ってみる。

ここまでは基本的に下りメインだったけども、気が抜けな道が続いたので精神的に結構疲れました。

 

裏側から見る木曽駒ヶ岳

普段あまり見ることのない西側からの木曽駒ヶ岳。千畳敷方面からは見れない、いわば木曽駒ヶ岳の裏側にあたるところだけども、裏の顔は鋭く切り立った岩峰となっていました。

 

雪の御嶽山

北西の方向に浮かんでいるように見えたのが御嶽山。2014年の噴火以来、複雑な思いで眺めるようになった山。

雲なのかわからないけど、噴煙のようなものも見えました。

 

三ノ沢岳 雪山登山

少し休んだ後に登頂アタック再開。

ここからは再び標高を上げるために急坂を登って行きます。近いようで、山頂はまだ遠い。

 

三ノ沢岳 雪の急登

風もなく日差しが照り付けて暑さとの戦いになった登り坂。体力的にはきつい所ではあったけども、稜線の前半に比べると雪崩も滑落の危険も少ないので、精神的な余裕はありました。

 

雪の三ノ沢岳

しばらくの急登を乗り越えて、道が緩やかになってきたら山頂ももうすぐ。

目の前には穏やかな稜線と青空が広がるのみ。

 

三ノ沢岳 山頂手前のケルン

山頂の手前に慰霊碑のケルンがありました。稜線上で目印となったのはこれくらい。

 

三ノ沢岳 ケルンの石碑

石碑に刻まれた文字。若くして山で命を落とした3人の青年の名が記されていました。

 

中央アルプス・三ノ沢岳 雪山登山

山頂手前も気が抜けないトラバース路が続くけども、もうここまで来たら登頂は目前。

 

三ノ沢岳の山頂へ

先陣を切って歩いたまさきがピークへたどり着く瞬間。

……と思っていたけども、これは偽ピークでした。

 

冬の三ノ沢岳山頂

本当の山頂はこちら。これが本当に最後のビクトリーロード。

GWにこれだけ静かな登頂を許してくれる山もそう多くはないはず。貸し切りという最高の贅沢を頂けました。

 

冬の三ノ沢岳山頂

冬の三ノ沢岳山頂標識

11時10分、ひとまず無事に三ノ沢岳山頂に到着。スタートから2時間半での登頂ではあったけども、もっと歩いたんじゃないかってくらい中身の濃い充実した山行でした。

山頂は花崗岩がひしめく場所って聞いてたけど、ここもまだ雪がたっぷりと残っていて、標識がわずかに顔を出しているのみ。

 

三ノ沢岳登頂完了

これから帰りもあるのでまだまだ油断はならないけど、ひとまず登頂お疲れ様。

こうして仲間と一緒に登れて本当によかったわ。一人では間違いなく来ようとは思わなかった山だったし、そもそもGWの雪山にはもう拘りもなかったので、誘われなければ雪山にさえ登っていなかったであろう休日。

雪の三ノ沢岳に登っているのが自分自身意外でもあったけど、やはり体力が充実しているうちにこの手の雪山は登っておきたいというのもあるので、足並みそろえて登ることができて良かったです。

 

三ノ沢岳山頂から眺める空木岳への稜線

山頂から眺める空木岳への稜線。中央アルプスの稜線は幕営が禁止されているので、北アルプスや南アルプスに比べるとやや縦走しづらいルートではあるけども、こうして眺めていると少しだけ歩きたくなった。

何より空木岳に関しては、3年前に日帰りで登った時にズタボロにやられた思い出があるので、できればもう一度訪れて澄ました顔で登ってやりたい山。

 

三ノ沢岳山頂から眺める木曽駒ヶ岳~宝剣岳

目を引くのがこの木曽駒ヶ岳~中岳~宝剣岳の展望。今回初めて目にした西側からのこの姿、新鮮で迫力ありました。

登山口となる千畳敷から見ると裏側にあたりますが、木曽側から眺めているあたりは、これが本来の木曽駒ヶ岳の姿なのかもしれない。切り立った断崖絶壁の景観は、三ノ沢岳に登らないとまず見れない景色です。

 

天狗荘と宝剣岳

よく見ると宝剣岳の横に建てられた天狗荘の赤い屋根、さらに中岳へと登る登山者も見えました。

天気もいいし、あちら側はかなり賑わっているんでしょうね。

結局、この日に三ノ沢岳に登りに来ていたのは自分たち以外ではバックカントリーのボーダー1人だけでした。

 

三ノ沢岳山頂から眺める御嶽山

三ノ沢岳から眺める御嶽山。

春特有の霞も手伝って、本当に浮いているように見えました。

 

三ノ沢岳山頂から千畳敷へ下山

風も弱かったので、山頂でお昼休憩を取ったのち、再び気を引き締めて下山開始。

来た道をそのまま戻ります。

 

三ノ沢岳から望む木曽駒ヶ岳~中岳~宝剣岳

単に引き返すだけでも、目にする景観はまるで違う。

眼前に聳える木曽駒ヶ岳~宝剣岳が、とにかく絶大な迫力でした。中央アルプス主稜線から外れた位置にあるが故に、こうして中央アルプスの峰々を俯瞰できるのも三ノ沢岳の醍醐味。

 

中央アルプス・三ノ沢岳の稜線

こんな感じで広く穏やかな稜線が続けば三ノ沢岳もかなり楽に登れるんだろうけど、基本的には痩せた稜線が続くので、同じ冬場でも木曽駒ヶ岳ほど簡単な道のりではないです。

 

三ノ沢岳のナイフリッジ

序盤で緊張したナイフリッジ。気温上昇で雪も緩んでいたので、帰りの方が怖いくらいでした。

登り返しも辛く、行きと同じくらい体力を削られた下山となりました。

 

中央アルプス・極楽平

久しぶりの雪山登山靴+アイゼンはやっぱり足が重く感じる。ヘトヘトになりながらもどうにか極楽平まで戻ってきた。

 

中央アルプス・極楽平からの南アルプスの展望

朝方は濃い霞で見れなかった南アルプスも、この時はぼんやりと白き山並みを見ることができました。

思えば2017年最初の登山が向かいに聳えている南アルプス・仙丈ヶ岳。今シーズン最後の雪山を反対側の中央アルプスで迎えるというのも、なかなか良いじゃないか。

 

極楽平から千畳敷ロープウェイ駅へ

ここまで戻ってきたら、あとは千畳敷へ下山するのみ。雪が崩れた跡が生々しいけど、雪崩らしい雪崩は発生しなかったようで何よりです。

 

GW残雪登山 中央アルプス・雪の三ノ沢岳

最後に三ノ沢岳を見納め。見れば見るほど美しく勇ましい山でした。

木曽駒ヶ岳山頂からこの山に目がいかなかったのも、こうして登ってみると少しだけわかる。三ノ沢岳の魅力を最大限に引き出してくれるアングルはおそらくこの極楽平からだと思いました。

雪山として三ノ沢岳に登りに来ることは今後あるかわからないけど、この姿を眺めるだけならぜひまた来たいところです。

 

千畳敷ロープウェイ駅

13時20分、千畳敷へ無事に下山完了。結果、往復5時間もかからなかった道のりだったけど、それほどの短時間の登山とは到底思えない、疲労感と充実感に満たされた内容でした。

 

雪の千畳敷カール

戻ってきて再び目にする雪の千畳敷カール。今回はここを歩くことはなかったけども、いつ見ても素晴らしい景観でした。

ちょうど13時30分の便が発車する直前だったので、下山の余韻に浸る間もなくアイゼンだけ外してロープウェイに飛び乗って麓のしらび平へ。

慌ただしい撤退だったけども、無駄な待ちが発生することもなかったので14時半には菅ノ台駐車場に戻ってこれました。

 

長野県駒ヶ根市・光前寺

下山後にやってきたのは菅ノ台駐車場から車で5分の所にある名勝・光前寺

2年前のGW木曽駒ヶ岳登山の帰りにも立ち寄った寺で、この時期にちょうど庭園のしだれ桜が満開となるので合わせてくるのがおすすめです。

 

光前寺のしだれ桜

『光前寺のしだれ桜』

長野県内でも有数の桜の名所というだけあって、観光客もたくさんいました。

4月末に満開を迎えます。

 

光前寺のしだれ桜

中央アルプスの雪山登山から一転して春らしいお花見を楽しめる場所なので、ぜひセットで楽しんでみてください。

下山後の温泉はいつも通り「こぶしの湯」へ。駒ヶ岳ロープウェイに乗ったら、その半券で50円割引となるので捨てずに取っておくべし。

 

こんな形で軽く春のお花見も楽しみつつ、三ノ沢岳の雪山登山が終了となりました。

 

雪の三ノ沢岳、急峻な稜線が続く手ごわい山ではありましたが、その美しい山容は今後忘れることがないほど鮮明に目に焼き付きました。

冬の中央アルプス・三ノ沢岳

これまで全然意識もしなかった山でしたが、自分の中ではこの日を持って中央アルプスの長にまで昇格!山らしい端正な姿は木曽駒ヶ岳よりも盟主らしさがありました。

位置的に中央アルプスの主稜線に隠れてしまうので、なかなかこの山を目にすることはできないけども、これから中央アルプスの山脈を眺めるときは、この山を意識して探してしまうと思います。

GWにも関わらず貸し切り登山ができたし、良い穴場を見つけました。

 

2017年の雪山登山は、これで本当におしまい。

雪山だけ見たら過去最高に充実した年だったんじゃないかってくらい、色々なところへ登りに行けたシーズンでした。

 

中央アルプス・三ノ沢岳 日帰り雪山登山

一緒に登ったお仲間たちと、三ノ沢岳にて

 

おしまい

 

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【日程】

2017年4月30日 快晴

【コースタイム】

8:40 千畳敷ロープウェイ駅
9:10 極楽平
10:20 三ノ沢岳のコル
11:10 三ノ沢岳(~11:45)
13:10 極楽平
13:20 千畳敷ロープウェイ駅

 

 

 

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