栃木県の三毳山(みかも山公園)へ高速バスを使ってハイキングに行ってきました。
3月下旬はカタクリが満開を迎える季節。日本有数の規模を誇る群生地が一斉に開花する光景は圧巻でした。
カタクリと合わせてアズマイチゲもたくさん咲いており、麓では桜も開花。春爛漫の景色を見ることができました。登山道は整備されて歩きやすく、初心者にもおすすめです。
2025年3月26日【栃木】三毳山 カタクリハイキング
カタクリの群生で有名な三毳山(みかもやま)。
3月25日時点で満開と言う情報を聞き、久しぶりに平日休みが取れたというのもあって行ってきました。
10年前に一度行ったっきり。懐かしさも感じながらのハイキングでした。
都心から三毳山に公共交通でアクセスする場合、佐野アウトレット行きの高速バス(マロニエ新宿号)を利用するのがお勧めです。前回もこのバスを利用して行きました。
バスタ新宿からの始発便で向かっても、三毳山をゆっくりハイキングする時間が取れます。
1時間半ほどの乗車時間で朝の9時30分に佐野アウトレットに到着。終点の佐野新都市バスターミナルよりもアウトレットで降りた方が山に近いです。
まだ営業開始前の静かなアウトレット。ここに来るのも10年ぶりです。
佐野アウトレットから三毳山までは徒歩30分くらい。
「道の駅みかも」が登山口になるので、標識に従って佐野バイパス沿いをひたすら真っすぐ進んで行きます。
道中で見えた三毳山。
あの低山を南から北へ縦走していきます。登山自体はそれほど大変ではなく、部分的に急坂があるくらいで基本的にはなだらかな道です。
そして空気がやたら霞んでいますが、これは黄砂の影響。今年初の大規模飛来にぶち当たり、山の上からは信じられないような景色が広がっていました。
しばらく歩いて道の駅みかもに到着。
売店、自販機、トイレ、色々と揃っているのでここで軽く休憩。
栃木と言えばこれ、レモン牛乳。
久しぶりに見つけたので1本飲んでから山へと赴きます。
今回は高速バスで来ましたが、栃木駅、岩舟駅、静和駅を経由する路線バスもあるので、電車とバスでも来ることも可能です。
前回は帰りにこのバスを利用しましたが、今日は帰りも高速バスで帰ることにしました。
道の駅の脇にある三毳不動尊。
この神社を右に抜けて奥へと進んで行くと、ハイキングコースの標識が出てきます。
それにしてもこの日は朝から暑くて、体感的には夏日の陽気。
ちょうどこの2日前に東京でも桜が開花しましたが、道の駅近くでも桜が咲き始めていました。
そしてコバエもフル稼働。虫よけ対策も必要な時期になってきましたね。
ルートはいくつかありますが、最初のピークである中岳を目指す場合「みかも神社」という標識に従って進めばOKです。
こちらの階段から直登ルートで行くことにしました。標識にも書かれていますが、距離こそ短いものの結構な急坂です。
急坂を登った先の階段の上が三毳神社。
ちょうどカタクリの開花シーズンとあって団体客も多数。この先の登山道でも多くの人とすれ違いました。
ここから三毳山の縦走路へ。
しばらくは緩やかな道が続きます。
こちらの岩は三毳山の名石・蠟燭岩。その見た目がろうそくの炎に見えるから名付けられたそうです。
三毳山七石のひとつで、こんなような特徴的な岩が山のあちこちに散らばっているので、それを巡ってみるのも面白いかもしれません。
少し先へ行くと東側が開けたパラグライダー場に出ました。
展望の良いポイントで広くて休憩にも適しているのですが、ここからの眺めを見てビックリ。
な、なんだ、この真っ白な景色は!?
ものすごく視界が悪い。まるで霧でもかかっているように見えますが、頭上は雲一つない快晴です。
これも黄砂の影響なんですが、この時間帯は特に濃度が濃かったようで全然周りの景色が見えませんでした。この状態での洗濯物の外干しは危険ですね。
この日の景色はあまり期待できないということでカタクリ目指して突き進むと、最初のピーク、中岳に到着。標高は210m。
ベンチがありますがそれほど広くはなく、次々と登山客が登ってくる状況だったので先へと進みました。
ここから道は二手に分かれます。次の青竜ヶ岳へ行く縦走ルートは左ですが、カタクリを見に来たのであれば右のかたくりの園を目指しましょう。
かたくり園までは一度山を下りますが、時間にしたら5分程度。木道の散策路が見えてきたらそこが「みかも山公園かたくりの園」です。
平日にもかかわらず、人がいっぱい。
かたくりの園のカタクリ群生。
ちょうど満開という開花状況で、あたり一面に紫の花が咲き乱れております。
三毳山にはカタクリの群生地が2ヶ所あって、その1つがこのかたくりの園。
山の斜面に広範囲に渡って咲いていて、こちらは奥行きが凄いです。遥か奥までひたすらカタクリ!
その数も実に80000株なんだとか。日本屈指の群生地というのも納得の景観。
しばしのカタクリ鑑賞。
黄砂も花の開花には影響しなかったようで一安心。太陽の光は届いているので、みなさん綺麗に花咲かせてくれていました。
ここから青竜ヶ岳に向かうため、奥の登山道から再び稜線まで登り返します。
分岐にはしっかりと標識が用意されていているのでそれに従って進みましょう。
登り坂といってもここも5分程度。奥の屋根付きのベンチがあるところがみかもの関跡です。
あそこで再び縦走路と合流し、右方面へ進んで行きます。
青竜ヶ岳まで1km。
その奥のカタクリの里が2つ目の群生地になります。
稜線は非常に緩やかで歩きやすい。
この4日前の相州アルプスがなかなかにハードな低山ハイキングだったので、それと比べるとなんと楽な道だろうか。
行きの高速バスでもたっぷり寝れたので、元気だけは有り余っております。
歩いていると再び三毳山の名石を発見。その名も花籠岩。
展望台のようになっていますが、例によって黄砂による霞がひどくてあまり遠くまでは見渡せませんでした。
青竜ヶ岳の山頂直下がやや急登。
足元に滑りやすい岩が隠れていたりもするので、特に下山時はお気を付けください。
こうして青竜ヶ岳に登頂。標高229mしかないですが、ここが三毳山の最高地点です。
青竜ヶ岳って、名前だけ見るとカッコいいですね。
展望も良いので、山頂ではたくさんの人が休憩してました。
展望が良いと言っても霧がかかっているような不思議世界。これも全部黄砂のせいだ。
それでも先ほどまでと比べると、徐々に濃度は薄まってきたようで、遠くの山影がぼんやりと見えてきました。
青竜ヶ岳で軽く休憩してカタクリの里へ向かいますが、その前に東側に1つ山があったのでそちらにまずは行きました。
こちらがカタクリ山。
ここは確か前回スルーして来なかった場所だったと思います。
特に何が見えるというわけでもないですが、三毳山には中岳、青竜ヶ岳、カタクリ山の3つのピークがあるので、時間があれば全部立ち寄ってみてください。
そこから下山していくと、三毳山2つ目の群生地「万葉自然公園かたくりの里」に到着。
先ほどのかたくりの園も凄い規模でしたが、こちらもこちらで一面にカタクリの花が咲いています。
太陽の光を浴びて紫に輝く姿がとても美しい。丸まっていたり両手を広げるように咲いている花もあったり、1つ1つ形も違うから見ていて面白いです。
カタクリは晴れの日しか咲かず、曇りや雨の日は花が閉じてしまうので、とにかく天気が大事。
晴れの日を狙って訪れましょう。
散策路の両脇にカタクリが群生となって咲いています。
先ほどのかたくりの園と同様に山の斜面に広範囲に渡って咲いていますが、密度でいうと1つ目のかたくりの園の方が上だったかもしれません。
ただし、こちらの群生地にはカタクリと合わせてアズマイチゲも咲いているのがアピールポイント。白と紫のコラボがまた美しい。
開花のタイミングが重なるので、カタクリの時期に合わせて来ればアズマイチゲの群生も同時に見ることができます。
カタクリとアズマイチゲの群生をのんびりと鑑賞。
穏やかな景色ですが、写真を撮ろうとすると身をかがめなきゃいけないもんだから、それが意外と疲れる。暑さもあってか、途中立ちくらみしてカタクリ相手にダウンするところでした。
先週までに見てきた梅やミツマタはちょうど目線のあたりに咲いてくれるから身体に優しかったんですね。
こうして2つ目のカタクリ群生地も堪能して三毳山登山が終了しました。
1つ目の群生地が三毳山中央東側にある「みかも山公園かたくりの園」、2つ目が北側にある「万葉自然公園かたくりの里」。
どちらもおすすめですが、かたくりの園は密度が凄く、かたくりの里はアズマイチゲとのコラボも見れる。そんな感じです。カタクリ単体でいえばかたくりの園の方が見ごたえありました。
北側の登山口まで下山。
この時間帯になると黄砂の影響も少なくなってきて、肉眼では写真の奥に日光の男体山も見えるくらいにまでなりました。
こうも違うものかね、と改めて黄砂の厄介さを痛感。
登山口の脇には水芭蕉(ミズバショウ)も咲いていました。
水芭蕉と言えば雪解け後の湿原に咲く花。個人的には5月の尾瀬のイメージがあります。
3月にして見れてしまいましたが、残雪登山と合わせて山の上でも見てみたいです。
出口にはトイレもあります。
駐車場はほぼ満車状態で、平日でこれだけの人が訪れるんだから週末はもっと混むのでしょうね。
カタクリシーズンの三毳山の人気っぷりを改めて知りました。
ここから公共交通利用で帰る場合、グルっと山の反対側へ戻って道の駅からバスで帰るか、佐野アウトレットから高速バスで帰るのが良いと思います。
自分も高速バスで帰ることにしたのですが、まだ時間もあるので佐野駅方面へ向かうことにしました。
途中、東側を眺めると特徴的な岩山が見えます。あちらが岩船山。
2ヶ月前の岩船山~晃石山~太平山登山で登りましたが、あの岩船山は低山とは思えない異世界空間が広がっていて非常にお勧めです。
佐野駅に向かうよりもあちらの岩船山の方が近いので、徒歩で岩船山を登って岩舟駅をゴールにするルートもありだと思います。
自分が佐野駅方面へ向かったのは、駅周辺に散らばる3つの低山に登るため。
その1つ目がこちらの新町薬師堂。
この裏手から登山道が伸びていて、ものの数分で山頂に到着します。
山の名前は米山。標高61mという超低山ですが、しっかりと標識は用意されていました。
ここから先の舗装路歩きも長い。
最終目的は佐野新都市バスターミナルですが、そこに行くまでにかなり大回りしているので、このルートはあまり真似しなくても良いと思います。
単に佐野駅周辺に散らばる低山のピークを踏みたいだけなので。
2つ目のピークがこちらの城山。佐野駅からすぐの場所で、城山公園という高台の公園になっているので眺めもいいです。
園内も広くて市民の憩いの場という感じでした。
城山公園は桜の名所でもあるようで、早咲きの桜がすでに見ごろを迎えていました。
山頂の芝生周辺の木もすべて桜だろうし、もう少し後に訪れたら良いお花見スポットになりそうな場所でした。
そして佐野駅に到着。安直ですが佐野と言えばやっぱり佐野ラーメンが思いつきます。
確かに道中いくつかラーメン屋は見ましたが、駅前は思っていたよりも閑散とした感じ。
佐野アウトレットの最寄り駅でもありますが、徒歩1時間近くかかるのでそこまで近いというわけではありません。
そのアウトレット方面に向かう途中にあるのが観音山。
ここも山頂一帯が観音山公園という公園になっていて、中央には日枝神社がありました。
標高は44m、ここが本日の最後のピークです。
後はひたすら道路沿いを歩いて佐野新都市バスターミナルがゴール。ちょうど5分後にバスタ新宿行きのバスが発車するタイミングだったので、急いでモバイル予約して乗車しました。
佐野アウトレットは降車のみで乗車はできないのでお気を付けください。帰りはこちらのバスターミナルから乗車することになります。
平日だったので帰りのバスはガラガラでした。
10年ぶりに行った三毳山ハイキング。
お目当てのカタクリはちょうど満開で、山の斜面一帯に見事なお花畑が広がっていました。日本屈指の群生地なだけあって、その規模はやはり凄まじかったです。
しばらくは見頃が続きそうでこの先は桜やツツジも咲き始めるので、良ければ行ってみてください。
【日程】
2025年3月26日
【コースタイム】
9:40 佐野アウトレット
10:15 道の駅みかも
10:50 中岳
11:00 かたくりの園
11:45 青竜ヶ岳
12:05 カタクリ山
12:15 カタクリの里
13:00 登山口
14:50 佐野新都市バスターミナル
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