谷川岳 日帰り雪山登山(天神平ピストンコース)

谷川岳 日帰り雪山登山(天神平ピストンコース)

昨年に次いで、今年も厳冬期の谷川岳へ。2月11日の建国記念の日に登ってきました。

コースは前回と同じく天神平のピストン。ロープウェイを使って一気に標高を上げられるので、体力的にはそこまできつくはないです。去年は鳴り物入りでスノーシューで山頂まで行ってしまったけど、今回は雪が締まっていたので途中から12本アイゼンに履き替え。ピッケルは毎度のことながら出番なし。

谷川岳、標高2000mに満たずとも展望はもう一級品ですぜ!!特に積雪時は北アルプスに匹敵するほどの絶景!(だと思ってる)

天候が安定しないのがネックだけど、晴れてくれれば割と簡単に登れる。そんでもって素晴らしい絶景見渡せる。そんな谷川さんをどうぞよろしくお願いします。

今年も冬の谷川岳へ―――


谷川岳は色々思い出深い山で、初めてソロ登山をしたのもこの山(3年前)。最初は遭難者数がギネス記録にもなっているから、どんだけ危険なのよ、、、なんてビビらされたりもした。

それが今じゃ積雪時にも登るほど好きになってる1座。2000mもないのにあんだけ贅沢な眺めを頂けるなんて、他にはないと思ってるし。

そもそも、遭難者が多いのはクライマーや山スキーヤーも含まれてるからで、普通に登れば大して危険なところはないです。個人的には、今回の天神尾根コースは天気の見極めさえ気を付ければ厳冬期でも入門レベルで登れるんじゃないかなぁ~と。

とにかく天候が安定しない山域だから、そこだけは要注意だけれどもね。

昨年に続いて2度目の冬の谷川岳。去年のほうが天気は良かったけれど、雲をまとった谷川岳がまたかっこよくて、ちょっとだけ厳しくもあり、、前回とは違う景色、違う状況で山登り楽しめました。(だから記事を書く気にもなったわけだが、、)

そんな2度目の冬の谷川岳はこんな感じの旅になった↓↓↓

~~2月11日 谷川岳雪山登山~~

2月11日午前7時、谷川岳ロープウェイ駐車場から始まるわけだけれども。。。

本来であれば八ヶ岳の硫黄岳に登ってる予定でしたが……。この数日前に関東で記録的な大雪になり、中央高速道が通行止め。登山口までいけないってことで、急遽谷川岳に変更。まぁ、これも何かの縁ってことでね。

ただ、この4日後にもまた関東で大雪降ったりと、年々気象がおかしくなってる気がする。

この日に限ってはどこのエリアも快晴予報で絶好の登山日和ではあったのだけども、自然の力はやっぱり恐ろしいわ。

駐車場に着いた時はまだ吹雪いてたので、少しだけ待機。天気が安定しない谷川さんは相変わらずでした。

回復傾向ではあったので、様子見て出発。

今回のメンバーは7人だったけど、リーダーを務めてくれたのはこの赤いウェアのお方。この後姿ですぐに名前出てきた人は、、、毎度読んでいただきありがとうございます!ここ最近の登場回数多いな(笑)

ロープウェイ駅で登山届記入。ここに登山届出すのも、もう4度目か。。。

土日祝だと7時からロープウェイ営業してくれてるのが登山者にとっては有難すぎる。天神平スキー場もあるけど、この時間帯は閑散としていてまだハイカーしかいなかった気がする。

谷川の四季。通年通してロープウェイは動いてるからいつでも来れるんだけど、夏2回の冬2回しか来たことがなく。。秋の紅葉も綺麗らしいから来てみたいんだけど、ロープウェイが激混みと聞いてなかなか踏み込めず。

冬はロープウェイ待ち時間ゼロで乗れる。この時点ではまだ軽く雪が舞ってたけど、徐々に青空広がってきた。

ゴンドラ降りたところが天神平スキー場。ここのゲレンデは大して広くないし、いつ来てもこんな感じでスッカラカン。

ここで装備整える。自分だけスノーシューで他のメンバーさんは最初からアイゼン。この日は雪も結構締まってたから序盤からアイゼンでもいけたけど、降雪後だとアイゼンorワカンがないと少し厳しいかも。

8時過ぎに登山開始。先行者も結構いたのでトレースはバッチリ。まずはゲレンデ脇を登って目の前の尾根まで上がります。

過去2回登った感覚だと、この最初の尾根に出るまでが雪溜まりが多くてスノーシューがほしいところ。正直、ここさえ登っちゃえば、トレースあるんだったらあとはアイゼンだけでもいける。

風も次第に落ち着いて、太陽も顔を出してきた。一気に暑くなる。

サクッと尾根に出る。この手前が少し急だけど、登り終わると目の前が一気に開けて、、、

ドッシリと居座る谷川さん!!雲を薄ら纏ってるのが、また乙じゃないか~(雲が取れた写真は下山後に見れたんで、後ほど載せておきます。)

今回のルート上だと、谷川岳を一番きれいに眺められる場所がここだと思ってる。雲1つない日は本当に綺麗よ。

美しい谷川さんのトップ目指して、先へ突き進む。遠目で先の状況が見渡せたけど、トレースはしっかりついてるっぽい。

ここから先は尾根伝いに歩いて行くんで、風が強い日なんかはこの先ずっと風に吹きさらされる。この日はまだ大したことなかったけど、雲が取れてない上のほうは結構ヤバそう。。

尾根と言えば雪庇。谷川岳でも序盤から結構でかいのが育ってる。

雪のモニュメント。風が強い場所は厄介だけど、その反面、こういう不思議な形の自然の造形物を見ることができる。そこがまた面白いのよ。

去年の谷川岳で唯一苦戦した場所がこの場所だったんだけど、今年は普通に道なりにトレースができてて何も問題なかった。

前回は↓

こんな感じで雪壁沿いに前づめ蹴込んで進んだので、結構危なかった。冬だと状況によってルートも変わる。それがちょっとした違いでも難易度が大きく変わるってのが、こんな些細なことでもよくわかった。

まだまだ続く尾根歩き。

それにしても、この日の雲はしつこかったなー。何かのっぺりと谷川岳に纏わりついてて普通の雲とは違って見えた。山の裏側に大量のドライアイスが置かれてるんじゃないかってくらい白煙が湧いてました。

しばらく進むと、途中に茶色い標柱発見。

ここは一度来た人ならわかるはず。

この柱の正体は……

熊穴沢避難小屋。上は昨年の1月の時の写真だけど、2月になると今回みたいに小屋も完全に埋まって柱だけが出てる。

無積雪時を登らずして冬の谷川岳に来る人はあんまりいないとは思うけど、、、初めて来た人ならこの柱の下に小屋が埋まってるとは思わないだろうね。すごい積雪量ってのがこれだけでわかるはず。

ちなみに、この写真をよ~く覚えておいてくだされ。下山後にこの場所がすんごいことになってるんで…

まだまだ先へ。ここら辺りはまだ場所によってひざ下まで踏み抜くところがありました。まだ自分はスノーシュー履いてたけど、結果的には今回のコンディションならアイゼンで十分だった。

この稜線から眺める仙ノ倉岳方面がたまらなく好きでさ~。岩と雪のコラボがいいのよ。

今回は雲がかかってるけど雲がないとこんな感じ↓

昨年、同じ場所から見た景色。自分が雪山に惚れ込んだ最初の景色がまさにこれ。

どことなく北アルプスの白馬八方尾根から見た景色に似てる気もする。標高1500m地点からの眺めとはとても思えない絶景。

この先もずっと横目に絶景愛でながら進めるけど、、、次第に風が強くなってきた。

氷が舞ってチクチク顔痛てぇし。。。バラクラバやっぱり買おうかな。

尾根の東側に見えるのは西黒尾根。日本三大急登の1つで、積雪時のあの斜面は雪崩の巣窟。

登っていてシンドイほどの傾斜はなし。ただ風が強いだけ。

山頂にかかる雲が徐々に近づいてきた。一向に雲が取れる気配がなく、この瞬間に雲に突っ込むことを決意。

雪が締まってだいぶ歩きやすくなったから良かったけど、ラッセルしてくれた人はかなり大変だったろうに。。雪山でトレースあるときは、心の中でどこの誰かわからないトレース主に感謝するようにしてる。

向かう先はあんなでも、後ろを振り返ればこんなに晴れてるんだけどね~、、、

雲の中に突入する直前、”天狗の溜り場”と呼ばれる岩場に到着。ここで自分もスノーシューはずしてアイゼンに履き替え。

この先に広がるのが広大な雪原。ここが肩の広場と呼ばれる場所で、ボード担いで滑り降りる人も結構いる。ここだけ見ると魔の山とは思えない、何とも穏やかな丘。

ってか雲消えた…!?

広い稜線脇にポツンと樹氷が立ち並んでた。ちょっとした雪上のオアシスみたいで、なかなか綺麗な光景でした。

風が強い場所=エビのしっぽの群生地。

尾根伝いに先へ。後ろに隠れていた雲が、また湧いてきやがったわぃ。

特に危険箇所はなさそうに見えるけど、所々クラックできてて落とし穴隠れてたりするので、それが地味に危険。スノーシューからアイゼンに履き替えた直後って、やたら踏み抜きそうで怖いのよ。自分、ビビりなんでね。。。

積雪時も隠れずに置いてある1つの岩。こちらザンゲ岩。

悔い改めるべきことがあれば、ぜひここで!(まさき君はたくさん悔い改めることがあるそうでね、、、へへへw)

ひとまず肩ノ小屋をスルーして山頂へ。上に行くにつれて薄らと青空見えたりもして、雲の中にいるのか雲の上にいるのか、、夢見心地な気分だったな。

そんな気分のまま11時半、谷川岳1つ目のピークトマノ耳に到着。2度目だったのでなんとなく呆気なかったかな。

標識には特大なエビのしっぽ。エビのしっぽコレクターには堪らんだろうね。

見上げれば青空、真横に雲。ギリギリ雲の上に出た感じで、背伸びしないと雲に溺れそうだったわ(笑)

この日は東側のほうが展望良かった。写真左の白い山が至仏山、右が武尊山。どちらも無積雪時に登ったから、次は雪があるときに登ってみたいね。雪山はまだまだ登りたいところが尽きないよ、ホント。

稜線の先に2つ目のピーク、オキノ耳。そこに至るまでにすんごい雪庇。。。なかなかのクレイジーな稜線だわ。

晴れているとこんな(↓↓↓)感じだけど、去年よりも雪庇が大きいってのは一目見た瞬間にわかった。

去年はここでタイムアウトだったけど、今日はまだ時間もあるのでオキノ耳まで行くことに。

今回のコースでは、ここからオキノ耳までの稜線がおそらく一番の核心部。

落とし穴多数。踏み抜くと身体全部埋まるくらいの深さだから、ここはホント気を付けたほうがいい。

風も強いしトマノ耳で引き返す人も多かったのか、トレースもほとんど消えてました。

12時少し前にオキノ耳に到着。こちらも山頂だけは雲が抜けて青空。風は相変わらず強かったけどもね。

あんまり山頂で動けない…。雪庇が怖いから。

足元がどこで崩れるかわからんし、写真だけ撮ってサッサと引き返す。

感慨深くなる余裕はなかったけども、とりあえず無事に登頂達成~~

トマノ耳直下。岩場の山頂も一面雪で凍り付いて、スノーモンスターみたいになってた。

山頂の手前にある肩ノ小屋。冬季でも解放されているので、ここでお昼休憩。トイレは使えなかったです。

着いた時はガスってたけど、徐々に風も弱まってそんなに寒くはなかった。

13時下山。雲を抜けると再び絶景!

肩の広場ではボーダーが気持ちよさそうに滑ってました。

天狗の溜り場は絶好の展望デッキ。

やっぱりいいよ、この景色。標高2000m超えずしてこんな絶景見れるんだから、冬の谷川岳が人気あるのもよくわかる。

左奥に見えるのが赤城山。赤城山も冬に2度登ってるけど、雪山入門にはちょうどいいレベル。初の雪山に赤城山なんていいかもしれないですよ。(自分もそうだったし)

恒例のまさきポーズ。たまには一緒にやってみた\(^o^)/\(^o^)/

尾根伝いに歩いて、熊穴沢避難小屋の柱まで戻ってきた。

最初は特に来た時と変わりないと思ってたけども、、、

小屋の入口まで掘り返されてた!!!(あっ、↑こちらこの前の天狗岳にもいたサッコさんねw)

深さ約3m。良く短時間でこれほど掘ったもんだなぁ~。。。おそらく誰か泊まるんだろうけども、すんごい根性だわ。岳人はやることが違いますな!

ただ、ふと思った……。掘ったはいいけども、この状態で泊まったとして、寝てる間に雪が降ったらどうするんだろ??

閉じ込められないか心配で、自分じゃこんなとこでは寝れそうにない。

ホント、山での遊び方は人それぞれだな。

滑る人は滑る、登る人は登る、掘る人は掘る。

!?!?

ワンコも元気に遊んでたし(笑)

スキーヤーと一緒に歩いてて、滑り降りるときもしっかりと後をついてくるんだと。

色々面白いものも見れて、最初の展望台に到着。

みんなの視線の先には当然、、、

谷川岳。この時間になると、雲もだいぶ取れてくれた。

最初にも言ったけど、ここから眺める谷川岳は息を飲むほどかっこいい。ここならゲレンデ脇を少しだけ登るだけだから誰でも登ってこれるし、ぜひ見てほしい景色。

谷川岳だけじゃなくて、近隣の山も晴れていれば綺麗に見えるよ。

すぐ隣の白毛門と朝日岳。谷川馬蹄形縦走いつかしてみたいし、積雪時の白毛門も興味あり。

上州武尊山。右のとがったのが剣ヶ峰か。

冬の武尊山も去年からすごい登ってみたいと思ってるんだけど、あそこも今年はおあずけかな。

最後の景色も楽しんで天神平スキー場へ。団体さんが雪上訓練してました。

閑散としたゲレンデ。時間的にはまだ営業しているはずなんだけども。。やっぱり滑り客は少ないゲレンデなのかな。

15時過ぎ、ロープウェイに乗って無事に下山完了。帰りに下山届を出しておしまい。

身体が冷えたので速攻で温泉へ。

帰りの温泉は水上ICにほど近い”鈴森の湯”へ。初めて来たけど湯テルメよりも広くていい温泉でした。

東京へ戻ってるときは日曜日の感覚だったけど、これは週の半ばの祝日の出来事。仕事も佳境に入ってるし、平日の合間に良い息抜きにもなった山旅でした。

谷川岳、やっぱり好きな山です。それを再認識できた今回の登山。

とにかく景色が最高!周りの展望というよりも谷川岳自身の岩と雪の山容が堪らなく好きです。北アルプスの雄大な山々と比べたら見劣りするけど、2000mに満たない標高でこれだけの本格的な雪景色見れる山はそうそうないはず。

危険な山というイメージがあるかもしれないけど、雪山でも天神尾根のルートであればそんなに危険箇所はないし、体力的にもそれほど求められるコースじゃないので、決して難しい山じゃないです。よっぽどのことがない限り、ピッケルや難しいアイゼンワーク使うような場面もないだろうし。

ただ、天気が安定しないのは確かで、この日もヤマレコを見ると谷川岳だけが雲に覆われていて、周りは快晴だったみたいです。晴れを狙うのが他の山よりも難しいとは思うけど、晴れたら絶景見れるのでチャンス見つけてぜひ登ってみてください。

※去年のほうが天気は良かったのでそちらも参考にしていただければ、、

昨年1月の谷川岳:http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/tanigawadake3.html

2014年2月11日 谷川岳山頂にて―――

おしまい

【日程】

2014年2月11日 快晴(山頂のみ時々ガス)

【コースタイム】

天神平(8:15) — 熊穴沢避難小屋(9:50) — 天狗の溜り場(10:30) — トマの耳(11:30) — オキの耳(11:55) — 肩ノ小屋(12:15~13:00) — 天神平(15:15)

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