奥多摩の戸倉三山に電車とバスを使って日帰り登山に行ってきました。
ルートは荷田子バス停~臼杵山〜市道山〜刈寄山〜今熊山~今熊山登山口バス停。いずれの山も1000mに満たない低山ですが、ここは侮るなかれ。
アップダウンが多くて非常にタフなルートでした。どっぷり疲れて下山時には足がプルプル……。
涼しい時期に歩くのをお勧めします。
2025年4月26日【奥多摩】戸倉三山 春の日帰り登山
奥多摩の「戸倉三山」。
臼杵山、市道山、刈寄山の3つの山の総称で、最高峰は臼杵山の842m。
低山とは思えないかなり厳しい縦走コースというのはちょっと有名な話。ビビッてこれまで敬遠していたのですが、使命感というか何なのか、奥多摩を嗜む者として一度は歩くべきと思っていたので今回ようやく決行してきました。
噂通り、ツラかったです。
やってきたのは武蔵五日市駅。1番乗り場のバスに乗車します。
世間的にはゴールデンウィーク初日の土曜日でしたが、登山客はそれほど多くはなくバスも空いていました。
15分ほどの乗車時間で荷田子バス停で下車。
奥に見えている小屋が公衆トイレです。
荷田子バス停から登山開始。
戸倉三山を歩く場合、どのコースで行くにしても総距離15km越えの長丁場になります。
その中でも荷田子ルートはおそらく最短。他はトレラン勢御用達っぽくて、とても手出しできませんでした。
道なりに歩くとすぐに登山口。
こちらのネット、右の標識に書かれている通り電流が流れているそうなので開閉にお気を付けください。
出だしからいきなり急登が始まります。
20分ほど登ると一度傾斜が緩やかになるので、まずはそこまで頑張りましょう。
部分的に平坦な道もありつつ、こんな感じの一本道がひたすら続きます。
ここら辺はまだまだ余裕。
時折展望も開けて、奥多摩方面の山なみを見渡すこともできます。
この日は雲が多めの天気でしたが、だからこその戸倉三山。
気温もここ数日に比べるとだいぶ低くて、こういう涼しい日でないと登れないと思っていたビビりな私です。
最初のピークであるグミの木山に到着。
ここは登山道から少し外れているので道なりに歩くと通り過ぎてしまう山頂です。
特に展望もないで無理に立ち寄らなくても良いと思いますが、名前が印象的だったので寄り道してみました。茱萸ノ木山、グミってこんな難しい漢字なんですね。
暑くもなく寒くもなく、環境としてはベストな状態。
季節は4月末なので、森には新緑が芽吹いてフレッシュな緑が心地よい景色でした。
ある程度進むと、さっそくアップダウンのダウンが現れました。
まだ戸倉三山の1つ目にも登ってないですが、やはりそう簡単に山頂まで行かせてくれるわけではないんですね。「せっかく稼いだ標高が……」と最初の内こそ嘆いていましたが、後半は無の境地になりました。
とにかく上り下りが激しいコースです。
誰もいない静かな登山道を黙々と登って行く。
春の時期とあって、登山道脇には花もたくさん咲いていました。
戸倉三山、意外と展望が開ける箇所も多くて前半はそれなりに楽しく登れてます。
正面に見えている山が最後の刈寄山なのかどうなのか、初めての山域なのでよく分からなかった。
山頂が近づいてきたと思ったら下り坂。
徐々にその牙をむき始める戸倉三山の縦走路。足元が滑りやすくて、これが後半になって応えてきます。
下ってからの登り返し。
このような急な坂をこの日何度見たことか、、、というくらいこの先にもたくさん用意されています。
こうして三山の1つ目、臼杵山(うすぎやま)に到着。
標高842mはこの日のコースの中では最高峰ですが、じゃあこの先下りがメインになるかというと全然そんなことはありません。
ここで軽く休憩。
稜線に出てから足元にも若干岩が増えてきました。
道は全体的に整備されていて、最初から最後まで明瞭。迷うような箇所は全くありません。
平坦な箇所が出たと思ったらすぐに下り。
アップダウンが多いという覚悟を決めていたので、まだ大丈夫。
「これくらい予習済みよ」と澄ました顔で闊歩してやりましょう。
次にあったのが石津窪山。あまり山頂っぽくなくて、登山道右手の木に標識がかかっているにでお見逃しなきよう。
足元にポツポツと白いものがありますが、全部桜の花びら。だいぶ散っていましたが、見上げると桜が咲いていたりして、意外と花も多い登山道です。
そうしてやってきたのがこちらの伐採地。
突然景色が開けるポイントで、これから歩く山なみも一望できます。
一見すると緩やかな稜線に見えるけど、いざ歩くとアップダウンだらけなんだから見た目だけじゃわからないわ。
山肌の一部が刈り取られて痛々しい姿にも見える反面、開放感は抜群の場所。
涼しい風を受けながら歩ける、快適な区間でした。
戸倉三山の縦走では有名な景観で、この先にも似たような伐採地があります。
樹林帯に入ったら再びアップダウン。
まだ今日の縦走路の半分も来てないですが、ここら辺でチラホラとすれ違う登山者が出てきました。
大半がトレラン勢。この高低差でも軽快に走ってるんだから凄いです。
こうして戸倉三山の2つ目のピーク、市道山(いちみちやま)に到着。
展望はなかったですが、周辺ではチラホラとツツジが咲いていました。
足元にいた狛犬さん。
ここでもしばらく休憩。三山の残りはあと1つですが、距離にして5kmも先。
まだまだ気が抜けませんぜ。
市道山から先へ行くと陣馬山との分岐点がありました。距離は5.2km。
もう少し遠いと思ってましたが、案外行けそうな距離。奥多摩と高尾はいつか繋げてみたいので、次に来ることがあればこのルートを歩いてみたいです。
刈寄山目指して、引き続きアップダウンの縦走路を行く。
絵面的に全く同じですが、実際こんな場所ばかりなんだから仕方ない。平坦な箇所ももちろんありますが、この辺りはそう長くは続かず基本的には登っているか下っているかの二択。
途中にあった日本山岳耐久レース10km地点の標識。
トレランを一切しない自分でもここがあの有名なハセツネコースの一部なのは知っています。
お腹タプタプの自分が場違いにも感じますが、頑張るぜ。
最近、どうにも食べ過ぎてしまう自分がいて、ラーメン屋に行ってもライス無料と聞いたら迷わず頼んでしまう感じ。
ちょうど良い修行と捉えましたが、結局下山後にもガッツリ食べてしまうのでプラマイゼロ。登山で痩せるなんてあり得ないんだ……。
途中にあったのが、栗ノ木沢ノ頭というピーク。
ここでも休憩。徐々にきつくなってきて休む回数が増えてくる。
心強い味方は薄皮シリーズのあんぱんよ。
ルヴァンというのが何なのかよく知らずに食べてますが、安定した美味しさ。クリームパンも捨てがたい。
1つピークを越えたら下り坂。
ここら辺まで来ると勝手がわかってきて一喜一憂することもなくなりましたが、足がプルプル言い始める。足元が滑りやすいので、特に下山がきつくなってきます。
こちらの展望がないピークは弾左衛門ノ峰。
なかなか厳つい名前してますが、展望もなくて山頂も狭いのですぐに通過。
そしてやってきたのが2つ目の伐採地。
人工的に作られた展望地ではありますが、景色が開けたらやっぱり気持ち良い。
眼下に見えている林道のところでは絶賛作業中でした。
伐採地脇を歩いていく。
途中にあったのが伐採をまぬがれた1本の木。切り忘れなのかあえて残しているのか、孤高の樹がたたずんでいました。
伐採地からの展望はやっぱり素晴らしい。
特にこちらは東側が開けているので、東京都心方面を見渡せます。
その後、一度林道に出るもすぐにこちらの標識から登山道へ。
刈寄山まで残り500m程度ですが、もちろんアップダウンが控えています。
ここもかつての伐採地かな。
左奥の森に入って一度下って登り返せばようやく山頂です。
戸倉三山のラスト、刈寄山(かりよせやま)に登頂。
三山の中では一番標高が低いですが、屋根付きの休憩所やベンチもあって一番広くて快適な山頂でした。
ここで最後のアンパンを補給。
後は今熊山へ登れば終わりですが、その間にもまだいくつかピークが控えています。
その1つが夕美山。山頂は狭くて標識も茂みの中にあるので見逃しやすいピークですが、眺めは良い場所です。
こんな感じでこの日歩いてきた縦走路を一望できます。
アップダウンが多すぎて、どれがどの山なのかさっぱりわかりませんが、グルっと長い距離を歩いてきたというのはわかって一定の達成感。
その先にあったのが豆佐嵐山。
ここは普通に巻けますが、ここまで来ると変なアドレナリンが出て登れるところは登ってやろうと、荒れた道を登って登頂しておきました。
その後はようやく道が緩やかになってきます。
この先、巻き道を選択して行けば登りらしい登りはほとんどないですが、途中に1つお勧めしたいピークがありました。
それがこちらの舟子尾根ノ頭。
登山道の正規ルートからは少し外れたピークですが、しっかりと標識が用意されており、何より展望が素晴らしいです。
例によってここにも伐採地で市街地方面を見渡せます。
戸倉三山は山が削られているところが多いですね。良いのかどうなのか、ここらの1つの特徴的な景観となっています。
これはヤマツツジかな?
舟子尾根ノ頭あたりに良く咲いていて、まだ蕾もあったのでピークはこれからかと思います。
その後はフラットなハイキングコースでもう過酷なアップダウンは終わったようなもの。
途中に独標というピークもあったそうですが、気づいたら通り過ぎていました。
最後のピーク、今熊山の参道に到着。
この階段を登って行けばすぐに山頂です。
本日最後のピーク、今熊山に登頂。
いやぁ~、長かった。山頂の神社でポンコツなりに頑張りましたよ、と山行報告しておきました。
今熊山山頂のすぐ下にトイレがありました。
ただ、薄暗くてあまり綺麗ではなかったので、そこまで期待なさらぬよう。
そこから15分ほど下山路を行くと、今熊神社に到着。
立派な神社で割と有名なのか、参拝客も数名いました。
神社の周りはお花畑でシャガが綺麗に咲いていました。
ミツバツツジの群生でも有名な場所ですが、少し時期が遅かったのかだいぶ散ってました。
今熊神社から20分ほど歩くと今熊山登山口バス停に到着。ここが今日のゴール。
道路の向かい側にあるのは武蔵五日市駅行きのバス停。待っていたら八王子駅行きのバスの方が早く来たので、こちらに乗って帰ることにしました。
これにて本日の登山が無事に終了。
奥多摩の戸倉三山。
噂通りアップダウン多めのタフな縦走コースでした。
修行にも近い山歩きとなりましたが、何とか歩き通せて良かったです。
【日程】
2025年4月26日
【コースタイム】
7:20 荷田子バス停
8:50 臼杵山
10:00 市道山
11:50 刈寄山
12:50 今熊山
13:10 今熊神社
13:30 今熊山登山口バス停
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