3月の北八ヶ岳・天狗岳へ日帰り雪山登山に行ってきました。
ルートは唐沢鉱泉から黒百合ヒュッテ~東天狗岳~西天狗岳の周回コース。
前日の降雪で一部ラッセルも必要なほどの積雪量でしたが、八ヶ岳や南アルプス、北アルプス、浅間山などの展望が素晴らしかったです。
下山後の温泉はいつも通り縄文の湯へ。大変でしたが楽しい1日でした。
2024年3月24日【八ヶ岳】天狗岳 日帰り雪山登山
おそらく今シーズン最後の雪山登山。
3月ということで残雪登山のつもりで臨みましたが、行ってみたら想像以上の積雪量。
晩冬の八ヶ岳は化けるんですね。風も冷たく眠っていた冬山装備が大活躍でした。
登山口は天狗岳最寄りの唐沢鉱泉。山小屋は冬季閉鎖中で、ここまでの道は除雪されていたものの、凍結が多くてツルツル林道でした。
ここから黒百合ヒュッテ経由で時計回りの周回コースで行きます。
昼から天気が崩れるという予報だったので、朝の4時すぎにスタート。
まだ真っ暗だったので、久しぶりにヘッデン付けての山歩き。
登山口についた段階で気づいてはいましたが、想像していた以上の積雪量で最初から軽アイゼン(チェーンスパイク)履きました。
薄っすらとトレースはあったものの、後々ラッセルを強いられるとはこの時は微塵も思っていなかった。
明るくなってきたのは6時ごろ。
急登はほとんどなくて、単調な道を黙々と登っていきます。
しんと静まり返った北八ヶ岳の森の雰囲気、好きです。
6時半ごろに黒百合ヒュッテに到着。通年営業している山小屋で、Twitterでも良く現地情報を配信してくれています。
私も昔、冬の天狗岳に登った時にはここに宿泊させてもらいました。1泊2日でゆっくり天狗岳に登るのもおすすめです。
小屋の入り口のこの看板がなんかお気に入り。
今回は素通りでしたが、逆ルートで周回する場合は下山時にここに立ち寄るので、ゆっくり休憩していってもいいかと思います。ケーキセットとかもありますぜ。
前日が荒天でしたが、テント場はかなり賑わっていました。
団体さんらしく、みんな若かったのでどこかの大学の山岳部だったのかもしれません。
ここから山頂までは岩場も出てくるので、12本アイゼンに切り替え。ピッケルも久しぶりに持ちました。
岩稜帯が近づいてくると、雪も一層増えてきた。
小屋泊と思われる先行者がいたからよかったものの、ここら辺はズボズボ足が埋まりました。
森を抜けるとようやく見えた天狗岳。左が東天狗岳、右が西天狗岳。
東天狗岳の山頂付近が岩場なので、特に積雪期は注意して歩いたほうがいいポイントですが、今回に限っては大変だったのはむしろ西天狗岳の方でした。
森林限界にきて周囲も一気に開ける。
薄曇りながらも昇りたての朝日が綺麗で、雲のグラデーションがどこか神秘的でした。
まずは東天狗岳へ。あのちょこっと飛び出た岩場が山頂。
目視したところ、5人ほどの先行者がいました。
吹き付ける風が冷たくて、体感的にはまだまだ冬山。
稜線は雪が締まっていましたが、傾斜のある吹き溜まりがなかなかのモフモフ具合。
しばらく低山ハイキングしかしていなかったもんだから、冬靴+アイゼンの重さに身体が悲鳴を上げております。
後ろを振り返れば素晴らしい景色。
蓼科山までの八ヶ岳主稜線が見事に見渡せます。右奥に見えている雲海の果ての白いプリンは浅間山。
北アルプスも一望!
さすがの雪の量。山脈全体が白く輝いておりました。
山頂が近づくにつれて足元の岩場が増えてきます。
3月のような残雪期だと、雪が乗らずに氷になって凍結している箇所も多いのでご注意を。
先行者が下りてきました。
小屋泊してた方たちだったのかな。てっきり西天狗岳も行っているもんだと思ったら、どうやら東天狗岳だけ登ってきたようです。
この日、西天狗岳に入っている人がまだいないと知ったのは数分後。
山頂までのビクトリーロード。
突き出た岩場の山頂ってかっこいいですね。東天狗岳と西天狗岳は山の雰囲気が全く違うから面白いです。
8時過ぎに東天狗岳に登頂。
標高は2640m。360℃の展望が見渡せる山頂です。
まず目を引くのは南側の展望。
南八ヶ岳エリアの山々で、硫黄岳の奥に見える赤岳~阿弥陀岳の尖がりがかっこいい。さらに右奥に見えているのは南アルプスの白根三山。
真横に見えているのがこれから登る西天狗岳。
東天狗岳とは違って丸々とした穏やかな山容をしています。
標高はほぼ同じですが、あちらの方が5mほど高い2645m。
登ってきた方面には北アルプスや北八ヶ岳の山々。
薄曇りながらもどこもガスってはいないので、遠くまで見通せました。
自分たち以外誰もいない山頂でしばし休憩。
やっぱり赤岳と阿弥陀岳のピークが最高にかっこいい。見入ってしまう。
続いて東天狗岳から下って西天狗岳へ。
そして足を踏み入れてすぐにわかった、トレースないやん!
この日にまだ西天狗岳に登った人がいないことを知る。
そうはいっても3月だし大したことないだろうと思っていたら、稜線上の積雪量がまぁたっぷりで、足が埋まるわ埋まるわ。
週末の天狗岳でまさかラッセルをするとは思わなかった。
距離がそこまで長くないので問題はなかったですが、まぁ疲れた。。。ここだけスノーシューが欲しかったです。
振り返って見る東天狗岳。
ここの稜線区間は特に切れ落ちているわけでもなく、なだらかで危険個所もほとんどないので、冬場でも時間があれば行き来してみると面白いと思います。
小一時間のラッセルを経て西天狗岳に到着。
東天狗岳とは違って、平べったく広い山頂です。
西天狗岳に来ると、赤岳~中岳~阿弥陀岳の三兄弟をより間近で見ることができます。
そして、さらにその奥には北岳~間ノ岳~農鳥岳の三兄弟も。
こちらのピークも良き展望。
西天狗岳に到着すると、ちょうど東天狗岳に黒百合ヒュッテにいた団体さんが登頂するところでした。
20人くらいはいたと思います。あのマンパワーの後についていけば、もっと楽に登れたんでしょうね。
西天狗岳からは唐沢鉱泉方面へ下山。
この先もトレースがなくて進むか戻るか一瞬悩みましたが、下山だしまぁ行けるだろうということで突撃。
下山も下山でラッセル大会。足が埋まる埋まる。
不安ながら降り進めると、前方から登ってくる人とすれ違って安堵。
少し立ち止まってお話しすると、スタートからここまでノートレースでひたすらラッセルだったとか。
この先、付けてくれたトレースを有難く使わせていただくともに、この方たちの努力の結晶を目の当たりにすることになりました。
樹林帯に入ってからの積雪量が半端ない。
膝あたりまでは軽く埋まるモフモフ具合。
ここは本当に3月の天狗岳でしょうか。
樹林帯に入ってからの雪との格闘の方が激しかったです。良くここをラッセルしたなぁ~と、ただただ驚き。
これがもしノートレースだったらどうなっていたことか……。東天狗岳から西天狗岳までの短い区間を、声高らかにラッセルしてやったぜと言っていた自分らが恥ずかしぃ~
唐沢鉱泉までのコースには展望台が2つあって、こちらが最初の第二展望台。
ここからも南八ヶ岳や南アルプスが良く見えます。
そういえば下山してから気づきましたが、曇っていたからなのか富士山だけはこの日見れなかったなと。(天狗岳から富士山って見れないんでしたっけ?)
こちらが第一展望台。
唐沢鉱泉から反時計回りで周回する場合は、この展望台が最初の絶景ポイントになります。
天気もなんだかんだ持ってくれて、中央アルプスや御嶽山あたりも綺麗に見えました。
天狗岳を見納め。
この後もひたすら深い雪道が続いて、あの方たち本当によくラッセルしたなぁ~と心から思いました。
予定よりだいぶ時間かかりましたが11時過ぎに唐沢鉱泉に下山完了。
思わぬ積雪量で悪戦苦闘したものの、3月とは思えない雪山登山を味わえて楽しかったです。
下山後の温泉は、八ヶ岳登山ではおなじみの縄文の湯へ。
昼過ぎには長野を発ち、渋滞に巻き込まれることもなく帰れましたとさ。
3月の北八ヶ岳・天狗岳へ日帰り登山。
季節は残雪期でしたが、天候次第でまだまだ侮れない雪山になるんだなぁ~と良い経験でした。
危険個所はそこまでなく、山頂付近には適度な岩稜帯もあって、アイゼンやピッケルも活躍できる。雪山登山として人気なのもよく分かります。
雪の八ヶ岳、来年もタイミングが合えば登りに行きたいと思います。
【日程】
2024年3月24日
【コースタイム】
4:20 唐沢鉱泉
6:30 黒百合ヒュッテ
8:00 東天狗岳
8:45 西天狗岳
9:30 第二展望台
10:00 第一展望台
11:15 唐沢鉱泉
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