8月1日~2日の週末土日で北アルプスの太郎平小屋に泊まってきました。
2020年の今年は新型コロナの影響でどこの山小屋も予約必須。それに加えてソーシャルディスタンスを保つために、だいたい収容人数の5割程度に宿泊者数を絞って営業している状況です。
太郎平小屋も週末ということで、ほぼ満室に近い状況の予約数になっていましたが、実際のところはどうだったのか、そこら辺を少し書いておきます。
8月に入って最初の土日。
紆余曲折あって北アルプスの薬師岳~黒部五郎岳に行くことが決定したのが前日の金曜日のこと。
今年は新型コロナの影響で営業している山小屋が限られているし、なおかつ宿泊者数も制限されているので、前日に予約なんかできるのかと思ってましたが、運よく太郎平小屋に空きがあったので、ここに泊まることにしました。
詳しい登山行程は後ほど書くとして、例年とはまるで異なる山小屋泊がどんなものだったのか。
自分自身も少し興味があったし、そもそもここ数年北アルプスはテント泊ばかりで久しく山小屋泊をしていなかったので、結構楽しみでした。
深夜に車を走らせて、遥々やってきた富山県の折立登山口。
今回はここを基点に1泊2日で歩きます。
まず予想以上に混んでいたのが駐車場。
折立までの有峰林道は朝6時に開通となるのですが、その開通待ちですでに行列ができていたようです。
自分たちは朝の7時半ごろに現地に到着したのですが、キャンプ場近くの駐車場は満車で、少し離れた臨時駐車場の空いているスペースに停めました。
臨時駐車場の方も軽く200台は停められる規模なのに、8割がた埋まっていたから恐ろしい。
周りを見た感じではテント装備の人が多かった印象です。
折立登山口を出発して3時間半ほどで、本日宿泊予定の太郎平小屋に到着。
収容人数150人の山小屋ですが、今年は80人に絞って営業しています。
太郎平小屋。宿泊の際は事前予約必須で、なおかつ今年はいくつか宿泊する上でのルールがあります。詳細は小屋のホームページに記載してあるのですが、
- 予約必須
- 完全禁煙
- マスク、消毒液、ティッシュ、寝袋、ジップロック(ゴミ袋)持参
- 登山計画書の提出
- 出発前の検温
という内容。これらは予約時にも小屋の方から説明されます。
1点補足としては3の寝袋。小屋にある布団と枕は使えるのですが、直接肌に触れないようにするために身体を覆うものが必要になります。なので、シュラフではなくシュラフカバーでもOK。自分は荷物にならないシュラフカバーにしました。
駐車場の混雑っぷりを見て心配でしたが、登山道に入ってしまえばごく普通。
むしろ今年は登山ツアーが軒並み中止になっている影響か、もしくは海外客がいないからか、10名規模の団体客は一切おらず、総じて歩きやすかったです。
団体がいないだけでもずいぶん山の雰囲気って変わるもんだなぁ~って思ったわ。
まだ昼の12時でしたが、荷物を置くためにチェックイン。
時間が早かったからなのか、小屋の中はまだ誰もいませんでした。
こちらは自炊場と談話室。
自分たちは夕暮れ時まで薬師岳に登って遊ぶ予定だったので、今回は素泊まりにしました。素泊まりは6000円。小屋の快適さを考えたら十分安かった。
食堂は利用しなかったのでどういう感じで食事が提供されたのかはわからないですが、おそらく1回の人数を絞って蜜を避けて回していたんだろうなと思います。
こちらは寝室。受付時に指定された番号のところを使います。
壁に貼ってある寝具のイラストは「布団・枕に直接肌が触れないようにしてね」と書いてあります。
寝床はこんな感じ。
布団が3枚敷かれていますが、真ん中は空きで両サイドを使います。
なので、1人分のスペースとしてはかなり確保してくれてます。これなら安心。
小屋に荷物を置いて、軽身になって薬師岳に出発。目の前の山が薬師岳。
薬師岳は6年ぶりの登頂になったのですが、ここら辺の登山内容は次回の記事で。
小屋から20分ほど歩くと、薬師峠キャンプ場に到着。
今年はテント場さえも予約必須のところが多いですが、この薬師峠キャンプ場については予約が要りません。早い者勝ちという、北アルプスでは珍しく制限を設けていないテント場です。
そういうこともあってか、登ってくる最中にテント装備の人がかなり多かった印象でした。
13時過ぎの時点でかなり埋まっていましたが、パッと見た感じではまだちらほら空きスペースがある模様。
こちらは薬師岳から下山してきた後の18時30分時点のテント場。
正直なところ、もっと大混雑になると思っていたので、「こんなもんか」という感じでした。
ここは過去に1度泊まったことがありますが、平地が限られているので平らなところはやや密にはなってますね。斜面でも良ければ、まだ何張かは余裕で張れそう。
予約が要らないテント場は、当然当日になってみないと状況が読めないのである意味賭けではありますが、とりあえず8月1日(土)のテント場はこんな状況でした。
自分たちはこの後、小屋に戻って自炊室で夕食にしたのですが、周りに誰もいなくて、北アルプスの山小屋とは思えないくらい静かでした。
少し寂しい気もしますが、まぁ仕方ないですね。談話室で他の登山者と雑談したり食事したり、っていう山小屋ライフはもう戻ってこないのかもしれない。
これは2日目の北ノ俣岳あたりの稜線風景。綺麗でした。
ここら辺の登山行程も後々書くとして、とりあえず今年の夏に北アルプスの山小屋で1泊した感想としては、「予約さえ取れてしまえばかなり快適」ということでした。プライベート空間が十分保たれていて、こんなに広々と周りを気にせずに寝れたことなんて初めてでした。
自分たちが昼過ぎから夕暮れ時まで出歩いていたのもあるのかもしれませんが、とにかく他の登山者との接点がなかったです。
反面、色々な制約もあるのでそこは理解の上で。シュラフや衛生用品など、用意しなければいけないものはあるし、山小屋によってルールも違うので、事前によく把握しておく必要はあります。
今年は宿泊制限をしているため、そもそも「予約を取ること」がかなり難易度高いかもしれません。私たちは最初、薬師岳山荘に電話を掛けたのですが、あいにくの満室(そもそも前日に泊まろうとした自分たちが悪いだけですが…)。さらに薬師岳山頂で、薬師岳山荘に宿泊していた方と話したのですが、その方は翌日雲ノ平山荘に宿泊するとのことでしたが、雲ノ平山荘の予約を取るために3時間電話かけっぱなしだったそうです。
山小屋の電話回線なんて1つしかないのが当たり前なので、電話がつながるかどうか運次第。Webからリアルタイムに予約できるようになればいいんですが、そういったのはまだまだ先の話になりそうですね。
土日は諦めて平日に休み取って登ったほうがいいかもしれません。
一番密だったのは折立の駐車場、予約いらずのテント場はそこそこ混雑、山小屋は宿泊制限をかけているだけあってかなり快適、という感じでしたとさ。
おしまい
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