奥多摩の御前山へ春の日帰り登山に行ってきました。
4月中旬〜下旬の季節はカタクリが満開となる季節で、登山道脇に綺麗な紫の花がたくさん咲いていました。
急登が多いものの全体を通して歩きやすくて、桜やツツジも咲く春爛漫の景色!登っている人も多かったです。
奥多摩湖から奥多摩駅へ電車とバスを使って縦走できます。
2025年4月19日【奥多摩】御前山 カタクリを愛である春の登山
奥多摩の御前山。
過去に数回登ってはいますが、それももう10年以上前のお話。
最初は奥多摩で人気の山として御前山の存在を知り、山頂目指してただ登るだけであったものの、調べてみれば御前山は「花の百名山」にも名を連ねているではないかと。
しかも、その花はカタクリですよと。
そういう知識を得てしまったのもあって、春の開花シーズンにもう一度御前山には登っておきたいという思いが芽生え、今年ようやく行ってきました。
御前山までの公共交通アクセスはJR奥多摩駅からの2番乗り場のバスを利用します。
行き先は色々ありますが、登山口となる奥多摩湖は大抵通過するので30分くらいの間隔でバスが出ています。
……とはいえ、奥多摩駅についてみたらこの行列。臨時便としてちょうど奥多摩湖行きのバスを出してくれたので、それに乗車しました。
満員御礼のバスを走らせること15分、終点の奥多摩湖バス停に到着。
ここが御前山の最寄りバス停になります。
すぐ近くにトイレもあるので、ここでゆっくり登山の準備できます。
バス停から眺める奥多摩湖。
東京都民にとっては貴重な水源でございます。
御前山登山口までは小河内ダムの上を渡って行きます。
ここら辺は観光客も訪れる奥多摩の人気スポット。特に春のこの時期は桜の名所としても知られています。
対岸の山肌を見れば、御覧の通り桜が咲く春爛漫の景色。
湖畔に映る鏡の桜も綺麗です。
登山口が近づいてくると、こちらもまだまだ桜は健在。
綺麗なピンクの花が咲き誇っていました。
広場を抜けて、ここから登山道へと入って行きます。
御前山はこれで3回目ですが前回がもう12年も前なので、道中がどんな感じだったとかほとんど覚えていません。
ただ、急登が多いというのだけはぼんやり覚えていて、それが序盤の序盤で早々に現れます。
奥多摩で人気の山と言えば比較的登りやすい山が選ばれている印象ですが、この御前山については要注意。
かなり体力が求められる山です。
出だしからなかなかの登り坂が続きますが、それでもこの時期は花が咲く季節。
道中には桜の他にもツツジが咲いていて、癒し系となってハイカーをサポートしてくれます。
平坦なところが出てきたのも束の間、すぐに急登再開。
最初の内はひたすら登らされるという覚悟を持って臨みましょう。
こうしてしばらく登ると、最初のピークであるサス沢山に到着。
奥の女性が凄まじい手刀を繰り出したような絵になってしまったぞ。
ここは展望台になっていて、眼下に奥多摩湖を一望できる眺めが用意されています。
スタートとなった小河内ダムは右端のところ。
こうして見ると、すでにだいぶ登ってきたのがわかります。
軽く休憩して先へ。
ここからはいったん傾斜が緩やかになって部分的に下り坂も出てきます。
登りで出てくる下り坂は「せっかく稼いだ標高が……」と残念な気持ちもあったりしますが、そこまで下るわけではありません。
この辺りの区間は非常に歩きやすかったです。
行き交う人も多くて、常に前後に人がいる感じでした。私の中で御前山は大岳山や川苔山に比べると地味な印象ですが、奥多摩の中ではやっぱり人気者なんですね。
そしてこの辺りから本日の主役が登場。カタクリ様でございます。
今日の登山はこの花を目当てで登りに来たので、最初の一輪を発見したときは一心不乱に写真を撮ってました。
他の登山者もカタクリを求めて登りに来た人も多いだろうし、この時期の御前山がもしかしたら一番混んでいるのかもしれません。
御前山のカタクリは密集して群生になっているわけではなく、登山道のあちらこちらにポツポツと咲くスタイル。
この上の写真でも登山道わきにカタクリが咲いているのですが、どこかわかりますかね。
右下の岩があるあたりに一輪咲いています。
群れて咲くなんてダサいぜ、と言わんばかりの孤高のカタクリが色々なところに咲いています。
特に中盤あたりは足元に目を向けて歩いてみてください。
御前山が「花の百名山」に選定されている理由もこのカタクリが咲いているから。
このような看板も至る所で見かけました。咲くまでに7年もかかるという希少性の高さも、登山者を魅了する1つなんでしょうね。
年々、数が減少しているという話も聞きますが、どうにか後世まで残ってほしいです。
終盤が近づいてくると再び登り坂がメインになって岩も出てきますが、危険個所はほとんどありません。
ひたすら体力勝負の道です。
そしてこういった岩場の影にもカタクリが咲いていたりします。御前山のカタクリは密度こそ低いものの、広範囲に渡って咲いています。
そしてやってきたのがこの場所。登山道の周りに緑の葉っぱのバイケイソウ群生地が現れます。
御前山に前回登ったのはもう12年前なので道中の大半は忘れてましたが、この緑の葉っぱゾーンだけは妙に印象的で覚えていました。
ここに咲いていたのがこの黒い花。
現地では名前がわからなかったですが、帰って調べてみたらハシリドコロという花だそうで。
一部で群生となって咲いていました。
そうしてやってきたのが惣岳山。
ベンチが置かれた広い山頂で休憩ポイントに最適です。ここまで来れば御前山まであとひと登りなので頑張りましょう。
この先から道が遊歩道のように整備されて、傍らには鹿よけのフェンスも出てきます。
カタクリの植生を守るためのものだと思いますが、そのおかげかフェンス内では群生となって咲いている様子を見れるので、ここは遠くから眺めて楽しみましょう。
もちろん、登山道わきにもカタクリの花が咲いています。
透明感ある紫色がとても綺麗!
意識して足元を見ておかないと気づかないことも多いので、ここら辺はじっくり歩いてみてください。たぶん自分も多くのカタクリを見逃したはず。
ラストが階段の登り。
これが見えてきたら山頂も近いです。
山頂付近でもカタクリが止まらない。
そして発見しては身をかがめて写真を撮るので、その屈伸運動がまた疲れる。
でもやめられない。
こうして久しぶりの御前山に登頂。山頂は広くてベンチもいくつか用意されています。
標高1405mと書かれているこの立派な石柱は前回はなかったものです。
12年前の山頂標識はこんな感じでした。たかが12年ですが、ノスタルジーを感じます。
そして、ここ最近は低山ばかり登っていたので、標高1000m以上の山が実は久しぶり。おそらく、1月の赤城山以来だと思います。
そのせいか、足がプルプルしておる……。
山頂でもカタクリ推し。
過去の御前山はいずれも開花時期ではなかったので、今回ようやく御前山のカタクリを見れて良かったです。
その山の旬と言われるシーズンに、やっぱり一度は登っておきたい。
山頂からは北側の展望が良く開けていて、奥武蔵・秩父の山々を見渡せます。
どれが何の山なのか全くわからないですが、おそらく自分が過去に登った山もいくつか見えているはず。
富士山方面も空気が澄んでいれば見えるのですが、この日は霞んでいて富士の姿は確認できませんでした。
しばらく休憩して鋸山方面のコースを下山していきます。
少し下ると避難小屋への分岐があるので、そこで寄り道。
こちらが御前山避難小屋。
この小屋を見たのは今回が初めてです。ウッドデッキが用意されて内部もなかなか綺麗でした。
すぐ脇に水場もあります。(飲む場合は煮沸必要とのこと)
避難小屋の偵察を済ませて、分岐まで戻って大岳山・鋸山方面の道を下って行きます。
ここから目指すのは奥多摩駅。
そして下山路でもカタクリがたくさん咲いていました。
こちらでは珍しく寄り添って咲いているカタクリもチラホラ見れて、部分的に群生となっていました。
この日一番のカタクリが見れたのは、御前山~クロノ尾山の区間。
特にこのトラバース路では山の斜面のいたるところにカタクリが咲いていたので、ぜひ視線を左に集中させてほしいところです。
登山道脇のいたるところでカタクリざんまい。
三毳山などの群生地に比べるとそれは見劣りするかもしれませんが、こういうポツポツと咲く姿はいかにもナチュラルでこれはこれで素晴らしい。
カタクリを愛でながら進んで行くと、クロノ尾山に到着。
御前山の山頂からここまでは道も緩やかでとても歩きやすいかったです。
展望は特になし。
その後もしばらく緩やかな道を下って鞘口山(さいぐちやま)に到着。
こちらの山頂も展望はありません。
ここが1つの分岐点になっています。
正規ルートは右の鋸山を経由して奥多摩駅へ下る鋸尾根コースですが、左奥に進む道もあってこちらが江戸小屋尾根ルート。破線コース扱いで道も一部不明瞭だったりするので、基本的には鋸尾根コースを歩くのが良いと思います。
自分は過去に一度も歩いたことがなかったので、江戸小屋尾根コースに初挑戦。
どんなもんかと思っていましたが、出だしは割と普通の登山道でした。
しばらく下ると江戸小屋山に到着。
登山道の途中にある目立たないピークなので、標識を見逃さないようにご注意ください。
そこからさらに下ると、一度樹林帯から抜けて明るい場所に出ます。
こんな感じで左側がすっきりと開けて景色が一変。
ここからの展望が最高で、脇にはミツバツツジも咲いていたりしました。
本ルートでは一番気持ちよく歩ける区間です。
この箇所が江戸小屋尾根コースの唯一の醍醐味と言ってもいいくらい。
ここを歩いている段階では、なんだ全然歩きやすいじゃん、とか思ってましたが、この先が結構大変でした。
再び樹林帯に入って九竜山に到着。
この山頂も特に展望はなく、標識がなければ通り過ぎてしまうようなところでした。
山頂直下の道が少しわかりづらいので、尾根沿いを歩くように意識して進みましょう。
そしてこの先が核心部。
非常に急な下り坂で足元も滑りやすいので要注意です。ここを登るのも辛そうですが、下りも下りで足場が不安定で結構神経使いました。
なるほど、これは破線ルートだなと。
その後、ハシゴを下って一度林道に出ますが、すぐにこの「ドコモ 奥多摩の森」と書かれた標識の左わきの道へと入って行きます。
ここの入り口も少しわかりにくいのでご注意を。
そのあとは単調なつづら折りの下り坂。
登山口が近づいてくると桜とツツジが咲いているところがあってとても綺麗でした。
高台にあるお寺に下山。
この後はバス通りに出て市街地方面へひたすら歩いていきます。
登山口から30分ほどで奥多摩駅に到着。
こうして奥多摩湖~御前山~奥多摩駅の縦走登山が無事に完了しました。
御前山のカタクリを求めて春のハイキング。
一面のお花畑!という群生が見れるわけではないですが、広範囲に渡って咲いていて確かにここはカタクリの山だなと思いました。奥多摩では貴重なカタクリスポットだと思います。
例年の開花シーズンは4月中旬から下旬にかけて。
良ければ登りに行ってみてください。
【日程】
2025年4月19日
【コースタイム】
8:10 奥多摩湖バス停
9:10 サス沢山
10:15 御前山
11:00 クロノ尾山
11:20 鞘口山
12:10 九竜山
12:50 登山口
13:20 奥多摩駅
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