6月にお勧めの登山ルートのご紹介。
春が終わりを迎え、高山植物が咲き始める初夏の季節。アルプスや八ヶ岳などではまだ雪が残っていますが、東北や上信越あたりはアイゼンいらずの日帰り登山が楽しめる山が増えてきます。
新緑とお花畑が美しい6月の山登り。
もうすぐ6月ということで、これまで登ってきた6月の登山の中から個人的にお勧めしたいものをピックアップしてまとめてみました。
今回選んだのは全部日帰りで登った山たち。地域はバラバラ。
夏山のメインシーズンは7月と8月ですが、高山植物を楽しむなら6月もいいもんで、特に東北や上信越あたりでは日本百名山、日本二百名山といった有名どころでも花のピークを迎える所が多々あります。
瑞々しい新緑と程よい残雪、そこに咲くお花畑はまさに絶景でっせ。
【東北】焼石岳
まず紹介するのは東北の焼石岳。日本二百名山の1つで、この山はハクサンイチゲの大群生が見れることで特に有名。
6月がまさにピークで、稜線上には至る所にお花畑が広がっています。森林限界を超えてからの高山植物と稜線の展望は圧巻!
水も豊富な山で、中沼の水鏡も見逃せないポイント。
湿原も多く水芭蕉も見れたりします。メインのハクサンイチゲはもちろん、シラネアオイやチングルマなど、とにかく花の種類が豊富な山でした。
【東北】不忘山(蔵王山)
2018年6月2日【東北】蔵王連峰(不忘山~刈田岳~熊野岳)縦走登山
もう1つハクサンイチゲの宝庫としてお勧めしたいのが、蔵王連峰の不忘山。
ここも稜線に咲くハクサンイチゲの規模が素晴らしく、6月の登山としては人気のある山です。
蔵王山の縦走コースは展望の良い稜線をひたすら歩けるので、ここはぜひ縦走してほしいところ。
蔵王山と言えば、やっぱりこの御釜も捨てがたい存在。
入浴剤のバブを入れたようなエメラルドグリーンの池、実はこの不忘山縦走の時に初めて見ました。
程よく残った残雪がまたいいっすね。公共交通機関で宮城から山形へ一気に駆け抜けたい人はぜひ参考にしてみてください。
【谷川エリア】平標山~仙ノ倉山
2018年6月14日【谷川連峰】平標山~仙ノ倉山 日帰り登山
谷川岳周辺の山々も、6月になれば雪もあらかた消えてアイゼンなしで歩くことができるようになります。
この時期に特にお勧めしたいのが平標山。谷川岳ももちろんいいですが、自分はこっちのほうが好き。
もう何度も眺めている、平標山~仙ノ倉山にかけての雄大な稜線。これが大好きなんです。
平標山でもハクサンイチゲの群生が見れるほか、ハクサンコザクラやチングルマなど、高山植物が豊富です。
登山口までのバスの便も豊富なので、都内からの公共交通でも比較的アクセスしやすい山です。
仙ノ倉山にかけての稜線ハイクと合わせて楽しんでください。
【浅間エリア】湯ノ丸山
6月はレンゲツツジも旬を迎える季節。そのレンゲツツジで有名なのが浅間山の隣にある湯ノ丸山。一面を真っ赤に染め上げるつつじ平の風景はなかなか唸るものがありました。
ここは駐車場から比較的簡単に登れながらも、山頂からの展望が抜群という、日帰り登山には打ってつけの山。初心者を連れての入門登山としてもいいかもしれません。
湯ノ丸山だけでは物足りないという方は、すぐ近くの池ノ平湿原も合わせて歩いてみると、日帰りトレッキングとしてちょうど良い歩き応えになると思います。
池ノ平湿原では6月ながらもコマクサの群生が見れる場所もあるのでお忘れなく。
今回は紹介しないですが、レンゲツツジを見るのであれば甘利山なんかもお勧めです。富士山の展望とセットで楽しめます。
【新潟】浅草岳
6月の花と言えばヒメサユリも忘れてはならない存在。主に新潟界隈の限られた山でしか見ることのできないヒメサユリですが、浅草岳はその群生を見ることができます。
標高1585mながらも日本三百名山に選定されているだけあって、山自体も立派で堂々とした風格あり。
ヒメサユリが最もたくさん見れるのが六十里登山口ルート。
コースタイムがやや長めになりますが、断崖絶壁の稜線など花以外にも見所があってかなり楽しめると思います。
【尾瀬】田代山
今回紹介する山の中で、自分が最も衝撃を受けたのが尾瀬の田代山。
山頂自体が広い湿原になっているのですが、そこにホワホワ咲くワタスゲがこの山の最大の見どころ!例年、6月中旬ごろにピークを迎えます。
辺り一面ホワホワの綿が咲き誇るメルヘンな世界観。
ワタスゲをこの規模で見たのはこれが初めてでした。そしてこれを超えるワタスゲの群生には、今のところまだ出会えてはおりません。
本当に目にした時にはビックリしました。
もう5年も経つので、機会があればタイミングを見計らってまた行きたいです。
【九州】高千穂峰(霧島山)
九州ではミヤマキリシマがピークを迎える季節。3年前の遠征登山で高千穂峰に登ってきたのですが、一面ピンク一色の咲きっぷりはとにかく見事でした。
隣の韓国岳にも咲いていましたが、群生の規模で言ったら圧倒的に高千穂峰の方が勝っていました。
山頂付近でご来光を迎えたので、朝日を浴びて輝くミヤマキリシマがもう美しかったの何なのってね。
高千穂峰自体は火山帯で植生もあまりないのですが、だからこそ荒涼とした中に咲くミヤマキリシマが少し不思議な世界観で、とても印象に残る風景でした。
【日光】男体山
高山植物が咲く山というわけではないですが、6月の登山としては日光の男体山もぜひおすすめしておきたいところ。
特にこの山は登山駆け出しの頃に登って痛い目見たこともあるので、色々と思い入れがあります。
今年は新型コロナの影響で開山日が遅れてしまいましたが、先日の5月25日に無事に開山を迎えることができました。(しばらくは県内在住者限定なのでご注意を)
山頂からの中禅寺湖の眺めはやっぱり爽快。
男体山はバスのアクセスも整っているので、公共交通機関を利用しても日帰り登山が可能です。
男体山以外にも、中禅寺湖付近には半月山や社山など展望の良い山が多いので、そちらも機会があればぜひどうぞ。
【東北】磐梯山
直近の山行ですが、去年の6月に登った磐梯山も良かったです。活火山たる迫力ある岩峰が見ものですが、意外と花も豊富でした。
6月下旬頃にはバンダイクワガタという固有種も見ることができます。
磐梯山に登ったら是非見ておきたい銅沼からの風景。東北の山は単体でもスケール感あっていいですね。
磐梯山については秋、夏、冬の時期に登っていますが、いずれの季節も素晴らしい景色を見せてくれました。たぶん今後も登りに行くと思います。
いよいよ夏山を迎えようかという6月の山登り。
地域関係なく選んでいるので行きづらい山も当然あるかと思いますが、それぞれ登山ルートとしては日帰りで歩ける山です。
テント泊や小屋泊縦走といった夏山本番前の足慣らしとしてもいいかと。
ちなみに自分が今一番行きたい6月の山は一切経山。前回登ってからもう6年も経つので、そろそろまた魔女の瞳を拝めたくなりました。
時期柄、梅雨とも重なるシーズンなので天気との兼ね合いが難しいのが6月の登山。
加えて2020年の今年は新型コロナの影響もあって、まだまだ外出制限はかかりますが、遠出できるようになったら色々と行きたいぜ。
おしまい。
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