冬の美ヶ原 スノーシューハイキング(山本小屋~王ヶ頭~王ヶ鼻)

冬の美ヶ原 スノーシューハイキング(山本小屋~王ヶ頭~王ヶ鼻)

雪山登山が続いたので、今回はのんびりとスノーシューハイキング。八ヶ岳の近くにある美ヶ原高原に行ってきました。

広大な高原と牧場で有名な美ヶ原。夏は牛が放し飼いにされ、散策路には高山植物も咲いて長閑な雰囲気が広がっていますが、冬ともなれば一面が雪に覆われて、スノーシューには打ってつけのフィールドになります。

高原とはいえ、日本百名山にも選ばれていて、そこは標高2000mを越える場所。長野県のちょうど真ん中に位置しているので、晴れていれば展望も抜群!八ヶ岳はもちろん、北・中央・南アルプス、富士山、浅間山、御嶽山、、、360℃見渡せばどこかしらに名峰が見える眺望の山ともなっています。

高原内には通年営業しているホテルもあるので、冬でも観光客がたくさん訪れる人気スポット。スノーシューを持っていなくてもホテルや山小屋でレンタル可能なので、誰にでもオススメできる雪山です。

 

冬の美ヶ原でスノーシューハイク―――

 


「スノーシュー」

それは、モフモフの雪の上を快適に歩ける雪山便利アイテム。雪山登山をする上での必須道具というわけじゃないけど、これがあるだけで雪遊びのバリエーションが格段に増えます。パウダースノーに埋まることなくバフバフ踏み荒らせるし、ラッセルだって楽しめちゃう。スノーモンスターに会いに行けるのもこいつのおかげ。

お高いのが最大の難点だが……、このスノーシューを半ば衝動買いで手に入れたのが2年前の冬。

当初は贅沢な買い物しちまったかと思ったけど、これが意外と使うシーンが多くて今シーズンもすでに3回目。年々値上がりしてるので、早いうちに買っておいて良かったと今は思ってる。

スノーシューハイクで有名な場所はいたるところにあるけれど、その中でも特に有名どころと言えるのが今回の美ヶ原じゃなかろうか。

東京ドーム何個分かはわからないけど、とにかく広大な雪原が広がる冬の美ヶ原高原。標高2000mに広がる真っ白な世界を、スノーシュー履いてバフバフに踏み散らかして遊んでやりました!

 

~~ 1/25 冬の美ヶ原 スノーシューハイク ~~

出発は例によって土曜の夜発。最近は日曜日登山が多い。

この日、もともとの予定としては美ヶ原ではなくて、冬の絶景の1つ”氷瀑”を見に、日光の雲竜渓谷へ行くつもりでした。

これね↓

毎年恒例になりつつある雲竜渓谷。

ただ、例年通りなら1月のこの時期は見ごろのはずなんだけど、今年はまだ氷柱の育ちがイマイチ。せっかく見るならピーク時に見たいよねってことになったので氷瀑はいったんお預けに。登山もなんだし、代わりにスノーシューハイクをしようってことで、美ヶ原になりました。

 

そんなわけで、スタート地点の山本小屋へ向かっております。

今回は登りなしのゆったりハイキング。

 

ビーナスラインは冬季閉鎖しているので国道178号で向かいます。この登山口までの道が、凍結して勾配もあると聞いていたので、無事にたどり着けるか心配だった。。

ある意味今回はここが核心部だったかな(笑)

 

心配していた凍結もそこまでではなく、意外とあっさり目的地の駐車場到着。標高1940mまで一気に来ちゃいました。

標高が高いので雲の位置も近い。到着時は周りに薄らガスがかかっていて、どことなく夢見心地な雰囲気だったな。

 

駐車場からご来光が見れそうだったので、太陽が昇ってからスタートすることに。

日の出まで少々時間があるので少し先まで偵察に行ってみたけど、靄がかかる先にぼんやりと浮かぶ明かり。あれが噂の要塞か……

あの要塞については後で書くとして、いったん車に戻ってご来光を待つ。

 

6時50分、日の出の時間。

 

東の空からご来光。ちょうどガスも取れてくれて、まん丸のお日様拝められました。

そういえば、山から見たご来光はこれが2015年初。今年に入って天気に関しては言うことなしで当たりが続いてるから、どうかこのままの調子で行ってほしい。

 

太陽に照らされて輝く、毛羽立つ雪の結晶が綺麗でした。この毛羽立つ雪って何かカッコいい名前でもついてるんだろうか…?

 

登らずともすでに標高2000m弱の場所にいるので、駐車場からでも素晴らしい眺め。

ちなみに、写真中央にそびえる三角形の山は富士山ではなく、八ヶ岳の蓼科山。綺麗なおにぎり型をしているからシルエットがそっくりで間違いやすいかも。

でも、実は写真のどこかに富士山が写っているんだけど、わかるかな?(笑)

 

ご来光を見終えて、7時過ぎに出発。スノーシューはここから装着しちゃいました。

 

ふる里館。冬季営業はしてなかったです。トイレを利用したいなら少し先の美ヶ原高原ホテルで。

 

除雪された林道が雪の回廊になってた。

 

背丈以上の雪の壁。単純に考えてもこんだけの積雪量があるってことか。

今年の八ヶ岳エリアは例年に比べて雪が多いみたいです。

 

(σ・з・)σ

 

すぐに美ヶ原高原ホテルに到着。標高2000mの宿泊施設。スノーシューはここで借りられるけど、朝9時からのレンタル営業。数にも限りがあるだろうし、借りるなら事前に連絡入れたほうが良さそうです。

 

高原ホテル前の緩やかな斜面。こんなところを滑るのかと思ったけど、どうもスノーモービルみたいでした。

 

そして、ホテル脇を登っていよいよ標高2000mのスノーフィールド突入!

 

まず目に飛び込んで来るのが、、、ただただ真っ白で広大な雪原風景。

そしてその奥に見える異質な建造物。

 

通称、美ヶ原の要塞。 物々しい雰囲気が周囲の景観をぶち壊してる感は否めない。

詳細は後ほど。

 

まずは広大な雪原でスノーシューを存分に楽しむ。

ホント広い!!ただただ真っ白い雪の世界がどこまでも続く。

 

そして展望もいきなり北アルプスの絶景!槍ヶ岳のとがった穂先がここからでもよくわかる。常念岳、表銀座の山脈も綺麗だな~!日本屈指の豪雪山域、その白さは何度見ても際立って美しい。

全国的に高気圧に覆われたこの日、冬場は滅多に晴れない北アルプスも、今日は天気が良さそうです。

 

後立山連峰、鹿島槍、五竜、白馬まで全部見えた。空に浮かんでいるようにさえ見える白い凛々しい山の姿。その偉大さを感じずにはいられない。

 

そんな北アルプスを横目に、ただひたすら白い雪原を歩いて行く。

白い、、そして広い…。息を飲むような世界観。

美ヶ原は今回が初めてだから、夏にどういう景色が広がってるのか知らないけど、冬の美ヶ原もまた日常とはかけ離れた雪の世界。

 

足元に転がっていた雪のまりも。

 

ちょっとカッコよく撮ってみた(笑)

 

美しの塔。美ヶ原の1つのシンボル。

もともとは遭難防止の目印のために建てられたものらしい。鐘がついていたけど、鈴紐引っ張ってみても鳴りませんでした。

 

確かにこれくらい広い平原であればホワイトアウトしたら間違いなく道に迷うだろうね。風をしのぐ場所もないし、吹雪かれたら厄介。

 

一応、夏の散策路は薄らと見えるので、それに沿って歩いて行く。

 

この時期は一面雪でどこ歩いても構わないから、まっすぐ要塞目指すことも可能。

今自分が立ってる位置も、おそらく夏場は牛が放たれているところだと思う。

 

歩道の柵もほとんど雪に埋まってる。前日まで快晴続きだったからこれでも雪は少ない方だと思う。

 

道を外れて歩いたほうがモフモフ感味わえます。雪が締まってるように見えても、所によってはスノーシュー履いてても膝上くらいまで埋まったりするんでつぼ足では歩かない方がいいかと。(※ラッセルのトレーニングしたいなら別)

 

この日は本当に登山日和で、この時間帯は無風でした。今シーズンの雪山では無風は初めて。コンディションは間違いなく一番良かった。

 

最初は浮いてる存在に見えた要塞も、不思議と雪の世界とマッチしてくるのが恐ろしい。

 

要塞から放たれた雪上車。宿泊客をスタート地点の山本小屋まで送ってるようで、週末で混んでいたんだろうね。何便も往復してました。

 

大した距離じゃないし、せっかく晴れてるんだから歩けばいいのに、、って思ってしまう。

雪上車が通ったところであればしっかりと圧雪されているので、スノーシューなしでも十分歩けます。

 

とりあえず要塞は置いておいて、雪原の先端目指してひたすら直進。

 

動物の足跡もチラホラありました。

 

さながら雪の砂漠だよな、これ。平地にさえ思えてしまうほど広いスノーフィールド。

標高2000mの場所にいるってことを忘れそうになる。

 

青空と雪だけの世界。駆け出したくもなるぜ~!

あの丘を越えると、また新たな絶景。

 

南側の展望が開けて、色んな山が見えるようになる。写真は中央アルプス。中央が木曽駒ヶ岳、左が空木岳か。

木曽駒ヶ岳はロープウェイが運休してるから、今シーズンはほとんど人も入ってないはず。今年の冬に登ってみたかったんだけどね…。冬場の復旧は望み薄だから来年に持ち越しになりそう。

 

こちらは北アルプス穂高連峰。岩々しい岩稜帯が雪をかぶっていても良く分かる。

西穂高岳は雪山としてもかなり人気で登られてるけど、あちらも新穂高ロープウェイが故障により運休中。まさかどちらもロープウェイがやられるとは…(;´д`)

天気もいいし、このチャンスに登りたいと思った人も多いんじゃないかな。

 

こちらは槍ヶ岳。手前が蝶ヶ岳、右端のが常念岳かな。

こうやって見える山を眺めていると、だいぶ登った山が増えたなぁ~と実感できる。

 

歩いてきたところを改めて見渡してみる。距離的には大したことない。本気でダッシュすればたぶん15分くらいで駐車場に戻れる。

ここまで来るのに、すでに2時間近く経過してるけどね(笑)

 

かなり大回りして時間使ったけど、ようやく要塞方面へ向かって歩いていく。

 

北側にも1つの名峰が見えてきたんだけどわかるかな。

 

浅間山。昨年の最後の登山として登った山。今日はあちらも快晴。

 

スノーシューと展望を楽しんで、ようやくやってきた要塞。

思いっきり人工物だらけで一気に世界観が変わる(崩れる)。

 

ずっと見えていた柱はテレビ局の電波塔。

こんなものがここに建っているのは、美ヶ原が長野県のど真ん中に位置しているからというのがあるらしい。電波を飛ばすには最適な位置ってことか……。

景観としては残念でしかない電波塔だけど、まぁ、こうして下から見上げてみたら多少は絵にはなる、ってことで我慢する。

 

そして電波塔に囲まれて建てられているのが、王ヶ頭ホテル。山の上に建っているけど、山小屋ではなくここは完全にホテル。スイートルームなんかも用意されてるオシャレ宿泊施設です。

言うまでもなくこのホテルからの山の展望は最高で、日本百名山のうち41個を見渡せるらしい。さぞ星空も綺麗だろうね。宿泊サイトのレビュー評価も高いから、いつか雪山登るのに飽きた頃にでも泊まりに来たい。

 

ホテル玄関先からの展望。正面が八ヶ岳。右に見えるのが南アルプス。

そしてよく目を凝らせば……

 

富士山。山の展望を謳うのだから富士山くらいは見えないとね。

ただ、ここまで来ると周りの名峰群が豪華すぎて、富士山の存在がかなり霞む。位置的にも結構遠いし。

 

個人的には、富士山よりも目を引いたのがこの絶壁。高原の一歩外は切り立った崖になっていて、 高台の上に雪原が広がっているのが良く分かる。

 

ホテルの裏側に、美ヶ原頂上・王ヶ頭の標石があります。標高2034m。ここが一応山頂。

展望で言うと、南西側がホテルも電波塔も邪魔しなくて視界良好です。

こちらにも名峰たちがずらりと並ぶ。

 

まずは御嶽山。今はもう、噴火があったようにはまるで見えない真っ白い雪山でした。

 

その隣に乗鞍岳。ここも雪の時期に登ってみたい山の1つ。

 

そして極め付けがこの山。北アルプスよりもはるか後方に見えたこのお方は……、白山ですよね!?(白山であってるはず!)

昨年夏の悪天候で登ることができず、今年の夏こそは登ってみたいと思っている山。

 

時刻は10時過ぎ、1時間もあれば来れるところを3時間もかけて歩いてきてます(笑)

でも、まだまだ時間はあるので、もう一つ先の王ヶ鼻まで行ってみる。

 

こっちは雪上車も通らないので、一面モフモフ~♪

 

スノーシュー履いててもかなり埋まります。

 

こちらは電波塔などの人工物もなくて、山の山頂って感じがした。位置的にも王ヶ頭より西側だから、北アルプスもより近くで見れます。

 

標高2008m、王ヶ鼻。展望デッキのように素晴らしい眺めの山頂。眺望を堪能するなら、間違いなく王ヶ頭よりこちらがおすすめ。

 

眼下に見えるのが松本市街。ここで夜を待てば、さぞかし夜景と北アルプスの景観が素晴らしいじゃないか!?できることならテント泊したい、テント泊。(冬だけOKにしてくれ~笑)

右が穂高連峰で正面奥が先ほども見えた白山。(ってか、白山で合ってるよね?!何かえらく近く感じるけど、方角的には白山で合ってるはず)

 

一通り展望楽しんで王ヶ鼻で引き返す。若干薄曇りになって風も出てきたので、要塞に戻ってからお昼休憩。

 

ホテルだけに自販機もあったけど、冬場だからなのか動いてませんでした。ホテル内の売店で買いましょう。

 

13時前に下山開始。下山と言っても高原を歩くだけだが…。

 

太陽の周りに虹見えました。この現象、何ていうんだっけか…?

これを見ていて、仲間とブロッケン現象の話になったけど、そういや自分、まだブロッケン見たことないんだ。。心が清らかじゃないと見れないらしい…(-“- )

 

帰りは大回りはせずに、なるべくストレートに駐車場を目指す。

曇ってきたし、早いうちに歩き始めて正解でした。

 

帰りは結局30分くらいで戻ってこれた。行きはどれだけのんびり歩いたんだよって話だな(笑)

 

登山開始が7時すぎで下山が13時半だから約6時間半のハイクだったか。

夏の同じコースの標準CTが3時間弱だから、かなりゆっくりペースでした。今回は朝日も見たかったし前夜発にしたけど、朝発で現地入りしても十分に歩いて回るコースです。

 

帰りの温泉は佐久市内のやすらぎの湯へ。メンバーのしのぶが、昔やすらぎを求めて通い詰めた思い出の温泉だとか(笑)

500円にしては内湯も外湯もそれなりに広くて快適でした。牛乳は120円。

 

16時前に帰宅。冬の関越はスノボー・スキーの渋滞に巻き込まれると最悪だけど、この日はスムーズに帰ってこれました。

 

こうして美ヶ原の山旅もおしまい。

 

登山は一休みしての、雪原スノーシューハイク。普段の登山とは違う緩いモードだったけど、リフレッシュして気軽に雪遊びができました!天気も言うことなしで展望も最高。北アルプスはもちろん、まさか白山まで見えるとは思ってなかったよ。

そして、久しぶりに登ったことのない山に来れたのも良かった。初めての山は実に2か月ぶり。目にする全ての景色が新鮮でした。

 

噂通りの広大なスノーフィールドが用意された冬の美ヶ原。山の上とは思えない広大さは本当に圧巻だった。ただただ広い…。

唯一リクエストするなら、前日までも天気が良かったので新雪が少なくて、多少雪が締まっていたところか。モフモフ感味わうなら、やっぱり前日にある程度雪が降ってくれてた方が楽しめますな。

 

コースは短いけど、雪山登山の合間に挟むスノーシューイベントとしては最適だったと思います。ここもまた来ることがあると思う。

次回も今日みたいな天気・絶景を期待しつつ、さらなるモフモフ体験をしたいです。

 

最初にも言ったけど、スノーシューはホテルでレンタル可能なので、道具がなくても遊べます。吹雪いた時のホワイトアウトさえ気を付ければ、最高に楽しいスノーシューハイクが待ってますので、良ければ冬の雪遊びの候補に入れてみてください。

 

 

おしまい

 

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【日程】

2015年1月25日 晴れのち曇り

【コースタイム】

山本小屋駐車場(7:10) — 美しの塔(7:50) — 王ヶ頭(10:00) — 王ヶ鼻(11:00) — 山本小屋駐車場(13:20)

※かなりゆっくり歩いてるのであまり参考になさらず、、

 

 

 

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