今日という日を忘れずに

日帰りハイキング、テント泊縦走、冬の雪山登山など、山登りメインのみやっちの登山ブログです

紅葉の黒部峡谷(黒部ダム~下ノ廊下~水平歩道~欅平) 日本屈指の峡谷を歩く秘境の旅

      2016/07/03

今回は秘境の旅。場所は北アルプスの立山連峰と後立山連峰を分断する大渓谷の「黒部峡谷」。日本三大渓谷にも選定されている、日本屈指の渓谷です。

そして、その中でも秘境とされているのが「下ノ廊下」と呼ばれる断崖絶壁の登山道。残雪の影響で雪が溶けないと道が開けず、安全に歩ける時期も9月~10月の約1ヶ月間に限られています。まさに秘境!!ほとんど平坦ながら、道も険しく、かなり長いので健脚コースとなっています。

 

紅葉真っ盛りの10月下旬、テント背負って黒部ダムから最深部の檜平まで30km越えの道のりを歩きました。普段の登山とは一味も二味も違った、秘境感たっぷりの壮大なスケールで、一生の思い出になったさ~!!

 

紅葉に彩られた大渓谷を歩く、秘境・秘湯の旅―――

 

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ ←クリック応援よろしくお願いします!!

【日程】

2012年10月27日~28日

【コースタイム】

-1日目-

扇沢(7:30)→黒部ダム(7:45)→→下ノ廊下→→十字峡(12:15)→半月峡(13:00)→仙人谷ダム(13:55)→阿曽原温泉小屋(14:50)

-2日目-

阿曽原温泉(6:00)→→水平歩道→→大太鼓(7:55)→欅平(9:45)→→トロッコ鉄道→→宇奈月駅(11:20)

 

 

今年はもう、テント泊なんてすることがないと思っていた。だって、もう寒いじゃん。北アルプスの山の上なんてすっかり雪化粧だし、ゲレンデだってオープンしたとこあるし、日も短いし、荷物かさ張るし、、、。あぁ、おでん食べたい・・・。。そんな季節ですね。

 

そんな自分を再びテント泊に駆り出してくれたのが、山友のタクミ。北アルプスを庭とする尊敬すべき山友から「黒部峡谷、行かないかい?」と。「今の時期だけ歩けるレアな場所があって、絶対後悔することないで」と。

北アルプスを歩きぬいた人からそんなこと言われちゃ、そりゃ~行くしかないでしょ!!ってことで、眠りかけていたテントを引っ張り出し、1ヶ月振りとなるテント山行へ!!

 

今回のコースは、黒部ダムからスタートして、ひたすら北上して黒部峡谷の最奥地である檜平まで歩くという、玄人向けルート。

北アルプスの中でも屈指の秘境と言われる黒部峡谷。それを長野県から富山県へ一気に抜けるという贅沢ルート!途中の「下ノ廊下」は残雪の関係で、歩ける時期が限られているというレアなコース。しかも、泊まる阿曽原小屋には温泉もあるという、秘湯もめぐれるプラン。こりゃ~楽しみで仕方なかった!

 

ただ、出発前に言われたのが、「高低差はほとんどないけど、道は長く、とにかく狭い。荷物はできるだけコンパクト&軽量化、かつ防寒しっかり」と。パッキングが絶望的にヘタクソな自分にとって、これはなかなか難しかった。。。

けど、意外に頑張れば、テント装備&防寒重視でも40Lザックで収まることが分かった。これは良い収穫。快適さはちょっと犠牲にしたけどね~。重さも10.5kgとかなり軽量化。これなら何が来ようと問題なしだろっ!

 

パンパンの40Lザックを背負って、向かうのは1ヶ月前の鹿島槍~五竜縦走で訪れたアルペンルートの入口「扇沢」。

 

午前6時半、扇沢に到着。ここからスタート地点となる黒部ダムまではトロリーバスを利用。始発が7時半なので、1時間近く待ちましたが、朝早いのに観光客が多かった。

(※手前にいる3人が、今回のメンバー。皆、毎週のように山に繰り出している強者w)

そうそう、今回スタート地点とゴールがかなり離れていて、車の回収が困難なので、回送サービスを利用。扇沢から檜平までは2万円くらいだったっけ?

 

始発のトロリーバスに乗車。アルペンルートを行くのはこれが初。当然、このトロリーバスも初めて乗車。

えぇ、そうです。立山はおろか、室堂にさえ行ったことのない自分が、いきなり黒部峡谷を歩くっていう、、、順番無視も甚だしいよね(汗

立山からしたら「先にそっち行くんか~い!」って感じかw

 

10分ちょっとで黒部ダム駅に到着。かなり冷え込んで寒かったです。。うわさ通り、山の上はすっかり雪景色。

 

本来なら停止しているはずなのに、この日は運よくダムが放水してました。片方だけだったけど、すごい迫力!!こりゃすげぇー!!とにかくアルペンルートが初めてなので、見るものすべてに感動。素人感丸出しw

 

ほとんどの人が黒部ダムを鑑賞する中、自分たちは早々に黒部峡谷へ向かいます。秘境というだけあって、ほとんど誰もいないんじゃないかと思ったけど、、、

 

割といました。秘境という先入観からか、周りのみんなすべてが強者っぽく見えた。

 

橋の上から黒部ダム。もし、今回とは逆ルートで歩いた場合、この眺めが旅の終わりになるので、それはそれでいいもんだなぁ~なんて思ったり。

 

ここからいよいよ黒部峡谷(下ノ廊下)を行く。まず目を奪うのが紅葉!ちょうど見ごろでした。

 

序盤は川沿い&紅葉の中をのんびりトレッキング。谷間で風の影響を受けず、標高も高くないので、歩いていると暑いくらいです。

この先もほぼ平坦な道で、標高1200m前後をひたすら歩いて行くのですが、、、この先から気の抜けない道が続いていきます。

 

※ここから先、迫力を伝えるため、写真多め・文字少な目でいきます。ご了承くださいませ~

 

大迫力の岩壁の下をくぐりつつ、

 

道幅狭い断崖絶壁を歩いて行きます。想像以上に、狭い道w

 

絶壁にオアシス発見!山から湧き出た水は、見事なまでに透き通ってた。

 

途中、面白かったのがこのアーチ状の残雪。これぞ、まさに「スノーブリッジ」w

 

自分たちが歩く道はほとんど平坦ですが、谷底はどんどん沈んでいくので高度感が増してきます。道幅も狭いので、鎖につかまりながら慎重に。

ここを歩いていて、荷物をなるべくコンパクトに!って言われたのが良くわかったよ。荷物を引っかけたりして、よろけたらそれだけで大惨事。落ちたら、たぶん死にます。

 

もちろん、ひたすら平坦ってわけじゃない。こんな感じで階段も用意されてます。登るのはいいんだけど、、、

 

下りが半端なく怖い・・・。若干の高所恐怖症なので、これは堪えるぜ・・・

 

紅葉でも見て、気分を落ち着かせる。

 

岩壁にえぐられた道が良くわかるかと思います。この道は、もともと日電歩道といって発電所の建設のために作られた道なのですが、、、よく作ったもんだ・・

 

この後も、絶壁を歩いたり、岩壁をくぐったり、橋を渡ったり。スケール大きすぎて、これまで味わったことのない興奮でしたよw

そういえば1ヶ所、ちょうど真上で落石が発生したところがあって、これは焦った。。慌てて岩陰に隠れたからよかったけど、こんな狭い場所で落石なんて、、たまったもんじゃないね・・・。

 

一種のアトラクションのような非現実的な世界が続く

普段の縦走と違って、途中の経過ポイントみたいなのが少ないので、CTのスケジューリングは注意した方がいいです。とにかく距離があるのでちょい早めペースが理想。もちろん、安全第一でね。

 

ご覧のような吊り橋が見えたら、そこが絶景スポットの十字峡。(この吊り橋も地味に怖いんだけどね・・・)

 

黒部川と山から流れる川が十字に交わる地点。ここが本日のハイライトともいうべき場所。十字に交錯する迫力ある水の流れは一見の価値あり!

ペース配分としては黒部ダムから十字峡まで、5時間ほどで来るのが理想みたい。

 

この先はさらに高度感をあげていきます。もう落ちたら、たとえ命拾いしたとしても、誰にも気づいてもらえない、、そんな場所。

 

十字峡の先にあるのが、半月峡。よく覚えてないですが、確かこの写真に写っているのが半月峡。その先のS字峡は見逃しました。。

 

さらに先へ行くと、人口建造物が見えてきます。これがあの有名な「黒四発電所」。クロヨン~

絶壁に突如現れた、古めかしい建物。まるで映画の世界みたいだった。

 

黒四発電所のそばにある、東谷吊橋。これが一番怖かったかも・・・

 

高いし、揺れるし、狭いし、、、高所恐怖症の方はこのルートは歩かない方がいいですね。

 

吊り橋の先にあった廃墟。何かカッコえぇ雰囲気だった!映画のワンシーンで出てきそうな、時代を感じるトンネル。

 

14時ごろ、仙人谷ダムに到着。黒部ダムとはまるで違う、静かな雰囲気でした。

 

本日のゴールまでもう少しですが、まだまだ面白い道は続く。今度は仙人谷ダムの建物に入っていきます。歩行中に建物の中を通過するなんて、滅多にないこと。

 

この中がまた面白くって、まさに洞窟だった。トロッコの線路なんてのが、またいい味出してる。冒険心をくすぐられるねw

この洞窟、高温を発する岩をくりぬいているため、ものすごい暑いです。。。数十秒いるだけで、汗が出ます。サウナ状態。

 

洞窟を出たら、阿曽原温泉小屋まではもうすぐ。ここに来て、本日初めての急坂。一気に登って一気に下るので、ここはちょっと面倒・・・

 

長い道のりを終えて、15時前に阿曽原温泉小屋に到着。秘境の奥地にある山小屋であり、秘湯の温泉でもあります。

ちなみに、この山小屋。谷底という場所柄、雪崩の影響を受けやすいので、シーズンが来るたびにプレハブを建て直すそうです。

 

受け付けを済ませてテント場へ。(テント代500円、温泉代500円)

思った以上に広いテント場でした。この時にはかなり空いてましたが、続々とハイカーがやってきて、テント場は意外にもにぎやか。最終的に20張以上になりました。

 

テント張ってすぐに温泉へ!!テント場から歩いて5分くらいの場所にあります。20時以降は混浴ですが、それまでは1時間ごとに男性と女性の時間が決められています。

登山中に温泉に入るなんて初めての経験だったけど、これが最高だったわぁ~!疲れ一気に吹っ飛んで、眠気が襲ってきましたw

 

正直、湯冷めしないか心配だったけど、谷間で風もなく、標高も高くないので、夜はそれほど寒くなかった。夕食食べて同行者の方にウイスキー頂いたりして、温泉後はまったり過ごしたさ。19時以降の記憶がなく、翌4時まで約9時間、爆睡しましたとさ。

こうして、大迫力の1日目終了。

 

~~ ここから2日目 ~~

 

朝4時に起床。日曜日は天気が悪いのはわかってたけど、早朝から降られちゃいました。。。雨の中のテント撤収は嫌だね・・・(写真だと雪に見えますが、雨です)

運が良かったのが気温かな。全然寒くなかった。

 

朝6時にスタート。ちょうど紅葉シーズンということもあり、「ゴールの檜平は激混みで、帰りのトロッコ電車は11時台までのに乗らないと席がないかもよ」、と山小屋の方に言われました。なので、ちょい早めのペースで進みます。

 

今日歩くのが、「水平歩道」と呼ばれる絶壁をくりぬいて作られた狭い歩道。

それがこちら↓

文字通り、ホントに水平!!よくこんな道作ったなぁ~と思うくらい、きっちりとした水平の道。谷沿いにひたすら伸びています。

 

途中に滝もあったり。

 

トンネルもあったり。(※ライト必須です。時期によっては、かかと当たりまで水浸しになってることもあるらしい・・・。この時期は大丈夫みたい。)

 

そして、水平歩道のハイライトがこちら。

まさに絶壁の間をくりぬいた、天井が低い道を歩いてきます。頭をぶつけないようにね。

 

高度感は昨日の比じゃないくらい高いです。。落ちたら間違いなく終わりだね・・

 

目の前に迫る絶壁の迫力は凄まじい・・・。雨でも、その景観が損なわれないのが、今日のコースのいい所かなw

 

ただ、この水平歩道、前日と同じくかなり距離があって、緊張感の連続です。。精神的に疲れる・・・。

雨の中、この道に挑むのはちょっと気が引けたけど、どうにかなりました・・w

 

鉄塔が見えてきたら、ゴールの欅平はすぐそこ。一気に200mくらい下って行けば、駅に着きます。

 

午前10時前、無事に生きて欅平に到着。こんな雨にも関わらず、山小屋の方の言うとおり、たくさんの観光客がいました。一気に現実に引き戻された感じ。

 

時間があれば、ここから30分くらいのところにある秘湯「祖母谷温泉」に行きたかったのですが、天気悪いし、観光客が多かったので、やめてすぐに帰ることにしました。

10時すぎ発の電車があったので、それに乗車。30分に1本くらいのペースで出ていますが、この時間帯はまだ余裕で空席がありました。(午後は予約で満席だったらしい・・)

 

初めて乗るトロッコ列車。レトロな感じがいいね。

 

オープンデッキに乗りましたが、屋根がついているので雨が降っていても安心。1車両、4人で独占できましたw

 

ここから終点の宇奈月温泉までは1時間20分ほどの列車の旅。しばしお楽しみください~

 

トンネル抜けたり、ダム見たり。最後は雨に濡れた身体が冷えて、かなり寒かったけど、まったりとトロッコ列車の旅を楽しみました!

 

11時半、宇奈月駅に到着。ここで回送サービス業者に頼んでおいた車を回収。

 

近くにあった「ふれあい温泉」というところに寄って、いざ東京へ!富山県の日本海側まで来てしまったので、帰りはかなり時間かかりました……。

 

 

こんな感じで、秘境の旅終了~。山友から「絶対後悔することはないっ!」って言われたけど、まさにその通りだった!断崖絶壁をひたすら歩くなんて、ここ以外では味わえないんじゃないかなぁ・・。途中にあった古びた発電所や採掘所、洞窟、トロッコ列車など、現代の日本とは思えないレトロの光景は、映画の中にいるような世界だった。幼いころ男子が憧れた「冒険」という言葉がふさわしいくらいの、非現実的で壮大な旅でした。

 

平坦な道のりですが、その道中は長く危険で、決して楽な旅ではありません。でも、歩きなれた人なら、絶対に一度は歩いてみることをおススメします!ここは本当に素晴らしい!言葉にすると安っぽくなるので、ぜひその目で見てみてください。

 

普段の登山とは一味違う、秘境の旅でした~

 

おしまい

 

 

 ■この記事を読んだ人は以下の記事も読んでいます:

 - 登山 , , , , ,