山梨県の高畑山〜倉岳山(秀麗富嶽十二景)へ、冬の日帰り登山に行ってきました。
降雪直後ということで山の上は見事な雪景色で、青空の下に輝く霧氷が素晴らしく綺麗でした。
鳥沢駅から梁川駅へ駅から登れるので、都内から電車のみでアクセスできます。
思いがけない形でしたが、雪山登山を楽しめた1日でした。
今年も始まりました、秀麗富嶽十二景登山。
山梨県大月市周辺に散らばる、富士山の展望に恵まれた12の山域の総称「秀麗富嶽十二景」。
このブログではもう何度も語っている登山エリアで、丹沢や奥多摩よりも多いんじゃないかってくらい、好んで登りに行っている山域です。
そのほとんどが駅から直接登れるという、公共交通アクセスの良さが最大の理由なのですが、今回は過去に見たことがない雪景色に出会えました。
この界隈でこれほど美しい霧氷が見れたのは初めてです。
感動しました。
2024年2月24日 高畑山~倉岳山 駅から登山
秀麗富嶽十二景の中でも常に毎回セットで登りに行っているNo9の高畑山と倉岳山。
今回もいつも通りのルートで行きます。
スタートは鳥沢駅。
この駅で降りたのはかなり久しぶりで、駅舎が新しくなっていました。
以前は確か瓦屋根の古風な感じで、それはそれで趣あって良かったんですが……。山頂の標識しかり、秀麗富嶽十二景もどんどん新しくなっていきます。
駅から登山口までは徒歩20分ほど。
甲州街道を梁川駅方面へ歩いて行きます。
こちらの標識の路地へ入って、奥の高架下をくぐって線路の向こう側へ。
高架下のトンネルは天井が低いので、頭をぶつけないようにご注意を。
目指す高畑山は雲の中。
この日は朝から晴れるとばかり思っていたので、この雲は想定外。
そして、雲の切れ目から見える山肌が真っ白になっていたのも想定外。
前日に降雪があったとはいえすっかり溶けているだろうと思っていたので、まさかの展開に胸を膨らませる。
山に雪が降っても、季節は2月下旬。
街中では梅が綺麗に咲く時期で、登山道に行く途中にも梅の花をたくさん見ることができました。
駅から登山口までは何度か曲がり道がありますが、この標識に従って行けば問題ないです。
秀麗富嶽十二景と言えば、やっぱりこの白と赤の標識よ!これを見るだけで故郷に帰ってきたかのような安心感。懐かしさが込み上げてきます。
この標識は今後も変わらずいてほしい。
向かいに見えているのは、同じく秀麗富嶽十二景の扇山~百蔵山方面。
あちらも雲に包まれていますが、中腹のあたりから晴れてきて見事なまでの雪景色。これから待っているであろう雪景色に、さらなる期待が高まりました。
こちらが登山道への入口。
右側の三角形になっている部分が開閉できるドアになっているので、そこから入場します。
しばらく道なりに歩いて行くと貯水池があり、その先に登山口があります。
ここから登山道。
峠道文化の森入口、と書かれた標識から入山。
序盤は比較的緩やかな登山道で、傍らには綺麗な川も流れています。
沢を渡る部分だけが少し不明瞭だったので、そこだけ迷わないようにご注意を。
しばらく歩いて石仏の分岐に到着。
ここから高畑山へ向かうので右手に進んで行くのですが、倒木でふさがっていたので、左から回り込むようにして乗り越えました。
分岐からは九十九折りの登りになるのですが、少し登って景色が一変!
頭上がいつの間にか真っ白に。
麓からの雪景色を見て期待していた霧氷が早くもお目見え。
ちょうど雲の中に入ったタイミングだったので、辺りも真っ白になりました。
登山道をふさぐ倒木も霧氷になってる。
これも左から回り込むように避けて行きました。
すっかり雲の中に入って、モノクロの世界観。
こういうモノクロの景色を見ると思わず「水墨画のようだ」と言ってしまうのは、登山あるあるでしょうか。語れるほど水墨画を見たことはないんですが……。
墨にちなんだ話としては、小学校時代にやった習字は大の苦手でした。字が下手というのもあったし、習字道具の片づけが大嫌いで筆が常にカチカチに固まっていた記憶しかありません。
字が下手なのは俺のせいじゃない、筆が悪いんだと。
イカ墨パスタも苦手です。
でも洗顔フォームは炭パウダー配合のものを昔から愛用しています。
人生わからないものですね。
そんな無駄話を挟みつつ登っていくと、霧氷もどんどん凄みを増して、辺りの樹々のほとんどが真っ白に凍っていました。
序盤でも話しましたが、この日は晴れると思っていたもんで、霧氷なんかが見れるとはこれっぽっちも思っていなかった。
だからこそ、この想定外の景色にはすごくびっくり。
北側斜面なので日差しがなかなか当たらないですが、徐々に青空も見えてきてこの先の起死回生の展開を予感させてくれました。
ガスガスの虚無登山をしたことがある人にはわかってもらえるかもしれませんが、ある程度登っていくと時々周囲が明るくなって「あっ、これもうすぐ雲の上に出るんじゃね?」と予感させる瞬間、これがもうたまらない。
登りも全然苦にならずに、早く標高を上げたい気持ちにさせられる。この写真がまさにその状況でした。
濃霧と晴れ間を繰り返し、稜線に出たところでようやく太陽の日差しを感じられるようになってきました。
こうなってくると景色も一変!モノクロの世界から脱して、青空の下で輝く霧氷風景がお出まし。
この上なく美しい雪景色で感極まりましたが、本当の絶景はこの先にありました。
良いタイミングで青空に迎えられて、高畑山山頂に到着。
秀麗富嶽十二景の九番山頂。登頂したのはこれで3度目ですが、前回がもう12年前だったので、かなりご無沙汰でした。
山頂の標識も新しくなってます。
山頂に着いて、思わず唸ってしまったこの景色。
青空の下で輝く霧氷が最高に美しい!
本当に感極まった瞬間。
霧氷どころか雪山登山を想定して登りに来たわけでもなかったので、この展開は全くの想定外。
晴れると思っていたら曇っていて、予報よりも天気が悪かった恩恵がこの景色。
山の天気はやっぱりわからないです。
山頂の標識は新しくなってましたが、説明書きは昔のままでした。
何か事件性を感じるくらいズタボロにされて、秀麗富嶽を愛するものとしては「このやろう」と思いますが、この昔から変わらぬ姿にノスタルジーを感じてしまっている自分もいます。
秀麗富嶽十二景に選定されるだけあって、山頂からは素晴らしい富士山を拝めるはずなんですが、あいにく雲がかかって見れず……。
霧氷に富士山とそう贅沢なことはさせてくれなかったですが、まぁ仕方ない。この界隈では希少価値の高い霧氷を見れただけでも満足です。
ちょうど登頂したタイミングで晴れてくれたので、最高の雪景色が見れました。
誰もいない山頂で、しばしお昼休憩。
まさに、白い毛細血管やぁ~。
青空と霧氷のコラボは最強です。
心ゆくまで雪景色を堪能して倉岳山方面へ。
標識の大桑山は、やがて秀麗富嶽十二景・No10の九鬼山へと続いていくルート。
長丁場ではありますが、いつか歩いてみたいと思う区間です。
高畑山からはいったん下り道。
急斜面ですが積雪量は大したことなくて、足の踏み場にはほとんど雪もなかったので、軽アイゼン(チェーンスパイク)を使うことはなかったです。
ここら辺は稜線に入って南側斜面も見えましたが、こちらも見事な雪景色。
相変わらず霧氷が素晴らしいですが、日差しが届くと樹々の雪が瞬く間に溶けて、ボトボトと雪が落ちてきました。
雨の中を歩いているような感じで濡れる。晴れてもこういうコンディションの時はザックカバーがあった方がいいですね。
この辺りは道も平坦で雪もほとんどなく、非常に歩きやすかったです。
前日の降雪量は大したことなったようなので、やはり明け方の雲がこの霧氷を作り上げてくれたのか。
稜線を歩いて天神山の山頂に到着。
高畑山と倉岳山のちょうど中間に位置するピークです。
天神山は富士山とは反対側の北側の展望が開けています。
向こうに見えるのは秀麗富嶽十二景・No6の扇山あたり。
日差しが当たっているので、あちらも今頃は素晴らしい青空&霧氷・樹氷が広がっているんでしょうね。
この後もひたすら霧氷の雪景色に覆われた登山道を進んで行きます。
途中、急登もありましたが、それほど距離は長くないので多少の雪でも問題なく歩けるかと思います。
こうして高畑山とコンビを成す秀麗富嶽十二景・九番山頂、倉岳山に登頂。
ちょうど団体さんが反対側から登ってきたので、山頂はかなり賑わっていました。
天気は下り坂だったのか、この時間になると分厚い雲が立ち込めで富士山は全く見えませんでした。
今日は富士山ではなく雪景色を楽しむ山登りでしたとさ。
倉岳山から梁川駅方面へ下山。
時刻は11時過ぎでしたが、人気の低山とあってこの時間でもすれ違う人がチラホラいました。
樹林帯に入ってからは再び倒木多めの沢沿いの道。
一部不明瞭な箇所もあったので、ここら辺も道迷いしないようにご注意を。
12時過ぎに登山口へ下山完了。
ここからは道なりに舗装路を下っていけば、20分ほどで梁川駅に到着します。
梁川駅まで歩いて下山完了。
こちらも駅舎が新しくなって昔よりもスタイリッシュになっていました。
中央本線に乗って都内へ帰還、お疲れさまでした。
期せずして出会えた霧氷天国。
過去何度も秀麗富嶽十二景には登っていますが、これほど綺麗な霧氷に出会えたのは初めてでした。
高畑山は山頂付近に枯れ木も多いので、霧氷ができやすいのかもしれません。
また1つ秀麗富嶽の魅力が知れた1日。
鳥沢駅から梁川駅へ、バスを使わず電車のみのアクセスで登れるコスパ最高のコースなので、良ければ登ってみてください。
【日程】
2024年2月24日
【コースタイム】
7:40 鳥沢駅
8:40 石仏分岐
9:50 高畑山
10:20 天神山
10:45 倉岳山
12:20 梁川駅
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