山梨県の権現山へ電車とバスを使って日帰り登山に行ってきました。
ルートは浅川バス停から権現山~雨降山~二本杉~コヤシロ山~要害山~上野原駅という縦走コース。距離はやや長めですが、稜線が緩やかでとても歩きやすく、自転車で登っている人もいるくらいでした。
雲に阻まれて初富士はお預けとなりましたが、風の神に出会えた新年最初の登山。
2025年1月3日【山梨】権現山~要害山 日帰り登山
2025年の登り初めは初富士を見たく、山梨県の権現山に登ってきました。
秀麗富嶽十二景の扇山の裏にある権現山。ずっと気になっていた存在で、ようやく行くことができました。
まぁ、分厚い雲に阻まれて初富士の夢は脆くも崩れ去ったわけですが、フラットな稜線が最高に歩きやすくて良い縦走コースを発見できたのが最大の収穫。
ここまで緩やかな道はそうない気がします。
スタートは猿橋駅。
11月の扇山~百蔵山、12月の御前山~九鬼山に続いて3ヶ月連続で使わせてもらっている駅。
今回は初めてここからバスに乗ります。
利用するのは浅川行きのバス。
大月駅発のバスですが、猿倉駅を経由するのでここから乗車できます。
土日祝日は午前中一便しかないですが、利用者も少なくガラガラでした。
終点の浅川バス停で下車。
ここで降りたのは自分以外には二人だけ。正月だからなのか普段からこんなもんなのか、空いているバスは快適ですが、利用者が少ないと廃止になる可能性もあるのでどうか末永く運行してほしいものです。
座れるくらいにほどほどに利用されているのがちょうどいい、というわがままな要求を唱えて出発します。
バス停を下りたこちらの浅川峠の標識に従って進んで行きます。
しばらくは単調な林道歩きですが、それほど長くはないです。
20分ほど歩くと林道が終わり、そのまま登山道へと入って行きます。
ここから山頂までは約2時間。
今回のルートではたくさんのピークを踏みますが、しっかりとした登りが続くのは最初の権現山まで。前半頑張って登れば、そのご褒美が後半に待っています。
序盤はごく普通の登山道。
急登という感じでもなく、単調な登りが続く静かな道。他に登山者もおらず、権現山山頂付近までは誰とも会いませんでした。
30分ほど登って浅川峠に到着。
ここが分岐点で左に行けば権現山(1時間20分)、右に行けば扇山(50分)。扇山の方が近くて、もしかして扇山の最短ルートって浅川バス停からでは?と秀麗富嶽十二景フリーカーを長いことやっていながら初めて気づきました。
今回は権現山から要害山を経て上野原駅まで行きますが、もう少し短いルートを組みたければここから権現山をピストンして扇山経由で鳥沢駅へ下るのでも良いかもしれません。
ここから1本道の尾根ルートを辿ります。
時折落ち葉で踏み跡が消えている箇所があったので道を見失わないように。冬枯れの低山は落ち葉トラップで迷ったり滑ったりするので要注意です。
ちなみにちょうどこの日、権現山の登山道で山岳遭難事故が発生して、この後ヘリが上空を飛び交っていました。現地では状況がよく分かりませんでしたが、下山後にニュースを見て知りました。
単独登山で山岳遭難…権現山で足を踏み外し骨折 静岡の男性をヘリが救助 山梨・大月市
登りもありつつ平坦な箇所もありつつ、ここら辺は非常に登りやすかったです。
なるほど、扇山の裏側にはこんな道があったんだな、とようやく歩けたルートを踏みしめながら進んで行きます。
山頂の稜線に出るまでのラストスパート。
そこまで急登でもないですが、先ほどの遭難事故の件もあるので落ち葉トラップだけはご注意ください。特に下りは滑りやすいです。
こうして稜線の分岐に到着。
右に少し行けば山頂です。
こうして念願の権現山に登頂。標高は1312m。
すぐ近くにある秀麗富嶽十二景の扇山(1138m)、百蔵山(1103m)、そしてこの権現山を合わせて郡内三山とも呼ばれています。郡内三山の最高峰にして、これでようやく三山登頂達成となりました。
ちなみにマウンテンバイクが見えていますが、この時山頂にいた方のもので、自転車で登ってこれる理由というのがこの後わかります。
山頂からは富士山方面を一望!
晴れていれば素晴らしい富士山を望めるそうですが、あいにくこの日は予報に反して分厚い雲がかかって拝むことは叶わず。。。
初富士はあえなくお預けとなりました。全然気温が上がらずとにかく寒かったので、寒気が予想以上に入り込んでいたのかもしれんな、と知った風に菓子パン食いながら分析しておりました。
小休憩してここから東にのびる稜線ルートへ。
山頂直下こそ急な下り坂ですが、そこを過ぎるとこんな感じのフラットな道に。
これが非常に歩きやすい。
このルートの凄いところが、この緩やかな下り坂がひたすら続くところ。
身体への負担ゼロというくらい快適に歩けます。ここならザック背負った状態でも駆け抜けられそう。
そして山頂に自転車が置かれていた理由がよく分かりました。なるほど、この道であれば自転車でも登ってこれそうです。実際、この権現山はMTBの聖地とも言われているらしい。
縦走ルートではいくつかピークを踏んでいきます。
まず最初にあったのが鍋割沢ノ嶺。一応山頂という扱いですが、体感的にはほとんど登りません。
なんたってMTBの聖地ですから。アップダウンも最低限に抑えてくれる優しさがこのルートの魅力ですよ。
いくつか分岐がありますが、ひたすら直進して用竹の方へと進んで行きます。
写真の和見という方へ進むと四方津駅へ下りることもできます。(ただし、駅までの舗装路歩きが長そう)
次にあったのが雨降山というピーク。
電波塔がある山で、この電波塔は権現山山頂からも見えます。
そしてこのルートを歩くのであれば、この電波塔の存在は覚えておきましょう。後でこの縦走路の全容を見るときの目印になります。
その後もひたすらフラットなコースが続く。
もうこれは自転車が付けた跡なんじゃないかってくらい、くっきりとレールが敷かれています。
非常に歩きやすいのに、全然人がいない静かなコース。登山者とは権現山山頂付近で数名とすれ違ったくらいでした。
寺入山というピークに到着。まだ標高は1000m超え。
歩いている距離に対して標高が全然減らないのが緩やかな証。
この寺入山も標識がなければピークという感じがしないところでした。
まだまだ続く平坦な縦走路。登りらしい登りなんてありゃしません。
本当に下りているのか不安になりますが、地道に標高は下がっています。
ニックラ山。標高は960mでようやく1000mを切りました。
このピークだけはルートから少し外れた場所にあるので、意識していないと通り過ぎてしまうかもしれません。
展望もないので特に無理して立ち寄る山でもないと思います。
そして二本杉に到着。
ここも分岐になっています。
こんな感じで分岐には標識がしっかりと書かれているのでそれに従えば大丈夫です。
正面奥の要害山・用竹方面へと行きます。八重トレコースとも書かれている通り、トレランコースでもあるのかな。
分岐が多いですが地図には載っていないコースもあったりするので、下手に入り込まないようにしましょう。
そしてこちらが用竹・要害山の分岐点。左が用竹、右が要害山へと通じるルートで手前にちゃんと標識も用意されています。
自分が持っている山と高原地図は2011年版なのですが、それには実は要害山へのルートは載っていなくてYAMAP地図を見てこのルートの存在を知りました。
ここから先は新しく開拓されたコースとなりますが、道は明瞭で歩きやすかったです。
分岐を過ぎると久しぶりの登り坂となって足腰がビックリしましたが、それも短時間で終了。
登った先が1つのピークになっています。
それがこちらのコヤシロ山。
山頂にこの山の説明書きがありましたが、ここらの低山に親しみを持ってもらおうと数年前にこのあたりの山を繋ぐハイキングコースを整備したそうです。
このコヤシロ山も富士山方面の樹々を伐採して展望の良い山にしたとのことですが、あいにく雲が一向にどかずに見えんかった……。曇り男でごめんよ。
新年1発目の初登山。出だしから快晴とはいかないあたりやっぱり登山は難しいぜ、と思いましたがなんてことはない。去年の登り初めの入笠山も似たようなものだったではないか。
要害山へ行くまでにもう1つピークがあります。
そこまでの山頂がやや急登で、下り側も滑りやすいので要注意です。
手すり用なのか、ロープが張られていました。
お次の山頂がこちら、風の神様(風の神)。
ここも突き出た展望デッキのように眺めの良い山頂です。風を感じられる場所だからその名がついたのでしょうか。
富士山方面も開けていますが、見るべきはこちらの景色。
正面中央奥に見える山が先ほど鉄塔が建っていた雨降山。肉眼では鉄塔をしっかりと見ることができます。
そしてそこから右へ延びる稜線を見てください。歩いて実感はしていたものの、非常に平坦です。フラットすぎて下っているのか不安になる気持ちも、これを見たらわかってもらえるんじゃないかと。
稀に見る歩きやすい稜線でございました。
このルートは最初の権現山までの登りだけが頑張りどころです。
そうして本日最後にピーク、要害山に到着。
この山は先月登った能岳~八重山のすぐ近くにある山で標高は536m。低山ですが、本ルートで一番展望に恵まれている山頂です。
まず山頂が非常に広くて周囲にベンチも用意されている快適空間です。
そして特に西~南方面の展望が開けています。
正面に見えているのは丹沢の山々。
あちらもこの日はそこまで天気が悪い予報ではなかったはずですが、雲がかかってますね。
こちらは上野原市街地方面の展望。
スタートした浅川バス停からひたすら東へ、だいぶ東京に近いところまで歩いてきました。
この要害山の存在は前から知っていて、近くの能岳~八重山と合わせて歩けないかなと考えていたりしました。
それが権現山と合わせて歩けるコースがあるって知ったもんで、こうして新年早々富士山見たさでやってきたわけです。(見れんかったけど……)
要害山は桜も咲く山なので、春のハイキングにおすすめかと思います。
要害山から下山していくと登山口にあったのが山神社。
先ほどは風の神様がいらっしゃいましたが、ここは山の神様がいるのでしょうか。
鳥居の奥の拝殿も立派で、今年1年の山の安全を祈願しておきました。
街中に下山してすぐのところにあるバス停が鏡渡橋。
ここが最寄りバス停にはなるのですが本数が少なくて、15分ほど歩くとバス通りに出るのでそちらまで歩くのがお勧めです。
途中にあったハッピードリンクショップ。
秀麗富嶽十二景登山にはお馴染みの自販機コーナーですね。
バス通りまで出ると新井バス停というのがあります。
ここだと1時間に1本以上バスが出ているので、要害山登山の拠点にするのが良いかと思います。
ちなみに、ここから上野原駅までは早歩きで徒歩40分ほど。この距離は自分にとっては余裕で許容範囲内なので上野原駅まで歩くことにしました。
実際、10分前にバスが行ってしまったというのもありますが。
駅間近というところで中央道の陸橋を渡ります。
この日は1月3日。まだ時刻は14時過ぎという時間でしたが、早くも小仏トンネルを先頭にする渋滞が発生してました。Uターンラッシュがすでに始まっているようです。
小仏トンネルの渋滞、いい加減どうにかならんのかね。
こうして上野原駅まで歩いて下山完了。新井バス停からバスに乗ったとしてもおそらく同じ時刻くらいで駅到着となったので、バス代が浮いたと思って上々のゴールということにします。
新年最初の山登り。浅川バス停~権現山~雨降山~コヤシロ山~風の神~要害山~上野原駅というルートを歩いてきました。
記事内でも散々書いているとおり、権現山以降の稜線が非常に緩やかでとても歩きやすかったです。電車、バスの公共交通利用でアクセス可能なのも最高!
晴れていれば富士山が見れる展望の山でもあるので、機会があればまた歩きたいと思います。
【日程】
2025年1月3日
【コースタイム】
9:00 浅川バス停
9:30 浅川峠
10:30 権現山
11:10 雨降山
11:50 二本杉
12:30 コヤシロ山
12:50 風の神
13:10 要害山
13:55 新井バス停
14:30 上野原駅
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