燧ヶ岳 日帰り登山 (大清水~尾瀬沼・草紅葉~長英新道コース)

燧ヶ岳 日帰り登山 (大清水~尾瀬沼・草紅葉~長英新道コース)

秋の山旅、第一弾は尾瀬の燧ヶ岳へ。

燧ヶ岳、標高2356mの尾瀬の一角をなす山ですが、山自体は福島県に属していて、調べてみたら東北地方の最高峰でした。9月の最後の週末(9/28)の出来事なので、少し前の話。夜行バスを利用して日帰りで登ってきました。

目当ては、早秋の9月下旬に見ごろを迎える尾瀬の草紅葉。尾瀬沼と湿原の草紅葉を散策しつつ、燧ヶ岳もついでに登っちゃおうという計画でスタートしたものの、、、。

いろいろミスが響いて思った以上にハードな登山になってしまいました。。。どうかこれを見た方は同じミスをなさらぬようご注意くだされ。

 

尾瀬の草紅葉と燧ヶ岳の旅―――

 


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尾瀬を代表する2つの山、至仏山と燧ヶ岳。昨年は同時期に至仏山に登って草紅葉を見たので、今回は燧ヶ岳。1泊2日の休みが取れるのであれば、尾瀬の山小屋で1泊して尾瀬ヶ原の散策と合わせて両方登ってしまうのがベストだと思います。

休みが取れたら2日かけて至仏山も登りたかったのですが、、、土曜日しか空いてなかったので燧ヶ岳の日帰りに。

 

観光地としても有名な尾瀬。流石にアクセス面は充実していて、都内からも夜行バスがたくさん出てます。料金も結構お安い。

 

金曜の夜に都内を出て、明け方5時前に登山口入口の大清水に到着。標高1180m地点、この時期になると流石に早朝は冷え込む。

 

朝食を軽く食べて5時過ぎにスタート。全く気づかなかったけど、自分がご飯食べている間に同じくバスでやってきた山友さんが出発してたみたい。(後ほど追いついて知った)

 

まずは沼田街道という平坦な道をひたすら歩く。ここはほぼ平坦なので全然疲れない。

ただ今回、帰りのバスが15時となっていて、標準タイムで登ると15時には間に合わないので巻けるところは巻いて行ってます。なので、ここら辺はやや早足。

 

40分ほど歩いて見えてくる道脇の小屋。ここが一ノ瀬休憩所。標準タイムだと70分になってるけど、普通に歩いてもそんなにかからないと思う。

ここまでほぼ平坦な道。楽に感じるけど、実際は標高250mほど稼いでます。

 

この小屋を越えて少し歩くと街道も終わるけど、1つ注意がここかな。橋を渡った先の分岐は左に入って登山道へ。道なりに進んでしまうと間違うのでここだけちょっと注意。地図を見てれば間違わないんだけど、、、実は後々盛大にやらかしちゃいましてね。。。

 

登山道に入ってからもしばらくは緩やか。高層湿原の尾瀬と言うだけあって、水は豊富。

 

岩清水。今回のコースで天然の水場はここだけだったかな。この後も山小屋が点在しているので、水場に困ることはないかと思います。

 

岩清水あたりからそこそこの登りが始まるけど、展望もチラホラ開けてきます。この日も気持ちのいい青空。

 

こういう木道が尾瀬っぽいね。ある程度登り終わると、尾瀬沼までは緩やかな木道。

 

三平峠。樹林帯の中にベンチが置いてあるだけの場所。展望もゼロです。

こういうつまらない所はなるべく巻きたいので、さくっと通過に限る!・・・と、そんな中で見えてきた何となく見覚えのある後姿…。

 

まさかと思ってペースあげたら、足元滑らせてひっくり返って、、、んで上を見上げたら、、、やっぱり山友の古株のぶさんでしたとさ。

 

あまりに偶然過ぎる遭遇。彼もバスできたらしいから、スタートはほぼ一緒だったみたいね。せっかくなのでここから一緒に行動することに。

去年は結構一緒に登ってたけど、今年はこれがお初だったみたいで。自分のブログ振り返ってみたら、最後に一緒に登ったのは昨年末の御前山~岩殿山か。

 

三平峠をすぎて少し行くと見えてくるのが尾瀬沼山荘。まだひっそりと静まり返ってました。時刻はまだ7時前。

で、何か空が曇ってきたかと思ったけど、、、これ雲じゃなくて

 

尾瀬沼の名物の一つ、朝靄。空は青いのに、沼から沸き立つ霧があたり一帯を包み込んで、不思議な感じでした。

 

こんな感じで、すぐに靄が取れていった。早朝の時間帯だけ見ることができる現象。幻想的な雰囲気でなかなかよかったです。

 

尾瀬沼の靄が晴れるのを見届けて、次に見えてきたのが尾瀬沼ビジターセンター。ここから燧ヶ岳を覗き見できます。

 

こんな感じ。

 

ピークが3つあるように見えるのは、左から赤ナグレ岳、柴安嵓(しばやすぐら)、俎嵓(まないたぐら)。柴安嵓が最高峰(2356m)ですが、三角点は俎嵓(2346m)にあります。

ここから見ると一番右が高く見えるけど、、、たぶん気のせい(笑)

 

そしてここからがいよいよ草紅葉エリア。尾瀬沼のほとりの高層湿原「大江湿原」。

 

春から夏にかけては御花畑。それが秋に差し掛かると草が紅葉して一面、黄金色に染まります。樹林の紅葉よりも色づく時期が早いので、周りの木はまだ緑。

 

燧ヶ岳と草紅葉。ここまですでに結構歩いてきたけど、まだまだ遠い。至仏山と違って距離があるので、高速バス利用の日帰りは少し時間にシビアかも。

 

尾瀬沼には相変わらず靄がかかってる。湯気が沸き立っている感じで、実際に生で見るとなかなか面白い光景ですぜ。

 

どこまでも続く木道。こういう感じで時折ベンチも設置されています。のどかすぎる風景。気も緩むってもんさ。

だからだろうね、、、

 

ここで盛大に道を間違えたのよ。。。orz

 

上の写真、分岐になっていて地図をよく見てれば左っていうのはわかったのに、何も疑いもせずに道なりにまっすぐ行ってしまった。。。自分も友達も全く気付かず。

 

こんな感じでしっかりと正しい道の写真撮ってたのに、、

 

全く疑うことなく、直進。。。

普通に注意していれば間違うことはないと思うけど、皆さんどうかご注意を。この道の先に燧ヶ岳はありません……。

ちなみにこの時点での時刻は7時10分。

 

道を間違っているとは夢にも思わず、木道を我が物顔で闊歩。実際、この時はまだ燧ヶ岳が横目に見えていたから間違いだと思わなかったんだな、、たぶん。。

 

黄金の絨毯に敷かれた一本道。道は間違えてるけど、草紅葉を存分に散策できたのはよかった。ここなら別に山に登らない人でも観光で来ることができるので、ぜひ見てほしい風景。空の青もまたイイよ。

 

ペースあげてきた甲斐あって、この頃には多少貯金が出来(たと思って)てご満悦だったな。歩くに従ってすれ違う人も多くなってきて挨拶の数も増え始めた。

 

湿原の終点に来ると、再び木道へ。「いよいよここから登りか~!!」なんて再び気を引き締めたっけか。

 

木道に入るとすれ違いもやたら多くなってきた。(関係ないけど、この赤い木の実なんだっけ??)

のぶさんと「みんな早朝から登ってるのか!早いなぁ~」なんて話してたり、、。

 

いっこうに登る気配がなく、むしろ下り始めた。。。ここら辺で、ちょっと異変に気づく。けど、方角的には間違ってはいなさそうだし。。

気になるのが、さっきからすれ違った方たちが「早いねぇ~」と言ってること。「いや、皆さんの方が早いですよ」なんて思ってたけど、、、まさか・・!?

 

木道を出て行きついた先、沼山峠。

うぉー!!やっちまったぁーー!!!!!!

燧ヶ岳をスルーして反対側の登山口に来てしまったわぃ。盛大な道間違え。終わったわ。。。

どこで道を間違えたのか、この時はわからなかったけど、急いで引き返す!

 

ただでさえ時間がないのに、この道間違えは痛すぎる。。やべぇ、、登頂できないかも。。

先ほどすれ違った方たちを今度は逆に追い抜いて行く。。追い抜くたびに「あれ?さっきのお兄さん方だ」と。「道間違えてましたーー!!」と言い残してとにかく急ぐ。

 

何とか湿原まで戻ってきた。せっかく序盤で作った貯金も使い果たしちゃったぜ。

まだまだ戻る。

 

で、戻ってきたのが先ほどの分岐。あまりに道に任せ過ぎて間違えてしまった。。特に「燧ヶ岳はこっち」みたいな標識は立ってないので、どうか皆さんはお間違えなきよう。

 

時刻は8時半。ロスした時間は1時間15分ほど。まだまだ遠い燧ヶ岳。仕切りなおして、行けるところまで行ってみる。

 

何とか長英新道入口に到着。無駄な時間と体力を削られて、ここから本格的な登山開始。

ちなみに注意書きのところには、逆側の登山コースの見晴新道について書かれています。どうも登山道の整備が全くされていないようで、通過するのにかなり時間がかかるんだとか。。「通常のコースタイムの5割増し」なんて書かれてました。通らない方が無難なようで。

 

長英新道に入ると木道もなくなって、道が荒れてきます。序盤はぬかるみが激しかったな。。

 

その後も滑りやすいガレ場なんかが続いて、歩きにくかった。道もどんどん急登になってきて、思った以上につらい。。

 

時間が押しているので、途中で山小屋泊ののぶさんとは別れて、先に行かせてもらうことに。

 

登るにつれて展望も良くなってくる。休むスペースもチラホラ出てきます。けど、止まれない。。

 

まだまだ山頂は先。暑くてバテはじめた。。くそ~こんな切羽詰まるはずじゃなかったのに。

 

ひたすらノンストップで登る。右奥に見えるのが燧ヶ岳山頂。至仏山よりも全然つらい。。正直、ちょっと舐めてました。

 

青空へ伸びる階段。。この階段を登って一息つくか。。。

 

突然開けた場所。ここがミノブチ岳。開放感抜群でした。

 

ここにきて、ようやく山頂までを捉えた。そして、少しだけホッとした瞬間。時刻はちょうど10時、山頂までもう少しとわかり、これなら帰りのバスにも間に合いそう。

 

ミノブチ岳からの眺めが絶景で、尾瀬沼を一望できます。朝靄もすっかりなくなって、沼と言うより湖みたい。

 

先ほど歩いた大江湿原も。道に迷ってさえいなければ、今頃山頂だったのに、、

 

なんて嘆いていても仕方ないので、先へ。ここからは展望抜群の尾根道が続きます。左のピークは御池岳。巻いていけるので気にしなくて良し。(というか、たぶん登山道が通ってなくて登れない)

 

ここから先、山頂まではガレ場が続きます。坂もそこまで急ではないので序盤のぬかるみよりは格段に登りやすかった。

 

ある程度登って振り返ってみるとミノブチ岳山頂が。その場にいる時はただの開けた休憩ポイントにしか思えなかったけど、傍から見ると割と立派な山頂。尾瀬沼の一番のビューポイントらしいです。

 

最後の岩場をどんどん登って行く。場所によっては手を使って登るところもあるので、ストックはしまった方がいいかも。

 

人のにぎやかな声が聞こえてきた。あと少し、、、

 

そして、

 

10:20、何とか燧ヶ岳山頂の片割れ、俎嵓に到着。スタートして約5時間、思わぬタイムロスもあったけど、とりあえずホッとした。

岩場の山頂はかなり混んでました。

 

山頂からは言うまでもなく360℃の展望。すぐ隣にあるのは燧ヶ岳もう1つのピーク、柴安嵓。

 

そしてその奥に見えるのが至仏山。標高2228m、燧ヶ岳と並んで尾瀬を代表する山です。難易度で言ったら燧ヶ岳のほうが全然辛かった。。

ちなみにこちら燧ヶ岳は福島県ですが、向こうの至仏山は群馬県になります。

 

至仏山との間に広がっている湿原が尾瀬ヶ原。ツアーとか観光案内で「尾瀬」と言った場合、大抵はあの尾瀬ヶ原を指します。

あちらも草紅葉のピーク。散策路として1本木道が走っているのが上からでもよくわかる。平坦だけどなかなか距離はありそう。

 

至仏山の逆側には会津駒ヶ岳。燧ヶ岳からだと小さく見えるけど、あの山も日本百名山の1つに数えられてる名峰。

 

眼下には尾瀬沼、奥には日光白根山と男体山。どちらもすでに登ったけど、日光白根山に関しては冬に一度登ってみたい。

 

時間が押しているので、少し休憩して下山。山頂直下で後から来たのぶさんと会ってお別れの挨拶。今度一緒に登れたら登ろうってことになったけど、この翌週に早くも登ることになるとはw(後ほど記事UP予定)

下山ルートはミノブチ岳の右側の谷間を下って尾瀬沼へ直接降りるルート。最短距離ですが、かなりの傾斜あります。

 

分岐はこの標識。ナデッ窪の方向。ここからひたすら下り坂。

 

こんな感じの岩場がずっと続きます。これ、浮石あって下るのもつらいけど、登るのはさらにつらい。。ちょうど南側のルートなので日差しやたら照りつけて、すれ違う人みんなつらそうだった。。。

 

このルートの唯一いい所は尾瀬沼を常に見ながら下りて行けることかな。どんどん標高下げて尾瀬沼に近づいて行くのがわかる。アップダウンなんてないから、確かに最短ルート。

 

ただ、そんな中でやっちまったのがまたしてもルートミス。確かこの写真の位置だった気がする。ここ、道なりに行ったつもりなんだけどね。。。

左の藪の中へ誘われましたとさ。(正しいルートを探せば、たぶん右の方にあるんだと思う)

 

こっからが本当に大変だった。。単純にルートをミスってるだけなんだけど、序盤はまだ藪が浅くて間違えてると思わず、突き進んでいったのさ。

 

そしたらいつの間にか、完全なヤブこぎ状態に。。戻ることもできずに、ひたすら突き進んだけど、これが本当にしんどかった。。

地図に「難路」って書いてあるのを思い出して、「なるほど、ここのことかっ!!!」なんて思ったけど、単に道を間違えてるだけ。

 

んで、出てきた場所がここ。右の藪の中から出てきたわけだけど、案の定、正規ルートが隣にあった。。。今日はこんなのばっかや……

登りなら絶対に迷わないけど、下りだと自分みたいに迷うこともあるかもしれない。だから、注意してください。藪には入る必要ありません。

半袖で突入して左腕を葉っぱでパックリと切っちゃったし、良いことなしだわ。

 

下山でも思わぬタイムロスがあったけど、どうにか登山道を抜けて湿原へ。一転して穏やかな風景でしたとさ。

 

燧ヶ岳を振り返る。このナデッ窪ルートは、あの山頂までほぼ直登です。アップダウンは一切なし。最短で登るならここなのかな。

 

尾瀬沼のほとりにたつ沼尻休憩所。雰囲気良かったので、ここで少し休憩。

 

ここからの草紅葉と尾瀬沼の眺めも良かった。静かで穏やかな時間が漂う雰囲気、今回のコースの中では一番好きになれた場所だったかも。

 

ここからは尾瀬沼を周回して南岸を目指します。ここは基本的に木道が整備されているけど、荒れてる場所もあるし思ったよりも距離があるので、観光客の方は少し辛そうでした。

 

場所によっては尾瀬沼を間近で見れる。木道が滑りやすいので、誤って沼に落ちた人、、、いるんじゃないのかな。それくらい沼のそばを通って行きます。

 

山でよく見る、この赤い実の名前がどうしても気になるぜ。。。

 

尾瀬沼対岸から見る燧ヶ岳。水も綺麗だし、沼というより湖だな。(そもそも沼と湖の違いがわからんのだけど、、、)

 

12時半、朝に通った尾瀬沼山荘に戻ってきました。この時点で時間的にも十分間に合うことがわかったので、しばらく休憩。。一時はどうなることかと思ったけど、何とかなるもんだね。

 

後は大清水まで来た道を戻るだけ。

 

朝は寒かったけど、この時間はやっぱりまだ暑い。。沢が涼しげで癒されたわ。

 

14時、大清水に到着。15時発のバスに余裕で間に合ってよかった。

 

15時発の予定が、14時半過ぎに全員そろってたようなので出発してくれました。行きも帰りも一番前だったのは、突発で予約したからなのかな。ここ最近の登山、直前で決行っていう慌ただしいのがどうにかならないかと思うけど、、、こうして無事に終わるからまぁいいか。

 

以上が尾瀬沼散策と草紅葉、燧ヶ岳登山でした。本当ならもう少しゆったり歩けるはずだったんだけど、油断しすぎて道を間違えたのはとにかく反省。

高速バス利用は楽だけど、制限時間があるのがやっぱりなぁ~、、、。特に燧ヶ岳の場合、至仏山とは違って登山口から距離があるのであまり余裕はないです。できれば泊まりの方がいいけど、道を間違えても帰りのバスには十分に間に合ったので(急いだ部分もあるけど)、日帰りも十分可能。

尾瀬沼散策も同時に楽しめるので、機会があれば試してみてください。くれぐれも沼山峠の方へは行かないように(笑)

 

いろいろあったけど、草紅葉は本当に綺麗だったし、尾瀬沼の雰囲気もよくて十分楽しめた山旅でした。

 

来年は初夏の季節に尾瀬に来ようかな―――

 

 

【参考コースタイム】

2013年9月28日 晴れ

大清水(5:10) — 一ノ瀬(5:50) — 尾瀬沼山荘(6:50) — 長蔵小屋(7:05) — 大江湿原分岐(7:10) — 沼山峠(7:50) — (道間違いにより戻る) — 大江湿原分岐(8:25) — 長英新道 — 燧ヶ岳(10:20) — ナデッ窪道 — 沼尻(11:50) — 尾瀬沼山荘(12:30) — 大清水(14:00)

 

 

 

 

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