日本百名山の1つ大菩薩嶺へ日帰り登山に行ってきました。
電車に乗って甲斐大和駅から上日川峠行きのバスを利用。山頂までの距離が短く手軽に登れて、なおかつ開放感あふれる稜線からは富士山や南アルプスを一望!素晴らしい景色でした。
下山は少し足を伸ばして牛ノ寝通りから小菅の湯ルートへ。新緑の中に咲くツツジも綺麗で春の登山を楽しめました。
2024年5月11日【山梨】大菩薩嶺 日帰り登山
山梨県の大菩薩嶺。
標高2000mを超えるものの、最寄り登山口の上日川峠から登れば2時間程度で登頂できてしまうというお手軽さ。日本百名山というブランド力もあって、非常に人気の山です。
自分も登山を始めて間もないころに何度か登りに行ってましたが、ここ最近はすっかりご無沙汰で、気づいたら最後に登頂してから10年以上経っていました。
そんなわけで久しぶりに行ってみることにした大菩薩嶺。
電車、バスの公共交通利用で行く場合はJR甲斐大和駅からのバスを利用することになります。晴れた週末とあってかなりの行列ができていました。
余談ですが、甲斐大和駅に降りたのも久しぶりでこんなバスロータリーができてたんですね。知りませんでした。
バスは2台出してくれたので無事に座って行くことができました。
1時間ほどの乗車時間で上日川峠に到着。
バス停の横にあるのが大菩薩の宿・ロッヂ長兵衛。宿泊も可能です。
駐車場も満車でこれから登り始める人も多く、非常に賑わっておりました。
上日川峠登山口からスタート。
序盤は比較的緩やかな道のりで、20分くらい歩けば次なる山小屋に到着します。
それがこちらの福ちゃん荘。
テント場もあるので、ここで1泊してゆっくり大菩薩嶺を回ることも可能です。バス停や駐車場からも近いので、初めてのテント泊登山としてここを利用するのも良いのではないでしょうか。
福ちゃん荘からルートが分岐します。
左の唐松尾根が大菩薩嶺山頂までの最短ルート。右の大菩薩峠は稜線ハイクを楽しんでから山頂を目指す迂回ルート。
自分は左の唐松尾根ルートで行きました。
出だしは緩やかなハイキングコース。
唐松尾根という名の通り、カラマツが立ち並ぶ道なだけあってここら辺は紅葉が非常に綺麗です。
5月のこの時期は新緑が美しい季節。これはこれで非常に心地よい風景。
しばらく歩くと急登開始。
ここから稜線に出るまでが急な坂道なので頑張りどころです。
ただし急登ということは標高を一気に上げるということであり、景色の変貌もめまぐるしくなります。
特に視界が開けたところからの富士山の展望が見事で、多くの人が足を休めて富士山に見入っておりました。
「すげぇー!すげぇー!」という言葉で自分も少し進んでは振り返ってしまう。確かにすげぇ。
景色を楽しみながら急坂を登っていく。
たくさんの人が登っていましたが、道が枝分かれしていたりして登りと下りがスムーズにすれ違える道だったので、渋滞などもせずに快適に登れました。
振り返れば富士山だけではなく南アルプスも一望!
まだ雪がたっぷり残っていて、白く輝いております。
今年の夏もチャンスがあれば南アルプスで縦走登山がしたい。特に南部あたりで。
ひたすら登って稜線に到着。そこにあるのが展望台の雷岩。
ここからの眺めが素晴らしい!
富士山を一望。間に遮るものがなく、すそ野まで綺麗に見ることができます。
そして眼下に見えている湖は大菩薩湖。
オーシャンブルーに輝く湖も綺麗です。
雷岩から大菩薩嶺までは10分ほど。樹林帯の中を進んでいくと山頂があります。
こちらが大菩薩嶺の山頂。
実に13年ぶりの登頂でした。そこまで登ってなかったか~と思いましたが、確かに登山道の記憶とかはほとんどなくて、この日目にした景色はすべて新鮮なものでした。
山頂は展望がないので雷岩に戻って休憩。
ここからの南アルプスの展望が本当に素晴らしいもので、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、北岳、南部の赤石岳、聖岳など、名峰たちを一望できます。
大菩薩嶺は非常に人気の山ですが、稜線に立ってしまえば休憩できるところはいくらでもあるので、そこまで混雑に感じずに登れるのが良いところです。
どこで立ち止まっても見事な富士山が見れるので、適当な場所で休憩しましょう。
山頂は登りましたが、大菩薩嶺の魅力はむしろここから先。
この開放感抜群の稜線こそが大菩薩嶺のシンボルともいえる風景で、個人的にも最も好きな場所です。
快適な稜線を行く。
吹く風も涼しく、展望もいいので非常に気持ちよく歩ける区間です。
笹の草原も大菩薩嶺の特徴の1つ。
高い木々がないので展望も開けて、どこを切り取っても富士山を臨むことができます。
富士山を見ながらの快適な縦走路。
すごくいい。
途中、小高い丘を登ってたどり着いたのが妙見ノ頭。
ここは登山道から少し外れるので無理に登る必要はないですが、ここからの展望も見事でした。
その先にあったのが賽の河原避難小屋。
この避難小屋の存在は、記憶からすっかり抜け落ちていました。
この賽の河原あたりの景色も非常に良かったです。無人の避難小屋というのがもったいないくらい贅沢なロケーション。
見えている小高い丘が先ほど登った妙見ノ頭です。
親不知ノ頭に到着。
富士山はもちろん、南アルプスもずっと見えていて、この日何度も写真を撮ってしまった。
帰ってから見返すと、なんで同じ写真ばっかり撮ってるんだ、と反省するやつ。
歩いてきた稜線。
この稜線歩きこそが大菩薩嶺の最大の魅力と言えるので、この区間はぜひ堪能してほしいところです。
笹の稜線をひたすら進み、眼下に見えてきた1軒の山小屋。
介山荘です。
ここも山小屋で宿泊も可能です。
売店もあって色々なグッズが売られているので、見るだけでも楽しいです。
登山記念の山バッチもここで販売されています。
この山小屋の多さも安心につながって、大菩薩嶺が入門的な山として紹介される理由なんでしょうね。
ここが大菩薩峠。
この看板も大菩薩嶺の登山記録で良く目にする写真で、記念撮影ポイントになっています。
介山荘にいた、たくさんのミニチュアお地蔵様。
近くの女性が「チェスの駒みたい」って言ってたけど、なるほど言われてみたらそう見えなくもない(笑)
大菩薩嶺を周回登山する場合は、ここを右折すれば上日川峠に戻れます。
4時間程度の行程なのでゆるふわハイキングとしてもちょうど良いコースです。
もう少し歩きたいという方は、直進して石丸峠へ行ってみるのもありです。
石丸峠までは樹林帯の登りを過ぎると、再び視界が開けてこんな感じの草原風景の場所に出ます。
景色は似通っていますが、こちらに来ると人も一気に減ってとても静かな雰囲気になるのが魅力。
目の前には小金沢山、牛奥ノ雁ヶ腹摺山の秀麗富岳十二景へと続く稜線が広がり、その奥に富士山を一望できます。
この後、牛ノ寝通りに入る場合はここで富士山とはお別れなので、しっかり見納めしておきましょう。
石丸峠に到着。
左の道へ下って行けば小屋平バス停に着きます。ここで引き返して上日川峠へ下山するのもありです。
さらに先へ進む場合はここで道が二手に分かれます。
左が牛ノ寝通りを経て小菅の湯へ、右が小金沢山、牛奥ノ雁ヶ腹摺山方面の秀麗富岳十二景縦走コース。
さすがにこの時間から右の縦走コースに入ってしまうと下山時間が危うくなるので、今回は左を選択。
この牛ノ寝通りは紅葉がとても綺麗なコースとして有名で、自分も過去に一度歩いたことがあります。ここの紅葉は本当にすごいのでぜひ見てほしいところ!
2018年11月2日 石丸峠~牛ノ寝通り~大マテイ山 紅葉登山
あの時は真っ赤な景色が広がっていましたが、今日は瑞々しい緑の風景。
紫色のミツバツツジも随所に咲いていて、春らしい景色が広がっていました。
何より道が緩やかでとても歩きやすいです。
途中にあるピーク、榧ノ尾山(かやのおやま)。
新緑シーズンはあまり人気がないのか、数名とすれ違った程度で全然人がいませんでした。
その後も新緑美しい尾根道が続きます。
紅葉で有名な牛ノ寝通りですが、5月の新緑シーズンもとても綺麗なので強くおすすめしたいです。
このフレッシュな緑があの紅葉を作り出すのかと思うと、妙に感慨深いものがあります。
前回はスルーした狩場山に寄り道。
登山道から少し外れたところにあるピークで、ここの周辺が落ち葉で道が不明瞭だったのでやや迷いやすかったです。
意識しないと立ち寄れない山頂なので、無理に登頂しなくてもいいかなと思います。
ひたすら歩いて大マテイ山手前の分岐(棚倉)に到着。
ここを左に折れて小菅の湯へ下山します。
ここから小菅の湯までの道が薄暗い北側斜面の道で、部分的に道もわかりづらいので要注意ポイントです。
終盤の沢沿いまで来てしまえば、涼し気な道が続くのでここら辺は非常に気持ち良かった。
こうして小菅の湯まで歩いて本日の登山が終了。
下山したところが温泉というのもこのコースの魅力です。ここからバスも奥多摩駅、大月駅、上野原駅方面へ出ているので、公共交通利用でこそ歩けるルートだと思います。
久しぶりに登った大菩薩嶺。
2000m級の稜線まで簡単に登れながら絶景が味わえるので、やはりこの山はお手頃かつお得ですね。
上日川峠からのコースであれば危険個所もなく山小屋も多いので、非常に安心して登れます。初心者を連れて行っても楽しめるのではないでしょうか。
少し距離を伸ばしたい人は、今回みたいに牛ノ寝通りとセットで歩いてみるのもおすすめです。良ければ登ってみてください。
【日程】
2024年5月11日
【コースタイム】
9:10 上日川峠
9:30 福ちゃん荘
10:10 雷岩
10:15 大菩薩嶺
11:15 介山荘
11:30 石丸峠
12:30 榧ノ尾山
14:30 小菅の湯
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