栃木県足利市の大小アルプスへ登ってきました。
ルートは富田駅~大小山~妙義山~大坊山~あしかがフラワーパーク駅という周回コース。山頂からの展望が素晴らしく、稜線の岩場は歩き応えもあって非常に面白かったです。
電車アクセスで駅から登山できるのも最高!
自分の体力に合わせて色々とルートを組める、魅力的なご当地アルプスがここにもありました。
2025年2月15日【足利】大小アルプス 駅から周回ハイキング
ただいま、ご当地アルプスに非常にハマっております。その理由は察してくれる人もいるかもしれませんが後ほど語るとして、今回のアルプスは栃木県足利市の大小アルプス。
最初に言っておくと、とても面白かったです。これまでの低山アルプスとは少し異質の岩場メインでしたが、非常に歩き応えありました。
ここもまた、積極的に推していきたい。
ご当地アルプスは公共交通だけで登れるところが多いですが、今回もアクセスは抜群。
両毛線の富田駅から直接登ることができます。先月登った晃石山~太平山のスタート地点、岩舟駅の2つ隣。
下りた人は数名いましたが、ハイカーらしき人は自分だけでした。
駅の北側に見える丘陵地帯へ進んで行くと、徐々に標識が現れてきます。
富田駅から登山口までは徒歩30分程度。それほど遠くなく、途中では色々と寄り道も可能です。
途中にあったのが三柱神社。
ここは大小アルプス縦走とはあまり関係ないですが、この裏手から山の斜面を登って行くと1つのピークがあります。
それがこちらの駒場山。
登山道はあまり整備されておらず、山頂目指して無作為に登って行く感じでしたが標識はしっかりと用意されていました。そしてここで初めて「足利百名山」なるものを知る。
標識に書かれていますが、駒場山は第74座だそうです。足利市だけで100個もの山を選定できるってすごいですね。色々と開拓し甲斐がありそうで。
駒場山から下りて先へ。
大小アルプスの1つの目印となっているのが大小山の「大小」という看板。実は駅からもその文字が見えていて、写真のように遠目に確認することができます。
大小アルプスに登りたければ、あの文字の方角へ進めば良し。
大小山入口の標識も増えてきました。
正面に見えているこんもりとした山は西場富士。一応、あの山も大小アルプスに含まれているようだったので、寄り道して登ることにしました。
こちらの稲荷神社の鳥居が登山道への入り口。
民家脇の犬に吠えられながら入山しました。
こちらの動物よけの扉を開けて登山道へ。
山頂までは1本道ですが、急登が続くので頑張りましょう。所要時間15分程度の短期決戦です。
こちらが西場富士。この山も足利百名山に選定されているようです。
山頂では樹々を伐採している人たちがいて賑やかでした。
山頂からの展望はなかなか良いですが、この先のピークを思えばこれは序の口よ。
けたたましいチェーンソーが鳴り響く山頂で少し休憩。
ここから稜線伝いに妙義山へ目指すこともできますが、自分は何となく大小山登山口から登りたかったので来た道を戻ることにしました。
市街地歩きも気持ち良いもので、途中には蝋梅(ロウバイ)の花もまだ咲き残っていました。
甘い香りを嗅いでエネルギーチャージ。
こちらが大小山登山口の駐車場。
マイカー組はここに車を停めて周回する方が多いようです。
駐車場を見て、その人気っぷりに驚きました。なかなかの車の数です。
実際、この先の登山道ではたくさんの人とすれ違って、ご当地アルプスのブランド力を身に染みて感じました。
ところで、ここに来るまで大小山の由来なんて全然知らずにやってきたのですが、駐車場隣の鳳仙寺のタヌキ様が教えてくれました。
赤い大天狗+青い小天狗=大小天狗、というのが山名の由来だそうで。
勉強になります。
駐車場を過ぎたところが大小山の登山口。
ルートは二手に分かれていますが、自分みたく大小山~妙義山を登って大坊山方面へ縦走したいなら左の見晴台経由の方が良いです。
大小アルプスでよく見る、ステンレス製の「大小」の看板を真下から見れるポイントもこちらにあります。
序盤は階段の登りが続く道。
歩幅の合わない階段は地味に疲れる。
少し登ると女坂、男坂の分岐点。
ここはどちらでも良かったですが、すぐ下からマダムグループが登ってきて、何となく女坂へ行くのが恥ずかしかったので右へ進みました。(赤字で女坂って書かれると、なんか女性用みたい)
ちなみに、マダムたちも男坂を選択。
男坂ルートにあったのが大小山仙間神社。
ここは少し道を間違いやすいですが、大小山経由で登るのであれば写真左の方へ延びるルートを進みます。右へ延びるルートもありましたが、それはどうやら妙義山へ行く道だったようです。
ここら辺から岩場が出始めて部分的に鎖場もありました。
この先もそうですが、岩場の難易度は全然大したことはなくて、足場もしっかりしているので歩きやすいです。ここも鎖は使わずとも難なく登れますが、鎖が登場するだけでテンション上がるのは登山あるあるか。
その先で女坂と合流。少し登ると、麓から見えていてた大小の看板を真下から見れるポイントに到着しました。
大小アルプスでは良く目にするアングル。大小山へ登った証として、ここからの写真も納めておきましょう。
ハシゴを登って行くと山の稜線部に出ます。
ここから少し登れば山頂。
こちらが大小山の山頂。
もちろん、ここも足利百名山に選定されていますが、さらに1ランク上の栃木百名山にも選定されておりました。
山頂からの展望は抜群!低山とは思えないほどの開放感で、特に目を引くのが西側。
右奥に見えているのが赤城山、左奥には薄っすらとですが浅間山も見えています。
中央正面に見えているこんもりした山が大坊山。これから稜線をグルっと右から回ってあちらへ向かいます。
大小山から妙義山までは10分ほどの距離ですが、この区間が岩場のアップダウンで面白い。
足場がしっかりしているのでそこまで危険ではなく、岩場オンチの自分でもアスレチック感覚で登って行けました。
妙義山に到着。標高は313m。
大小アルプスの主役級の山で、先ほどの大小山以上に展望が凄いです。
まずここにきて初めて見えるのが北側の景色。
中央正面に見えているのが男体山。この日は全国的に天気が良くて、日光方面はもちろん新潟辺りまで綺麗に見えてました。
こちらが東側の展望。
先月登った晃石山~太平山も良く見えてます。特に岩船山は特徴的な形をしているので、標高が低くてもその姿をはっきりと捉えることができます。
岩船山に登った方はその山容を覚えておいて、ぜひここから探してみてください。
南側も関東平野が広がる大パノラマ!
まだ大小アルプスの序盤ですが、すでに景色は十分堪能できております。
この日は気温が高くて霞んでいましたが、肉眼では実は右奥辺りに富士山も見えてます。
大小アルプスのポテンシャルの高さを存分に感じながら次へと進む。
アルプス縦走としてはむしろここからが本番で、まずは西側の稜線伝いに坂を下って行きます。
そこからしばらくは緩やかな縦走路。
低山でありながらもアルプスという名にふさわしい稜線ハイクを堪能できます。
大小アルプスは展望の開けるポイントが本当に多くて、山頂以外からも麓の街並みを一望できます。
例によって写真ではわからないですが、画面奥の方には富士山が見えておるのだ。
こまめなアップダウンが続くので、途中にはピークも多い。
こちらは中岳山頂。枯れ木に囲まれているものの、木々の合間からは展望をのぞき見することができます。
その少し先にあったのが毛野山。
こちらも左奥に男体山が見えている通り、日光や群馬方面の展望に恵まれています。
まだまだ続く、大小アルプスの縦走路。
展望が開ける箇所が多くて、本当に楽しく歩けてます。
随所に現れる岩場の数々も面白い。
まさにゴジラの背のような岩場もあったり。まさにここは、足利の穂高連峰やぁ~
岩場を登ったり下ったりして、次なるピーク「あいの山」に到着。
「あい」というのがどういう意味なのかと思いましたが、標識の下にLOVEと書かれていたので一目瞭然。ひらがな表記に優しさを感じました。
ここまでだいぶ色々なピークを踏んできましたが、まだ先は長い。
御覧のような稜線を進んで行きます。左奥の山が大小アルプスのゴールともいえる大坊山。あそこに行くまでにも、見どころポイントが豊富に用意されています。
次なるピークが、こちらの越床山。
ここに1つの寄り道ポイントがあります。
それがローソク岩。標識に書かれている通り「足利のマッターホルン」だそうで。
そこまで言われちゃ行くしかないぜ。
ローソク岩までは片道10分ちょっと。行きは下り坂で帰りが登りになります。
道は明瞭なので迷う心配はありません。縦走路からは逸れますが、立ち寄っている人が多かったです。
そして、こちらがローソク岩。別名、足利のマッターホルンでございます。
目の前に巨岩がドンと鎮座しておりました。
これがマッターホルンかと言われると賛否両論はありそうですが、大小アルプスの岩稜帯に相応しい風景であるのは間違いない。そのシンボルともいえるローソク岩、時間があればぜひ立ち寄ってみてください。
越床山まで戻って引き続き稜線ハイク。
本当にこの縦走路は面白い。岩場あったりアップダウンありつつも、歩きやすい平坦な道も多くて眺めも最高。終始飽きずに歩けております。
ある程度下って越床峠に到着。
疲れた場合はここから足利病院経由で麓へエスケープできるようです。縦走を続けるなら直進あるのみ。
越床峠からは直登の体力勝負区間。
距離は長くはないですが、ストレートに登って行くので太ももが悲鳴を上げておりました。
そんな坂を登った先にあったのがこちらの看板。
どなたか書いているのか知らないですが、リアルタイムな情報をわざわざここまで登ってきて手書きで更新してくれてるんですね。有難いことです。
2月15日は「春一番」名づけの日だそうですが、注目すべきは文章の後半。『大小アルプス、足利アルプスの記事が山と渓谷2月号にのってますよ!!そのせいか、県外からの方も増えています』と。
その県外からの一人がまさに私です。山と渓谷でご当地アルプス特集をやっていたのももちろん知っています。
雑誌の特集に触発されて、こうしてアルプス巡りに興じているミーハーなのです。
地元の人からしたら人が増えて嫌なのかもしれませんね。。。すいません、お邪魔しております、静かに歩かさせてもらいます。
これまで歩いてきた稜線を一望。
一見すると樹林帯に包まれていそうな稜線ですが、実際に歩いてみると岩場が多くて展望に恵まれているのがわかります。
稜線のアップダウンを経てたどり着いたのがつつじ山。5月ごろにはツツジが咲くのでしょうか。
花というよりは岩山という感じの高度感あふれるピークでした。
群馬方面の展望。
眼下に見えるゴルフ場が目立ってますが、注目すべきはその奥に見える低山エリア。
あれが足利アルプス。次にひそかに狙っているご当地アルプスです。
この後も岩場の連続。
危険個所は全然なくて、誰でも楽しめる岩登りフィールドが用意されています。
こういうのが好きなんです。足場がしっかりしていて高度感もそれほどない、こういう岩場で自分は十分楽しめます。
そうしてたどり着いたのが大小アルプスの終着点、大坊山。
山頂にはデカデカと「おれ!大坊山!」と言わんばかりの自己主張の強い標識が用意されていました。
山頂は広くて展望にも恵まれています。
この日は気温も暖かくて、ゆっくり休憩するにはもってこいの場所でした。
山頂は大山祇神社の奥宮。
右奥に見えてる社が奥宮ですが、入口の狛犬の眼力が凄かったのでこちらを主役にして写真を1枚撮っておきました。
大坊山からは参道を通って下山。
この後は樹林帯に入って行きますが、距離はそこまで長くはないです。
下山したところが大山祇神社。
こちらの駐車場も大盛況で、改めて大小アルプスの人気っぷりを実感しました。
駐車場わきに小さいですがトイレあります。
ここからはしばし舗装路歩き。
歩いてきた大小アルプスの稜線を眺めながらの下山。
このまま舗装路を大通り方面へ歩いて駅を目指してもいいですが、地図を見てみたら山を越えるルートもあったので、そちらから帰ることにしました。
写真前方の山がそれですが、見た目に反してこれが地味に辛かった。
再び登山道に入って直登。
これが時間にしたら15分ほどですが、この日一番かと思うほどの斜度で太ももがパンパンになりました。
余計な寄り道だったかもしれませんが、この先にも2つの足利百名山があります。
1つ目はこちらの新田山。
電波塔の奥に山頂の標識があります。展望は残念ながらなし。
新田山から戻った先にあるのが浅間山(三足富士)。
こちらは展望に恵まれていて麓の街を一望できます。右下に見えている丘陵地帯はあしかがフラワーパーク。南にのびる登山道を下ってあちらを目指します。
再び町まで下りてやってきました、あしかがフラワーパーク。ここは紫色の藤の花(大長藤の藤棚)で有名な観光スポットですが、藤が咲くのは4月下旬頃。
まだ時期ではないので、園内は閑散としてました。
あしかがフラワーパーク駅がすぐ近くにあるのですが、次の電車まで40分ほどあったのであしかがフラワーパーク裏の低山もついでに登っておきました。山頂まで10分程度。
こちらの展望デッキが建つのが多田木山。こちらも足利百名山の1つだそうで、期せずしてこの日10個近くピークを踏めました。
藤の花はまだでしたが、園内には梅の花が咲いてました。
もう間もなく梅も満開となる季節。来週あたりは梅を見にどこかの梅林登山でもしたいです。
こうしてあしかがフラワーパーク駅まで歩いてこの日の登山が終了。
藤の花推しということで、駅前の階段はメルヘンな装いになってました。
初めての大小アルプス縦走登山。
花の長瀞アルプス、海の湘南アルプスとするなら、ここはまさに岩の大小アルプス。
低山ながらも岩場が多くて展望も素晴らしく、ハイキングコースがしっかりと整備されたご当地アルプスでした。かなり気に入ったので、機会があればまた登りに来たいと思います。
富田駅、あしかがフラワーパーク駅から電車のみのアクセスで登れます。
【日程】
2025年2月15日
【コースタイム】
8:40 富田駅
9:10 駒場山
9:35 西場富士
10:20 大小山
10:35 妙義山
11:20 あいの山
11:35 越床山
11:45 ローソク岩
12:30 つつじ山
12:40 大坊山
13:00 大山祇神社登山口
13:50 浅間山(三足富士)
14:25 多田木山
14:40 あしかがフラワーパーク駅
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