【四国】剣山~次郎笈~三嶺 展望豊かな稜線をゆく縦走登山(2日目)

【四国】剣山~次郎笈~三嶺 展望豊かな稜線をゆく縦走登山(2日目)

四国遠征登山となる剣山縦走2日目。いよいよ今回の山行のメインとなる剣山から三嶺へと至る長き稜線へ突入。

前日に剣山頂上ヒュッテに宿泊して迎えた翌朝。まだご来光前の薄暗い中に出発して、目指すのは17km先に聳える日本二百名山の一角「三嶺」。朝焼けに染まる空の情景に心奪われながらも歩みを進め、次郎笈で目にしたご来光。赤く染まるモルゲンロートの剣山稜線、三嶺方面の峰々。絵画のように凍り付いた霧氷・樹氷の絶景。

目にする全てが一級品となった今回の旅路。長距離の縦走路ではあったけども、それを全く苦にさせない展望豊かな稜線がそこにはありました。

 

絶景の連続、剣山から次郎笈を経て三嶺へ―――

 


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1日目からの続き。

前日のうちに剣山入りして、一ノ森~剣山~次郎笈と歩き回って頂上ヒュッテに宿泊。

1日目は軽く済ませるつもりでしたが、結果的に次郎笈までの下見もできて、その山頂から三嶺までの縦走路を一望。距離の長さを感じつつも、どんな景色が待っているのだろうという期待感が大きく、翌日の縦走登山へ良い方向に思いを馳せることができました。

快適な山小屋では半個室で一緒になった方々と楽しい山談義を満喫。充実の後に1日目が終了。

 

こうして迎えた翌朝。万感の思いを込めて、いよいよ今回の登山のメインとなる三嶺へと至る長き縦走路に入っていきます。

 

~~ 2016年11月4日 剣山~三嶺縦走登山 ~~

この日は山頂からスタートとなりますが、稜線上には当然アップダウンがあるし、何より歩行距離が長いので結構ガッツリ歩くことになる。

下山後のバスの時間もあるので、周りの宿泊客より一足先に起きて出発の準備。朝ごはんも少し早めに用意してもらいました。(ここの山小屋のスタッフさんは暖かい人ばかりだったな~)

山小屋を出る頃に周りの人たちも起きだして、前夜に晩酌したソロの方たちに送り出してもらいました。

 

まだご来光前の5時45分に小屋を出発。遠くの空が薄っすらと白み始めた頃で、まだ足元は暗い。

下山後のバスに間に合わせるだけならもっと遅くても良かったけども、下山後に少し立ち寄りたい場所があったのでこの時間帯に出発することにしました。

 

当然、まだこの時間帯では誰も歩いていない。

昨日とはまるで違う閑散とした剣山山頂。

 

独り占めの剣山山頂を堪能する間もなく、すぐさま稜線へと入ってひとまず向こうの次郎笈を目指す。

昨日散歩で歩いた道だけど、この稜線区間なら何往復でもいけるくらい美味しい稜線。

 

足早に次郎笈を目指すのも、そこでご来光を迎えたかったから。この時期の日の出は6時20分。小屋にその日の日の出と日没の時刻が貼られていたので参考になりました。

前日歩いた感じでは30分もあれば次郎笈に行けそうだったけども、この時間帯の空の移り変わりは早い。瞬く間に空が明るくなって、今にでも太陽が出そうな感じがします。

 

薄暗い次郎笈の稜線。昨日見た景色のはずなのに、時間が違うだけで雰囲気もまるで変わる。新鮮な気持ちで歩けるのがまた山登りの面白いところ。

写真で見る限りでは、明け方の静寂に包まれた山の景色に感じるけども、実際は風がビュンビュン吹いてかなり寒かったです。

 

それでも、その強風と前夜のガスのおかげで、稜線にはまた霧氷の絶景を作り出していた。

これがまたすごい!

 

前日に見た霧氷(樹氷)とはまた違う、荒涼とした景観。

自然が作り出す神秘の造形っていうのは本当に感動するもので、ここだけ時が止まったかのような不思議な空間でした。

 

これまで見た霧氷とは違う独特の雰囲気を感じられるのは、空が淡く薄暗いというのもあるのかもしれない。

モノクロの世界に広がる氷の風景は絵画のようにさえ感じられました。

 

そんな霧氷(樹氷)に心奪われていたので、次郎笈山頂へ到着する頃にはご来光ギリギリの時間。

東の空はもうだいぶ明るくなっていました。

 

明け方6時20分、次郎笈に着いたと同時にご来光。我ながら絶妙なタイミングだなとニンマリ(笑)

前日と同じく、山頂には自分の他には誰もいない。

 

久しぶりに見る山頂からのご来光。やっぱり何度見ても美しい景色。

山の上から迎える日の出は、普段の日常生活で汚れた心を綺麗に洗い流してくれる気がする。(またすぐ汚れるが……)

 

次郎笈から見る剣山。今頃あちらの山頂でも、小屋に泊まった方々が同じようにご来光を眺めてるんでしょうね。

歩いてきた稜線にも陽が当たり、モルゲンロートと呼べるくらいに赤く染まってました。

 

この時刻の空は数秒で色が移り変わっていくから、立ち止まって見入ってしまう。

朝焼けに包まれた空と山、この景色を見れるのが日帰りでは味わえない山小屋泊の醍醐味。天気が悪かったら泣いてたけど、無事に晴れてくれてよかったです。

 

圧巻だったのはこちらの三嶺へと向かう縦走路。これから越えていくことになる稜線上のピークが道しるべのように明るく照らされてます。よく見ると影が山の形になって、影次郎笈もできていました。

中央の一番奥の山が今回の縦走の終点となる三嶺。向かう先ははるか遠く。

 

独り占めできた次郎笈で一通り展望を楽しんで山頂を後にする。

風は依然強いけども、太陽の光が当たるだけでかなり暖かく感じます。

 

2日間楽しんだ剣山ともこれでお別れ。この剣山~次郎笈区間は結局3回行き来したことになるけど、この手の稜線は大好きなのでとても楽しかった。

できることならまた数年後にでも訪れたいと思います。

 

三嶺へ向けて出発。まずはご覧の斜面を一気に下って、標高を300m以上落とします。

目指すのは手前の陽が当たっている丸石というピーク。

 

次郎笈と剣山の稜線が作り出した影によって、これから行く峰々が浮かんでいるように見える。

最終目的地の三嶺に着けるのは何時間後だろうか……

 

距離にして残り15.2km。標識で15kmを超える距離ってあまり見たことがない。

先は長いです。

 

次郎笈の陰になるので、まだ稜線にまで太陽の光が届かない。日陰は寒いので、早く日当たりのよい場所に行きたいところ。

 

稜線上はとても整備されていて歩きやすい。部分的に藪が深くなるところもあるけど、それでもこれくらい。

草をかき分けて進むようなところはなかったです。

 

一気に標高を落として、先ほどまで見下ろしていた峰々を見上げる位置に。

 

次郎笈から丸石への稜線。

遠くからでもよくわかるほど、稜線にくっきりと線が引かれたように登山道が延びています。

 

丸石までの登り。

雲1つない青空で風も徐々に弱くなってきてくれてる。

 

7時15分、丸石に到着。振り返ってみる次郎笈と剣山の姿が大きく感じられました。

この丸石に限らず、これから登っていく稜線上のピークはどこも展望に恵まれています。

 

明け方なので空気がまだひんやりとしているけど、歩いている分にはちょうどいいくらい。

まだまだ序盤。先へ進む。

 

さらに標高を落としていったん樹林帯へ。風よけにもなるので、このタイミングでの樹林帯は有り難かった。

 

稜線上の少し開けた森の中に丸石避難小屋を発見。怖がりなもんで中は確認しませんでしたが、物音1つしなかったのでおそらく誰も泊まってなかったはず。

ここからかずら橋への下山ルートがあります。ここを過ぎてしまうと、もう三嶺に行くまで徳島県側へエスケープするまともなルートはないので、通過の目安時間は設定しておいた方がいいかも。

 

丸石避難小屋を少し過ぎたあたりが今回の縦走路の最低鞍部。最も標高が低い地点で、ここからは登りがメインになっていきます。

次に目指すのは高ノ瀬。この高ノ瀬付近も素晴らしい稜線が広がるところ。

 

ここらあたりから周りの草木に白っぽいものが目立ってきました。

 

綺麗な霜が降りてた。陽が当たっているところは早くも溶け始めているので、これも早朝の限られた時間にしか見れないもの。

 

枯れ木も目立ってくる。これもシカによる食害なんでしょうかね…?

そのおかげで展望が良いので、何とも複雑な気分。。

 

そんな枯れ木の中に高ノ瀬のピーク発見。

周りに木々が立っているけど展望は良好。

 

驚いたのが高ノ瀬から先のこの稜線。

霜が一面に広がって、雪が降ったかのように白くなっていました。

足を踏み入れるたびにサクサク言う感覚が心地よかったけど、気づいたら靴と足首周りがびしょ濡れになっていたので、ゲイター履いておけばよかったかな。。

 

振り返ってみると次郎笈と剣山がだいぶ遠くに見える。

陽が当たった場所から瞬く間に溶けていく霜。真っ白い景色も一瞬でした。

 

高ノ瀬周辺はオオヤマレンゲの群生地のようなので、その花が咲く時期に訪れてみるのもいいかもしれない。標識の説明によれば、四国では最大規模とのこと。

 

1本道の稜線をひたすら進んでいく。アップダウンはそれほど多くなく、比較的緩やかな道が続くので何とも歩きやすいです。

 

所々に見られる鹿の防護柵。

確かここらへんで前から歩いてきた登山客とすれ違い。この日最初に出会った人でした。剣山~三嶺の縦走路を歩く人がどれだけいるのかわからないけど、この日に限って言えばすれ違ったのは5,6人程度で、長い距離の稜線をほとんど一人の空間で歩けました。

 

登山道からの展望。この稜線に向かい合うように聳えている右の山が塔丸。山頂部が剥げていて見るからに展望よさそうだし、剣山から三嶺に向かうまでずっと見えている山なので、なかなか興味そそられる存在でした。

 

8時20分、三嶺まで残り9.0km地点。途中途中で距離を教えてくれるので良い目安になります。

スタートからまだ2時間半ほどしか経ってないのにもうそろそろ半分。平坦な箇所が多いので進むペースは速いです。

この標識から三嶺までの稜線区間はちょうど県境にもなっていて、ここから先は向かって右側が徳島県、左側が高知県になります。

 

高ノ瀬の次にあった名もなきピーク。

 

山の名前が付けられていない場所だったけど、展望は一級品!思わず唸ってしまった景観でした。

三嶺もだいぶ近づいて見えてきた。

 

標高1700mほどに広がる展望に恵まれた稜線。2000mにも満たない場所でこれだけの稜線ハイクができるのは何とも羨ましい。

剣山から三嶺まで、樹林帯に囲まれている時間なんてわずかなもんです。

 

ススキが広がったり岩が点在したり、登山道も変化に富んでかなり楽しい。

個人的には、このあたりの区間が今回のコース上では一番好きになれた場所でした。

 

振り返ってみて、何度も剣山と次郎笈を確認。見るたびにその姿が小さくなって、一歩一歩進んでいることを実感する。

 

さらにテンションが上がったのが、突然現れたこの草原地帯。

 

この手の広くて平坦な稜線は自分の大好きなところ。思わず顔がにやけてしまったぜ(笑)

 

ここら辺は三嶺の絶好の展望台にもなっています。

直線距離ではだいぶ近くなったけど、大きく稜線を回り込まないといけないので、まだしばらく時間はかかる。

まぁこんな稜線が続いてくれるなら、いくら時間がかかっても大歓迎。

 

う~ん、本当に素晴らしい縦走路だ!地図を見て妄想していた以上の絶景に満ち溢れております。

 

贅沢にも雲1つない青空の下でここを歩けたのも良かった。

早朝強かった風もこの時間になるとほとんど気にならないほど弱まってくれました。

 

このあたりまで来ると、三嶺から先の山も見えてきます。右に見える山が西熊山、左奥の綺麗な三角形が天狗塚

天狗塚については剣山の山頂からでも容易に確認できるほど見事なピラミッド形で、この剣山界隈のシンボルと言ってもいいくらい。

一瞬、三嶺と勘違いしそうなほど、その存在は目立ってます。

 

あまり触れてないけど、こちらは高知県側の展望。写真に写っている右の山は白髪山

山の斜面に敷かれた道路は峰越林道。実際に剣山に登ってみるとわかるけど、この辺りはかなり山深いところまで道路が作られています。山の近くまで車で来れる反面、街からはかなり遠くて道も狭いので、アクセスは必ずしもいいとは言えない。

 

草原のような平らな場所に避難小屋を発見。草が部分的に刈り取られて、いかにも「ここにテント張っちゃってください」と言わんばかりのスペースもありました。

 

本ルート2つ目の避難小屋、白髪避難小屋に到着。

開放感に満ちた平原に建てられており、立地条件はかなり良い小屋でした。

 

ここで軽く休憩。

体調がいいのか、単に道が緩やかだからなのか、この稜線全然疲れを感じずに歩ける。

 

白髪避難小屋から先は目の前の丘を越えて、いよいよ三嶺への直線路に入っていきます。

 

歩いてきた縦走路。こちらから見ると、緩やかにピークが連なったその先にどっしりと次郎笈と剣山が構えているのがわかる。

自分好みの緩やかな稜線、楽しい時間というのはあっという間です。

 

三嶺までついに残り5kmを切った。

 

ここにきてようやく三嶺を正面に捉える。西熊山~天狗塚へと延びる稜線も見えてきた。

 

ようやく近づいてきた三嶺だけれども、ここから先のアップダウンがこれまでよりは優しくない。

いったん写真の急斜面を下ってカヤハゲ(東熊山)まで登り返し。さらにそこから下って、三嶺までのラスト200mの直登が待っています。

 

標高を1600m地点まで下げる。先ほどまで視線の高さだった三嶺が、だいぶ見上げる位置になってしまった…。

 

秋の気配が漂うススキの道を登っていく。

明け方の寒さを忘れるくらい、この時間になるとだいぶ暑くなってきました。

 

剣山・次郎笈からここまでの稜線。横から眺められる位置にきて改めて見てみると、いかに緩やかな稜線かがわかります。

 

カヤハゲ(東熊山)に到着。いよいよ残すピークは最後の三嶺だけになった。

 

いったん樹林帯へ。小さいながらも池も点在。

次に視界が開けたところが三嶺までの急登の開始地点。

今回の縦走路全体に言えることですが、樹林帯と言ってもほとんどが枯れ木なので、太陽の日差しは常に浴びてる状態。夏場はかなりきついだろうけど、展望が完全に遮られるような場所はほとんどなかったので、気分的にはかなり楽に歩けます。

 

三嶺までの急坂開始。いったん山頂は隠れて、代わりに目の前にどでかい岩が出現。

なんだあれは……、地図に載ってないぞ。

 

鎖場も出てきた。ここまでが本当に緩やかな道だったので、終盤にしてようやくガッツリと登っている感じがしました。

 

下から見上げていた巨大な岩。裏側から見るとさらにでかい!

金峰山の五丈岩を思い出させる風格。わずかに紅葉も残っていて、なかなかの見栄えでした。

これだけ目立つ巨岩なのに、調べた限りではどうも名前がついていないそうで……、モッタイナイ。

 

登山道の一部分にだけなぜか設置されていた木の階段。

これが見えたらあと少し。

 

下の方まで草原広がる三嶺の山肌。こういう剥げた斜面は、雪が積もるとまた美味しそうな景色に変貌したりするから要チェック。

 

 

10時40分、三嶺山頂に到着。さすがにここには先行客がいました。

高知県側からの登山ルートもあるので、結構人気の山だそう。

 

快晴の三嶺山頂。徳島県と高知県にまたがる日本二百名山にもなっている山。

標高1893mは高知県の最高峰でもあります。

 

山頂についてまず飛び込んできたのがこの稜線。三嶺よりさらに先、天狗塚へと続く縦走路。

 

見るからに展望の良い道というのがわかる稜線。ここは猛烈に歩きたくなった!

時間的にも体力的にも天狗塚までは全然いけたけども、そこから帰る術がないので今回は自重。ここで終わるには余りにももったいないと思わされた稜線でした。

 

こちらは剣山と次郎笈方面。1フレームでは入りきらないほど、長い縦走路でした。

 

いったい何時間かかるのかと思って歩き始めたわけだけど、結果的には4時間半ほどで来れちゃいました。

「剣山から距離17km!」とか言われていたので、若干構えすぎていたのかもしれない。終わってみたら呆気ないもんでしたが、最高の縦走路であることは間違いなかった。

 

こちらは北側の展望。方角的にはるか奥に広がっているのは瀬戸内海

周辺見渡しても町の1つも見えないあたり、山深さを感じます。

 

しばしおやつ休憩。1日目の穴吹駅の日ノ出本店で買い溜めした阿波名物・ぶどう饅頭。

今日もまた緑茶がほしくなる。

 

1日目の柴犬に続いて、ここにもワンコがおりました。

 

天狗塚方面の稜線に惹かれつつ、名残惜しさ全開で泣く泣く反対側の名頃方面へと下山。

この続きはまたの機会に取っておきます。

 

三嶺山頂直下にこれまた穏やかな風景が広がってました。

赤い屋根の山小屋にお池。下山路に敷かれた階段もなんかオシャレ。

 

本コース3つ目の避難小屋、三嶺ヒュッテ。「避難小屋」ではなく「ヒュッテ」。やっぱりオシャレ(笑)

小屋の造りは先ほどの白髪避難小屋と大して変わらないけど、ロケーションは抜群。三嶺山頂からすぐだし、剣山と次郎笈の展望もバッチリ。トイレもあります。あと確認はしてないけど、近くに水場もあったようです。

 

小屋から見た三嶺。空が近く見える。

 

急な階段を下って樹林帯へ。展望豊かで開放感に満ちた稜線の空中散歩もこれでおしまい。

 

山の中腹あたりまで下ってくると、まだチラホラ紅葉が残ってました。

ずっと稜線を歩いていたので、ようやく山の下に降りてきた感じ。落ち葉フカフカでこれはこれで気持ちの良い道でした。

 

 

道なりに下っていくといったん林道と合流。駐車場のような開けた場所に出ますが、そのまま林道を降りないように。

 

駐車場わきに再び登山道への入り口があるのでそちらへ入っていきます。

 

こうして12時30分、名頃登山口に到着。50台ほどは停められそうな広い駐車場がありました。

 

この名頃で有名なのがこの人形。服も着させられて、遠目からだと本物の人間にさえ見える。少し不気味だし、せっかくの屋根付きのベンチなのに人間の座る場所がないっていうね……

ここは奥祖谷かかしの里と呼ばれている、かつて東祖谷山村という地名だった場所で、これらの人形は一人の女性の手によって作られたもの。村の集落の住人が40人ほどに対して、村に点在する人形の数は100体以上。人形の方が多いという、不思議な村です。(これほど人形が増えた経緯など、色々と面白い逸話があるようなので良ければ調べてみてください)

 

バスの時間までまだ3時間ほどあるので、早めに下山できたら行きたかった「奥祖谷かずら橋」へ向かうことに。林道を剣山方面に歩いていきます。

名頃からかずら橋まで、バス停としては1区間ですが歩くと40分くらいはかかります。

 

道路の脇にも人形が点在。この工事をしている人形なんて本物の人間と見間違えるほど精巧。

ちゃんと服を着せているので、かかしとはとても思えない。夜見たら結構怖いと思う……

 

20kmに及ぶ縦走路は大して苦にならなかったけど、林道40分はさすがに飽きてくるし、アスファルトの上はやたら疲れる。

無心になって黙々と歩いていたところ、1台の車が後ろからきて急に自分の横で停車。運転席を見たら、なんと頂上ヒュッテで晩酌した方々のおひとりでした。

剣山から下山して帰るつもりが自分の姿を見て、わざわざUターンして引き返してくれたそう。何という涙が出る優しさと奇跡的な再会……ありがとうございます!

 

そんな救世主に助けられて途中から車に乗せてもらったので、実際に歩いたのは15分ほど。思っていたより距離があったので、本当に助かりました。

こういう出会いも山小屋ならではだな~、としみじみ。またどこかで会えたらいいですねと挨拶して、ここでお別れ。救世主は颯爽と帰っていきました。

 

奥祖谷かずら橋については、語りだすと少し長くなるので、別記事でも立てようかと思います。

とりあえずここでは写真を数枚載せておきます。

(※2016年12月19日更新 『紅葉の奥祖谷二重かずら橋』の記録

『奥祖谷二重かずら橋』

サルナシなどの葛類を使って架けられた原始的なつり橋。徳島県内にはかずら橋の名所として「祖谷のかずら橋」と「奥祖谷二重かずら橋」の2ヶ所がありますが、こちらの方が山奥に位置しているので、アクセスは大変。秘境とも言われている場所です。

 

二重かずら橋というだけあって、男橋女橋(通称:夫婦橋)という2つのかずら橋があります。どちらも渡れるので、渡ってみてください。

下が筒抜けで丸見えなので、意外と高度感ありました。

 

山の上では紅葉が終わってましたが、祖谷渓あたりは狙い通りちょうど見ごろを迎えていました。小さい滝もあったりして、つり橋と合わせて綺麗な景色が広がる渓流。

徳島県内でも有数の観光スポットになっている奥祖谷二重かずら橋も抑えることができてよかったです。

 

駐車場わきには丸石パークランドというお食事処もあります。名頃バス停付近には何もないので(人形しかいない…)、バスまで時間を相当持て余すようであれば、こちらまで歩いてきてしまうのもありかもしれません。

 

ここの名物は「祖谷そば」。祖谷地方で収穫された蕎麦が使われており、麺が普通のものよりも短いのが特徴。

夕方近くになるとまた寒くなってきたので、暖かいお蕎麦が美味しかったです。

 

こうして15時35分のバスに乗ってJR阿波池田駅に着いたのは18時15分。途中、乗り換えがあってしばらく停車したのもあったけど、帰りのバスは行き以上に長く感じました……。

 

この後は徳島駅へ移動して1泊。翌日軽く観光して東京へと帰りましたが、とりあえず剣山~三嶺への縦走登山の記事としてはここまで。

 

1日目と合わせると20kmにも及ぶ剣山~三嶺の縦走路。標高2000mに満たない山とは思えない、展望豊かな稜線がひたすら続いている贅沢な道でした。山小屋ならではの人との出会いも素晴らしかったです。

 

景色に関して特に印象的だったのは、最初の霧氷の稜線、そしてそこからのご来光のシーン。

こういう山小屋泊を選択したからこそ見れた景色というのは、やっぱり嬉しいし感動させられます。

次郎笈から先の縦走路は、色々と細かいことを言えば良い所がたくさんあってとても全部は書ききれない。とりあえず、高ノ瀬付近当たりの稜線区間が個人的には一押しでした。

 

未練があったとすれば、やはりこの三嶺からさらに先の稜線。途中に一部藪漕ぎが必要な箇所もあるようですが、見た限りでは最高の展望が待っていそうな縦走路。いつかここも歩かせてもらおうと思います。

 

距離が長い剣山~次郎笈~三嶺の縦走路ですが、アップダウンが大してなく身体に優しい稜線が続いているので、小屋に1泊すればそこまで時間に追われることもなく歩けると思います。

稜線好きにはたまらない道が続くので、興味がわいたら剣山だけでなくぜひ三嶺まで足を運んでみてください。

 

2日間にわたる剣山~次郎笈~三嶺 縦走登山

 

おしまい

 

 

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【日程】

2016年11月4日 快晴

【コースタイム】

剣山頂上ヒュッテ(5:45) — 次郎笈(6:20) — 丸石(7:15) — 高ノ瀬(8:05) — 白髪避難小屋(9:20) — 三嶺(10:40) — 名頃(12:30)

 

 

 

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