栃木県の岩船山~晃石山~太平山へ登山に行ってきました。
1月は蝋梅(ロウバイ)の群生で有名な清水寺が満開となる季節で、ちょうど見ごろを迎えて素晴らしい景色が広がっていました。
低山ながらも展望が良くて、迫力ある断崖雪壁など見どころも豊富!
岩舟駅から大平下駅へ電車のみのアクセスで登れます。
2025年1月25日【栃木】岩船山~晃石山~太平山 ロウバイ登山
1月に咲く蝋梅(ロウバイ)。
毎年、冬の雪山シーズンの合間に狙いたくなる花です。昨年は筑波山の梅林へ行きましたが、今年は栃木県の晃石山(てるいしさん)へ。麓の清水寺に群生地があります。
駅から登山が可能な面白ルートをまた1つ発見できました。
スタートはJR両毛線の岩舟駅。
晃石山と太平山の縦走であれば隣の大平下駅を基点に歩けますが、少し歩く距離を伸ばしたい方はぜひこの岩舟駅から歩いてみてください。
序盤の序盤でハイライトとも言える絶好スポットがあります。
まず登るのは岩船山。駅前に見えているあの岩山です。
最初に言ってしまうと、この日のルートで一番景観が面白かったのがあの岩船山。
ここはぜひ登ってほしい。
駅から徒歩5分程度で登山口。
こちらの階段をひたすら登って行けば山頂のお寺に着きます。
なかなか長い階段ですが、途中脇道がいくつかあってそこらで素晴らしい景観を拝めるので、ぜひ寄り道優先で歩きましょう。
最初に右手に現れた脇道ポイント。行ってみるとこんな感じで開けた広場に出て、岩船山の迫力ある岩壁を間近に見ることができます。
その場に立ってみるとわかる、低山とは思えない威圧感!
壁のように立ちはだかるこの特異な出で立ちは、両毛線の車内からも見ることができます。
さらに登って、また別の開けた場所に到着。
かつて「岩舟石」という石の採掘場であったことから、このような削られた山肌になった岩船山。
荒涼とした景観と相まって火薬を使った爆破も可能なことから、特撮のロケ地として良く利用されているそうです。確かに異世界感あり。
岩船山山頂にあるのが高勝寺というお寺。
まだ朝の9時だったのでひっそりとしていましたが、かなり大きな寺院でした。
境内にある三重塔。
江戸時代に建てられた宝塔で栃木県の重要文化財にも指定されています。
岩船山の山頂(最高点)はこの三重塔の裏手の階段を登った先です。
こちらは仁王門。
県内随一の大きさを誇るんだとか。でかい建造物はいつだって男心をくすぐるぜ。
寺院入口の展望台からの眺め。
標高172mしかない低山ですが、関東平野を一望できます。
明け方まで雲が多かったのもあって、靄の中に太陽の日が差すシーンが神秘的でした。
断崖絶壁の斜面を上から見下ろす。
高度感は抜群ですが、くれぐれも足を踏み外して落ちないようにご注意を。
東日本大震災の時に一部の山肌が崩れたそうですが、眼下に見えている巨大な岩もその名残かもしれません。
岩船山から一度下山。
登ってきた階段とは反対側に舗装路があるのでそれを下って行きますが、その途中にもこの山の秘めたポテンシャルを見ることができます。
離れ島のように突き出た岩山。
採掘で削られたのか地震で崩れたのか、その成り立ちはわからないですが、こちらも凄い迫力。
低山ハイキングでも、たまにこういう異質な景観に出会えることがあるから面白い。
「岩船山」
下りてきて山の全容を眺めて見ると、その名が付けられた意味がよく分かります。
横に長くて平らな山容、確かにこれは岩の船だわ。
期せずして大迫力の景色に出会えた岩船山。推しておきます。
そのまま道なりに北上していくと、次なる馬不入山への標識が見えてくるのでそちらへ。
ここまでハイカーらしき人にはまだ出会ってません。
馬不入山からはしっかりとした登山道になります。
山頂まで距離は短いですが部分的に急登があってそれなりに登り応えあり。
登山口から30分ほどで馬不入山(うまいらずさん)に到着。
この山頂あたりから急に登山者が増えて、行き交う人が多くなりました。
馬不入山で小休憩して晃石山方面へ。
ここからは比較的なだらかな稜線で、非常に歩きやすい道が続きます。
しばしの稜線ハイクを経て桜峠に到着。
春には桜が咲くのでしょうか?屋根付きの東屋やベンチが用意されているので休憩するのにちょうど良い場所です。
桜峠から階段状の急登を登ると青入山に到着。
北西側の展望が開けています。
群馬、日光方面は雲に覆われていたので近場の低山しか見えなかったですが、地図を見てみるとここら辺も色々と縦走できるコースがあるそうで。次なる山プランの妄想を掻き立てる展望でした。
青入山からは下っての登り返し。
特に晃石山山頂直下は岩場が多くなってくるので、下りは要注意です。
時刻も11時になって少し歩いてはすれ違いの繰り返し。思っていた以上に晃石山って人気なんですね。
こうして晃石山の山頂に到着。標高は419mで本日の縦走ルートの中では最高峰です。
少年野球チームらしきチビッ子たちも元気に登りに来ていました。
標高は低いですが関東百名山にも選定されているブランド力を持っています。
山頂はそこまで広くなかったので、少し下ったところにある晃石神社で休憩。
今日の縦走をして感じたのは、ここら辺の山は神社やお寺が非常に多いですね。
街のすぐ近くというのもあって古くから御神体として崇められている山々なのでしょうか。無礼のないように端っこで静かに薄皮シリーズ・クリームパンを頂きました。
晃石山から太平山は尾根道で繋がっているのでそのまま縦走可能ですが、今日はどうしてもこの下のお寺に用事があったのでいったん下山します。
距離はそこまで長くないですが、山頂直下は急登ですれ違う人たちが息を切らせながら登ってました。
そうして晃石山麓の清水寺に到着。「せいすいじ」と読むのが正しいですが、現地では「きよみずでら」と思ってました。(は、恥ずかしぃ……)
ここに来た目的はただ1つ。この時期に咲く蝋梅でございます。
こちらが清水寺の蝋梅(ロウバイ)。
ちょうど見ごろを迎えていて、綺麗な黄色い花がそこら中に咲いていました。
まさに満開と言ってよい咲きっぷり。
蝋梅はその見た目も綺麗ですが、なんと言っても甘い香りがいいですね。そこら中に漂っていて、スイーツな空間が広がっていました。
境内には200株近くの蝋梅が植えられているそうで、毎年1月中旬~下旬に見ごろを迎えます。
自分が晃石山の存在を知ったのも、この蝋梅があったから。去年、どこかでロウバイ登山をしたいなぁ~と思って見つけたのがここでした。
1年間プランを温めて無事に登りに来れて良かったです。
見頃の看板も出てました。
ここまで車でも来れるので観光客もチラホラいましたが、混雑しているという感じでもなかったです。
適度に空いていたのでゆっくり見えて回れます。
ロウバイの写真をつらつらと載せていく。
秋の紅葉から冬の雪山シーズンを経てこの蝋梅が咲き出すのを見ると、少しずつ春が近づいてきたなぁ~という感じがします。
1月なので梅や桜もまだまだこれからですが、自分の中では毎年の花シーズン到来を教えてくれるのがこの蝋梅。
ロウバイ園の中にあったのが十三仏尊像。
2025年の巳年(へび)の守護仏は普賢菩薩だそうです。
境内にびっしりと咲く蝋梅の花。また1つ見事な群生地を知ることができました。
晃石山と合わせて訪れることができるので1月のハイキングにどうぞ。
光り輝くロウバイの写真が撮りたければ、11時ごろに訪れるのが良さそうでした。この写真は12時近くなのですが、群生の片側はすでに陰ってしまっていたので、ぜひ陽の高い時間帯に来るべし。
小一時間のロウバイ鑑賞と甘い香りを楽しみましたとさ。
今日の一番の目的を無事に達成できて良かったです。
清水寺からはあじさい林道という舗装路を歩いて太平山へと向かいます。
自分は太平山に登ったことがなかったのでここから再び登りに向かいましたが、今日の縦走コースの見どころは「岩船山の断崖絶壁」と「清水寺の蝋梅」だったので、このまま大平下駅へ下山するのでも全然良いと思います。
太平山の登山口の1つである大中寺。
マイカー組はこの大中寺駐車場に停めて晃石山~太平山を周回する人が多いようです。
再び登山道へ。
自分でプランニングしたコースだから文句も言えないですが、いったん終わった雰囲気出してからの登山再開は身体にきますね。
稜線に上がるまでがなかなかの登りで疲れました。
登りを経て太平山~晃石山の稜線に再び合流。
ぐみの木峠という分岐点でベンチが用意されていました。
稜線を太平山方面へ。
しばらく平坦な道で、林道と交錯した後に短い急坂を登ったら山頂です。
こちらが太平山の山頂。見えている社は富士浅間神社です。
ここまで登りがだいぶ疲れたので休憩。あんぱんが身に沁みました。
2025年2月号のランドネの特集が「あんぱん持って山歩き」でしたが、あんぱんはやっぱり登山の心強い味方ですね。疲れると食べ物が喉を通らなくなるタイプですが、あんこは心許せる。
ちなみに私はこしあん派です。
山頂からは太平山神社へ下山。
まだだいぶ山の中ですが、思っていた以上に大きい神社で観光客もたくさん訪れていました。
登山をしていると良くあるのが、ついでのつもりで立ち寄った神社や温泉が、実はその界隈では超ホットな観光名所になっていたりすること。この神社も多くの神様を祭るパワースポットとして人気なんだとか。
神社仏閣はあまり意識はしてないですが、これまでの登山を振り返ると結構有名どころを回っている気がします。
拝殿に至る参道の階段。
ここは「あじさい坂」として有名で、6月から7月にかけて階段脇にたくさんのアジサイが花咲くそうです。
その時期に訪れるのもありかもしれませんが、山登り自体は灼熱登山と化すので水は多めに持った方がいいですね。
ここから林道を経由して登山道を下り、先ほどの大中寺に戻ってきました。
道が入り組んでいたのでここら辺は地図があった方がいいです。
こうして後は大平下駅方面へ向けて歩いて帰りました。
ちなみに正面に見えている山は中山。
ついでに立ち寄ってみましたが、登山口から山頂までのあまり歩かれていないような道だったので、ここはスルーで良いかと思います。
大平下駅が最寄りですが、そこから徒歩10分のところに東武日光線の新大平駅があります。
時間的にも運賃的にもこちらの方がコスパ良かったので、ここをゴールとして電車で帰りました。
2つの駅が使えるのは便利ですね。
ロウバイを求めて登りに行った今回の晃石山~太平山。
群生地の清水寺はちょうど満開で規模も大きく、それでいて人も少なくて非常に良かったです。
黄色く甘い景色を堪能できて大満足だったのですが、それ以上に驚かされたのが序盤の岩船山!低山でありながらも、絶大な迫力を誇る断崖絶壁が見事でした。合わせておすすめです。
電車のみのアクセスで登れる駅から登山、良ければ参考にしてください。
【日程】
2025年1月25日
【コースタイム】
8:30 岩舟駅
9:15 岩船山
10:25 馬不入山
11:20 晃石山
11:45 清水寺
13:20 太平山
15:00 新大平下駅
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