山梨県の今倉山~赤岩~二十六夜山へ電車とバスを使って登山に行ってきました。
山頂からの富士山の展望が素晴らしく、特に赤岩からの眺めは圧巻!南アルプスや八ヶ岳まで見渡せます。
尾根道も適度なアップダウンがありながらも歩きやすくて、楽しい冬のハイキングでした。
ただ残念ながら、道坂隧道のバスは間もなく廃止。今後はデマンドタクシーを使うことになりそうです。

2025年12月6日【山梨】今倉山~赤岩~二十六夜山 日帰り登山
今回の舞台は山梨県の道志山塊と呼ばれる山域。
初めて登る今倉山~二十六夜山を縦走してきました。
この山に登ろうと思ったのは、登山口となる道坂隧道までのバスがもう間もなく廃線となってしまうから。詳細は都留市の公式ページに載っていますが、来年春からバスの一部路線を廃止してデマンドタクシーに切り替えるんだとか。
デマンド交通の使い勝手はまだわからないですが、廃線になる前に登っておきたいなと思い、行ってきました。

バスが出ているのは富士急行線の都留市駅。
紅葉時期は過ぎたので空いているかと思いきや、いやいや満車でギリギリ全員乗り切れるくらいという感じでした。
道坂隧道行きのバスはこの翌週の週末で運行終了となってしまうので、最後の登り納めと考えてみんな登りに来たのでしょうか。

乗車時間は30分。朝の8時45分に終点の道坂隧道バス停に到着しました。
読み方は「どうざかずいどう」。隧道とはトンネルのことで、目の前に見えている道坂トンネルのこと。
このバス停もあと1週間で役割を終えてしまうのか……。

1台のバスにぎゅうぎゅう詰めでやってきた登山者が一斉に解き放たれる。
奥に見えている小屋がトイレで、途中には一切トイレはないのでここで済ませておきましょう。
バスはUターンして都留市駅へと戻って行きました。今日が運行最終日というわけではないですが、どこか寂しい気持ちになったのは、また1つ登山バスが姿を消してしまうからか。
このブログ記事も数年後に読み返してみて「あぁ、そういえばこんなバスあったな」と思い返すんでしょうね。

トンネル脇のこちらが登山口。
ここから登るのは2回目で、前回この道坂隧道のバスを使ったのは8年前の秋。その時は御正体山~石割山の縦走ルートを歩きました。
なかなかタフなルートだったのを覚えています。

しばらくは単調な登り坂。
バスを降りた人たちがほぼ一斉スタートとなるので、前後には人がいてこの時点ではまだ賑やかです。
昨今の熊ニュースもあってか、ほとんどの人が熊鈴付けてチリンチリン鳴らしながら登っておりました。かくいう私もその一人。


15分ほど登ると尾根に到着してここから道は二手に分かれます。
8年前はここから御正体山へと向かいましたが、今回は左の今倉山方面へ。
この先は初めて歩く区間となります。

ここから今倉山までは1時間ほど。
距離はそこまで長くはないですが、基本的に登りが続く道で部分的に急登もあるので結構疲れます。

バスに乗っていた乗客の何割が御正体山で何割が今倉山だったのかはよく分かりませんが、いつの間にか前を歩く人はいなくなって静かな登山道になりました。
右奥に見えている山が目指す今倉山です。

単調な登りですが、しばらくして振り返ると樹々の合間から富士山を見れるようになります。
この先の稜線でも富士山は見れるのですが、徐々に雲行きが怪しくなって天気が心配になってきたので保険の意味で富士山を撮っておきました。

尾根道を登った先が今倉山の山頂。
標高は1470m。展望はないですが、標識を見ての通り山梨百名山に選定されています。
右に進む先にある菜畑山も山梨百名山ですが、今回は左の赤岩、二十六夜山方面へと向かいます。

ここから先は快適な稜線区間。
多少のアップダウンはありますが平坦な箇所も多くて歩きやすい道が続きます。
写真では当然わからないですが、吹き付ける風が冷たくてここら辺は汗冷えもして結構寒かったです。

しばらく進んだ先にあったのが御座入山。登山道の途中に標識があってあまり山頂という感じはしないですが、標高は1480mと先ほどの今倉山よりも10m高いです。
どうも先ほどの今倉山が東峰、こちらの御座入山が西峰という双耳峰の扱いになっているようです。

ここから道はいったん下りに。
ロープが張られている箇所もありますが、全体的に良く整備されているので迷うようなポイントはありません。
ただ季節は12月初旬。冬枯れのこのシーズンは滑りやすい落ち葉トラップに要注意です。

下った後は再び登り坂。
一見すると道が不明瞭に見えますが、その場に立つと踏み跡はしっかりとしているのでご安心を。

こうしてやってきたのが赤岩と呼ばれる山頂。標高は1450m。
一目見てわかるであろう、この展望に恵まれたピークよ。

今回のルートで一番展望が開けているのがこの赤岩。山頂からの眺めがもう素晴らしくて360℃の大パノラマが待っています。
北西に目を向ければ南アルプスや八ヶ岳を一望!山頂部が白くなっているのが見えました。
正面手前に見えている山は三ッ峠山。

こちらは奥秩父~奥多摩方面の展望。左奥が大菩薩嶺、正面奥に見えているのが雲取山。
この周辺の山々は何度も足を運んでいますが、この今倉山辺りの山域は初めてだったので目にする景色が妙に新鮮でした。
位置的には我が愛する秀麗富嶽十二景と富士山のちょうど間の山脈。アクセスがあまり良くないので、これまで敬遠していたエリアです。

富士山ももちろん一望!
正面にドンと構える富士山を眺めることができます。
……というのは結果論で、到着時は雲に遮られて富士山が見えず、20分ほど粘った末にようやくを顔を出してくれました。

南側は丹沢方面。
あいにくこちらは雲が分厚かったですが、はるか奥に煌びやかに光る相模湾の海が見えました。
前週の鎌倉紅葉ハイキングが思い出されます。

富士山を見ながらしばし休憩。
この赤岩はまさに自分好みの山頂でした。ネームバリューとしては今倉山や二十六夜山の方が上で、その間にある赤岩なんてあまり注目されない存在なのかもしれませんが、こういう山こそ推していきたい。素晴らしいピークです。
秀麗富嶽十二景で言うと、御前山に近しい印象を受けました。

休んでいると可愛いワンコが登場。赤岩のメインステージに立って表情キメてました。
このモフモフ具合がたまらんな。

赤岩、素晴らしい山頂なのでぜひ登ってみてください。
今倉山~二十六夜山の縦走路の途中にあるピークですが、歩いてみたらここが主役と思えるほどの大展望が待っていますぜ。

引き続き稜線を直進。
ここから先も基本的には緩やかですが、何度かアップダウンがあって2つの目立たぬピークが合間にあります。

その1つ目が中ノ沢ノ頭。
たまたま標識を見つけられたから山頂とわかったものの、普通に通り過ぎてしまいそうな場所でした。

続く二つ目がこちら。
こちらも一見すると山頂なのかわからない場所ですが、右の木に標識がくくりつけられていました。

松山。標高は1370m。
周囲を樹々で遮られていますが、冬枯れのこの季節は合間から景色を望めるのが良いところ。
日差しも降り注いで明るい山頂です。

その後も快適な尾根道が続く。
ここら辺まで来ると前後を歩いている人は誰もいなくなって非常に静かな縦走路となりました。
紅葉も終わって、まさに雰囲気は冬の低山ハイキング。フカフカの落ち葉ロードが気持ち良いです。

その後、しばらく下り道を進んでいったん林道に出ます。
この林道を道なりに下って行けば最初の道坂に戻れますが、二十六夜山へ向かう場合は右へ。

少し歩くとこちらから再び登山道へと入って行けます。

その後も日差しが降り注ぐ明るい尾根道。
このルート、個人的には凄い気に入りました。先ほどの赤岩と合わせて近場に欲しいくらい。
中央本線沿線にある秀麗富嶽十二景と違って、富士急行線を使わないといけないあたりがややアクセス難。
富士急行線が絡むと交通費一気に上がるんだよなぁ。。。

こうして本日最後のピーク、二十六夜山に到着。
ここも山頂が開けていて、特に富士山の眺めが素晴らしい場所です。

……が、あいにくこの時間になると富士山が雲に隠れてしまって部分的にしか見れず。
晴れていれば先ほどの赤岩と同様に富士山を正面に拝めることができるので、この二十六夜山もぜひ登ってみてください。
ところでこの二十六夜山、読み方が若干不安になりますが「にじゅうろくやさん」だそうです。山の名前は難しいから二十六というのも素直に読んで良いのか疑心暗鬼になりますが、これはそのままで良かった。

お洒落な名前の二十六夜山。その由来は少し先へ行ったこの看板に書かれているので良ければ読んでみてください。
この看板を読んで初めて知った、花の百名山に選定されているんですね。(正しくは新・花の百名山のようです)
二十六夜山というのはすぐ近くの菜畑山の先にも同名の山があるので、こちらは道志二十六夜山とも呼ばれているそうです。

二十六夜山から先はひたすら下り道。
前半は落ち葉フカフカな道が快適でもあり滑りやすくもあったので地味に神経使うところでした。
登山者も少なくて途中ですれ違ったのは1名だけ。

しばらく下るとあったのが仙人水という水場。
近くに沢が流れているわけでもなく、岩場の切れ目から唐突に水が湧いている不思議な場所でした。

その後、しばらく下って行くと渓流沿いのコースへ。
ここら辺の雰囲気も非常に良くて、数週間前に訪れたら紅葉がさぞ綺麗だったんだろうなと思わせてくれる場所でした。

こうして登山口に下山完了。
この後は道なりに林道を歩いて行って、突き当りを右に進むと「芭蕉月待ちの湯」という日帰り温泉施設に行くことができます。
バス停もあるので、このルートで歩く場合はそこをゴールにするのが良いかと思います。

ただ、自分は夕方に予定があったので温泉には立ち寄らずに駅まで歩くことに。
時間にして1時間弱。途中にあったハッピードリンクショップを見て、あぁここはやっぱり山梨なんだなと思いました。

こうして赤坂駅まで歩いて本日の登山が終了。
大都会と同名の赤坂駅。初めて来た駅ですが、駅前にローソンやマクドナルドがあって意外と栄えていました。
13時過ぎの電車にぎりぎり間に合って、無事に15時過ぎには自宅に戻れましたとさ。

バスが廃止になってしまう前に滑り込みで登りに行った今倉山~二十六夜山。
なんと言っても途中の赤岩からの展望が素晴らしくて、非常に好きになれた縦走コースでした。
この辺りの山域はまだ未踏の山も多いので、来年春から運行開始となるデマンド交通も機会があれば使ってみたいです。
【日程】
2025年12月6日
【コースタイム】
8:45 道坂隧道バス停
9:40 今倉山
10:15 赤岩
11:15 二十六夜山
12:15 登山口
13:05 赤坂駅

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