北アルプスの朝日岳へ五輪尾根ルートで登ってきました。
糸魚川駅からのバスを使って蓮華温泉からスタート。長い登りが続きますが、水場が豊富で湿原には高山植物もたくさん咲いていました。ワタスゲ、チングルマ、ニッコウキスゲ、ハクサンイチゲなどなど、まさに花と水の楽園で夏山らしい風景に出会えました。
宿泊した朝日小屋から海に沈む夕日も一望!夕食も美味しかったです。
2024年8月1日【北アルプス】蓮華温泉~朝日小屋 夏の山小屋泊登山
やっと行けた夏のアルプス登山。
7月で仕事が一息つき、向かったのは北アルプスの朝日岳~雪倉岳。9年前に秋の紅葉シーズンで登りに行って以来、2度目です。
花の楽園と聞いて、ここはぜひ夏にも歩いてみたいと思ってました。
朝日岳の登山口となるのが蓮華温泉。電車、バスで行く場合は糸魚川駅から直通バスが出ています。
本数が少なく、朝一のバスは始発でも間に合わないので糸魚川で前泊しました。
平日ということもあって、糸魚川駅から乗ったのは自分以外に一人だけ。
朝の8時に蓮華温泉に到着。
ちょうどこの日が北陸地方の梅雨明けだったようで、気持ちの良い青空。
このタイミングをみんな狙ってか、駐車場も満車。下の方まで路駐が発生してました。
登山口に日帰り入浴可能な蓮華温泉ロッヂがあるので、下山後すぐ温泉に入れるのが良いところ。この温泉も楽しみの1つとして登ってきます。
キャンプ場もあるので、ここで前泊して時間に余裕をもって登るのもありかと思います。というか、むしろそちらの方がおすすめ。朝イチのバスで朝日小屋を目指す場合、標準タイムで歩いても16時を過ぎてしまうので。
蓮華温泉から登山開始。
朝日岳に登るべく、五輪尾根の方へ歩いていきます。この五輪尾根がかなり長いので気合い入れていきます。
ちなみに今回はテント泊ではなく小屋泊。ダメもとで前日電話してみたら、何とか泊まれるとのことでラッキーでした。最近の運動不足もあってテント装備の縦走はちょいと不安だったし。
ただ、山小屋の方から「朝イチのバスで登る人はそんなにいない」「時間には気を付けて」「相当長いよ」「15時までには到着するように」と念を押されました。
前回のテント泊登山の記録を見ると、7時半スタートで朝日小屋が15時15分着。今回は荷物も軽いし前泊して睡眠バッチリなので、「精一杯頑張ります」と伝えておきました。
蓮華温泉から五輪尾根ルートで登る場合、最初は下り坂になります。
しばらく下ってたどり着いたのが兵馬の平。
木道敷かれた湿原で、これから目指す山並みを一望できるポイントです。
さらに道を下っていく。前回登ったのが9年前ですが、最初に標高を一気に下げる点についてはよく覚えてました。
こんなに下るのかよ、というくらい下ります。あぁ、せっかくの標高がモッタイナイ……。
逆ルートで歩く場合は、最後に高低差300mほどの登りになるのでご承知おきください。
ひたすら下って川にかけられた橋を渡ります。
この橋が最低鞍部。ここから長い登り坂になっていきます。
緑が美しい森の中をひたすら登っていく。
スタートが遅いと出だしから気温も高いので、熱中症対策も万全に。いつも以上にアミノバイタル系、お菓子、羊羹などを持ってきました。
夕食付きという贅沢プランにしたので、荷物を行動食に集中できるのは良かったです。
長い五輪尾根ですが良いところもあって、その1つが水場が豊富なところ。
梅雨明け後の水が豊富な時期だったからかもしれませんが、地図で記されていた以上に水場がたくさんありました。それもいい感じの間隔で用意されていて、ちょっと喉渇いたなぁ~と思ったら水場、また水場。
各水場で給水しながら登れるので、結果的には500ml程度の水を持っていればよい状況でした。ザックに入れていた2Lの水は、完全に重りと化して小屋まで持っていくだけでしたよ……。
少し登ると2本目の橋。
ここを渡って再び登り坂。
五輪尾根ルートは木道や階段が良く整備されています。
雨上がりだと下りは滑りやすいので注意が必要ですが、道は最初から最後まで明瞭。
急登と言える箇所もあまりなくて、本当にただ長いだけという感じです。
少し登ればご褒美の水場にありつける。
この水がキンキンに冷えていてもう本当に美味しい!今回、ペース良く歩けたのもこの水場のおかげだったのは間違いない。
序盤は水場との出会いを楽しみに歩き進めたようなものです。
ひたすら登って森を抜けると、そこは木道敷かれた天空回廊!
景色も開けてアルプス感が一気に高まります。
写真だとわかりづらいですが、振り返って見るとスタート地点の蓮華温泉ロッヂも見えました。
そして、視線の高さがほとんど変わらないことに愕然とする。。。
頑張って登ってきたつもりですが、最初の激下りをチャラにしてプラマイゼロにしただけという感じか。
それでもここまで来るといったん道も緩やかになって、木道敷かれたトレイルが最高に気持ち良いです。尾瀬の湿原に近しい雰囲気。
まだ標高1500mを少し過ぎたあたりですが、北アルプス最北端の山域なだけに森林限界も低いようで、この段階から花もたくさん見れるのようになってきます。
花園三角点を過ぎて少し行くと、湿原の真ん中にベンチが置かれたところがあるのでそこで休憩するのがベスト。
すぐわきに水場も用意されています。
こちらが水場。
例によって冷たくてとてもおいしい。
湿原からの眺めも良し。
脇にポツポツと咲いている白い花はワタスゲ。
8月に入ってもまだホワホワしたワタスゲがたくさん咲いてました。
今年の6月はワタスゲ登山ができなくて残念だったけど、まさか8月のアルプスで見れることになるとは思ってもいなかった。
この後、いったん五輪の森という樹林帯に入ります。
展望はなくなりますが、日差しが遮られて涼しい。
樹林帯を抜けると再び水場。
本当に適度な感覚で給水ポイントを用意してくれている。
手持ちの500mlポカリにも手を付けずにここまで来ております。
再び木道の湿原歩き。
朝日岳の稜線が見えてきたあたりで、一気に咲き出したのがニッコウキスゲ。
ここより手前でも咲いているポイントがありましたが、ここら辺から上が特に凄い群生ゾーンでした。
天空へと続く階段。
ここら辺は前回来た時に紅葉が凄まじかったのを覚えています。
高山植物の宝庫でもありながら、紅葉の名所でもある朝日岳。良い山ですよ。
チングルマのお花畑もたくさんありました。
標高の低いところではすでに穂の姿になって、みんな揃ってスネオヘアー。
クルマユリも咲いておる。
群生の規模もさることながら、花の種類も非常に豊富。
緩やかな木道歩きがしばらく続きます。
五輪尾根ももう間もなくゴール。
稜線に出る手前で、またニッコウキスゲの大群生。
2024年のニッコウキスゲは各地で当たり年だったようですが、なるほど確かにそうかもしれない。
黄色い花が凄い規模で咲き誇っていました。
こうして長い五輪尾根を経て吹上のコルに到着。
ここはあの海抜ゼロメートルの親不知からスタートする栂海新道との合流地点。やっとの思いで稜線に立てました。
時刻は予定よりも早い13時。快調なペースで登れたのも、すべては途中にたくさんあった癒しの水場のおかげです。
歩いてきた木道路が山の斜面に一筋の線となって描かれております。
夏らしく午後になると雲も沸いてきました。
ここから山頂までは1時間ほどの道のり。
まだ登りは続きますが、時間に余裕も出たので精神的には楽でした。
ちなみに、ここから先は小屋に行くまで水場がありません。
道中で水をたらふく飲んだタプタプのお腹で登っていく。
迫りくるガスとのデッドヒート。
足元にはさらにお花畑が広がって、ハクサンイチゲの大群生。
標高2000m近いところでは綺麗に咲いていました。
こちらはチングルマの群生。
下の方は穂になってましたが、山の上ではまだ花の姿で健在でした。
紫色のハクサンコザクラもたくさん咲く。
花の宝庫ですね。
こうして13時40分に朝日岳に到着。9年ぶりの登頂です。
頭上は晴れてましたが、周りは雲に覆われて白馬岳方面の展望は見れず。
海側は晴れていて、肉眼では富山湾と能登半島がしっかりと見えておりました。
北アルプス最北端の朝日岳とあって、海が凄く近いです。
しばらく休憩して朝日小屋方面へ下山。
約束の15時に余裕で間に合いそうで良かったわい。
40分ほど下ったこちらの赤屋根が朝日小屋。
時刻は14時40分。堂々のチェックインでございます。
前日に飛び込み予約したということで小屋の名物女将さんもすぐにわかったようで、「おぉ、間に合ったね~」と。テント装備だったらこうはならなかった。
やっぱり荷物が軽いって素敵です。
1日の宿泊者人数を制限しているのもあって、一人分のスペースはかなり確保されていました。
たぶん詰め込めば15人くらいは寝れる大部屋に5人でした。
テント場はこんな感じ。白馬岳界隈では珍しく予約不要なので、自分も小屋がダメだったらテント泊で来るつもりでした。
アクセスしづらい山小屋ではありますが、テント場は非常にフラットで快適です。
水場もテント場と小屋内、両方あります。
夕食前に、16時から翌日用の弁当、寿司、パン販売が始まりました。
朝食はやっていないので、弁当が必要な方はこのタイミングで買いましょう。
マス寿司が人気ということだったので、翌朝の朝食用に1つ買っておきました。1つ400円。
翌日でも安心して食べれるように冷凍されてます。
そしてお待ちかねの夕食。街中の旅館のようにお品書きが書かれてました。
ここの夕食は美味しいことでも有名で、小屋とは思えない品数の豊富さ!食堂に全員集まって食前酒のワインで乾杯となりました。
とても美味しかったです。
夕食後、日没まで時間があったので少し小屋周りを散策。
朝日小屋とテント場、正面に見えるのが朝日岳。
小屋周りもチングルマのお花畑でした。
夕方になると雲も晴れてくれて、雪倉岳~白馬岳方面を一望できました。
翌日はあの稜線を歩いていきます。
19時にようやく日没。
日本海に沈む夕日がとても綺麗でした。
小屋から夕日を眺められる絶好のロケーション。
この時はテント泊も小屋泊もみんな外に出てきて夕日を眺めてました。
どこの誰ともわからない人たちと1つの景色を共有する、この時間が好き。これも小屋泊の醍醐味ですな。
こうして1日目が終了。
明日は今回の縦走のメインでもある雪倉岳へと登りに行きます。
【日程】
2024年8月1日
【コースタイム】
8:00 蓮華温泉
8:40 兵馬ノ平
10:50 花園三角点
13:00 吹上のコル
13:40 朝日岳
14:40 朝日小屋
コメント
みやっちさん お久しぶりです。
真夏の高尾山⁉️と読み始めたら、お仕事が大変と(@_@) どうか心身とも穏やかに過ごされますよう!
五輪尾根を登られたのですね、私は10年以上前に、2回下りました。静かで花が多く楽しい道です(^^;)
清水さんはもう後期高齢者かと思いますが、変わらず? 夕食右手前の麺は何なのですか?
雪倉岳編も楽しみです✌️
ご存知かもしれませんが、4月なかばに秋田の低山歩きで、右足首を骨折 能代で1ヶ月入院しました(゚-゚)
だいぶ回復しましたが、自力では高尾山も登れないと思います(苦笑)
ねもさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
そうなんですよ、仕事で忙しくてお盆も仕事になってしまいましたが、合間に朝日岳~雪倉岳に行けて本当に良かったです!ただ、私以上にねもさんの方が大変だったようで。。お身体大丈夫でしょうか、どうかゆっくりとご静養なさってください。
五輪尾根は長くてつらいですが、水場が豊富にあるのが良かったです。下りは下りで最後の登り返しがきつそうですね。。
おっしゃる通り花の宝庫で、有名な高山植物は全部見れたんじゃないかってくらい見れました。8月にもかかわらずワタスゲが残っていたのが驚きでしたね。
朝日小屋の夕食はラーメン付きでした。具材の角煮が美味しかったです。
白馬界隈の山はやっぱり雰囲気が素敵なので、機会があればまた行きたいと思います。