八ヶ岳の編笠山~西岳へ雪山登山に行ってきました。
降雪後ということで登山道には雪がしっかり積もっていて山頂からはアルプスや富士山の大展望!目の前に広がる赤岳や権現岳の雪景色も素晴らしく、樹氷も見れて楽しい年末の登り納めができました。
周回コースは距離が長めなので、日帰りの場合は朝早めのスタート推奨です。

2025年12月28日【八ヶ岳】編笠山~西岳 雪山登山
今年の雪山シーズン1発目は八ヶ岳の編笠山~西岳。
冬の編笠山は過去に一度登っていますが天気がイマイチで展望がほとんど見れず、西岳に至ってはいまだに登ったことがない未踏のピーク。
2025年の締めの登山として、少し長めの周回コースを頑張って登ってきました。
天気にも恵まれて、山頂からの雪景色が本当に素晴らしかったです。

登山口となるのは長野県の富士見高原。スキー場の脇に登山者用の駐車場が用意されています。
朝から雲一つない快晴で、駐車場から眺める甲斐駒ヶ岳に早速テンションが上がりました。
空も明るくなった6時50分頃に登山開始。

駐車場から5分ほど歩いたこちらが登山口。
見ての通りスタートから足元には雪が積もっていましたが、しばらくは緩やかな登りなのでまだアイゼンは履かなくて大丈夫。

五差路の分岐点。
編笠山~西岳は周回コースが組めるようになっていて、自分たちはまず編笠山から登ることにしたので左奥に延びる道へ進んで行きます。

目指す編笠山がスタート早々にご登場。
こうして見ると結構な距離があるように見えますが、実際遠かったです。思っていた以上に疲れました。

最初の20分ほどは緩やかに登って行く平和な登山道ですが、途端に急登になる箇所が出てきたのでここでチェーンスパイク装着。
編笠山~西岳は雪の時期でもそこまで危険個所はなく、どちらかというと体力勝負な山。冬の八ヶ岳の中でも入門的な位置づけとされていますが、立派な雪山であることに変わりはないのでアイゼンはあった方がいいです。ピッケルは使いどころもないのでストックで十分かなと。

この樹林帯の登りが結構長めで耐えどころ。展望もなく単調な道が続きます。
積雪量が増えて足元がモフモフしてきたあたりからようやく面白くなってきました。

急登が続く1本道。岩場が出てきたらもう間もなく展望が開けるサインなので頑張りましょう。
雪は序盤から積もっていましたが、これは2日前に降ったものなのでトレースはバッチリ。前日の登山者のおかげでラッセルするような箇所はありませんでした。

こうして頑張って登ること3時間半。ようやく樹林帯を抜けて山頂の岩場ゾーンへ。
まず目にしたのは見事に澄んだ八ヶ岳ブルーの青空。

そして、後ろを振り返れば南アルプスの展望!
北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳という3000m級の豪華ラインナップを目の前に見ることができます。雪はまだ少なめながらも山頂部が輝いておったぞ。

視線を右にずらせば中央アルプスと御嶽山。
あちらは南アルプスよりも雪が積もっていて真っ白です。昨年は木曽駒ヶ岳で登り納めとなりましたが、あれからもう1年経ったのかぁ~としみじみ。この日は絶好の登山日和ということで千畳敷あたりもさぞ賑わっていることでしょう。

そしてこちらが待望の富士山!
どの方角も見事に晴れ渡っていて、手前の盆地に広がる薄い雲のベールが幻想的な光景を演出していました。あれは雲海……なのか?
なんとも神々しい日本最高峰、やはり年末年始に見る富士山は特別感があります。

山頂までは残り30分ほど。
ここから先は視界を遮るものがなく展望は最高ですが、風が強い場合は逃げ場がないのでご注意ください。
この日は幸いにも無風という絶好のコンディションで、暖かいくらいでした。


午前中のこの時間はまだ辺りの樹々が凍り付いていて、白いサンゴ礁のような樹氷も見ることができました。
ここ最近の八ヶ岳は雪が少ないイメージがあるので、こういう景色が見れただけで来てよかったと思えます。

山頂手前は岩場ゾーン。
雪が積もっていると滑りやすくて、思わぬ落とし穴があったりもするのでここは要注意ポイントです。
登りはまだ良いですが、下山時の岩場は慎重に。

こうして10時45分に編笠山に登頂。登山口の駐車場から4時間かかりました。
だいぶ疲れましたが、山頂からの景色がそれを忘れさせてくれます。

まず何と言っても目を惹くのが、北側に広がる八ヶ岳の山々!
雪をかぶった権現岳、赤岳、横岳、阿弥陀岳がもう素晴らしい景色です。
雪の白と岩の影の陰影がまたカッコ良いのよ。

西側には北アルプスの山なみも見事に広がっていました。左は乗鞍岳から右は白馬岳まで勢揃い。
さすが日本屈指の豪雪山域、どこも真っ白です。この日は珍しく全域で登山日和だったようで、なかなか見れない冬の北アルプスを一望できました。
手前に見えている少し低い山が、この後向かう西岳。西岳からは北アルプス側は見れないので、ここでしっかり目に焼き付けておきましょう。


山頂の傍らには樹氷のように凍り付くクリスマスツリー。これもまた美しい景色。
雪もしっかり積もっていて、バフバフ踏み歩く感覚が心地良かったです。

山頂からは富士山ももちろん見えていて、樹氷とのコラボがまた素晴らしかったです。
雲海のように広がる薄い雲の層が相変わらず幻想的な光景を生んでました。あれは果たして雲だったのか……?いまだに謎ですが、とにかく綺麗でした。

山頂でしばし休憩。
編笠山の山頂は広くて平らなので、休憩する場所には困らないです。
しばし自分たちだけの貸し切り状態でしたが、少しすると後続の登山者が続々と登ってきました。

左端に見えるのが八ヶ岳最北の蓼科山。ひとくくりに八ヶ岳と言っても、登ってみればやっぱり広大な山域というのがわかります。
八ヶ岳は冬でも営業している山小屋が多いので、雪山登山としても非常に人気のスポット。首都圏からもアクセスしやすいし、この絶好の天気というのもあってどこも賑わってそうです。

富士山と南アルプス。
どれも8年前に登った時には見れなかった景色。風もなくてゆっくり山頂で休憩できたのも良かったです。
照り付ける太陽がまぶしくて、下山する頃には顔が火照ってました。日焼け止め塗り忘れには気を付けましょう。

編笠山だけでもだいぶ疲れましたが、この絶好の天気ということで予定通り西岳の周回コースで頑張ることにしました。
西岳に向かう場合は赤岳、権現岳方面の樹林帯へ入って行きます。

眼下に見えている青年小屋まで一度下ります。
樹林帯を抜けるとそこはまた素晴らしい景色で、目の前にそびえる権現岳がなんとも凛々しい姿でした。

所々に残っていた霧氷も綺麗な景色。
真っ白な毛細血管が青空の下で映えてます。

青年小屋手前が岩場ゾーンなのでここら辺は要注意。
一番前を歩くまさきが落とし穴トラップにやられてケツを強打。自ら反面教師として悶絶する姿を披露してくれました。

青年小屋に到着。赤ちょうちんで有名な山小屋です。
冬は営業してませんが、冬季小屋が一部開放されています。

青年小屋から見上げる編笠山。
結構下ってきました。

西岳方面の登山道へ進むため、テント場を横切って行きます。
この翌日も天気が良い予報だったので、おそらくテント泊と思われる大きいザック背負った方ともチラホラすれ違いました。
寒いのが大の苦手な自分にとっては、雪の上でテント泊出来る方が羨ましいです。

西岳は季節問わず過去に一度も登ったことがなかったので、ここから先は初めて歩く区間。これが意外や意外に大変でした。
道こそ緩やかでしたが、思っていた以上に西岳が遠くて長い樹林帯に精神やられました。
雪もこの辺りが一番積もっていた感じです。トレースがあったのが幸いでしたが、ノートレースだったら体力的に周回コースは無理だったかもしれない。


樹林帯を抜けた先が西岳山頂。八ヶ岳で唯一と言ってもいい未踏のピーク、ようやく登頂できました。
青年小屋から時間にしたら1時間もかかってないですが、だいぶ疲れましたよ。

それでも山頂は開けてくれているので、ここからの展望も最高!
右に見えるこんもりとした山が先ほどの編笠山。その背後には富士山も見えてます。
左の尖がった山が権現岳。

編笠山でもそうでしたが、権現岳の雄姿が素晴らしくカッコ良い。
尖がった峰はやっぱり映えますね。
よく見たら背後にうっすらと月も従えて神々しいったらありゃしない。

西岳から先は富士見高原に向けて下山するだけ。
これがまた長くて、終盤には足がプルプル言ってました。
あぁ、これは絶対に筋肉痛になるなと。

林道に出るまで約2時間、ひたすら単調な下り坂でした。
この疲労度、雪山シーズン1発目ということで冬靴の重さに身体が慣れてなかったのかもしれない。もしくは早くも正月太りが始まったのか……。

こうして14時40分に登山口駐車場に無事に帰還。
最後まで雲一つない青空で、本当に登山日和な1日でした。
思っていたよりも混んではいなくて、駐車場も結構空きが目立ってました。

下山後の温泉は登山口からすぐ近くの八峯苑・鹿の湯へ。
年末年始の日帰り入浴は15時まででしたが、ギリギリ滑り込めました。
帰りの高速もそこまで渋滞していなくて良かったです。

冬の八ヶ岳、編笠山~西岳の雪山登山。
しっかりと雪が降ってくれてたおかげで、山頂からの雪景色が本当に素晴らしかったです。アルプスや富士山も見事に見れて、思い残すことなく2025年の登山を締めることができました。
編笠山だけでもそれなりに時間がかかるので、周回せずに単発でもおすすめです。良ければ登ってみてください。
【日程】
2025年12月28日
【コースタイム】
6:50 富士見高原登山口
10:45 編笠山
11:30 青年小屋
12:20 西岳
14:40 富士見高原登山口

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