秋の中央アルプス縦走登山。
駒ヶ岳ロープウェイを使って千畳敷からスタートし、空木岳まで縦走して菅の台へ下りるルートを1泊2日で歩いてきました。
激しいアップダウンの稜線を経て、何とか日没前に駒峰ヒュッテにたどり着いたのが1日目。2日目は池山尾根を下山するだけでしたが、空木岳山頂から眺めるご来光と登山道の紅葉風景が素晴らしき眺めでした。
千畳敷から空木岳までの稜線を経て駒峰ヒュッテまで歩いたのが1日目。
前回の記事を見てもらえればわかりますが、当初の予定では2日目に駒峰ヒュッテから越百山までを往復し、そこから一気に菅の台へ下山するつもりでしたが、そんな気力・体力はどこにもなく……
2日目は大人しく下山するだけとなりました。
ポンコツ登山、2日目の記録。
2021年9月20日 空木岳~池山尾根~菅の台
駒峰ヒュッテから越百山までの往復は10時間弱。予定通り決行するのであれば、真っ暗な4時くらいには出発しないといけなかったわけですが、そんなものは1日目の早々に諦めていたので、この日は朝もゆっくり。
やめると決めてからは、もう楽なもんです。
現在地は標高2800mの駒峰ヒュッテ。
5時過ぎ、空が白み始めてきたところで小屋の外に出てみる。
夜明けまでガスに包まれて辺り一面真っ白でしたが、ご来光直前になって運よく雲が取れてきてくれました。
すぐ目の前は空木岳の山頂。ロケーションは申し分ない駒峰ヒュッテです。
小屋泊では運任せでしかない「イビキのうるさい人がいないでくれ」っていうやつ。今回はその願いが叶わずに何度か深夜に起こされたけど、宿泊人数も少なくてまぁ快適でした。
山頂はすぐそこですが、小屋からでもご来光を見れそうだったので、登らずにここで待つことにしました。
2日目も安定のポンコツスタイル。
そして、朝の5時40分。東の空から待望のご来光。
南アルプスにかかる雲の切れ目から、太陽が姿を見せてくれました。
……って、おい。
急にこっちもガスってきた。
う、うわぁーーーーー。。。
大丈夫でした。
朝日を浴びる空木岳。
所々に点在する紅葉も赤く染まり、久しぶりのモルゲンロート。
すっかり太陽が昇った6時過ぎ、荷物を小屋において空木岳山頂まで登ることに。
1日目の縦走路はやはりなまった身体には厳しかったのか。脚がだいぶ悲鳴を上げてました。
小屋から5分ほどで空木岳山頂に到着。
すぐに山頂に着けるって素敵ですね。やはり小屋でもテントでも、泊まるなら山頂近くが理想的。
山頂に着いてまず確認したのがこちらの景色。
本来、行くつもりであった南駒ヶ岳~越百山への縦走路です。中央奥に見えるのが、日本二百名山の南駒ヶ岳。越百山はさらにその奥。
……なるほど、これは遠そうだ。アップダウンもありそうだし、ここからの往復はさぞ疲れることでしょう。
神妙な面持ちで一人納得する。
こちらは1日目に歩いてきた千畳敷~木曽駒ヶ岳にかけての稜線。
まだ稜線上には雲がかかっていましたが、山肌が紅葉しているのが良くわかりました。
そしてこうして眺めてみて思う、やっぱり山の天気はわからない。
これだって予報としては晴れだけど、稜線上にいるところ次第ではガスってるわけで。木曽駒ヶ岳や宝剣岳も見えない辺り、今は真っ白なんじゃなかろうか。
空木岳の雲が取れてくれたことに、ポンコツながら感謝しておきます。
西側も良く晴れていて、雲海の果てには御嶽山もバッチリ見えました。
山頂から眺める駒峰ヒュッテ~池山尾根。
こちらも明るくなって良くわかる、綺麗に紅葉してるやん。
もうこの後は下山するだけなので、特に時間も気にせずゆっくり過ごす。
雲が多い1日でしたが、逆に雲海になっていたりすぐ近くに迫る雲がダイナミックな景観でした。
山頂も静かで居心地良かったです。
何度も眺めてしまう南駒ヶ岳の稜線。
元気な状態でここから縦走するとなれば、なかなか面白そうな道に見えました。
空木岳から南下する場合、徐々に標高を下げて行くことになりますが、往復するのであれば当然帰りが登りになるわけで、、、
やっぱりやめておいて良かったです。
展望も十分楽しんで、小屋へと戻る。
荷物なしにこういう道を歩けるのは幸せです。
駒峰ヒュッテから見る空木岳。
見るアングルによってその姿がまるで違う山だとわかったのが、今回の一番の収穫です。
北側から見るとこんな感じですからね。
日本百名山らしく、凛々しく尖った姿がカッコ良かったです。
空木岳の真の姿はこれなのかもしれない。ぜひ北側の稜線からも見てやってください。
荷物を回収して池山尾根を下山。
ここから先は一度歩いたことがある道ですが、もう7年前だったのであまりよく覚えていませんでした。
下るにつれて見応えが増してきたのが紅葉。
空木岳ってそんなに紅葉しないイメージでしたが、全然そんなことはなくて東側斜面がかなり色づいていました。
まだピーク前だったので、もう少し遅くに来ればすごい紅葉風景が見れそうです。
少し離れたところから見る空木岳。
やはりこちらから見る姿は穏やかでのっぺりした印象。
木曽駒ヶ岳・千畳敷から縦走する場合はこの姿に騙されないでください。かなりクレイジーなマウンテンでしたよ。
池山尾根コースを下っていくと、すぐに目立ったチェックポイントに到着します。
それがこちらの駒石。地図にも書かれている、空木岳山頂直下のシンボルとされる巨大な岩です。
裏側から回り込めば岩の上に登ることもできますぜ。
駒石から少し下ったあたりの紅葉もなかなかのもんでした。
9月20日にしてこの色づきなんだから、ここら辺の紅葉も早いです。
振り返ると空木岳は雲の中。越百山まで縦走していたら、今頃真っ白な中を不貞腐れながら歩いていたでしょうね。
「これもすべて計画通り」と自分に言い聞かせて空木岳とお別れします。
次に来るときは、その時こそ越百山~南駒ヶ岳~空木岳を歩き通したいです。
樹林帯に入って少し行くと迷い尾根というところに行き着きます。
一般ルートですが、標識にも書かれている通り滑落事故も発生している箇所なので、やや注意が必要。
鎖場も何ヶ所かあります。
時刻はまだ朝の8時過ぎですが、ストイックな日帰り組みが早くも登りに来ていました。
迷い尾根が終わってからは単調な道のり。
一息ついたのは池山小屋(避難小屋)の水場。
1日目の千畳敷からここまで、縦走路の途中に水場が一切ないので、ここでようやく好きなだけ水をがぶ飲みできました。
キンキンに冷えて美味しかったです。
全然関係ないけど、たまに樹にぶら下がっているこの藻のようなものは何でしょうかね?
太陽の光を浴びて輝いている様が妙に神々しかったです。
水場から先は単調な道のり。
ここら辺は傾斜も緩やかなのでテンポよく歩けます。
そして9月とは言え、まだ日中は気温が上がる時間帯。暑くなってきました。
10時過ぎ、登山口の林道に出る。
ここまで来ればもう終わりだと思ってたけど、ここからがまだ地味に長かったです。
車を停めてあるのが菅の台なので、そこまで歩いて下る。
よく見りゃまだ眺めも良くて、麓の街もだいぶ下の方にありました。
再び登山道へ。
ここから1時間ほど下山路が続きますが、特に面白いことは起きなかったので省略します。
こうして11時に菅の台に下山完了。
1日目のバス待ち行列が思い出されますが、良く晴れた連休とあってこの日も大盛況の菅の台駐車場でした。
混む前にさっさと温泉へ。
いつも通り「こぶしの湯」へ行きました。露天風呂がリニューアルされて綺麗になってましたよ。
昼ご飯は、去年の将棋頭山の帰りに立ち寄って好評だった辰野PAの龍王ラーメンへ。
何かここのラーメン好きだわ。現在、辰野PA改装で休業中らしいですが、どうかこのラーメン屋は存続してほしいところです。
こうして1泊2日の中央アルプス縦走登山が終了。
行程の大半は1日目に集約されましたが、久しぶりにどっぷり疲れた山行となりました。
これまで単発の日帰りでばかり登っていた中央アルプス。初めて縦走してみて、この山域の手強さが良くわかりました。
南アルプスや北アルプスに比べて人気がないのも少し納得しましたよ。
今回は見送った南駒ヶ岳~越百山。この2つの山を登るときに、またこの日の登山は思い出すことでしょう。
厳しい道のりでポンコツ姿を露呈してしまいましたが、辛くも楽しい2日間でした。
おしまい。
【日程】
2021年9月19日~20日
【コースタイム】
6:10 駒峰ヒュッテ
6:20 空木岳
7:00 駒峰ヒュッテ
7:15 駒石
9:15 池山小屋
10:10 登山口林道
11:00 菅の台
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