11月末に秩父・皆野アルプスの破風山へ登ってきました。
標高626mの低山ですが、ここも紛れもなく紅葉の名峰の1つ。登山道を彩る紅葉風景が凄まじく、さらに麓にある華厳の滝周辺も綺麗な色づきで素晴らしい景色を見せてくれました。
登山後は城峯公園に移動して冬桜を鑑賞。ちょうど桜まつり開催中で、初頭の時期でありながら紅葉と桜を同時に楽しむという、贅沢な1日となりました。
今年も紅葉登山に色々と繰り出しましたが、紅葉目的で山に登るのはおそらくこれがラスト。
場所は久しぶりの埼玉県・秩父。秩父の山っていつぶりだろ、ってブログ見返してみたら実に4年ぶりでした。
都内から決して遠いわけじゃないんだけど、電車だとどうしても時間がかかってしまって、都内近郊の奥多摩、丹沢、大月の方に足が向いてしまうっていう、そんな秩父。
訪れたのは11月30日。もう12月を迎えようかっていう時期ですが、秩父の山々はこれくらいの時期が紅葉としてはピーク。
全くのノーマークだった破風山と華厳の滝、紅葉に加えて冬桜の絶景、秩父のポテンシャルの高さを思い知らされました。
11月30日 秩父・破風山~華厳の滝 紅葉と冬桜登山
そもそも4年ぶりの秩父に繰り出したのは、まさかのこのブログの読者様からのお誘いがあってのこと。以前からコメントくれてるsomeiさんでございます。
今回登ることになった破風山も僕自身は存在自体知りませんでした。なので破風山を開拓できたのもsomeiさんのおかげ。
破風山の最寄駅となるのが、秩父鉄道の皆野駅or親鼻駅。someiさんは車ということなので、始発便に乗って親鼻駅で待ち合わせ。車に乗っけてもらって、駅から10分ちょいで登山口の満願の湯に到着しました。
山に登る場合は、写真の登山者用駐車場の方に停めましょう。トイレもあります。
準備して8時30分に駐車場を出発。出だし少し迷いましたが、華厳の滝方面に道なりに歩いていきます。(低山って地味に登山口までの道が迷いやすいよね)
ちなみに満願の湯へは皆野駅からバスで来ることもできます。また破風山はルートも豊富で、皆野駅から歩いて登ることもできるので、公共交通利用でも割と登りやすい山だと思います。
少しわかりづらいですが、この青壁の倉庫のわきに登山口があります。標識があるので見逃さないように。
これが標識。
破風山、「はっぷさん」って読みます。
登山道にいったん入りますが、またすぐに林道に出ます。
ここら辺は道なりに上に登っていけばOK。
再び登山道に入るところにあった展望台のような休憩所。
someiさんからのお誘いはもうだいぶ前にあって、11月30日という日程もかなり前から決めていたのですが、こうして見事に快晴を引き当てられて良かったです。
今回登る破風山は皆野アルプスの一角。
秩父は低山ながらも山が多くて、アルプスと名の付くものがいくつかあります。長瀞アルプスなんかは有名。
周りが山だらけというのは、山頂からの展望でさらに実感するところになります。
低山らしい、長閑で落ち着く森の樹林帯を登っていくと、早くも真っ赤な紅葉がお目見え。
「秩父の破風山の紅葉はやばいらしい」という噂通りの景色がこれから展開されていきます。
今年は紅葉が本当に遅くて、12月間近という段階でもまだ緑の葉も残ってます。
そのおかげで、赤、黄色、緑という紅葉のグラデーションが綺麗なわけだが。
今回の旅のご案内人に着いてのんびり登っていく。
ブログ繋がりで一緒に登るなんてこともあるんだなと話したりしてました。こちらは日々の登山を書き連ねて公開しているので、向こうはこっちのレベルを多少なりとも知ってますが、逆に僕はsomeiさんのことは全く知らず。
お誘いを受けた時にヤマレコのIDを教えてもらえたので、普通に登り慣れているというのがわかって安心でした。
そんなこんなで標識に猿岩というワードが見えてきた。
この猿岩あたりが破風山の中でも最も紅葉が綺麗なスポット、とガイダンス頂きました。
その案内言葉通り、見せ場はすぐにやってきて、頭上を見上げれば紅葉のカーテン!
凄まじい色づきて、特に赤色が際立って色づいていました。
低山でこの華やかさはすごいわ……
標識に書いてあった猿岩に到着。
この周辺が紅葉Maxなのですが、その前に猿岩の展望台へ。ロープが垂れ下がっているのが見えるかと思いますが、右側から回り込んでいくと岩の上に登れるようになっています。
道幅狭く、やや急斜面なのでお気をつけて。
この猿岩登っていて思い出したけど、秩父の山って岩も特徴だよね。両神山とか二子山とか。
猿岩周辺の紅葉はちょうど旬を迎えたころ。
紅葉の1枚1枚の葉も成熟して綺麗に整っておりました。
こちらが猿岩の山頂。
多少動き回れるくらいのスペースはあります。
そして猿岩からの展望がこれよ。
周りが開けているので、あたりの山を一望。見ての通り、山肌が綺麗に色づいているのがわかります。
こちらは南側の展望。
目の前に見える秩父の街並み、右奥に見える三角形の山は武甲山。秩父を代表する日本二百名山の1つです。
登山口をスタートして、ここで初めて展望が開けるので猿岩はかなりテンションが上がるポイントです。高いところが苦手でなければぜひ登ってみてくだされ。
開けた岩場なのでくれぐれも落ちないように。
周囲は断崖絶壁になっております。落ちたら絶対助からない……
猿岩から降りて再び登山道へ。
この猿岩周辺の紅葉は本当に素晴らしかった。
赤のモミジが際立って綺麗でしたが、それに折り重なるように黄色や緑の色彩も豊かで見事なもんでしたよ。
低山とはいえ、侮れない紅葉力(?)を持つ破風山。
去年登った牛ノ寝通り~大マテイ山の縦走路に近い雰囲気がありました。
紅葉ピークで誰よりも安心していたのがsomeiさん。誘った手前、紅葉終わってたらどうしようと不安があったようですが、ホスト側のその気持ちは良くわかるわ。昔、登山初心者を誘って山に行ったときなんかは自分もそうだった。
この後も紅葉の尾根道をひたすら登っていく。
樹林帯が続きますが、日当たりが良くて木漏れ日差し込む明るい森は歩いていて気持ちいいです。低山に戻ってきた!って感じで。
紅葉も合わせればなおさら楽しい。
しばらく登ると開けた場所に休憩ベンチを備えた東屋がありました。
ここまで来れば山頂も近いです。
紅葉が綺麗な稜線を伝って山頂へ。
道幅が狭いですが、登山中はあまり人とも出会わずに思うがままに歩けました。土曜日ということもあって、行きの電車はそれなりの混雑していたのですが、山に入ってしまえば静かなもんでした。
破風山、てっきり人気の山なのかと思ってたけど、そうでもないのかな?
最後まで紅葉が尽きることなく、9時50分に破風山山頂に到着。
山頂には先客がそれなりにいましたが、それでも10人に満たないくらい。快晴の週末の割には空いている山でした。
破風山の山頂標識。
パッと見で標高6265mと見間違いを促す見栄っ張りな標高626.5mの山。
風を破る山=はっぷさん、名前は疾走感あってカッコいい。
標高626mの山ですが、山頂は開けていて展望は見事。
秩父の街と山を一望できます。
秩父の山には疎いので山座同定としては武甲山くらいしかわからないですが、低い山が連なっているので武甲山の存在感はかなり際立っていました。
日本二百名山に選定されるのも納得という感じ。
写真だとあまりわからないですが、どこの山肌も綺麗に色づいているのがわかります。
似通った標高の山ばかりなので、一斉に色づいている感じ。11月末と言えば山の紅葉はだいぶ終わりかけですが、秩父の山域はその終盤まで紅葉を楽しめます。
東に見えたあの山は、両神山ではなかろうか。
秩父の名峰・日本百名山。過去2回登っている両神山ですが、それももう5年近く前のこと。秩父の山って本当に久しぶりなんだなぁ~と思った。
山頂でしばらく休憩して、華厳の滝方面にそのまま縦走路を進んでいきます。
ここから先も快適な尾根道は続き、随所に綺麗な紅葉ポイントもあります。
破風山はルートが豊富。
至る所に分岐点があって標識が用意されています。進むのは札立峠方面ですが、野巻の方へ下りれば、皆野駅まで歩いて帰ることもできます。
低山らしい落ち着く雰囲気の登山道。人が全然いないので忘れそうになりますが、この日は土曜日。快晴で紅葉ピークのタイミングなのでもっと人がいてもいいもんなんだけど、意外なほど静かでした。
思えば週末登山と言うのは久しぶりで、9月の爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳以来でございました。
札立峠に到着。
十字路の分岐点になっているポイントです。
自分たちは引き続き縦走路を進んで大前山、天狗山方面へ。
ここら辺から岩場も目立ってきて、部分的に足元狭いポイントもあります。
片側が切れ落ちた絶壁の稜線。
低山とはいえ侮れないポイントが多い秩父の山。
少し進むと武蔵展望台という鎖場が設置された展望デッキに到着。
ここも1つのビューポイント。
展望台というだけあって南側方面が開けているのですが、特筆すべきは付近の山々の色づきっぷり。
特にこの展望台周辺は色づく樹々が多いようで、山肌の紅葉具合もなかなかのもんでした。
紅葉ロードを突き進み、大前山に到着。
破風山と同じくらいの標高ですが、こちらは展望がやや遮られたピークになります。
大前山に鎮座していた仏様。
顔が岩に置き換えられてやや不気味でしたが、こういった仏像が置かれているのも秩父の山っぽい。
自分の中では奥多摩、丹沢に比べると秩父の山は渋くて由緒あるイメージ。
大前山からお隣の天狗山へ。
天狗山あたりの紅葉もすごくて、ここら辺は全山紅葉と言えるレベルでした。
破風山、もとい皆野アルプスの紅葉すごいわ……
ここら辺でも鎖場登場。
大前山方面から歩いてくると、急な下りの鎖場になります。岩も特徴の秩父の山、鎖場も時たま現れて1つのオプションとして登山に面白みを加えてくれます。
鎖場を下った後は登り返して、天狗山に到着。
見ての通り「お天狗様」がいらっしゃる山だそうで。祠もありました。
破風山から天狗山まで、どの山も標高こそ低いですが細かいアップダウンがあるので、実際に歩いてみるとそれなりの歩き応えあります。
天狗山からは華厳の滝登山口方面へ下山。
自分の持っている山と高原地図「奥武蔵・秩父」は2012年版なのですが、その地図にはここから華厳の滝方面のルートは載ってませんでした。
登山初期に買った地図は、いよいよ買い替え時なのかもしれんな。
途中、大前集落を経由して華厳の滝登山口に下山完了。
天狗山からは30分程度だったので割とすぐでした。
華厳の滝へ向かうのであれば、登山口の橋を渡って左の方向へ歩いていきます。
道路沿いに歩いていくとすぐに華厳の滝の無料駐車場が見えてきます。
駐車場から華厳の滝まではすぐ。
脇には茶屋が1軒ありました。
ここにはバス停もあるので、下山後に華厳の滝を見てそのまま帰ることもできます。この手の茶屋があると、バス待ちに利用できるのでありがたいのです。
そしてこちらが秩父・華厳の滝
こりゃ、すげーわい!!
この絵に描いたような紅葉と滝の景観美!これぞ日本の風流といえる絶景がありました。
滝自体も思っていた以上に落差があって見栄えもいい。
特に仕切りもないので、滝つぼまで近づけるようになっていて、間近で滝の迫力を感じることができるようになっています。
華厳の滝と言えば日光のものが有名ですが、秩父の華厳の滝も風情あっていいですよ。(というか、本場の日光の滝をまだ見たことがなかった…汗)
華厳の滝を取り巻く紅葉も美しすぎる。
ちょうどこのあたりの紅葉もピークで、まさに絶好のタイミングで訪れることができました。
ちなみに紅葉シーズン中はライトアップイベントも実施されているようです。
上から眺める華厳の滝。
これぞ日本の秋の情景ですな~
おそらくこれが今シーズン最後の紅葉記事になるかと思いますが、ラストでいいもの見させてもらいました。
そして滝の上には、なんかコミカルな仏像もおりました。
手作り感が溢れ出ていますが、意外と大きいのでこれもぜひ見逃さずに抑えておくべし。
この後は道路を引き返してスタート地点の満願の湯まで歩いて戻ります。
ちなみに華厳の滝の近くには、他に上空滝、不動滝という2つの滝があって3つ合わせて日野沢三滝という名所にもなっています。
一応自分たちも3つの滝を巡ったのですが、上空滝と不動滝は華厳の滝に比べるとだいぶ見劣りするので、ここは華厳の滝だけ見れば十分かなと思いました。
時間があれば立ち寄ってみてください。
華厳の滝から30分ほど歩いて満願の湯登山口駐車場に戻ってきました。
時刻は13時20分、5時間ほどの周回コースでしたが意外と歩き応えあって面白かったです。
ただ、本日のsomeiさん主催秩父ツアーはこれで終わりじゃなかった。
車で移動してやってきたのは城峯公園。
山の高台にある公園で、ここも今の時期に旬な観光スポットになっています。
それがこちらの冬桜。
読んで字のごとく、冬に咲く桜です。11月下旬から12月上旬にかけて咲き誇り、ちょうど桜祭りも開催中ということでやってきました。
こちらが冬桜。
季節感を逆行するような、この時期にまさかの桜のお花見。
ピンク色の花が綺麗に咲いていました。
まさかの紅葉と桜のコラボ!
春の桜と秋の紅葉、この2つを同時に見れる場所というのも日本中探してみても早々ないと思う。
貴重な景観に出会えるのが初冬の秩父。
冬桜についての説明書きがあったので載せておきます。
春にもまた咲くというのだから驚き。咲けるだけ咲いてやるという意気込みを感じる、元気いっぱいな桜ですね。
こうして紅葉と冬桜で締めて秩父の日帰り登山が終了。
今回は完全にゲストとして旬な秩父を案内してもらうというおもてなし登山ツアーでしたが、最高に楽しめました。
城峯公園については冬桜はもちろん、紅葉もかなり綺麗なのでぜひ合わせて訪れてほしいところです。
冬桜というこの時期での秩父でしか見れない景色に加えての、破風山~華厳の滝の圧巻の紅葉風景!
間違いなくここは紅葉の名峰と言って良い山でした。コースも柔軟に組めてハイキングレベルでも楽しめるようになっています。
11月下旬という、他の山域ではあらかた紅葉が終わって、シーズン最後の紅葉の選択肢としても秩父は良いのかもしれません。
久しぶりの秩父の山で、底知れぬポテンシャルを見せられた1日でした。
(旅の案内人、someiさんありがとうございました!)
【日程】
2019年11月30日
【コースタイム】
8:30 満願の湯登山口駐車場
9:20 猿岩
9:50 破風山
10:55 大前山
11:10 天狗山
11:40 華厳の滝登山口
11:50 華厳の滝
13:20 満願の湯登山口駐車場
コメント
みやっちさん
旅の案内人ことsomeiです、待ってました!笑
今回はどうもありがとうございましたm(_ _)m
心配だった紅葉も問題なく、冬桜も保ってくれていたので良かったです。私もかなり堪能できました。
あと空いていたのも良かったですね、もっと登られているもんだと思ってました。
破風山の紅葉力もさることながら、同じ景色を見てきた者として、みやっちさんの編集力にも感動しました!
自分の登ったところがこんな感じにまとまるんだなぁって、思わず唸りましたよ笑
お疲れ様でした、ありがとうございました!
someiさん
この度はお誘い頂きありがとうございました!そして当ブログのご出演ありがとうございます(笑)
いや~、破風山素晴らしかったですね。低山ながらも見所豊富で本当に楽しめました。
猿岩付近と華厳の滝の紅葉が特にすさまじかったです。色づきのタイミングもバッチリでしたね。
桜まで堪能させていただいて、久しぶりの秩父のポテンシャルを思い知らされた1日でした。
また機会があればよろしくお願いしますmm
こんばんは。
破風山の紅葉、一度行きたいと思いつつ、うちから皆野駅まで朝は4時間かかってしまい、
4時間はちょっと遠すぎる、、、と今年も諦めてしまいました(@_@)
電車だと飯能から秩父が30分に一本、秩父鉄道も30分に一本の本数で、やたら時間がかかるのですよね。。(>_<)
でもやはり紅葉すごく綺麗ですね。頑張って来年行ってみようかな。。
記事参考になりました、ありがとうございました。
ゆかぽんさん、こんばんは。
秩父は私の最寄り駅からもややアクセスしづらいんですよね。それで今まで敬遠していた山域だったのですが、いざ行ってみたら紅葉のポテンシャルの高さを見せつけられました。
低山ながらも眺めも良くて鎖場や滝もあったり、登山としての面白さも十分あります。
ぜひ気が向いたら来年行ってみてください!11月下旬頃がおすすめです。