会津朝日岳 圧巻の紅葉風景広がる隠れた名峰へ 秋の日帰り登山

会津朝日岳 圧巻の紅葉風景広がる隠れた名峰へ 秋の日帰り登山

10月22日に福島県の会津朝日岳へ登ってきました。

標高1624mとそこまで高くはないですが、日本二百名山にも選定されており、会津駒ヶ岳と並んで会津地方を代表する山となっている会津朝日岳。数年前の集中豪雨によってしばらく入山禁止となっていましたが、昨年より登山道が再開通し、今では普通に登ることができるようになっています。

この山の存在は前から知っていたのですが、詳細に調べていたわけでもなく何となく成り行きで決まった今回の日帰り登山。

ただ、それが結果的には良かったのかもしれない。前知識もあまりなく臨んだので、淡い期待を大いに上回る紅葉風景を目にした時には、ただただ感動させられました。

この山の紅葉は規模が凄まじいです。アクセス難ではありますが、紅葉ピーク時でありながらも閑散とした雰囲気で静かな山登りが楽しめるのもいいところ。

また1つお気に入りの穴場となる山を発見できた1日でした。

 

紅葉に彩られた会津朝日岳へ―――

 


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10月も下旬に差し掛かってくると、寒冷地の山や高山帯では早くも紅葉が終わってくる頃。場所によっては雪も降り始める時期なので、意外と山選びが難しい。

標高がそこまで高くはなく、かつ紅葉の最盛期を迎えていそうな都合のいい山……、そんなことをお仲間さんと相談していて白羽の矢が立ったのが今回の「会津朝日岳」。

この山が魅力的に思えたのは、紅葉云々ではなく日本二百名山の割には記録が少なかったところ。2年前まで入山禁止というのもあったけど、何となく隠れた穴場な雰囲気を醸し出していたので、興味本位で行ってみることにしました。

 

~~ 2016年10月22日 会津朝日岳 日帰り紅葉登山 ~~

会津駒ヶ岳もそうだけど、会津朝日岳もアクセスは決して良くはない山。かなり山深い所に登山口はあります。

深夜に出発して福島県南会津の山奥へ。

 

会津朝日岳の登山口「赤倉沢駐車場」。空が明るくなる6時すぎまでここで仮眠しましたが、山奥なので明け方の気温は氷点下切っててかなり寒かった……。

20台ほどは余裕で停められそうな広さでしたが、出発間際になっても車は10台に満たない程度。やはりそこまで人気のある山ではないらしい。

 

6時40分、駐車場脇の橋を渡って登山開始。

会津朝日岳で開拓されている一般登山道はここから山頂へ向かうルート1本だけ。他に選択肢がないので、登るのであればこの赤倉沢からの往復路になります。

 

しばらくは沢に沿って平坦な道を歩いていくことになりますが、歩き始めて早々、いきなり絶景を見せつけられる。

 

山肌を真っ赤に染める霧を纏った紅葉風景。

 

序盤からいきなりこの景観!よく下調べもしないでやってきただけに、その反動も大きくて思わず立ち止まって見入ってしまう。

凄まじい色づき。会津朝日岳、完全になめてました、、

 

紅葉を目の前に、その世界へ飛び込んでいく。

この山のすごかったところが稀にみる全山紅葉してたところで、序盤から山頂に至るまで、ひたすら木々の色づきが続いてました。

 

赤倉沢の渡渉。余程の大雨後でもない限り、通行は特に問題ないと思います。

日差しも沢の谷間に届き始めて、紅葉の発色も微妙に変化してくる。

 

水場の三吉ミチギ。これ以降、しばらくはジグザグの急登が続いて標高を一気に上げていきます。

 

赤倉沢の谷間を覆う紅葉。モルゲンロートのように陽が当たったところが紅く染まる。

これだけでも十分に見に来る価値のある景色だと思う。

 

しばらくは展望のない急登。

おそらく紅葉時期でなければつらいの一言だったかもしれないけど、葉が色づくこの時期は樹林帯もカラフルで何とも心地良い。

快適に風景を愛でながら登れます。

 

今年の紅葉は全国的に赤がいまいちと言われていたけども、会津朝日岳は赤色も豊富。

上に登るとさらにわかりますが、この山の色づきは赤が特に綺麗。

 

樹林帯もしばらく登ると、その合間からまた絶景。

 

敷き詰められたように広がる雲海。

遠くに浮かぶようにそびえる山なみもいいけど、手前のガスに包まれそうになって見え隠れする山の姿が幻想的で神々しさがある。

スタート時の駐車場は霧が立ち込めていたので心配してたけども、すぐに雲の上に出れたので一安心でした。

 

樹林帯のジグザグ道を越えて人見ノ松という休憩ポイントに到着。あっさり書いてますが、赤倉沢からここまではひたすら上り坂なので、ややつらいかもしれません。

この展望台までが本ルートの頑張りどころ。ここを乗り越えればあとは比較的楽な道のりが続きます。

 

展望スポットから改めてみる雲海。周りを取り巻く名峰も素晴らしい。

同じ福島県内の磐梯山、安達太良山、吾妻山はもちろん、飯豊連峰まで見渡せました。

 

会津朝日岳の山肌を見ればこの色づき。

一緒に登っていたくっしー先生曰く、「この紅葉は安達太良山さえ超え得る」と。安達太良山の紅葉はまだ見たことがないのでわからないけど、自分の中でも紅葉の名峰として限りなく上位にランク付けされました。

 

この先は徐々に岩場も出てくる。会津朝日岳、ここから先も樹林帯がメインで岩場を登るシーンはそれほど多くはないですが、稜線に立つと実は岩々しい山だというのがわかったりもします。

 

ここら辺まで来ると、草木も目線の高さと同じほどになって開放感も出てくる。

周りを取り囲む紅葉の色づきも一段と増す。

 

週末の晴れ予報で、なおかつ紅葉もピーク時であるというのに、人が全然いないのもこの山の気に入ったポイント。

混雑した賑やかな山をそこまで敬遠しているわけじゃないけど、やっぱり山は静かなほうがじっくり自分のペースで楽しめる。

 

序盤の赤倉沢の紅葉が第1のピークなら、第2のピークポイントはこの場所。

叶ノ高手手前の会津朝日岳の稜線が見えたあたりがまたすごい。一面の色づきを見せる山の斜面。登山口からすでに1000mほどの標高差があるにも関わらず、山の上まで枯れ落ちずに紅葉が残っているのが不思議。

山頂から徐々に色づくというより、全山一気にピークを迎える短期決戦タイプのようですな。

 

叶の高手自体は樹林帯に覆われて展望もそこまでない場所。

ここからいったん、道は下り坂になります。

 

すぐ目に飛び込んできたのが「朝日岳の大クロベ」。登山道に堂々と構える風格ある大木。

この先にももう1本ありました。

 

木々の合間から見える紅葉がまたすごい!

いったん下って目の前の色づいている斜面を登っていくことになりますが、この部分は上から見るとまた素晴らしい景観になります。とにかく最初から最後まで紅葉ラッシュ。

 

登山道を明るく照らす紅葉。

夏場であればおそらく展望のない普通の樹林帯。会津朝日岳は基本的にピストンルートになるので、単調な往復はつまらないかもしれないけど、秋の紅葉シーズンなら話は別。樹林帯でも葉の色づきを楽しめる上に、陽の傾きの変化で帰りは帰りでまた違った見栄えになるのが面白い所。

 

道なりに下って行って、熊ノ平に到着。その脇に建つのが朝日岳唯一の避難小屋

基本的に会津朝日岳は日帰りで登れてしまう上に厳冬期に登る山でもないので、この避難小屋はあまり使われていないようでした。

 

避難小屋から先は山頂まで至る斜面を一気に直登。視界が再び開けると、そこは一面草紅葉が広がってました。

 

ここらへんで再び岩場も。この岩場に関しては割と急なので雨上がりなどは要注意。

ロープも部分的に設置されていますが、下りで重宝しました。

 

振り返ってみる景色がまた絶景!会津朝日岳一番の紅葉風景はここからの景色だと思う。樹林の葉の色づきと合わせて足元に広がる草紅葉も相まって、これぞ錦秋の情景。

山の麓に至るまで全てが色づいている紅葉はなかなか見れるものでもない。ここの紅葉、本当にすごいよ……

 

岩場を登り切って、稜線に建つ。この岩場が標高上では会津朝日岳の最高地点になります。

ここにきて初めて開ける新潟側の展望。

 

断崖絶壁の岩場。新潟側もご覧の色づきで、これまたすごい!

稜線から麓に至るまでこちらも凄まじい紅葉風景が広がってました。

これだけの絶景を持ち合わせていながら、ここまで登られていないのはもったいなさすぎる。もっと評価されるべき山だと思った。

 

改めて振り返ってみる福島側のこの風景も素晴らしい。

渋い山なのかと思いきや、全然違って華やかな景観広がる山でした。

 

短いけども稜線を伝って本当の山頂へ。標高は向こうのほうが低いですが、山頂標識と三角点はあちらにあります。

 

9時50分、会津朝日岳山頂に到着。そこまで広くはないけども、先行客1人しかいない閑散とした山頂でした。

 

標高1624m会津朝日岳。かすれた文字は「山を想えば人恋し、人を想えば山恋し」と書かれていました。

山名表示盤もあるので、それを見ればどの方角にどの山があるかだいたいわかります。周りが山だらけなので役に立ちました。

 

こちらは会津朝日岳山頂からさらに西へと続く稜線。

この先は登山道が確立されていないので歩くことはできないけども、踏み荒らされていないので稜線まで覆う紅葉はなかなか見応えありました。

 

こちらは北側の風景。奥に見える湖は田子倉湖。その奥に聳える山が今年6月に登った浅草岳

浅草岳は新潟側からアプローチしたのであまり気づかなかったけども、会津朝日岳から距離的にはかなり近い位置にあります。

 

下を見れば迫力ある岩壁。白い岩と紅葉はやっぱり相性抜群。色が引き立てられる。

 

山深い場所に位置しているだけに、周りがとにかく山だらけ。近くには越後の山がひしめいていたし、北は飯豊山、同じ福島県の磐梯山~安達太良山~吾妻山、那須連峰、群馬県側の尾瀬の山や日光方面の男体山、本白根山なども見渡せました。

 

それでも今回ばかりは周りの山よりも紅葉に目が行ってしまう。

本当にすさまじい色づきを見せる会津朝日岳の紅葉。全山紅葉しているので、一面彩られた風景が何とも見事でした。

そういえば、2年前に平ヶ岳に登りに行った時も同じように真っ赤な紅葉が見れたので、越後周辺は探せばまだまだ隠れた紅葉の山が見つかりそう。

 


こちらは会津駒ヶ岳へ至る稜線。同じ「会津」という名を持ち合わせているので会津駒ヶ岳も近い位置にありますが、これが縦走するとなるとかなりの難易度。

かつて駒ヶ岳と朝日岳を結ぶ「南会津アルプス縦走路」を通す計画があったそうですが、途中の丸山岳までを切り開いた段階で中止に。それ以降登山道は整備されていないので、記録を見ても藪漕ぎを回避する残雪期にしか歩かれていないルートになります。

このルートが切り開かれていれば、会津朝日岳ももう少し有名になっていたのかもしれない。

 

西側の切り立った断崖絶壁も会津朝日岳の見どころの1つ。

登ってくる間は穏やかな樹林帯がメインだったけども、反対側は切り立った崖になっているので、その正反対な山の姿がまた面白い。単純なピストンルートではあっても、色々な姿を見せてくれます。

 

山頂から再び最高地点に戻って登ってきたルートを見渡す。

やっぱりすごいよ、この景色!前評判を大いに覆す素晴らしい景色を見せてくれた会津朝日岳。この山をこのタイミングで登れて本当に良かったです。

 

しつこいけどもそう何度も来れる場所でもないので、しっかり景色を目に焼き付けておく。

スタートから紅葉ラッシュの連続だったけど、結局それは山頂まで途切れることがなかった。岩稜を彩る紅葉も見事なもんでした。

 

予定よりだいぶ早く登頂できたので、1時間以上居座って11時に下山開始。くっしーとは前回の登山が中ノ岳~丹後山の過酷な縦走だったので、それに比べたら今回はかなり楽な行程でした。

 

紅葉を上から見下ろしながらの下山。これもまた楽しいひと時。

登ってくるときは利用しなかったロープも、下山時ではありがたい存在。部分的に急斜面な岩場もあったりするので、ここら辺はやや気を付けて降りたほうがいいです。

 

来た道を戻るという本来なら退屈なルートのはずなのに、この絶景を目の当たりにするとすべてが吹っ飛ぶ。

下山も大いに楽しめるのが紅葉トレッキングのいいところ。

 

昼になると陽も昇って、紅葉も一段ときれいに見える。

登ってきた時とはまた少し違った見栄えがありました。

 

 

 

登ってきた時にも見た、叶ノ高手からの会津朝日岳の紅葉風景。

 

色とりどりの葉に囲まれた紅葉ロード。贅沢すぎる!

 

山肌を覆う紅葉を眺めて赤倉沢へと降りていく。

 

ススキの穂や樹林の色づき、目にする全ての景観が華やかで素晴らしい紅葉世界でした。

 

ジグザグロードを駆け下りて再び赤倉沢へ。朝の靄が立ち込めた風景とはまた違った印象を受ける。

山の上もすごいけどこの沢の紅葉もなかなかのもんでした。

 

 

13時20分、下山完了。往復7時間弱、日帰り登山にはちょうどいいコースタイムだったと思います。

明け方は霧が立ち込めていたので気づかなかったけど、駐車場の周りもなかなかの色づきで、本当に最初から最後まで紅葉を楽しめた山でした。

 

下山後の温泉は「深沢温泉 むら湯」。日帰り入浴600円。内湯しかなかったけど、後々調べたら近隣の「湯ら里」という方には露天風呂があったみたいなので、そちらでも良かったかも。

 

会津に来るとそばが食べたくなる。微妙な時間帯だったのでなかなかお蕎麦屋さんが見つからなかったけども、途中の道の駅で無事にてんぷら蕎麦を食す。少しお高いだけあって、そばもてんぷらも本格派な出来栄えで美味しかったです。

 

こうして今回も充実の後に秋の紅葉登山がおしまい。

 

会津朝日岳の紅葉は本当に凄まじいものがありました。錦秋の風景を求めて登りに行ったけども、この規模の紅葉は全くの想定外。アクセスはあまり良くはないですが、その分人も少ないので静かな中で紅葉トレッキングを楽しめます。

また、標高がそこまで高くないので、近隣の高山と比べると紅葉時期が1週間ほどずれているのもありがたい所です。

 

東北は紅葉の名所が多いですが、その名だたる名峰にも劣らぬ紅葉がこの会津朝日岳では見られるので、ぜひ機会があれば登ってみてください。

 

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【日程】

2016年10月22日 晴れ

【コースタイム】

赤倉沢駐車場(6:40) — 人見ノ松(8:15) — 避難小屋(9:10) — 会津朝日岳(9:50~11:00) — 赤倉沢駐車場(13:20)

 

 

 

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