今回は久しぶりの低山ハイキング。
場所はあまり登ったことのなかった秩父・奥武蔵エリアの大霧山~堂平山~笠山の縦走コース。3つの山を総じて比企三山と呼ばれていたりもします。
このコースは外秩父七峰縦走ハイキングコースの一部で、山の尾根伝いに適度なアップダウンを繰り返しながら歩けるルートになっています。所々できつい登り返しが待っていたりもしますが、総じて道が整備されて歩きやすく、大霧山と堂平山からの展望は、低山とは思えない開放感に満ちて素晴らしい景色を堪能できます。
決して知名度が高い山とは言えないかもしれないですが、歩き応えあり、展望ありの里山縦走ハイキングとしてはかなりおすすめしたいコースです。
2月の最終日、雪山登山の合間に少し早い春を感じに近場の山へと繰り出してきました。
比企三山縦走ハイキング―――
例年になく雪山で過ごすことが多い今シーズン。もうお腹いっぱいってくらい登っているので、ここらで小休止。
久しぶりの低山ハイキングになります。
近場の低山に登る場合、全く山がなさそうな東京からでも、実は選択肢が豊富にあって登山環境には恵まれていたりもする。
都内からだと、まず登山エリアとして絶大な人気を誇るのが”奥多摩”、”丹沢”の二強だと思ってる。知名度もかなりのもんで、登山者数も抜きん出ているんじゃないかな。この2つのエリアは登り尽してはいないけど、登山初期の頃からそこそこ周れている山域。だから、今回の選択肢としては考えてなかった。
次に思いつくのは、、、
そうですな!!!
このブログでもお馴染の”秀麗富嶽十二景”エリア。ここは都内からのアクセスも抜群で穴場だと思ってる。この秀麗富嶽十二景に関しては3年前に一通り登り切ったし、記事にしないだけで散歩がてらに時々登りに行ったりもしているので、ここもやはり選択肢としてはなかった。
そうなると、次に自分の中で候補の上がるのが2つあって、それが”奥武蔵・秩父”エリアと”千葉”エリア。この2つに関しては行きたい山は割と多いんだけど、あまり行くタイミングがつかめずに全然登れてない…。
千葉もいいかと思ったんだけど、別の機会に行く予定があったので、今回は渋いイメージがある奥武蔵・秩父方面へ。ついこの前に両神山に行ったばっかりだけど、より都内から近くて前々から行きたいと思っていた大霧山・堂平山の縦走路を歩いてきました。
~~ 2015年2月28日 大霧山~堂平山~笠山縦走ハイキング ~~
これまた久しぶりの朝発の電車・バス利用の登山。もともと自分はこのスタイルが主流だったから、どことなく懐かしいという感覚。
アクセスは池袋駅から東武東上線1本で小川町駅へ。
1時間半ほどであっという間に到着。秩父まで行くと少し遠く感じるけど、ここら辺までだったら丹沢や奥多摩とアクセス時間は全然変わらない。
こちらが駅前。意外にも駅前にローソンあった(※馬鹿にしているわけではない)。買い出しはここでできますぜ!
着いたのは朝の8時半頃。ここからバスに乗るんだけど、1本前の電車に乗ってきたので30分くらい余裕ありました。
ただ、バスが意外と早くスタンバイしてくれたのですぐ乗車。バスに乗っての登山も久しぶりですよ。里山に帰ってきたって感覚で一人浮かれておりました。
乗ったのは9時5分発白石車庫行きのバス。これの1本前は7時台だから、それだと早すぎ。これに照準合わせてくるハイカーが多いようで、バスは8割登山客で、出発する頃にはそこそこ混雑してました。
ちなみにこのバスはイーグルバスと言って、PASMO・Suicaの類は使えません。現金のみ。小銭を用意しておかないと、降りるときに後ろから早くスタートしたいハイカーのプレッシャーを受けますのでご注意を。
バスに揺られて30分ほど。今回は大霧山から登るので、橋場というバス停で下車。この界隈はハイキングコースが多いので、色々なところで登山客が分散して下りて行きます。
橋場で大半が下車。バス停には親切にトイレも設置されてます。
9時半過ぎ、バス停を出発。まずはこの標識の矢印の方向に進んで行きます。
大霧山登山口まではしばらく道路沿いを進んで行く。
こういうのも里山に来たって感覚。車でのアクセスはもちろん便利で良いけど、電車・バスでの公共交通利用の醍醐味って、山の麓の街ものんびり歩けることにあると思う。
例えばこんな、世界一小さな里に出くわしたり。
世界一と言われたら見ずにはいられない。
こちらが世界一小さな里らしい。写真がポンコツすぎて申し訳ないけど、山に囲まれてるあたりが、よくイメージする里っぽくて意外や意外に良い雰囲気でしたよ、ここ。ただ、イワナと天そば1300円はちと高すぎるぜ…
道路わきを歩いて行くと、途中にハイキングコースの入口があるので見逃さないように。道路をそのまま歩ってしまうと、余計に時間食ってしまうので。
雪がない登山道っていつ振りだろうか…。緑も目に優しくて心地よい。
途中から今回登る山の方面を見てみる。はげているのは大霧山の放牧場。何だか見た感じ秋のような雰囲気だけど、季節は晩冬。これから山は春を迎えていく季節。
……すなわち花粉の季節ってこった(´д`)
僕の花粉症は目にくるタイプで、目薬の消費量が顕著に増す季節。(目に効いて眠くならないお薬あったら教えてください!)
今回歩いてるコースは外秩父七峰縦走ハイキングコースの一部。七峰というのは、官ノ倉山・・・笠山・・・堂平山・・・剣ヶ峰・・・大霧山・・・皇鈴山・・・登谷山の7つ。今回はそのうちの笠山、堂平山、剣ヶ峰、大霧山の4つを回る予定。
まだ2月とはいえ、徐々に春の陽気が近づいている時期。花も少しずつ咲いてきています。
もみじ販売所。もみじの天ぷら、食べてみたい……
登山口となる粥仁新峠までは林道と登山道の繰り返し。他に登山客もいなくて静かな山歩く楽しめてます。
初春は梅の季節でもある。登山道に行くまでにも梅の花が見ごろでした。
スタートして1時間弱で粥仁田峠に到着。ここが大霧山の登山口。
途中、ふれあい牧場(秩父高原牧場)の方に行かないように。そっちがメインに案内されている標識もあるので、要注意です。
今回歩くルートは「関東ふれあいの道」なんて名づけられていたりもする。
ふれあいと言いながら、この道を正直に進むと途中牙をむく箇所があるので、疲れたら途中は林道を歩いたほうがいいかも(後述)。
ここからようやく登山らしい登山がスタート。
粥新田峠からは基本的に尾根道で、樹木の合間から展望も見渡せます。
見渡せるんだけど、このポンコツカメラだと全然撮れなかったので写真は省略。
ここら辺は快適な登山道。山頂手前に少しだけ急登があるくらいで、そんなにきつい道のりではないです。
ぐっすり寝た朝発となりゃ、身体も絶好調ってもんでね。
疲れ感じることもなく、あっという間に大霧山山頂。
標高766mの大霧山。北西の展望が開けていて、ここからの眺めは低山とは思えないほどの絶景が待っております。
こちらが展望の写真。若干視界が霞んでいるのと、ポンコツカメラで遠い山は写ってないけど、実はこの山からの展望は名峰揃いです。
中でもひときわ存在感を放ったのが浅間山。霞んだ中でもその真っ白い姿が象徴的でした。
こちらは1月に登った両神山。左にちょこっとだけ顔を出している雪山は八ヶ岳の赤岳。
その他にも谷川岳、日光白根山などの有名どころも見渡せました。
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見渡せたんだけど、このポンコツカメラは名峰の姿を収めることができず、この瞬間にカメラを新調しようと決意したのさ。
ということで、このカメラは今日が引退試合です。
山頂はこんな感じで、そこまで広くはないけどベンチも設定されています。展望については案内図が用意されているのでそれを参考にしてください。低山とは思えないほど眺められる山の数が多いので、この山頂はぜひ期待して頂ければと。空気も澄んでいる初冬がお勧めだと思いました。
今回は堂平山まで行くので、少し休憩して先へ。
右奥が目指す堂平山。尾根伝いに迂回していかなければならないので、見た目以上にあそこまでは距離があります。
それでも大霧山から定峰峠までの登山道はかなり快適。ほとんど平坦に近くて、感覚で言うと陣馬山から高尾山へ向かう縦走路に似てました。
この外秩父七峰縦走ハイキングコースの利点の1つが、要所要所にエスケープルートがあること。写真の白石というのが帰りのバス停で、そこまで下りるタイミングがこの縦走路にはいくつもあります。
こんな感じで、山なんて下りたくなったらいつでも下りればいいんですよ。
このお気楽感が低山には不可欠。
ダイダラボッチの伝説。山には伝説も付き物。
低山にあるこういう標識って、少しでも山の魅力を引き出そうとかなり細かいことまで書いてあったりもするから、意外と見逃せないポイントだったりもする。
もののけ姫でも出てきたよね、デイダラボッチ。
途中の獅子岩。ここら辺が少し急登で辛かった覚え有り。
11時半、定峰峠に到着。普通に車やバイクで来れる峠です。自転車で登りに来ている人もいて、それぞれがそれぞれのスタイルでアウトドア楽しんでました。
今回のルート上で注意するとすればここから先か。定峰峠から白石峠までは再び登山道になるんだけど、この間の縦走路が地味にきつかった…。
地図で見る限り、車道を歩いても大して距離が変わらないので、時間・体力を節約したければ車道を進んだ方がいいかもしれません。
初めてなので、そうとは知らず、正直に縦走路を進んで行く。
この階段も見た目以上に急で、結構応えます。
登るにつれて雪も出てくる。アイゼンは全然必要なかったけど、2月はまだ状況によっては凍結している部分もあるので、チェーンスパイクくらいはザックに忍ばせておいた方がいいです。
この白石峠までのルートは、途中に巻き道もあるので遠慮なく使ったほうがいいです。
正直に縦走路をたどっても、見えてくるのはこの電波塔くらいだったので…(^^;
白石峠までの急な下り坂。ここが今回の核心部だったかな。登ってくる人も辛そうでしたが、降りるのも中途半端に凍結してて厄介な階段でした。
意外とバテながら白石峠に到着。車道を歩いてきた方がやっぱり楽だよ、ここは。
次回からはそうするとして、今回はいい汗かいたってことでまぁよし!
ここまで来れば堂平山までは割と楽なもんです。
途中、七峰の1つ”剣ヶ峰”があったはずなんだけど、ピークが良く分かりませんでした。(標識あるのかな…?)
気づいたら堂平山に差し掛かってました。
堂平山手前にあった一本杉。春が迫るこの時期は花粉に悩まされる時期でもある。スギ花粉には毎年悩まされていて、いつも目がやられる。
途中にアップダウンで地味に体力削がれたけど、13時前に堂平山に到着。
標高876mの堂平山。展望良好な山頂だけど、真っ先に目についたのは、山頂の周りで飛び交っている人たち。
上を見上げたら、10人ほどのパラグライダーが空中散歩楽しんでました。あまりの数の多さに、下から見てて激突したりしないかヒヤヒヤしたよ。
…というのも、ここは山頂でありつつ堂平スカイパークというパラグライディング場でもある山。登山客よりパラグライダーのほうが多いくらいでした。
空飛ぶ人たちを眺めつつ、改めてこちらが堂平山山頂。大霧山の展望も素晴らしかったけど、こちらは360℃開けているので、かなり開放感がありました。
東京方面の街なみ。霞んでいますが肉眼ではかなり都内の高層ビル群まで見えました。
空気が澄んで入れば、スカイツリーも見れるそうです。
こちらは堂平山天文台。低山でありながらも街中から離れており、360℃のパノラマが得られる好立地。ここに天文台があるのも納得。
飛び交うパラグライダーを眺めつつ、のんびり休憩。風もほぼ無風で、登山中は半袖、停滞中もフリース1枚あればいいくらいの陽気でした。
堂平山の山頂は結構広くて展望も良かったので、かなり気に入った!次は誰か連れて登りに来ようかと思う。
休憩後は、縦走路の続きを行き笠山方面へ。パラグライディング場の脇を歩いて行きます。
パラグライダーを間近で見れるのも、ある意味貴重な体験。意外と女性が多かった気がします。
雪のない道を、お安いハイキングシューズで踏みしめながら登っていく。
笠山手前も少し急登があって、若干辛いかもしれません。
14時、笠山山頂に到着。展望は大霧山や堂平山に比べるとイマイチ。この3つを合わせて比企三山と言うけども、特にインパクトのある山ではないので、時間に余裕がなえれば笠山はスルーしても良いかと思います。
山頂にあった笠山神社。せっかくなので参拝しておきました。
記事としてはあっさりだけど、かなり歩き応えのあった縦走路。笠山からは来た道を少し戻って白石車庫バス停へと下りて行きます。
白石の竹藪。下山路脇には竹が多くて、麓の街の伝説と絡んでいるのかもしれない。
白石の街を通ってバス停へ。
途中に会った白石の神送りの看板。ここで言う青竹とは、先ほどの竹藪なのかな?
神送りというのが、いかにも村の慣わしっぽい。
色々と地元の慣わしも感じつつ、15時ごろに白石車庫バス停に到着。次のバスは15時29分だったので、まぁまぁ良いタイミングでした。
バスは1時間に1本しかないので、くれぐれも乗り遅れないように。
一番前の席をゲットして、ふと運転席を見たら、来た時の運転手と同じ人でした。この運転手、パトリックスチュワートに激似だったからよく覚えてたんだよな(笑)
なかなかのイケメンじいさんでした。
16時、まだ明るいうちに小川町駅に戻ってきました。6時間ほどの行程だったけど、意外に良い疲れが残って充実した山歩きでしたよ!
突発で決めた山プランだったけど、意外と歩き応えもあって、満足した1日でした。
途中でも話したけど、今回のルートのおすすめは大霧山と堂平山。
堂平山は展望も素晴らしくて大人数で登るにもオススメ!…ただ、パラグライダー場があったりと車でも登れてしまう場所なので、山の雰囲気を味わいたいなら大霧山が良いかと思います。八ヶ岳、浅間山、谷川方面、日光方面まで見渡せるので展望も山でもあるんでね。
サクッとだけど、今回の山旅はこれくらいにしておきます。あんまり毎回長い記事というものアレなんで……
秩父界隈はまだ登りたい山が残っているので、時間が空いた時にもでも地道に登って行こうと思います。
逆にあまり知らない山域でもあるので、おすすめの山とかあったらぜひ教えてくださいm(__)m
雪山も小休止。春の訪れを感じた山旅でした。
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【日程】
2015年2月28日 晴れ
【コースタイム】
橋場バス停(9:30) — 粥新田峠(10:15) — 大霧山(10:40) — 定峰峠(11:30) — 白石峠(12:20) — 堂平山(12:50~13:20) — 笠山(14:00) — 白石車庫バス停(15:00)
※標準よりはペース早めです
コメント
定峰峠〜白石峠は、上に上がるの面倒なんで、最近は下の舗装道路歩くことが多いです。
僕も次回からそうしたいと思います…。
もう少し展望が良いかと思ってたんですけどね。
思った以上の急登で結構疲れました。
こんばんは♪珍しくソロ登山ですか?
激しい?雪山が続いたので、ちょっと春の匂いがする
低山ハイクも良いですね。
やま子さん
気づきましたか?(笑)
突発で決めたんで、一人でのんびり歩いてきました。
今年は例年になく雪山に登っているので、久しぶりの低山は安心感があって楽しかったです!
こんばんは。
大霧山!行こうと思っていた山でした!
行く予定でしたが、天気が悪く延期にしてそのままになっていました。
記事を読んでぜひ行かなくてはと思いました。
天気の良い時に行きたいです(*^_^*)
とても参考になりました、いつも詳しくありがとうございます。
ゆかぽんさん
おぉ!それでは記事にしておいて良かったです。
大霧山は低山にしては十分すぎるくらい展望に恵まれた山です。遠くを眺めれば真っ白く雪をかぶった山がたくさん見えますよ。
お隣の堂平山はさらに開けているので、良ければ合わせて登ってみてくださいね。
良い旅になりますように!
春ですね~。
新潟の山も、低いところでは花も咲き始めたようで
この時期は花を見に行くか、雪を踏みしめに行くか
いつも葛藤があります(^_^;)
花火星人は、春の恒例で『東洋一の大雪庇』と言われる
守門岳で雪を満喫してきました。
4月中旬くらいまでは巨大な雪庇を見れるので
機会があれば、ぜひいらして下さい!
花火星人さん
その葛藤わかります!今年は雪はかなり遊び倒したので、花に比重を置きたいのですが、花は時期がかなり限られているので、なかなかタイミングを合わせるのが難しいです。。。
守門岳はまさに4月に行く予定で、日帰りももったいないので1泊して新潟のどこか他の山も登れたらなと思ってます!
記事、参考にさせていただきますね。
もし4月上旬にいらっしゃるのなら、花で有名な角田山や弥彦山を
セットでおすすめ!といいたいところですが、昨今は有名になりすぎて
晴れの週末はかなり混雑するんですよね~。。。
角田山は灯台があるところですよね。海も見えるそうなので合わせて行ってみたいです!
弥彦山は知りませんでした。どちらも登りやすそうですが、簡単に登れて花も綺麗となると、やっぱり混みますよね…。
候補に加えさせていただきます。情報ありがとうございます!