【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

登山
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南アルプスの鳳凰三山へテント泊登山に行ってきました。

甲府駅からバスに乗って夜叉神峠~南御室小屋で1泊。翌朝、薬師岳山頂付近の岩場から見たご来光と富士山の絶景が素晴らしかったです。

観音岳~地蔵岳と白砂ビーチの稜線を歩いてオベリスクの尖がりにタッチ。ドンドコ沢で綺麗な滝を見て青木鉱泉へと下山しました。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

2023年9月2日【南アルプス】鳳凰三山 バスで行くテント泊登山

(1日目からの続き)

夜叉神峠から長い尾根道を歩いて南御室小屋にたどり着いたのが1日目。

初日はこれと言ったピークを踏まなかったので、2日目が今回の登山のメインどころ。鳳凰三山の薬師岳~観音岳~地蔵岳を縦走します。

山頂からのご来光を見るべく、朝の3時に起床。

南御室小屋からヘッデン登山

この時期のご来光は5時20分ごろ。薬師岳の山頂でご来光を見れたらと、まだ真っ暗な4時過ぎに行動開始。

南御室小屋からしばらくは展望のない樹林帯が続きます。久しぶりのヘッデン登山。周りに誰もいなくて、ちょっと怖かった。

【南アルプス】満月と白根三山

意外と長く感じた樹林帯。

空には満月に近いお月さまが輝いてました。登山をしているとよく分かる、月明かりの有難み。

朝焼けと雲海と富士山

日の出に間に合うかという焦りが出始めたころ、森林限界を突破。

そして後ろを振り返ると、雲海の果てに富士山のシルエットがくっきりと見えてました。

この日最初の絶景。

【南アルプス】鳳凰三山 朝焼けと雲海

東の空も黄金色に輝き出して、空のグラデーションがとてつもなく綺麗でした。

うねるように波打つ雲海も美しい。これこそマジックアワーの世界。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

右の尖がった岩場が薬師岳山頂。左下に見えている赤屋根が薬師岳小屋。

ピンク色に空が染まり始めて、しばし見惚れる。

スタートが遅かったのか、途中で景色に浸りすぎたのか、どうにも山頂までは間に合わないのでこの岩場でご来光を迎えることにしました。

結果的には、この岩場で良かったかもしれないです。ここだけ突き出ているので、絶好の展望台になってます。

【南アルプス】鳳凰三山 稜線からのご来光

5時20分、雲海の果てから待望のご来光!

山の上から眺める日の出。もう何回も見ているはずなのに、こればかりは何度見ても感動します。

あぁ、登山やってて良かったなぁ~と。

【南アルプス】鳳凰三山 稜線からの雲海と富士山

富士山も綺麗に見えております。

北アルプスと南アルプス、どっちが好きかという話はきのこたけのこ戦争に通じるものがありますが、南アルプスの魅力はやっぱり富士山の展望。

こればかりは北アルプスに完全に勝る、綺麗な三角形を間近に見ることができます。

【南アルプス】鳳凰三山 白根三山のモルゲンロート

朝日の後ろを振り返れば、白根三山のモルゲンロート。

山肌が赤く染まる神秘の瞬間。山で一泊したからこそ味わえる景色です。

【南アルプス】鳳凰三山 ご来光登山

薬師岳手前の岩場でしばしご来光鑑賞。

また今日も、新しい1日がはじまる。

【南アルプス】鳳凰三山 薬師岳小屋

少し岩場を下って薬師岳小屋に到着。

鳳凰三山の中では最も山頂に近い位置に建つ山小屋。

数年前に改装されて、内部はかなり綺麗にリノベーションされているようです。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

富士山をバックに薬師岳小屋から山頂目指して登っていく。

右の突き出た岩場が先ほどご来光を眺めた場所。

こうしてみると360℃の眺望が見渡せる絶好のロケーションというのがわかります。鳳凰三山でご来光を見るなら、あの岩場がおすすめです。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用) 稜線からの展望

白い砂浜の道を登っていく。

正面には白根三山よりもさらに南の塩見岳、赤石岳とか。日本が誇る3000m級の山々が見渡せます。

【南アルプス】鳳凰三山・薬師岳山頂

【南アルプス】鳳凰三山・薬師岳山頂

白い砂浜ビーチの山頂、鳳凰三山・薬師岳に到着。

実に12年ぶりの登頂。正面には北岳、間ノ岳、農鳥岳が綺麗に見えております。

【南アルプス】鳳凰三山 薬師岳山頂

山頂は平らで広い。右奥に見えているのが次なるピーク、観音岳。

左奥の山は仙丈ヶ岳。

タイミングが良かったのか、山頂には誰もおらず一人で縦横無尽に駆け巡って展望を楽しんでおりました。

【南アルプス】鳳凰三山 薬師岳山頂からの富士山

山頂からの富士山。

突き出た花崗岩の存在感が際立っているので、富士山は控えめな立ち位置。

綺麗な富士山を見るなら、やっぱり先ほどの岩場の方が良いかもしれません。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

展望を楽しんで縦走開始。ご来光は見ましたが、登山としてはここからが面白いところ。

白砂ビーチの稜線を歩いて、観音岳を目指していきます。

【南アルプス】鳳凰三山テント泊登山 白砂ビーチの稜線

アルプスらしい花崗岩が点在する白砂の稜線。

1日目に頑張って長い樹林帯を歩いて来れたのも、この稜線が待っていたから。

最高の気分で歩けてます。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

左を向けば常に南アルプスの大御所たち。

北アルプスと違ってロープウェイやゴンドラの類が一切なく、自分の足で登るしかない3000m級の名峰たち。地味な印象も持たれつつ、そこらへんが玄人向けと言われている所以なのかもしれませんが、1つ1つ登るのが大変だからこそ、達成感もひときわ大きい。

鳳凰三山は他の南アルプス百名山に比べたら入門編という位置づけかもしれませんが、それでもやっぱり南アルプス。体力的にキツイ山だと思いますよ。

【南アルプス】鳳凰三山 テント泊登山(電車・バス利用) 稜線から眺める富士山

鳳凰三山の稜線、その果てにそびえる富士山。

南アルプスの展望を凝縮したようなこの景観が好きです。

【南アルプス】鳳凰三山・観音岳

【南アルプス】鳳凰三山・観音岳山頂

鳳凰三山第2のピーク、観音岳に到着。

ここに来ると、また新たな景色に出会うことができます。

【南アルプス】鳳凰三山・観音岳から眺める甲斐駒ヶ岳

それがこの北側の展望。

正面にそびえているのは甲斐駒ヶ岳

【南アルプス】鳳凰三山・観音岳から眺める八ヶ岳と稜線の先のオベリスク

右奥に見えているのは八ヶ岳

そして左手前に見えている突き出た岩が、地蔵岳のオベリスク。

鳳凰三山のシンボルともいえる突き出た岩ですが、この位置からだと甲斐駒ヶ岳の方が目立ってしまうので、ランドマーク感はまだない。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

観音岳のしばし休憩。

この後、地蔵岳に向かうと富士山が少しずつ見えづらくなっていくので、富士山の展望はこの観音岳でしっかりと堪能しておきましょう。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

観音岳からさらに先へ縦走。

雲海へダイブするように稜線を歩いていきます。

【南アルプス】鳳凰三山 タカネビランジ

そしてここら辺から足元に花が咲くようになってきました。

中でもひときわ目立って咲いていたのがこの紫の花。鳳凰三山の名物にして南アルプス界隈の固有種「タカネビランジ」です。(たぶん……)

岩陰に咲いているので探してみてください。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

白砂ビーチの稜線が続く。

標高を下げて行くと、徐々にオベリスクの存在感が増してきました。

あのとんがりが次に目指す場所。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

登り返しが地味にきつい。

振り返って見る観音岳、こちらから登るコースも結構な登りで辛そうです。

【南アルプス】鳳凰三山・地蔵岳のオベリスク

そんな登り返しを制した先で待っていたのが、地蔵岳のオベリスク

あの突き出た岩こそ、鳳凰三山のシンボル。

このアングルから見る姿が最高にカッコいいです。南アルプスの槍ヶ岳やぁ~

【南アルプス】鳳凰三山テント泊登山(電車・バス利用) 地蔵岳のオベリスク

いったん下ってオベリスクを間近で見上げるポイントに到着。

鳳凰小屋からの合流地点ということもあって、たくさんの人が休憩してました。

【南アルプス】鳳凰三山・地蔵岳

そこにいたのはたくさんのお地蔵様。

このお地蔵様がいたから地蔵岳と名付けられたのか、それとも地蔵岳という名があってこのお地蔵様が祀られたのか、どちらかはわからないですが、神聖な山というのは如実に感じ取れます。

【南アルプス】鳳凰三山・地蔵岳のオベリスクへ登る

鳳凰三山のシンボル、オベリスクへ荷物を置いてアタック。

片道10分ほど。花崗岩がひしめく岩のダンジョンへと赴きます。

【南アルプス】鳳凰三山から眺める甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳

オベリスクへ登る途中で目にしたのが仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の日本百名山コンビ。

あの2つは真ん中にある北沢峠を拠点に登れるとあって、南アルプスの中ではかなり人気の山。

女性的な仙丈ヶ岳と男性的な甲斐駒ヶ岳、山の雰囲気が全く違うから面白い。

【南アルプス】鳳凰三山・地蔵岳のオベリスク

オベリスクの岩に到着。近くで見るとこんな感じでずんぐりむっくりしてますが、それは北アルプスの槍ヶ岳も同じ。

そしてこのオベリスクはハシゴなんてものは用意されておらず、1本のロープが垂れ下がっているだけです。

岩場が大の苦手な自分は真っ先にこう考えます。「これを登って、果たして降りてこれるのだろうか」と。

【南アルプス】鳳凰三山・地蔵岳のオベリスクにタッチ

到底無理なので、オベリスクの岩場にタッチして登頂の証明としました。

岩場苦手のポンコツは諦めが肝心。こういう精神でやってきたからこそ、大きなけがなく山登りが楽しめていると自負しております。

これからも逃げの精神で頑張ります。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

南アルプスの展望をしばし楽しんでオベリスクを下山します。

これから下山路に入って展望も見れなくなってしまいますが、ご来光からここまで良いもの見させてもらいました。

【南アルプス】鳳凰三山 テント泊縦走登山(電車・バス利用)

お地蔵様がいるところまで下りて、オベリスクの記念撮影。

次は何年後に来るのかわからないですが、また登りに来る日を楽しみにしたいと思います。

【南アルプス】地蔵岳から鳳凰小屋までの砂地の登山道

オベリスクから鳳凰小屋までの下山路はこの砂地。

これがまぁ滑るわ滑るわ。私はここを下山でしか利用したことがないですが、これを登るのもかなりつらそう。蟻地獄のように足元取られそうで。

【南アルプス】鳳凰小屋

樹林帯に入ったところで鳳凰小屋に到着。

泊まったことはないですが、夕食のカレーで有名な山小屋。テント場もあって、水場もドバドバ流れるオアシスです。

2024年現在、絶賛改装中のため一時営業休止中。生まれ変わった小屋も楽しみです。

【南アルプス】鳳凰小屋からドンドコ沢ルートで青木鉱泉へ下山

ここから道は二手に分かれて、御座石鉱泉に下りるか青木鉱泉に下りるか。

前回は御座石鉱泉ルートで下りたので、今回は青木鉱泉ルートで行ってみることにしました。

標識のドンドコ沢コースへ向かいます。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

こちらがドンドコ沢でしょうか?

少し下ったところで涸れた沢沿いに出ましたが、これはまだ序盤。

ここから先、かなり長い樹林帯続きます。

【南アルプス】鳳凰三山 ドンドコ沢ルートの五色滝

ドンドコ沢コースの良いところは滝がいくつも見れるところ。中でも大きいのがこの五色滝

落差50mほどで断崖絶壁に流れる滝は壮観です。

【南アルプス】鳳凰三山 ドンドコ沢ルートの五色滝の滝つぼ

寄り道すれば滝つぼあたりまで近づけるので、良ければ立ち寄ってみてください。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

五色の滝の他にもいくつか滝が見れますが、それ以上に下山路が長い……。

急登もたくさんあって、登ってくる人とすれ違うたびに「ここ登るのしんどいだろうな~」と思いながら下ってました。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

ひたすら下ってダムのような舗装路が見えてきたら終わりも近いです。

時刻は間もなく11時、照り付ける日差しが暑かった……。

【南アルプス】青木鉱泉

こうして青木鉱泉まで歩いて下山完了。

下りたところに温泉があるのは最高です。日帰り入浴は1000円。幸い他に誰もおらず、のびのび入れました。

バスで帰る場合、青木鉱泉の受付でバスチケットが販売されているので買っておきましょう。

【南アルプス】青木鉱泉から韮崎駅行きのバスに乗車

マイクロバスに乗車して韮崎駅へ。そこから中央本線で東京へと帰りましたとさ。

ご来光に始まり、薬師岳~観音岳~地蔵岳と縦走した白砂ビーチの稜線ハイク。

むかし一度歩いたルートではありましたが、もう記憶もほとんど残っていなかったので新鮮な気持ちで歩けました。

【南アルプス】鳳凰三山〜青木鉱泉 南御室小屋テント泊登山(電車・バス利用)

シンボルのオベリスクはやっぱり存在感が絶大!尖がり姿がカッコ良かったです。

南アルプスなだけあって体力勝負な山ではありますが、危険個所はあまりなくて山小屋も豊富なので歩きやすいと思います。電車・バスでの公共交通アクセスも可能なので、良ければ行ってみてください。

1泊2日のテント泊登山でした。

(1日目の記録はこちら)

【日程】
2023年9月2日

【コースタイム】
4:15 南御室小屋
5:10 薬師岳小屋手前の岩場
5:35 薬師岳小屋
5:50 薬師岳
6:15 観音岳
7:30 地蔵岳
8:15 鳳凰小屋
12:00 青木鉱泉

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