【北アルプス】蓮華岳〜針ノ木岳 コマクサ満開の稜線へトラウマ克服登山

【北アルプス】蓮華岳〜針ノ木岳 コマクサ満開の稜線へトラウマ克服登山

7月の梅雨明けに北アルプス蓮華岳〜針ノ木岳へ日帰り登山に行ってきました。

夏でも雪が多く残る、針ノ木雪渓を経ての大展望の稜線ハイク。高山植物も随所に見ることができて、特に蓮華岳ではアルプス屈指とも言えるコマクサの大群生が広がっています。

私事ではありますが、過去にちょっとした事故を起こしてしまって苦い思い出も残る場所……。トラウマ克服も絡んだ夏山登山の記録です。

 

【北アルプス】蓮華岳〜針ノ木岳 コマクサ満開の稜線へトラウマ克服登山

 


北アルプスの針ノ木岳蓮華岳

この2つの山は忘れもしない、あの事件が起こった舞台。自分の登山歴を振り返って見ても、一番死ぬ思いをした瞬間だったと思います。

気がつけば、もう5年の月日が経っていました。

雪渓に対してトラウマを抱えることにもなった、良くも悪くも色々な感情が入り乱れる場所です。

純粋に夏の北アルプスを楽しみたい気持ちと当時のトラウマを克服したい気持ち、複雑な心情の中、5年越しに行ってまいりました。

 

2021年7月17日【北アルプス】蓮華岳〜針ノ木岳 日帰り登山

日本二百名山の針ノ木岳日本三百名山の蓮華岳。それなりのブランド力もあって、なおかつ2つ合わせても日帰りで登れる山とあって、何度も足を運びたくなる山域。

……そう思ってました。あの出来事までは。

今だから笑い話にもできる、「雪渓の下に落ちちゃった事件」。

あれから5年が経った2021年の夏。前々から予定していたわけでもなく、何の気なしに日帰りで登れる山を探していたところ、「そろそろ行ってみるか」という気になったのが今回の始まり。

 

扇沢

あまり深くは考えず、夜行バスに乗ってやってきた扇沢。出発当日に空席があったのも何かしらの縁と捉えました。

今年は記念すべき立山黒部アルペンルート開通50周年とのことで、おめでとうございます。ここからトロリーバスやらゴンドラなどを乗り継げば立山へと行けますが、あいにく今回は素通り。

 

扇沢から針ノ木岳へ

針ノ木岳・蓮華岳に登る場合は、こちらの左脇が登山口。

シーズン中はその手前に係員のテントがあって登山届記入を求められるのでしっかりと書いておきましょう。

自分は事前にネットから出していたので、名前と目的地書くだけでOKでした。

 

針ノ木登山口

5年ぶりの針ノ木登山口。

多少の懐かしさはありつつも、記憶の大半は事故のことでいっぱいなので、道中どんなだったかはだいぶ忘れてます。

とりあえず気をつけて行ってきます。

 

針ノ木登山口の林道歩き

しばらくは林道と登山道が交錯しながら奥へと進んでいく。

どちらを歩いてもいいですが、登山道がそこまでショートカットコースになっているわけでもないので、素直に林道歩く方が個人的にはおすすめです。

 

針ノ木登山口から眺める針ノ木岳

早くも奥に見えてきた今回の目的地。

あの稜線の懐まで続いているのが針ノ木雪渓。自分にとっては天敵とも言える、針ノ木登山において避けては通れないルート。

まずはそこまで近づいていきます。

 

針ノ木岳登山・渡渉ポイント

林道が終わり、登山道に入ってからも雪渓までは緩やかな道が続きます。

途中、沢を横切る箇所があるのですが、梅雨明け早々で水量がいつもより多かったのか、少し渡るのに難儀しました。

雨上がりはお気をつけください。

 

大沢小屋

扇沢から約1時間、森の中にひっそりとたたずむ大沢小屋に到着。

新型コロナの影響で2021年度は営業休止。ひっそりとしてました。

扇沢から1時間程度で来れるので、ここに宿泊する人は少ないと思いますが、それこそ50周年を迎えるアルペンルート開通前は大町市街からの中継地として結構利用されていたようです。

 

大沢小屋から針ノ木雪渓へ

そして大沢小屋から少し行くと、いよいよ本ルートのメイン区間・針ノ木雪渓が見えてきます。

私にとっては大きなトラウマを抱える場所……。

 

針ノ木岳・蓮華岳 日帰り登山

雪渓に至る前に癒しの草原風景。

前であれば早く涼しい雪渓の上に行きたいなんて思ったんだろうけど、今回ばかりはあの白い道が不気味に見える。

少し緊張してきたわ。

 

針ノ木雪渓取り付きポイント

こうして心の準備が付いたのか付かないのか、自分でも良くわからないですが針ノ木雪渓の入り口に到着。

ここでアイゼン履きます。針ノ木雪渓は後半になるほど道が急になっていくので、夏場とはいえ軽アイゼンは持っていったほうがいいです。

自分はチェーンスパイクでしたが十分事足りました。

 

針ノ木雪渓登山

5年ぶりに針ノ木雪渓に降り立つ。

前回と同じく、見上げる空は雲ひとつない濃いブルー。天気だけは文句なし。

5年前の事故は下山時に起こったので登りはあんまり心配していなかったですが、それでも多少は心がざわつきます。

 

北アルプス・針ノ木雪渓登山

お守り代わりのヘルメットも被って黙々と登っていく。

見ての通り、雪の上にはちらほらと落石も点在。たまに両側の崖から崩れる音も聞こえてくるので、油断なさらぬよう。

とりあえずど真ん中あたりを歩いていけば、まぁ大丈夫だとは思います。

 

北アルプス・針ノ木雪渓を登る登山者

快晴の週末とあって前後には人もたくさん。

登りはいいんだ、登りは。雪もまだ締まってるし人も多いという安心感もあります。

問題は下り。。。だからこそ、気休め程度でも登っているときに歩いた道筋はよく覚えておくようにする。

 

針ノ木雪渓ルートで蓮華岳・針ノ木岳縦走登山

雪渓でだいたい1000m弱の標高を稼ぐことになるので、それなりに登りは長いです。

足元は天然クーラーとはいえ、下からの照り返しも強烈なのでとにかく暑い。

視界が開けているので風通しの良さがあるのは雪渓ルートの大きなメリット。夏でも雪の上を歩いている感覚というのはやっぱり楽しさもあります。

 

針ノ木雪渓

針ノ木雪渓は基本的には一本道なのでガスっていても迷うことはないかと思いますが、この最後の分岐を右に行かないようにだけ注意を。

5年前のあの出来事。下りの最中にいきなり足場が崩れて雪渓の下に突き落とされたわけですが、果たしてあれを回避するすべがあったのかは今でもわからないです。

あれ以来、どの山でも雪渓ルートというのは避けてきたので、雪渓自体を登るのが5年ぶりということになります。

ここを登らないことには今後一切雪渓を歩けない気がするんだ、っていうのが今回のささやかな意気込み。

 

針ノ木雪渓

 

針ノ木雪渓

後半になる程、道は急斜面。

そして雪渓も狭くなり、雪の崩落箇所も目立ってくる。

 

針ノ木雪渓 雪の崩落

こういうのを横目にすると、自分が立っている足元が今にも崩れそうで怖い。

果たして底の雪の厚さはどれくらいなのか……。そんなことは誰にもわからない。

さっさとこんなところは抜けてしまいたい。

 

針ノ木雪渓の急斜面

道もかなりの斜度。

こういうところを見るあたり、ストック1本くらいは持ってきたほうがいいですよ。特に下山がここら辺は神経使うので。

 

針ノ木雪渓から夏道へ

こうして稜線もだいぶ近づいてきたところで雪渓区間が終了。

とりあえず登りは無事に完遂です。

登りはね。

 

針ノ木雪渓から眺める鹿島槍ヶ岳方面の展望

振り返ってみる爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳方面の展望。

雪渓は登るのに必死でしたが、だいぶ標高を上げてきました。いい景色です。

ちなみに、写真に映っているブルーヘルメットの方とは行程がほぼ同じだったので、この後も色々とお話させてもらいました。

 

針ノ木雪渓から針ノ木小屋までの急登

雪渓さえ終えてしまえば小屋まですぐかと思っていたけど、案外そうでもなく、このつづら折りの夏道がえらく疲れました。。

こんなに辛かったっけか、ここ。

 

針ノ木小屋

スタートから約3時間、朝の9時に針ノ木小屋に到着。

こちらの小屋は人数制限をかけつつも営業中。このご時世、営業してくれるだけでも感謝しかありません。週末とあって、人もたくさん休んでいました。

少し狭いですがテント場もあってそちらも営業してます。昨今はテント場も事前予約が必要になってきましたが、ここは予約なしの到着順。

そんなわけで、テント泊装備の方も多かったですよ。

 

針ノ木小屋から針ノ木岳へ向かう登山道

ここから道は二手に分かれていて、西に進めば針ノ木岳。東に進めば蓮華岳。

写真に映っている方は針ノ木岳方面。

前回は針ノ木岳を先に登ったので、今回は蓮華岳から登ってみることにしました。

 

針ノ木小屋から眺める槍ヶ岳

その前に小屋のベンチでしばし休憩。

梅雨明けの気持ちの良い青空!見渡せば槍ヶ岳や裏銀座の山々を一望することができます。 

南東の方を見渡せば富士山の姿もありました。

 

針ノ木小屋から蓮華岳へ

一休みしたら蓮華岳へ向けて出発。

ここから先はずっと森林限界を超えた稜線区間。登山道の雰囲気も一気に北アルプスっぽくなってきました。

 

蓮華岳登山道から眺める針ノ木岳

少し登ったところから振り返ると、針ノ木岳を目の前に捉えることができます。

ご覧のように大きく登り返しての針ノ木岳。距離はそんなに長くないけど、結構登らされます。

眼下に見えるのが先ほどの針ノ木小屋。

 

蓮華岳の稜線

蓮華岳もそれなりに登りますが、こちらは距離が少し長めでその分緩やかな箇所もあります。

いわゆる「稜線を歩いている感」を得られるのが蓮華岳。個人的には針ノ木岳よりもこっちの方が好きですね。

 

蓮華岳のコマクサ

そしてここらでご登場となったのが高山植物の女王コマクサ」。

蓮華岳の花といえばこれですよ。

北アルプス屈指ともいえる規模で咲いています。山頂に近づくにつれて花の数も増えてくので、足元からも目が離せなくなってくる。

 

蓮華岳の稜線から眺める針ノ木岳

加えて展望もすごいことになってくる。

稜線の向こうに針ノ木岳、さらにその奥には立山連峰も見えてきます。

豪雪山域なだけあって、7月にしても雪の白さが眩しいぜ。

 

蓮華岳から眺める立山・剱岳

視線を少し右にずらせば、岩の殿堂・剱岳の姿も一望!

剱岳、遠目からでもとてつもなくカッコいいっす。

 

北アルプス・蓮華岳 日帰り登山

山頂までの道も楽しいひと時。この白い山肌がもう美しいの何のって。

白馬岳にも雰囲気が似ている美白な稜線。女王・コマクサを従えるに相応しい山容してますね。

余裕かましていたら、いきなり山の向こうから雲が沸いてきたのでちょっと焦りました。一時的なものだったので大丈夫でしたが……。

 

コマクサ

蓮華岳のコマクサの群生

コマクサの数もどんどんと増してくる。

写真だとあまり伝わらないかもしれないですが、稜線のガレた斜面にピンクの花が点々と広い範囲に咲いています。

先ほど仲良くなったブルーヘルメットの方から白いコマクサも咲いているらしいという情報をもらったのですが、自分はあいにく見つけられませんでした。

白いコマクサ、蓮華岳に登った際はぜひ探してみてください。

 

チングルマ

夏の高山植物の代表格、チングルマのお花畑も。

 

イワカガミ

イワカガミの群生。花が最盛期を迎えております。

 

蓮華岳の稜線

ようやく見えてきた山頂。

駆け出したくなるような稜線が続いてますが、実際のところは結構疲れ始めてました。

なんたって最近は登山の回数自体が少ない。山の準備をするにも「あれ?他に何が必要だったっけ?」っていう、以前では考えられない状態になります。

針ノ木岳に登るか悩み始めたのが、確かこのあたり。

 

北アルプス・蓮華岳のコマクサ

足元のコマクサフィーバーは続く。

貴重なはずのコマクサをこれだけ飽きるくらい見れるんだから、蓮華岳はやっぱりすごいです。燕岳をも超える屈指の群生地かと。

満開を迎えていて有り難かったのですが、コマクサを見るために身をかがめたりしないといけなく、それがまた疲れるんですわ。。。

 

北アルプス・蓮華岳

間近に捉えた蓮華岳山頂。

高山植物の女王・コマクサと合わせて優美な姿をしております。

この蓮華岳については、針ノ木岳から見るとまたその山容の美しさを知ることができるので、余裕があればぜひ合わせて登ってほしいです。

自分もそのモチベーションのみで、次の針ノ木岳を登ることにしました。

 

蓮華岳 コマクサの大群生

最後までコマクサワールド全開の登山道。密度で言えば山頂直下あたりが一番凄かった印象です。

本当に蓮華岳のコマクサは、他では見れない規模。初夏の花のシーズン、この景色を見れただけでもだいぶ満足です。

 

蓮華岳山頂

こうして10時10分、蓮華岳山頂に到着。

到着したところに祠がありますが、本当のピークは少し行った先にあります。

 

北アルプス・蓮華岳山頂

北アルプス・蓮華岳山頂

こっちね。

残念ながら「蓮華岳山頂!」という標識はないので、この三角点あたりでみんな記念写真してました。

北アルプスの山では少し珍しく、山頂から麓の街(大町市)を間近で見渡すことができます。

 

蓮華岳から眺める針ノ木岳、立山~剱岳の展望

大町市とは反対側の富山方面の展望。

針ノ木岳の奥には立山~剱岳といった日本を代表する名峰群!

素晴らしい眺めが広がっています。豪雪山域なだけあって、7月の梅雨明け時期でもまだまだ雪が多い。

 

蓮華岳から眺める槍ヶ岳

蓮華岳から眺める水晶岳、赤牛岳など

こちらは槍ヶ岳から水晶岳といった北アルプス中枢を担う山域の展望。

この蓮華岳は一応、後立山連峰として北アルプス北部に位置付けられるのかもしれませんが、位置的には裏銀座界隈と近しいのであらゆる方角にアルプスの山並みが広がっています。

ここも北アルプスのほぼ中心と言える位置。

 

北アルプス・蓮華岳~針ノ木岳 日帰り夏山登山

小一時間展望を楽しんでから下山。

白と緑の稜線、アルプスらしくてすごくいいわ。

 

蓮華岳のコマクサ

帰りも見飽きるほどのコマクサを愛でながらの稜線ハイク。

ライチョウも出てきてくれたら最高だったんだけど、流石にそこまでの運は持ち合わせていなかった。(ライチョウ、最後に見たのいつだっけか……)

 

蓮華岳の稜線

 

蓮華岳のチングルマ

ここまで登りが続いたので、しばし平穏なひと時。

コマクサ以外の花というのはそこまで多くはないですが、チングルマあたりは結構綺麗に咲いてますよ。

 

蓮華岳から眺める針ノ木岳

人が入るとまた絵になる風景。

トレランスタイルの人とも何人かすれ違ったけど、この暑さでよくあれだけの水分量で足りるなと思うわ。

あれくらいテンポ良く歩けたらさぞ気持ち良いんだろうけど、今の自分には到底真似できません。

 

針ノ木岳と針ノ木小屋

針ノ木岳と針ノ木小屋。

この登り返しを見てゲンナリしたのが正直なところですが、緩やかな下り道で体力も回復したので頑張ることにしました。

 

針ノ木小屋

小屋に戻って再び小休憩。

時刻は11時過ぎ。暑さがピークに差し掛かる時間帯ですが、この小屋には天然の水場はないので、水は買うか雪渓まで下って確保するしかありません。

夏山登山ではよくある「今だったらいくらでも水が飲めそう」というトランス状態になってました。扇沢で汲んでおいた水をがぶ飲みします。

 

針ノ木小屋のテント場

休憩を終えて針ノ木岳へ。途中、テント場を通ることになるのですが、昼前の時点でほぼ満杯という状況でした。

新型コロナが猛威を振るうこのご時世、予約なしで利用できるテント場というのは争奪戦必須なんでしょうね。

 

針ノ木岳の急登

針ノ木岳までは直登が続く短期決戦。

距離こそ蓮華岳よりも短いですが、標高が高いので感覚的にはかなり登らされます。

そしてここがむちゃくちゃきつかった……。全然ペースが上がらず、山頂がただただ遠くに感じました。

下山者とすれ違う時にも「頑張ってください」と何度も励まされる始末。相当辛そうに見えたんでしょうね、ありがとうございます。

 

針ノ木岳登山道から眺める鹿島槍ヶ岳~五竜岳~白馬岳

急登が続くも、眺めは素晴らしい。

クールに景色を楽しんでいるふりをしつつ、立ち止まってガッツリ休む。

爺ヶ岳へ続く稜線の先には鹿島槍ヶ岳、五竜岳、さらには白馬岳も遠くに見えてます。

 

針ノ木岳の急登

いや~、本当に辛かった……。

前回はこんな苦しんだ記憶ないんだけど、針ノ木岳を先に登ったからかな。

不要な荷物は全部小屋に置いてくるべきだったかもしれない。。

 

針ノ木岳 稜線に残る雪

針ノ木岳に登る場合、遅い時期まで稜線上に雪が残っているのでそこだけ要注意です。6月あたりはまだピッケルも必要。

この日は針ノ木小屋にパトロールの方がいて、まだ少しだけ雪のトラバースが残っていると聞いていたのですが、10m程度の区間だったのでアイゼンを履くほどではなかったです。

 

北アルプス・針ノ木岳山頂

北アルプス・針ノ木岳山頂

こうして12時ちょうど、針ノ木岳に到着。いやいや、ものすごい疲れたよ……。

標高2821m。先ほどの蓮華岳から大して離れてない距離ですが、ここからの展望は絶品で周囲360℃色々な景観を見ることができます。

 

針ノ木岳からスバリ岳~赤沢岳方面の稜線

まずこちらはスバリ岳~赤沢岳方面の稜線。ここをグルっと馬蹄形で周回して扇沢へ戻ることもできます。自分はまだ歩いたことがない区間ですが。

その奥には後立山連峰の百名山たち。鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬岳、もう素晴らしき展望!

 

針ノ木岳から眺める蓮華岳

登ってきた方向を見れば蓮華岳を一望。

御覧のように独立峰のように綺麗な三角形していて、かなりの存在感を放ってます。どことなく笠ヶ岳に似ていると思うのは自分だけか……?

見て良し、登って良しの蓮華岳。やっぱり好きだわ。

 

針ノ木岳から眺める槍ヶ岳

こちらは槍ヶ岳方面の展望。梅雨明け十日の恩恵を受けて、北アルプス全域晴れております。

眼下に見えている湖は高瀬ダムかな。エメラルドグリーンが輝いております。

 

針ノ木岳から眺める立山と黒部ダム

そして針ノ木岳と言えばこの景色!黒部ダムを挟んで立山・剱岳を間近に見れる絶好の展望台になっています。

先ほどの蓮華岳からでは見れない景色がこれ。針ノ木岳といえばやっぱりこのアングルでしょ。

良く見れば、黒部湖には遊覧船も行き来してました。

 

針ノ木岳から下山

しばし休息して針ノ木小屋へ下山。

蓮華岳の姿というのはやっぱり素晴らしくて、本当にアルプスの山という感じがします。ここから見る限りは日本百名山でもおかしくない堂々たる風格。

 

針ノ木小屋のテント場

あれだけ苦労した登った道も下りはあっという間。

小屋に戻ってくるとテントの数も増えていて、雪渓の上にもチラホラ張っている人がいました。

 

針ノ木小屋から下山

蓮華岳と針ノ木岳、無事に登り切って一息ついたけど、自分の中ではむしろここからが本番。

気の抜けない本日の核心部へ入っていきます。

小屋にお別れして、まずは雪渓の取り付き地点まで下りていく。

 

針ノ木雪渓を下る

取り付きポイントでアイゼンを履いて、雪の上に移動する。

……のですが、この1歩目が結構ビビる。

こういう雪量が少ないところは、見るからに脆そうで本当に怖いのよ。

山ガールに先行してもらって雪の状態を確認……、していたわけでは決してありません。

 

雪渓の穴

見たくもないし見なくてもいいけど見てしまう、雪渓の下の大穴。

突然足元が崩れてこの真っ暗な空間に突き落とされたのが5年前。

もうあんな目には合いたくない。

 

針ノ木雪渓を下る

正直、雪渓の底がどうなっているかなんて上からではほとんどわからないので、運要素もありますが、もたもたせずさっさと下りていく。

登ってきた通り、中央あたりを意識しながら真っすぐね。

 

北アルプス・針ノ木雪渓

序盤は周りに人がいたからよかったものの、中盤あたりになると前回同様に人影もなくなり、少し心細い状況に。

前回はどこら辺で落ちたのかあんまり覚えてないけど、確か中盤から少し下ったあたりだった気がします。

 

針ノ木雪渓

気温上昇と緊張でもう汗びっしょり。。

いやいや、トラウマ克服のつもりでやってきたけど、雪の下り道はやっぱり苦手だわ。

早く雪渓から逃れたい一心で、誰もいない道を下っていく。

 

針ノ木雪渓から夏道へ

時間にして約40分。体感的にはもっと長い時間歩いている気もしましたが、とりあえず今回は何事もなく雪渓を終える。

あぁ、、、良かったわ。これが普通なんだろうけど。

一度危険な目に合うと色々なことを考えてしまうね。アイゼン脱いだらどっと疲れて、しばらくこの場で休みました。

 

針ノ木雪渓のハートマーク

何の気なしにみた雪渓を見たら、ハートマークを作ってやがった。

舐めやがって……(笑)

 

針ノ木雪渓から扇沢へ

雪渓さえ終わってしまえばあとは普通の登山道。

怪我1つなく、装備品も失うことなく終われるって幸せだなと思った。

 

扇沢

15時過ぎ、扇沢に無事に帰還。

何事もなく終えられて良かったのですが、この記事を書いていて少しだけショックだったのがコースタイム。前回、事故ったのに13時半には下山してて、2時間近くも遅かった。

針ノ木岳のバテり具合から実感してたけど、やっぱり体力落ちてんだなぁ~と痛感しましたとさ。

 

大町温泉・薬師の湯

帰りがけに、いつものように薬師の湯に立ち寄る。

北アルプスの中では、おそらく一番利用回数の多い温泉になってると思う。意外にも人が少なく、快適に入れました。

下りの雪渓で変に力んだりしたからか、翌日以降は筋肉痛に苛まれましたが、とりあえず無事に登山終了となりました。

 

北アルプス蓮華岳~針ノ木岳 日帰り夏山登山

5年前のトラウマ克服も兼ねた蓮華岳~針ノ木岳の再訪登山。

雪渓ルートを選択したのもあのとき以来でしたが、やっぱり雪渓の下りは好きになれそうにありません。登りはいいんだけどねぇ。

 

蓮華岳のコマクサの群生

それでも初夏の北アルプスなだけあって、展望は素晴らしいものが見れましたよ。アルプス全域を総なめだったし、何よりも蓮華岳のコマクサ!

ちょうど満開を迎えていて、こちらもすごい規模の群生を見ることができました。

針ノ木岳もいいけど、蓮華岳も強く勧めたい山なので良ければどうぞ。

 

5年越しの針ノ木雪渓。

色々な思惑が絡んだ今回の登山でした。

果たしてトラウマを完全に払拭できたのかは怪しいですが、自分の中で一つ区切りをつけられたのは良かったです。

皆さんも、雪渓歩きにはどうかご注意ください。

 

読んで頂きありがとうございました。

 

【日程】
2021年7月17日

【コースタイム】
6:00 扇沢
7:00 大沢小屋
9:00 針ノ木小屋
10:10 蓮華岳
11:05 針ノ木小屋
12:00 針ノ木岳
12:50 針ノ木小屋
14:30 大沢小屋
15:15 扇沢

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