北アルプスの奥大日岳へ夏のテント泊登山に行ってきました。
雷鳥沢キャンプ場から往復4時間程度のトレッキング。高山植物咲く稜線や火山風景、山頂からの剱岳や立山連峰の眺め、どれも素晴らしかったです。
帰りは室堂から立山黒部アルペンルートで扇沢へ。黒部ダムの放水を観光しつつ、薬師の湯で日帰り温泉に入ってバスと電車で東京へと帰りました。
2023年7月17日~18日【北アルプス】奥大日岳 テント泊登山
(前回からの続き)
高速夜行バスを利用して富山側から室堂入りし、立山三山を縦走したのが1日目。
2日目は軽めに雷鳥沢キャンプ場から奥大日岳を往復してきます。
朝の雷鳥沢のテント場。扉を開けてこの眺めなんだから、やっぱりここのロケーションは最高です。この日は平日だったので、テントの数もやや少なめ。
早朝は曇っていたものの、少しずつ晴れてきてまずまずの天気となりました。
テントを置いて今日も軽身で山頂アタック。
奥大日岳方面へと向かいます。
少し歩いては振り返っての繰り返し。
前日の登った立山の稜線が綺麗に見えております。
誰もいない稜線を登っていく。
テント場では同タイミングで歩き始めている人がチラホラといましたが、雄山や別山へ行く人が多くて、こちらに来ている人は全くいませんでした。
比較的静かな雰囲気が味わえるのも奥大日岳の魅力かもしれません。
奥大日岳に登ってこそ味わえるのが、この地獄谷の全景!
立ち上る火山ガスと噴火によってえぐられた巨大なクレーター。ここが生きた火山というのを教えてくれます。
荒涼とした風景だからこそ、そのすぐ近くに建てられた山荘の存在も際立つ。「よくあんなところに山小屋建てたなぁ」と。
奥大日岳が見えてきました。
北アルプスの登山は大抵重い荷物を背負っての鈍行歩きが基本なので、こうしてテントを置いて身軽な状態でアタックできるのが最高に気持ちいい。
「重い荷物を担いで登ってる俺って頑張ってるわ~」はもう過去の話。今はいかに楽に登頂できるかしか考えておりません。
日本が誇る立山黒部アルペンルート、素晴らしい景色。
ほんのり残る雪のゼブラ模様もいいですね。
周りの景色に目を奪われがちですが、足元には高山植物もたくさん咲いています。
お花畑も多くて、特にチングルマの群生が見事でした。
さらに登ると見えてくるのが、弥陀ヶ原の高原地帯。
蛇行する立山黒部アルペンルートと断崖絶壁の峡谷風景。谷の切れ落ち具合がえげつない!
雲海の果てにそびえるのは薬師岳か。霧がかった雲がまた神々しい。
山頂が近づいてい来るとハクサンイチゲのお花畑も。
花が尽きないので、飽きずに登れる素晴らしい道です。
こうして奥大日岳に到着。これが人生3回目の登頂になります。
山頂からの展望は、もう素晴らしいの一言!
特に見るべきは北側の剱岳の展望。
尖がった鋭利なシルエット。岩の殿堂と呼ばれるに相応しい姿を見ることができます。
反対の南側の展望も素晴らしく、左奥には尖がった槍ヶ岳も見ることができました。
天気も朝より晴れてきてくれて良かったです。
こちらは西側の大日三山縦走ルート。
過去に一度歩いたことがありますが、アップダウンが多くて結構疲れた記憶があります。下山して称名滝にたどり着いたときは足がプルプルだった思い出。
誰もいない奥大日岳をしばし堪能。
過剰に持ってきすぎた行動食をここで一気に消費しました。(心配性なもんで、足らなくならないかと1日目の行動食を抑えてしまうのは昔から治らないところ……)
来た道を戻ります。
帰りは正面に立山連峰を見据えながらの下山。陽もすっかり昇って、この時間になるとチラホラと登りに来る人とすれ違うようになってきました。
奥大日岳は雪がない時期であれば危険個所もほとんどなくて非常に登りやすい山です。
雷鳥沢キャンプ場からの往復であれば5時間弱で登れてしまうので、明け方登ってその日に帰ることも十分可能です。登山道も混雑とは無縁ですぜ。
テント場に帰還。
まだ時刻は朝の8時過ぎなので、ゆっくり撤収作業。朝露に濡れたテントをぶんぶん振り回して乾かしておりました。
テントを背負っての一番の登りが、この雷鳥沢からの帰り道の階段でした。
こればかりは雷鳥沢キャンプを利用する者の宿命。頑張って登るしかありません。
帰り道にある癒しのみくりが池。
早くも雲が沸いてきましたが、鏡のシンメトリーな景色が最高に美しかったです。
こうして室堂ターミナルまで歩いて1泊2日のテント泊登山が終了。
久しぶりのテント泊だったので、これくらいでちょうど良かったです。適度な足慣らしになりました。
行きは富山側から入りましたが、帰りは長野側へと下山するため、トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカーを利用して黒部ダムへと向かいます。
公共交通利用だと下山口が自由に選べるのが最大のメリット。
乗り物を乗り継いでやってきました、久しぶりの黒部ダム。
峡谷に造られた巨大建造物。観光地としても人気の場所です。
名物は当然、黒部ダムの迫力ある放水。
水の量もさることながら、この巨大なダムの壁も良く作ったもんだなぁ~と思います。
ここの歴史を知れば知るほど、世界に誇れる場所というのがわかります。これを造り上げた人たち、本当にすごいわ。
せっかくなのでレストハウスでダムカレーを食す。
なんでグリーンカレー何だろうって思ってましたが、食べている途中でダムの水の色を表しているんだと気づきました。
ダムカツも美味しかったです。
こうして扇沢に下山完了。
黒部ダム竣工60周年とのことでした。そういえば、私が初めて剱岳に登りに来たのがちょうど10年前。その時は50周年の垂れ幕がかかっていました。
あれからもう10年経ったんだなぁ~としみじみ。70周年を迎えるときにも、自分はまだ登山を続けているだろうか。(そして、このブログも続いているだろうか)
帰りはいつも通り薬師の湯で日帰り温泉。
まだ時間も13時前だったので空いていてゆっくりは入れました。
信濃大町駅から東京へと帰還。1日目の立山三山縦走と2日目の奥大日岳、久しぶりの楽しいテント泊登山でした。
室堂入りするまでのお金が結構かかるのでコスパが良いとは言えないですが、それに見合った景色が用意されているのが立山黒部アルペンルート。
簡単に3000m級のアルプスの世界へ飛び込めるんだからやっぱり素敵な場所です。
また時間を空けて遊びに行きたいと思います。
【日程】
2023年7月18日
【コースタイム】
4:30 雷鳥沢キャンプ
6:30 奥大日岳
8:00 雷鳥沢キャンプ
9:45 みくりが池
10:00 室堂ターミナル
11:00 黒部ダム
12:00 扇沢
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