武蔵五日市駅~ためぐそ山~金玉水~勝峰山~天竺山~唐松山~武蔵増戸駅というルートで冬の低山ハイキングに行ってきました。
多摩百山を3つ登る縦走コースですが、ここの主役は何と言っても名前のインパクトが強烈な「ためぐそ山」と「金玉水」。
勝峰山からの素晴らしい展望以上に、珍名が印象に残る登山でございました。

2025年12月13日【奥多摩】ためぐそ山~金玉水~勝峰山 冬のハイキング
今回の縦走コースで登る、勝峰山、天竺山、唐松山の3つは低山ながらも多摩百山に選定されているブランド力を誇ります。
ただ、自分の目当てはそれではなく、道中にある「ためぐそ山」と「金玉水」。嘘のようなホントの名前。
この場所を知ったのは数年前ですが、以来あたまの片隅に居座っては気が散って仕方がないので、このモヤモヤと解消するためにも2025年のうちに登りに行ってきました。

スタートは武蔵五日市駅。
直近では、先月の日の出山~金比羅尾根縦走で訪れた駅になります。
今日はバスには乗らず、ここからハイキング開始。

まずは駅前の秋川街道を道なりに北上していきます。
写真にある通りセブンイレブンがあるので、ここで買い出し可能です。

秋川街道沿いを歩いて、こちらの分岐を左へ。
深沢山~勝峰山の縦走は周回コースが組めるようになっていて、帰りは右から帰ってくることになります。
そしてこのルートを歩くのであれば、今回の自分みたく時計回りに進んだ方がいいかと思います。

その理由は序盤にあって、こちらの目立たないところが登山口。
一見すると見落としやすい入口なので見過ごさないようにご注意ください。

そして入ってみていきなりの急登。
距離こそ長くないですが、傍らにロープが設置されている通りかなりの急斜面でおまけに足元が滑りやすい。
登るのにも少し手こずったので、ここを下るのは結構神経使うと思います。この序盤の荒れた急坂は登りで使うのがおすすめ。

しばらく道なりの登って行くと地蔵山に到着。登山道はやや荒れていてあまり歩かれていない感じがしましたが、山頂の標識はしっかりと用意されていました。
わかりづらいですが、左奥に小さいお地蔵様が祀られています。

ここから道は歩きやすくなって、しばらくは明瞭な一本道。
そして、この先で早くも本日の主役が現れる。

その山頂がこちら。
見たところ展望もないピークですが、ここの山の名前と言ったらもう一度見たら忘れんよ。

ためぐそ山。
なんともお下劣な響きの山ですが、そう命名されてるんだから仕方ない。
この山だってそんな名前つけてほしくて生まれてきたわけではないでしょう。

足元を見ると、念を押しての溜糞山。漢字表記はなるほど、想像した通りでした。
ふり仮名を振ったひらがな表記がまた追い打ちをかけてきます。

念には念を押してのためぐそ標識。
狭い山頂ながら標識多め、自己主張の強さは今回の縦走ルート随一でした。
景色がない代わりに珍名でインパクトを残す策略、自分は嫌いじゃない。

ためぐそ山から先も多少のアップダウンはあれど、しばし歩きやすい縦走路が続きます。
次に注目すべきはこの分岐で、深沢山へ行くなら直進ですが、ここはぜひ左へ折れて寄り道してみましょう。
先ほどのためぐそ山を凌ぐほどの強者が待っています。

しばし下山路。
ここら辺の陽が差し込む森の雰囲気がどこか神秘的でした。

しばらく下ると古びた小屋が見えてきます。
お目当てはこの小屋のすぐ先。

現れたのが金玉水。
ためぐそ山に続いてのキンタマ水。標識上に記された霊水という言葉が信じられなくなるくらい、下ネタオンパレードなラインナップ。
一応、水場らしいのですがこの時期では枯れて水は流れていませんでした。
そして、注目すべきは標識の真下。

光り輝くゴールデンボール。
誰がやったのかわからないですが、意味深な2つの玉が置いてありました。
これは確信犯に違いない。不届き者め、ちょっと面白かったぞ。

ちびっ子ならゲラゲラ笑うであろう珍妙のオンパレード。かくいう私もニタニタしながらその後の縦走路を歩いております。
いやいや、地味な笑いがボディーブローのように効いてきて、いつもとは違う登山の面白さがありました。
少しまじめな話をすれば、ためぐそ山については確かに道中に動物のフンをチラホラ見かけました。意識して見ていただけで、他の山とそんなに変わらないのかもしれませんが。

そんな中で到着したのが深沢山。
こちらも展望がない山で、山の名前も特に面白みはなし。
つまらんのぅ。。。深沢山に罪はないですが、ここまで来たらそれなりの名前を期待してしまうわ。

その後も歩きやすい一本道。
ここら辺は金毘羅尾根に通じる歩きやすさがありましたが、道中で出会ったのは1人だけ。
山域としては奥多摩だと思いますが、ここまで人が少ないあたりは穴場なのかもしれません。

次に向かうのは勝峰山。標識に書かれている通り、途中の分岐から金比羅尾根に向かうルートもあります。
ただ、それよりも目が行ってしまうのがやっぱり金玉水。
ここまで来てなお、ツボにはまるあたり自分の精神年齢が危うくもなりますが、面白いんだから仕方ない。標識も何だか金玉のあたりが光り輝いています。

まぶしくてよく見えないという方にアップで載せておきます。
金玉水です。


しばらく歩くと麻生山、日の出山の分岐点に到着。ここが深沢山北峯の山頂でもあります。
日の出山はもちろん、麻生山の山頂も展望が素晴らしくて気に入った山なのですが、こちらに行ってしまうと今日のメインになってしまうので、ここは我慢して勝峰山方面へ。
本日の主役は「ためぐそ山」と「金玉水」ですから。


その後、しばらく登ると勝峰山に到着。
多摩百山に選定されているだけあって、立派な標識が立てられていました。

山頂も広くて、こんな感じでベンチがたくさん用意されています。
到着時は誰もいなかったですが、しばらく休憩しているとこの山を整備している方々が登ってきました。

山頂にあった幸せの鐘。
鐘の奥には奥多摩方面の山々、大岳山、御岳山、日の出山あたりが見えました。

北側の展望も開けていて、木々の合間からは日光の山々も見渡せます。
肉眼では男体山、女峰山当たりの山頂部が白くなってましたよ。

勝峰山から先は遊歩道が敷かれたハイキングコースになっていて非常に歩きやすいです。
ここら辺では数名の登山者と出会ったあたり、やっぱりこのコースの中心的存在は勝峰山なんだなと思いました。
個人的な推しは金玉水ですが、あんまり連呼するとハラスメントになりかねないので自重します。

山頂からの展望も良かったですが、一番素晴らしかったのが少し下ったこちらの展望台。
ベンチもあるので、ここを休憩ポイントにするのがおすすめです。

展望台からの眺め。
都心部方面が良く見渡せて、写真ではわかりづらいですが東京スカイツリーや新宿の高層ビル群、東京タワーなどが良く見えました。

その後、遊歩道を下って行くと血の池なるスポットに到着。
先ほどまでの緩い感じから一変してなんともおぞましい地名。

そうは言ったものの池らしき場所は見つけられず、代わりの祠とベンチが用意されていました。
何のことはないと思い引き返そうとしたのですが、キラリと光るものを発見。

おぉ!?ここにもゴールデンボールかと思いましたが、祀られた鈴でした。
大変失礼しました。
どうも先ほどの金玉水の怨念が取り付いているようです。

遊歩道を下って行くとすぐに登山口に到着。
車が見えている通り、ここまで林道が通っているので車でも来れるようです。

登山口にあったのポスター。
勝峰山はロケ撮影誘致も積極的に行っているそうで、いくつかのドラマ・映画のロケ地になっているようです。

その後は道なりに林道を下山。
途中、ショートカットの登山道にも入って行けますが、林道をそのまま下っても登山口へ下りることができます。

秋川街道に合流後、武蔵五日市駅を目指しましたがまだ時間があったので途中で寄り道。
標識に小さく書かれている天竺山、三内神社へと向かいます。
ここから先は天竺山~唐松山という全く別の縦走コースで、追加で2時間はかかるのでお好みでどうぞ。

踏切を渡ったこちらの鳥居が天竺山の入り口。
一礼して、本日の第2ラウンド開始。

三内神社入口からの眺め。
武蔵五日市駅周辺は標高1000mにも満たない低山ばかりですが、ここら辺は登ってみたい山が多いので、今後も足を運ばせてもらおうと思っています。

登山道に入ってから尾根に出るまでが急登ですが、距離はたいして長くはないです
ここからは天竺山~唐松山の縦走路。
何となく察してはいましたが、ここから下山するまで誰一人登山者とは出会いませんでした。

登り進めていると天竺山に到着。
山頂には三内神社の本社がありました。
この山も多摩百山の1つに選定されています。

展望にも恵まれていて、この山頂からも東京スカイツリーや都心の高層ビル群が見渡せました。
ここのベンチでしばし休憩。


そこから道なりに下山していくといったん林道に出て、こちらの左わきの小径から再び登山道に入って行きます。
次に目指すのは唐松山。


唐松山の縦走路ですが、道は明瞭であるもののたまに分岐があるので間違わないようにご注意ください。
山頂までは横沢北側尾根という方面へ進んで行くことになります。

唐松山までのアップダウンが地味に危険で、特に下りは急斜面かつ落葉と砂のスリップトラップが敷かれているのでご注意ください。
結構神経使いました。


こうして本日最後のピーク、唐松山に到着。
ここも多摩百山に選定されている山ですが、山頂からの展望は残念ながらありませんでした。

それでも少し下ったところから市街地方面を見渡せます。
街は目と鼻の先ですが、ここから下るまでも地味に要注意ポイント。

標識で言うと下ノ川という方へ下って行くのですが、終盤は片側が切れ落ちていたり滑りやすい急斜面になっていたりと、意外と気が抜けなかったのでご注意ください。

難儀した登山道を抜けると、そこには穏やかな山間の田園風景が広がっていました。
ここが横入沢という場所で一帯が保全地域になっているようです。
何かの活動なのか、人がたくさんいて賑わってました。


こうして線路沿いに出たら、あとはひたすら直進して武蔵増戸駅に到着。
本日の低山ハイキングが無事に終了となりました。

メインは前半のためぐそ山~金玉水~勝峰山の周回コース。
武蔵五日市駅から直接登れるアクセスの良さとパワーワードが炸裂する珍名のラインナップ、他の山とは違った面白さがここにはあります。しっかりと広い山頂と展望台が用意された勝峰山が非常に優等生に見えました。
涼しい季節の低山ハイキングとして、良ければ登ってみてください。
そろそろ年末が近づいてきましたが、このままだと金玉水で年越しになってしまうので、あと1回くらいは年内に登りに行きたいです。
【日程】
2025年12月13日
【コースタイム】
8:15 武蔵五日市駅
9:00 ためぐそ山
9:15 金玉水
9:40 深沢山
10:00 勝峰山
11:20 天竺山
11:50 唐松山
12:35 武蔵増戸駅

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