【北アルプス】上高地~槍ヶ岳~双六岳~新穂高温泉 2泊3日テント泊縦走登山(後半・双六小屋泊)

【北アルプス】上高地~槍ヶ岳~双六岳~新穂高温泉 2泊3日テント泊縦走登山(後半・双六小屋泊)

7月の北アルプス縦走登山後半戦。2日目は南岳~中岳~大喰岳~槍ヶ岳の3000m峰の稜線を歩いて西鎌尾根へ。双六小屋にテントを張って双六岳を往復してきました。

西鎌尾根は今回初めて歩いたルートでしたが、槍・穂高エリアの岩場エリアから裏銀座の緑豊かな風景に変わっていく様子が面白くて、特に双六岳が近づくにつれて高山植物も綺麗に咲いて展望も素晴らしいものがありました。花については今年はコバイケイソウの当たり年だったようで、双六小屋付近には見事なまでの大群生!すごかったです。

雲の合間から姿を現す槍ヶ岳や鏡池からの逆さ槍など、後半も見どころの尽きない景色の連続で3日間通して素晴らしい山歩きができました。

双六岳からの裏銀座の展望


1日目の記録の続きから。

初日に上高地をスタートして、天狗原ルートで南岳小屋にテント泊。テント場は結局自分を含めて3張だけだったので、北アルプスでは滅多にない静かな夜となりました。

迎えた2日目、この日は縦走のメインでもある南岳~中岳~大喰岳~槍ヶ岳の3000m峰の稜線と西鎌尾根を歩きます。

ひたすら続く稜線トレイル、蒸し暑さと強烈な日差しが厳しかったですが、目まぐるしく変わる展望の変化を大いに楽しめた後半戦の記録です。

7月13日~15日 北アルプス・槍ヶ岳~双六岳テント泊縦走登山(2,3日目)

2日目は早朝3時半に起床。標高3000m地点でのテント泊でしたが、夜も全然冷え込まずに風も全くなかったので、驚くほど快適に眠れました。

3000m峰の稜線でこれなんだから、下界はどれだけの熱帯夜だったんだっていうね。。2018年の夏の暑さは恐ろしい。

南岳から眺める槍ヶ岳と朝焼け

ご来光を見るために南岳山頂へ。テント場から5分で登って来れるので、やはり南岳小屋のロケーションは最高です。

この日も天気は快晴で、稜線の向こうに槍ヶ岳のシルエットがくっきり。空も綺麗に染まり始めておりました。

南岳からの雲海と富士山

朝は視界もクリアで遠くまで見渡せる。

雲海の果てには富士山南アルプスの姿もばっちり。

南岳からのご来光

4時40分、東の空からご来光。

完全に太陽が昇るよりも、その直前のギリギリ太陽が見えるかどうかっていう瞬間が一番好き。

身体も一気に目覚めて、今日も長い一日が始まる。

南岳小屋と穂高岳のモルゲンロート

南岳山頂から眺める南岳小屋と穂高連峰。

穂高岳の岩壁が赤く染まるモルゲンロートがとてつもなく綺麗でした。

南岳小屋も本当に気に入った場所なので、ここはぜひともまた訪れたいです。

北アルプス・槍ヶ岳と朝日

テントを撤収して南岳から槍ヶ岳方面へ。

山から眺める朝日は何度見ても綺麗で、これが見たいがためにテント泊をしているっていうのもある。特に南岳は稜線の絶好ポディションなので、夕日と朝日のどちらも堪能することができました。

南岳から槍ヶ岳へ 稜線登山

登ってきた天狗原ルート分岐まで少し戻る。

大キレットを目の前にしてのUターン。岩場アレルギーなもんで、大キレットと言うパワーワードに背を向けるのに何ら躊躇いはなかった(笑)

基本的に南岳小屋に宿泊した人は大キレット挑戦組だったのか、槍ヶ岳方面に歩き出す人はいませんでした。

北アルプス・南岳

こちらが北側から見た南岳。

槍~穂高エリアに属している山なだけあってこいつもなかなかの岩山ですが、登る分には危険個所も全くなく簡単に山頂に立つことができます。

色々と良い展望見させてもらいました。

北アルプス・南岳~槍ヶ岳の稜線

天狗原への分岐を過ぎてそのまま稜線を直進。次の中岳を目指します。

ここから先、槍ヶ岳の区間も歩くのは初めてでしたが、序盤はかなり快適な稜線。槍~穂高エリアにもこんな緩やかな道があったんですね、って言うくらい歩きやすい道が続きます。

チングルマ

足元は石ころだらけですが、岩陰には花も多い。チングルマやハクサンイチゲは特にたくさん咲いていました。

笠ヶ岳と白山の展望

稜線の真上を歩いているので左右の展望も素晴らしい。

西側にはすぐ真横に(因縁の笠ヶ岳。そしてその背後には北陸の霊峰・白山の姿もバッチリ見えました。

天狗原のカール

反対の東側の眼下に広がるのは、1日目に登ってきた天狗原

氷河公園と言う名に相応しく、7月中旬でもまだ雪がたっぷりと残っています。

北アルプス・中岳と槍ヶ岳

中岳への登り。急激なアップダウンはないですが、この先もいくつか峰を越えていくので、こまめに登り坂は出てきます。

テント泊2日目の朝は一番元気な時間帯でもあるので、ここら辺はまだまだ快調。

北アルプス・中岳の水場

この中岳山頂直下に、槍ヶ岳~穂高連峰稜線上の唯一の水場があります。

ただ水場と言っても、こんな高いところに沢があるわけでもなく、残雪の雪解け水を汲む感じ。見たところあまり大量の水は確保できそうにはなかったです。

北アルプス・中岳山頂への登り

中岳山頂へ続く岩場。遠目から見る分にはどこをどう登るのか全然わかなかったけど、その場に行けば親切なほどに印がつけられているので、迷う心配もなし。

北アルプス・中岳山頂

南岳から1時間ほどで中岳に到着。南岳と同様にこの中岳も、槍ヶ岳~穂高連峰のビックネームの稜線上にある小高い峰という感じであまり知名度は高くないですが、標高3084mという立派な高峰。国内では12番目に高い山です。

北アルプス・中岳から槍ヶ岳へ縦走

展望はもちろん抜群で、南岳側からのアプローチだと槍ヶ岳がどんどん近づいているのがわかる。

一見すると切り立った岩稜に見えなくもないですが、この先もごく普通の稜線トレイルが楽しめるようになっています。

中岳から眺める南岳~穂高岳

振り返ってみる穂高岳と歩いてきた稜線。逆に穂高岳はどんどん離れていって、ここまで来ると大キレットも見えなくなりました。

そして、この中岳あたりから槍ヶ岳山荘に宿泊していた登山者と頻繁にすれ違うようになってくる。この時間帯に南岳方面から歩いてくる自分が珍しいからなのか、だいたいすれ違う時に「大キレットどうでした?」「雪とか残ってましたか?」とか聞かれたんだけど、ごめん、大キレットを越えてきたわけじゃないんだわ……

中岳山頂直下のハシゴ

中岳山頂から少し急な下り坂。この箇所だけハシゴが設置されていました。

歩き始めはこういう道がずっと続くのかとも思ってたけど、全然そんなことはなかった南岳~槍ヶ岳の稜線。拍子抜けするくらい簡単な道だったので、岩場苦手でも十分歩けますぜ。

中岳から大喰岳への稜線

次に目指すのは大喰岳。アップダウンも鞍部に降りて見ると意外と大した登り返しでもなかったりする。

残雪も稜線上には全くなかったので、アイゼンが必要な箇所もなかったです。

ハクサンイチゲ

岩の稜線でありながら、随所に高山植物が見れるのもこの稜線トレイルの良いところ。

花のメインは双六岳と思っていましたが、ここら辺でもかなり楽しませてくれます。

中岳~大喰岳~槍ヶ岳 稜線登山

槍ヶ岳が近づくにつれて、続々と押し寄せてくる登山者たち。

「大キレットどう……」「行ってないです」 と言うやり取りを何回したことか……。”私は大キレット越えてません”という旗を掲げながら歩きたいくらいだったぜ。。

期待される情報を教えてあげられなかったので、逆に南岳小屋のロケーションの素晴らしさをアピールしておきました。

中岳~槍ヶ岳稜線から裏銀座の展望

この辺りから、これから向かう双六岳方面、裏銀座界隈の展望もすごいことになってくる。

特にこの槍~穂高の岩山とは真逆の緑と残雪が綺麗な景色。本来、自分が好きなのはあっちの世界なので、行く末に思いを馳せながらこれから満を持して向かっていきます。

中岳~南岳~穂高岳の展望

岩の城のように見える穂高岳。

離れるにつれて、その背後に焼岳や乗鞍岳も見えてきました。

北アルプス・大喰岳と槍ヶ岳

大喰岳山頂付近。南岳・中岳と比べると大喰岳はかなり広い山容をしていて、特にキリっとした槍ヶ岳と比べるとドッシリした感じ。

このアングルからだと、槍ヶ岳がたけのこのように見えてしまう。

北アルプス・大喰岳山頂

中岳から40分ほどで大喰岳に到着。「おおばみだけ」って読みます。

この山も槍~穂高の付属品的な扱いを受けているので、特に名山に名を連ねているわけではないですが、標高3101mという立派な高峰。中岳よりもさらに標高を上げて、高さで言えば国内第10位という地位にいます。

大喰岳から槍ヶ岳へ

こちらが最後の登り返し。ここまで来てしまえば、もう槍ヶ岳も目と鼻の先で、槍ヶ岳山荘の赤い建物も良く見えるようになってきます。

槍ヶ岳と殺生ヒュッテ

飛騨乗越あたりの分岐まで降り立つと、東側に広がる槍沢の雄大なカールも見えてくる。

下には殺生ヒュッテもあって、肉眼では登ってくる人も良く見えます。

槍ヶ岳山荘のテント場

槍ヶ岳山荘より先に到着したのは、山荘のテント場。槍ヶ岳山荘はこんな感じで番号でしっかりと区画が切られていて、受付時に場所を指定されます。(基本的に番号が若い方が小屋に近い)

なので、槍ヶ岳山荘のテント場は早い者勝ちで、満席になってしまう場合も十分にあり。その場合は、先ほどあった殺生ヒュッテのテント場まで降りるか山荘泊に切り替えるしかないんでしょうね。

槍ヶ岳山荘

朝の7時過ぎ、久しぶりの槍ヶ岳山荘に到着。遠くから見ると天を貫くようにそびえる槍ヶ岳も、こうして近くで見ると三角形に近い巨岩。

この槍ヶ岳山荘のテント場は過去に一度だけ泊まったことがありますが、9月の三連休だったので景色よりも早朝の槍ヶ岳の大行列が一番の思い出として残っています。

槍ヶ岳山荘のライブカメラ

山荘で見つけたライブカメラ。

室堂のライブカメラと合わせて、山に行けなかった時とかに「結局、今日は山の天気どうだったんだろ…」とか言ってついつい見ちゃうやつ。で、ガスっているとホッとして、晴れていると猛烈に後悔するやつ。

槍ヶ岳山荘からの槍ヶ岳

この日は自分の目で見る槍ヶ岳。こんな感じの景色をいつも届けてくれるので、ライブカメラは有り難い存在です。

朝も7時を回ったところだったので、小屋泊の人もある程度出発したあと。槍ヶ岳の穂先に登っている人も少なかったです。

槍ヶ岳山荘のテラス

槍ヶ岳山荘前のテラスで朝食休憩。この日が7月の3連休初日なので、今頃はきっと上高地辺りが大賑わいになっていそうな時間帯。

槍ヶ岳山荘も前日はだいぶ空いていたようですが、この日はテント場も争奪戦になるんでしょうな。

槍ヶ岳山荘の自販機

槍ヶ岳山荘には自販機あり。稜線上で給水ポイントがないので喉がカラカラ、迷わず冷えたドリンクを購入。

槍沢のカール

CCレモンを片手に槍ヶ岳山荘からの贅沢な展望。ドリンクも景色も旨すぎる!

7月のアルプスはまだまだ残雪が残る時期なので、こうしてカールに残る雪のコントラスがまた綺麗ですね。朝から敷かれていた雲海はまだ健在で、この時間でも富士山~南アルプスまで見通せました。

そしてこれまで槍を訪れた時に気にしてなかったけど、写真右側のどっしりした山、あれが大喰岳だったのか。

槍ヶ岳から西鎌尾根へ

ここからいよいよ西鎌尾根へ。今回、槍ヶ岳の穂先に立つことは特にこだわっていなかったのでスルーします。

この西鎌尾根も初めて歩くところで、今回の縦走では最も楽しみにしていたトレイル区間。

西鎌尾根から眺める双六岳~裏銀座の展望

歩き出す前からすでに見えてしまっているこの展望!これがまず素晴らしい。

北アルプス裏銀座界隈の名峰たち、双六岳や鷲羽岳、水晶岳、はたまた黒部五郎岳や薬師岳、立山・剱岳あたりまで見通せます。

ニヤニヤしながらいざ西鎌尾根へ足を踏み入れる。

西鎌尾根からの笠ヶ岳

最初は九十九折のガレ場を下って、一気に標高を下げる。

こちらのカール帯も雄大で美しく、正面には笠ヶ岳。登山道わきには槍のレプリカのような巨大な岩もありました。

西鎌尾根 槍ヶ岳~双六岳縦走登山

この展望半端ないって!

ちょうどこの日が2018年ロシアW杯の3位決定戦、翌日が決勝戦と言う大一番だったけど、この展望も世界に誇れるワールドクラス。すごいわ……

西鎌尾根から眺める立山~剱岳方面の展望

山も綺麗だったけど、特に目を奪われたのがこの雄大なカールと下に流れる千丈沢。源流を目の当たりにして、こうして川って出来上がるんだとしみじみ。

北アルプスのスケールの大きさを象徴するかのような眺め、たまらんです!

槍ヶ岳と小槍

ある程度下ったところから槍ヶ岳を振り返って見ると、山荘からは見えなかったもう1つの槍ヶ岳・小槍。「アルプス一万尺」の歌に出てくる「小槍の上で~♪」の小槍はあれ。

西鎌尾根 テント泊縦走登山

千丈乗越の分岐を双六岳方面へ。ここでいったん下り坂は終了で、この先は細かいアップダウンが出てきます。

西鎌尾根のお花畑

槍ヶ岳を離れるにしたがって緑も多くなってきて、それに比例して高山植物も増えてくる。

ここら辺から登山道わきにはお花畑と呼べる群生がいくつも見れるようになってきます。

西鎌尾根の鎖場

この先、何ヶ所か鎖場も登場。ガレ場の手すり的な感じで設置されているので、そこまで急斜面ではないですが、細かい石が多いので落石を発生させないように要注意。

西鎌尾根の稜線

個人的に面白かったのがこの辺り。槍ヶ岳の岩場エリアから、双六岳・裏銀座の緑豊かなエリアに変わる瞬間が良くわかったところ。

この岩を乗り越えた先に、至福の稜線トレイルが待っているとわかり気持ちも昂る。

残雪の落とし穴

中盤あたりで少し厄介だったのが残雪。アイゼン付ける必要は全然なかったけど、雪が脆くていつ崩れるかわからないのが怖かった。「これ、誰か落ちたんじゃないか…」って思うほどポッカリと空いた穴もありました。

西鎌尾根から眺める槍ヶ岳

振り返ってみる槍ヶ岳。

だいぶ下ってきたので、槍の穂先はもうずいぶんと見上げる位置に。

西鎌尾根 稜線トレイル

気づいたら登山道には岩場も消えて、緑豊かな稜線トレイルへ。これこそ、自分の待ち望んでいたもの!

こういう起伏の少ないところは特に快適に歩けました。

西鎌尾根 コバイケイソウの大群生

花ですごかったのがコバイケイソウ

西鎌尾根の至る所に群生が広がっていて、特に今年は当たり年だったようで見事なまでの咲きっぷりでした。コバイケイソウについては、双六小屋あたりの湿原がさらにすごいことになっていました。

西鎌尾根から眺める鏡平山荘

弓折岳~笠ヶ岳の岩壁も迫力が出てくる。

良く見ると山の中腹に赤い屋根が見えて、あれが鏡平山荘。この翌日、縦走の最終日に訪れるところで、あそこにも北アルプスで有名な絶景が待っています。

西鎌尾根 右俣乗越

だいぶ標高を落として右俣乗越に到着。時刻は9時40分。

道と景色はこれ以上ないくらい最高ですが、この日も信じられないほどの猛暑で山の上でもかなり暑い……。

西鎌尾根を下る場合は背後から日差しを受けるので、首の後ろとふくらはぎがひどい日焼けになって、下山後の温泉で苦しみました。

西鎌尾根・右俣岳

ここからやや登りがメインになってくる。細かいピークがこの先にいくつかあるので、それがまた暑さとの戦いでした。

西鎌尾根は途中に水場もないので、それがまたきつかった。

西鎌尾根から眺める槍ヶ岳の稜線

振り返ればいつでも槍ヶ岳。だいぶ歩いてきた感じがしますが、双六小屋まではまだもうしばらくがかかる。

西鎌尾根の稜線トレイル

西鎌尾根の稜線で一番歩きやすかったのがここら辺かな。だいぶバテてきた中でもこうした稜線に出くわすと心は弾む。

双六岳が近づくにつれて緑もより豊かになって美しい。

北アルプス・硫黄岳とコバイケイソウ

道端にはまたコバイケイソウの大群生。そしてその奥に見える異質な山が北アルプスの硫黄岳

登山道が通っていないので登ることはできないですが、あの山の麓に湯俣温泉という秘湯があるので、そこはいつか行ってみたいところです。

西鎌尾根の稜線

最高のトレイル!やっぱり自分は岩場よりもこういう稜線の方が好きだわ。

硫黄乗越

硫黄乗越に到着。一度西鎌尾根に入ると日差しを遮ってくれるポイントが全くないので、炎天下の中で休憩。

山の上でこの状況じゃあ、街中の気温はいったい何度に達しているんだ……

西鎌尾根の稜線と槍ヶ岳~穂高連峰

歩いてきた道を見返してみると、槍ヶ岳がさらに遠く離れていた。

地図で見る限り大した距離もなさそうに感じた西鎌尾根だったけど、実際に歩いてみたら結構な歩き応え。ちょっと西鎌さんを舐めておりました。

西鎌尾根・縦沢岳

この後もいくつかの偽ピークを乗り越えて、ようやく最後の縦沢岳が見えた。

あれが最後の登り坂。

クルマユリ

縦沢岳の登りはかなりの鈍行になっちゃったけど、迎い入れてくれるように咲いていたクルマユリの群生が印象的でした。

西鎌尾根・縦沢岳山頂

11時15分、縦沢岳に到着。

ここからの眺めも当然ながら素晴らしい。

縦沢岳から眺める鷲羽岳~野口五郎岳

目の前に見えるのが鷲羽岳。そして右に見える白い山が野口五郎岳

個人的に野口五郎岳はかなりお勧めで、あの見た目からもわかる通り、山頂は花崗岩と白い砂利に覆われた眩しい世界。初見であれば、その白さにまず驚くはず。

裏銀座の稜線も歩いてからだいぶ日が経ったので、また近いうちに歩きたいです。

西鎌尾根・槍ヶ岳

これまで歩いてきた西鎌尾根の稜線。

後半は平坦なように見えましたが、細かいアップダウンがあってなかなか疲れました。暑さのせいだったのかもしれんけど、1日目の南岳までの登りよりも全然きつかった印象。

西鎌尾根・双六小屋へ

縦沢岳から双六小屋へ。ここまで来たら山小屋はもうすぐですが、最後の最後で待っていたこの展望がまた素晴らしかった。

広い稜線に目の前にそびえる双六岳~三俣蓮華岳~鷲羽岳。槍~穂高の岩稜帯とはまた違う、緑と雪のコントラストが美しい山風景が広がっていました。

双六岳と双六小屋

ようやく双六小屋が見えた。あのテント場に泊まるのもこれで三度目。稜線上にはないものの、双六岳山頂直下に広がる平坦で広いテント場。居心地はなかなかいいところです。

連休初日に入ってどれくらいの混雑になるか心配でしたが、まだ昼前だったので上から見る限りでは十分空きスペースがありそう。

双六小屋

11時40分、双六小屋に到着。テント場の受付をするより前に、水をガブ飲み。1リットルくらい一気に飲んだ気がする。

登山中って「今だったらいくらでも水飲めそう」っていう瞬間あるよね。

双六小屋のテント場と双六池

受付でテント代1000円を払ってテント場へ。見ての通り、テント場の目の前には双六池もあって、のどかな自然に囲まれている感じ。前日の南岳小屋とは雰囲気はまるで違うけど、ここもお気に入りのテント場の1つです。

到着時、なぜかこのテント場にだけ強風が吹いていて、ひっくり返っているテントもありました。

双六小屋テント泊

まだ空きスペースがたくさんあったので、端っこの良い位置にマイホーム設営。

日差しが強烈でテント内はものの数分でサウナ状態と化したので、散歩がてらに双六岳を往復することに。

双六小屋から双六岳へ

不要なものはデポって身軽の状態で双六岳へ。小屋から山頂まではだいたい1時間くらい。直登できず大きく迂回して登る感じになるので、意外と時間かかります。

双六岳 中道ルートへ

間違って三俣山荘の巻道に行かないように注意。双六岳山頂直下にはいくつかルートが用意されていますが、山頂へ行くなら中道ルートで。

双六岳登山コースの注意書き

こんな感じで時期によっても通れる箇所が変わるので、標識の注意書きを参考にしてください。

北アルプス・双六岳テント泊登山

この双六岳山頂に至る中道ルートも至福のトレイル。

横に広々としていて、そこら中にお花畑があります。5年前に訪れた時は、ここら辺のコバイケイソウの群生がすごかったのですが、ここは不作だったのか時期が早かったのか、まだあまり咲いていませんでした。

晴れていれば槍ヶ岳も見えるのですが、あいにくこの時間になると雲が湧いて見えなくなってました。

双六岳登山 ハクサンイチゲの大群生

お花畑はハクサンイチゲの群生が特にすごかったです。

今年の夏はなんだかハクサンイチゲをたくさん見た年だった気がします。

双六岳 夏山登山

中道ルートを経て稜線へ上がる。

見上げる雲がとても夏山らしくて、これもまた心地よい景色。

双六岳から眺める三俣蓮華岳~鷲羽岳

この稜線に上がるポイントが、個人的には一番の絶景ポイントだと思っています。

眼下に広がる雄大な草原風景と奥にそびえる三俣蓮華岳~鷲羽岳。北アルプスの懐の深さを十二分に体感できる場所。

夏の双六岳登山

稜線に上がってから双六岳山頂までは花崗岩が点在する、ちょっと異世界な雰囲気もあるところ。

双六岳は日本百名山、二百名山、三百名山のいずれにもノミネートされていないですが、個人的には北アルプスの中でもかなり好きな山。何で名山扱いされないのか不思議でしょうがないけど、まぁ名山に括られてなくてもいい山なんてたくさんある。

双六岳山頂

双六岳山頂に到着。

到着時は辺り一面ガスっていて何も見えない状態でしたが、山頂で30分くらい粘っていたらまた再び晴れてきてくれました。(1つ前の写真も下山時に振り返って撮ったもの)

双六岳山頂からの展望

双六岳の特徴と言えば、この山頂に広がる広大な稜線。

横にあまりに広くて、地図上にも「霧の日は迷いやすい」と書かれているほど。

あの稜線の先に本来であれば槍ヶ岳が見えるはずなんだけど、雲に覆われて見れず……

双六岳の広い稜線

……と思ってダメもとで粘ってみたら、なんか薄っすらと尖がった陰が見え始めた。

おぉ…?!

双六岳からの槍ヶ岳

おぉーー!ラスボスのように雲の中からご登場した槍ヶ岳。憎い演出するじゃないかっ!

その全貌を拝めることができなかったけど、これはこれでなかなか見れない景色。チラッと顔を出してくれました。

こんな感じで双六岳の稜線はまるで槍ヶ岳まで道が延びているように、一直線に穂先を捉えることができるので、晴れた日はぜひその展望を楽しんでください。登山道自体は途中で稜線から左へ外れるので、登ってきたポイントだけは見失わないように。

双六小屋 テント泊登山

15時半過ぎにテント場に戻る。往復3時間弱の充実したお散歩でした。

流石に3連休と言うだけあって、散歩中にずいぶんとテントの数が増えましたが、ここのテント場のキャパはなかなかのものがあるので、これでもまた少しはスペースが余っていました。

前日の南岳小屋とは打って変わって賑やかな一夜。この日も暖かい夜で、星空が綺麗でしたよ。

縦走最終日―――

双六岳から鏡平小屋へ

3日目は下山するだけ。明るくなってからテントを撤収して、小屋を出発したのは5時半ごろ。

笠ヶ岳に向かう人、雲ノ平方面に行く人、西鎌尾根を登る人など様々で、四方に登山者が散らばっていきました。

双六岳の木道路

新穂高温泉へ下山するので、笠ヶ岳に向かうグループに紛れて木道路へ。

見てわかる通り、ここら辺のコバイケイソウの群生がすごくて、西鎌尾根で見たものよりはるかに規模が大きいものでした。

双六岳 コバイケイソウの大群生

すごい咲きっぷり!

当たり年と言われて納得の見応え。特にこの日は下山するだけだったので時間にも余裕があって、ゆっくりと花鑑賞ができました。

双六岳 湿原の登山道

この双六岳~笠ヶ岳の稜線も好きな道。

湿原が広がる穏やかなトレイル。横に広いと空の広がりも感じられて、青空が余計に際立つ。

双六岳登山道から眺める西鎌尾根~槍ヶ岳~穂高連峰

稜線からは前日歩いた槍ヶ岳、西鎌尾根も一望。

結局この日も快晴で、確かこの3連休あたりから日本列島を覆う高気圧君が頑張ってくれちゃって、北アルプスでも稀に見る快晴続きとなりました。

昨年の夏が雨に泣いた年だったので嬉しかったけど、あまりに雨が降らな過ぎて心配にもなった7月でした。

双六岳から笠ヶ岳の稜線 焼岳・乗鞍岳の展望

笠ヶ岳までの稜線。奥には焼岳と乗鞍岳もバッチリ見えてます。

今回は途中の弓折岳手前の分岐で下りることになりますが、笠ヶ岳はいつかまた登ってやりたい。スマートに、かつ余裕面でね。(因縁の記憶

鏡平山荘と池

稜線から少し下ったところにあるのが鏡平山荘

池が広がるのどかな環境ですが、ここには水場がないのでご注意を。

鏡平山荘のテラス

鏡平山荘のテラスで朝食休憩。西鎌尾根を歩いている途中で、山の中腹に見えていた赤屋根の小屋がここです。

かき氷が売られていることでも有名なので、暑さにやられたらぜひ食すべし!

鏡平山荘 鏡池からの逆さ槍ヶ岳

もう1つ、ここには北アルプスを代表する有名な景色があって、それがこの鏡池に映る逆さ槍ヶ岳

風がなく晴れていると、こういう感じで水面に綺麗に槍ヶ岳と穂高岳が映るので、これもぜひ訪れたら見てみてください。

秩父沢

この後はひたすら下山。また朝の8時を過ぎれば気温が上昇して汗だく登山となりました。

写真の秩父沢がオアシス的なポイントで、ここでようやく天然の水場にありつけます。例によってがぶ飲みしてエンジン全開で下山。

このルートで下りると登山口に降りてから新穂高温泉までの林道が1時間以上あって辛いところですが、それは頑張るしかない。

新穂高ロープウェイバス停

林道は早歩きでさっさと通過して、朝の9時45分、新穂高温泉に下山完了。3日目は4時間程度のハイクで終えました。

いい具合に2時間後の11時56分発のバスが松本駅までの直行便だったので、それまで近くの「中崎山荘 奥飛騨の湯」でゆっくり温泉を楽しむ。まだ朝早かったので空いていて快適でしたが、日焼けした箇所が痛くてヒィヒィ言いながらの入浴となりました。

こうしてバスと電車に乗って東京に戻り、2泊3日のテント泊登山が終了。

双六岳からの裏銀座の展望

2018年の夏山シーズン最初のテント泊でしたが、3日とも天気に恵まれて充実した山歩きができました。

西鎌尾根は思っていたよりも疲れましたが、展望は文句なしに最高!稜線も全体を通して歩きやすかったし、槍ヶ岳の岩稜帯から双六岳の緑と花の世界に移り変わっていくのも面白かったです。

前半の記録でも語りましたが、今回初めて訪れた南岳小屋が猛烈に気に入った場所なので、ぜひともまた時間が経ったら訪れたいと思います。

【日程】
2018年7月13日~15日 2泊3日

【コースタイム】
・2日目
4:50 南岳小屋
6:15 中岳
6:55 大喰岳

7:20 槍ヶ岳山荘(~7:45)
10:25 硫黄乗越

11:40 双六小屋
14:10 双六岳(~14:50)

15:45 双六小屋

・3日目
5:20 双六小屋
7:00 鏡平山荘
8:30 登山口
9:40 新穂高温泉

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