11月初旬に廃線ウォークで有名な群馬県の「アプトの道」へ紅葉ハイキングに行ってきました。
横川駅をスタートして、アプトの道~旧中山道を経て軽井沢駅へ。遺跡や廃墟のトンネル、碓氷湖やめがね橋など観光としても見所が多く、さらに華やかな紅葉登山も楽しめる穴場スポット!
本当に楽しく歩けて、ここはぜひともお勧めしたいところです。
駅から駅へ縦走できるので、電車のみの公共交通で行けます。
群馬県の廃線ウォークスポット「アプトの道」。
かつて鉄道(国鉄信越線)が通っていた廃線跡に遊歩道が整備され、道中には遺跡と化した建造物やトンネルなどがたくさん。秘境感にあふれた摩訶不思議なハイキングコースとなっています。
碓氷湖やめがね橋など紅葉スポットの名所も通るので、ここを歩くなら絶対に秋だと思い、2022年の秋に満を持して行ってきました。
2022年11月3日 横川駅~アプトの道~軽井沢駅 秋の紅葉ハイキング
アプトの道の起点となるのは横川駅。旧中山道を経て軽井沢駅までつなげば、登山としても歩き応えのあるコースとなります。
都心からでも朝発の日帰りが可能で、しかもバス要らずの電車だけで済むんだからアクセス最高です。
信越本線に乗って終点の横川駅へ。以前は軽井沢駅まで通っていた路線が今はこの横川駅が終点となり、この先の廃線区間の一部がアプトの道として歩けるようになっています。
初めて降りた駅ですが、駅のすぐそばにある岩山にビビりました。存在感が半端ないっす。
横川と言えばサービスエリアに売っている「峠の釜めし」を思い出す人も多いのではないでしょうか。
その釜飯の本店がこの駅前にある荻野屋。朝一なのでまだ営業してませんでしたが、今回とは逆ルートで軽井沢駅スタートの横川駅ゴールで歩くのであれば、締めにこの釜飯を食べることもできます。
横川駅がアプトの道のスタート地点。入口がこんな感じでしっかりと示されています。
色々と観光ポイントが書かれていますが、どこも外すにはもったいないくらい魅力的なところです。
アプトの道スタート。まずは線路脇の遊歩道をひたすら歩いてきます。
この横川駅~軽井沢駅区間が廃線となったのは1963年。もう半世紀以上前のことです。
それゆえ、随所に昔を感じさせる遺跡やら何やらが散らばっています。
まず最初に現れたのがレンガ造りの建物、国の重要文化財にもなっている「旧丸山変電所」です。
遺跡のような歴史ある建造物。煉瓦とガラス張りの窓が、どことなく西洋風にも感じました。
廃墟マニアにとってもたまらないポイントではなかろうか。
変電所前には旧丸山駅のプラットホームも残っています。
もう決して列車が来ることのない、かつて使われていた駅の面影。少し物寂しさも感じます。
途中からは線路の上を歩く感じに。これぞまさに廃線ウォーク。
真っすぐ敷かれた単線がどこまでも伸びています。
11月ともなれば周りの樹々も綺麗に色づき、紅葉ハイキングとしても楽しめるコースです。
しばらく歩くと近代的な建物に到着。ここが「峠の湯」。
大型日帰り入浴施設なので、アプトの道ハイキングと合わせて温泉も楽しむことができます。
あいにく自分は軽井沢駅へと抜けるので入らなかったですが、良ければ立ち寄ってみてください。
そして、ここからがアプトの道の真骨頂。
温泉から少し先へ行ったところにあるこのトンネルが、摩訶不思議な世界への入口です。
千と千尋の神隠しを思い浮かべずにはいられない。
薄暗いトンネルを進んで行く。
何ともノスタルジックな雰囲気。
日中であれば照明が点いているのでライトの類はなくても大丈夫ですが、18時以降の夜間は消灯されるのでご注意ください。
1つ目のトンネルを抜ける。
トンネルを抜けるたびに、少しずつ景色も変わっていく。
出口を見るとより一層古びた遺跡の雰囲気。
重厚感ある門構えと真っ暗なトンネルの穴が一層不安感を掻き立てます。
ここが1つの分岐点で、トンネルの右側に登山道入り口があります。ここが旧中山道の登山口で、山を越えていけば軽井沢方面へ抜けることができます。
私も旧中山道を歩くことになるのですが、めがね橋から旧中山道へ合流できる登山道があるので、そちらから向かいます。
なので、このままアプトの道を直進。
先ほどまでとは打って変わって静かな雰囲気になりました。
2つ目のトンネル。
まだまだトンネルは続く。
トンネル内部も1つ1つが微妙に違うから面白い。
ここら辺は観光として来ても非常に楽しめると思います。
トンネルを抜けて突如現れた大きな湖。
こちらが碓氷湖(うすいこ)。
群馬県の中でも紅葉の名所として知られる場所です。
紅葉の名所というはすぐに納得して、湖畔に広がる紅葉が凄まじいことになってました。
時期としては少し早めだったので、赤の他に黄色や緑も残っていて何ともカラフルな色彩!
湖に架かる橋と紅葉が絵になる風景でした。
この湖は1周できるので時間があれば歩いてみてください。
紅葉はアプトの道側が特に綺麗なので、ハイキングの途中に立ち寄るだけでも大いに楽しめる場所です。
引き続きアプトの道ハイキングへ。
トンネルがたくさんあることからも、だいぶ山の中に入ってきたことがわかります。
かつてここに鉄道が敷かれていたことを考えると、開拓した人たち本当に凄いわ。
トンネルを抜けた先にまたトンネル。
アトラクション感覚で楽しめる廃線ウォーク、ここはもっと有名になっていいはず!
何個目かのトンネルが赤い雰囲気で不気味でした。
もはや気持ちは洞窟探検。
こうして歩みを進めていくと、ひときわ紅葉が綺麗な見えてきました。
ここが目指していた場所。
アプトの道の名所・めがね橋です。
アプトの道から歩いてくると、橋の上に出ることになります。めがね橋の有名なアングルは下からの写真なのですが、橋を渡った先から下に降りられるようになっているのでご安心ください。
めがね橋まで来ると紅葉も一段と深みを増す。
これから歩いて行く旧中山道方面を見ると、向こうにも1つ橋が架けられていました。
橋を渡った反対側にもトンネルがあります。
その中から撮った風景が特に綺麗でした。
トンネル自体がおしゃれなフレーム。紅葉の華やかな色づきが非常に映えます。
階段を下ってめがね橋の下へ。
登山道入り口もこの下にあります。
改めてこちらがアプトの道の名所・めがね橋。正式名称は「碓氷第三橋梁」。
めがね橋と言えばこのアングルからの写真が有名です。
御覧の通りレンガ造りのアーチ橋。造られたのはもう100年以上前のことです。
かつては横川駅~軽井沢駅を結ぶ鉄道が通っていた古の橋が、現在は立派な観光地となっています。
めがね橋を見納めしてアプトの道ともお別れ。
めがね橋の下を流れる川に沿って奥へ進むと登山道入り口があります。
今回の登山で唯一注意したいのがこの入口の渡渉ポイント。
結構な水量で、雨上がりだと渡れない恐れがあるのでご注意ください。
見たところ足首までずぶぬれ覚悟でいましたが、何とか石を飛び伝って対岸へ行けました。
私の持っている山と高原地図には、このめがね橋から旧中山道へのルートは載っていませんでしたが、登山道にはこんな感じでしっかりと標識が用意されています。
道も比較的明瞭なので迷うことはないと思いますが、ここから旧中山道に出るまで誰とも会わなかったので歩く人は少ないのかもしれません。
この道も紅葉がとにかく綺麗。
旧中山道に出るまで意外と登りが続きますが、日差しも十分に届いて明るく、気分よく歩けました。
1時間ほど登って旧中山道と合流。
熊野神社方面へと向かっていきます。
旧中山道に入るとトレッキング客もチラホラいて、すれ違うことも多かったです。
急登と言える箇所はなく、ほとんど平坦なのでとても歩きやすいです。
この道の面白いところが、道中にいくつも建てられたこういう看板。
この手の説明文は軽く流し読みしかしない派なのですが、なんだろう。ちょうどいい文字量だったので全部しっかり読みながら進みました。
怖い……(笑)
歩いていると、この安政遠足という文字が随所にあるのですが、これはかつてこの道で藩士の鍛錬として開かれていた徒歩競争の名残。
現代のマラソンの原点とも言われているそうで、現在も安中市主催で年1回マラソン大会が開かれているそうです。
通学で使われていたのか、バスの残骸。
こういったもの1つ1つにもノスタルジーを感じる。
意外と長く感じた登山道抜けると、いきなり賑やかな場所に出ました。
ここが由緒ある熊野神社(熊野皇大神社)。
今日歩いてきた軽井沢碓氷峠を見守る神が宿る、パワースポットたる神社です。
ここも軽井沢の有名な観光名所なので、ぜひ立ち寄ってみてください。
面白いのがこの碓氷峠はちょうど長野県と群馬県の県境にあって、この神社自体も県境に位置しています。
境内に県の境目があって、賽銭箱がそれぞれ別なのが少し笑いました。どうも法律として都道府県ごとに法人登録が必要というのが理由っぽいです。
もう1つ立ち寄ってほしいのが、こちらの旧碓氷峠見晴台。
公園のように開けた場所になっていて、紅葉はもちろん眺めが今日一番で良いところです。
山の上から一望。
観光名所の神社に着いたとは言え、まだまだここは山の上。見晴らしも良く、遠くの山々まで見渡せます。
向こうに見えているギザギザの山は妙義山かな。
一番見るべき方向はこちら。
紅葉の合間から浅間山を一望することができます。
肉眼では多少の噴煙を確認できた他、北アルプスや八ヶ岳、南アルプスなども一望。
空気が澄んだ秋の季節は景色も素晴らしいです。
神社の県境で記念撮影が憚られる方はぜひこちらへ。
ここにも県境があって、みんなここで記念撮影してました。
長野県と群馬県、どっちが好きかい?
ここから再び登山道へ。
神社からはバスも出ているのですが、この先の遊歩道区間はこの季節であればぜひとも歩いてほしい。
紅葉が最高に綺麗だから。
この日、一番色づきが綺麗だったのがまさにここ。
碓氷湖の紅葉も綺麗でしたが、ここはそれを超えていた。
写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、不思議なくらいこの遊歩道の紅葉が派手で煌びやかでした。
遊歩道とは言え、しっかりとした登山道です。
自分は下りだったので楽でしたが、普段着姿の観光客が結構辛そうに登っていました。
最後まで紅葉の登山道。
敷き詰められた落ち葉も合わせて錦秋の情景。
遊歩道が終わると、瞬く間に軽井沢のオシャレな街中へ。
トレッキング姿が若干浮くような、シャレオツな店がたくさんありました。
秋の軽井沢の紅葉名所と言えば雲場池。2年前に訪れた場所ですが、駅チカの場所にあるのでついでに立ち寄ってみました。
11月に入っていたので紅葉は終盤でしたが、まだまだ池の周りが綺麗に色づいていました。
この雲場池についての詳細は過去の記事をご覧ください。
こうして軽井沢駅まで歩いて本日の登山が終了。
アプトの道~旧中山道のハイキングコース。本当に見所豊富で最初から最後までハイライトと言っていいくらい、楽しい道でした。
ここはぜひとも勧めたいところ!もうめちゃくちゃ楽しかったです!
道中には紅葉の名所も多いので、ここを歩くならやっぱり秋が良いのかもしれません。
横川駅から軽井沢駅へ、駅から駅へ縦走できるのでアクセスも最強です。
遺跡やトンネルを巡る廃線ウォークと紅葉登山、かなり気に入ったルートになったので時間をおいてまた行きたいと思います。
読んで頂きありがとうございました。
【日程】
2022年11月3日
【コースタイム】
8:20 横川駅
8:50 旧丸山変電所
9:05 峠の湯
9:30 碓氷湖
10:10 めがね橋
11:00 旧中山道合流地点
12:20 熊野神社
12:40 旧碓氷峠見晴台
14:10 雲場池
14:50 軽井沢駅
コメント
みやっちさん、こんばんは。
アプトの道、
凄く素敵だし歴史を感じさせてくれますね。
妻と一緒にゆっくり歩いてみたくなりました。
いつも、みやっちさんの山行記録を拝見させて頂き、
計画を立てさせて頂いております。
本当にありがとうございます。
最近、妻が突然、モンベルに行って登山用品を
一式揃えてきました。
私より体力があるので大丈夫でしょう。
情けない…
これからも夫婦で拝見させて頂きますので、
宜しくお願い致します。
ヒューストンさん、こんばんは。
アプトの道はハイキングには打ってつけです。
道中には見所も多く、歴史を感じさせてくれる史跡は不思議な気持ちにさせてくれました。
めがね橋から旧中山道に入ると長めの登山となってしまいますが、めがね橋からはまだトンネルが続いていて、廃線ウォークの終点まで歩くのもお勧めかと思います。
ぜひ機会があれば歩いてみてください。
紅葉がとても綺麗だったので秋が特にお勧めです。