蔵王の不忘山〜刈田岳〜熊野岳〜地蔵山へ秋の縦走登山に行ってきました。
稜線を彩る真っ赤な紅葉がまさに圧巻の光景!東北は紅葉が綺麗な山が多いですが、蔵王連峰も間違いなく紅葉の名所でした。
エメラルドグリーンの御釜やドッコ沼の紅葉など、他にも見どころが豊富で本当に面白いコース。下山後には蔵王温泉で日帰り入浴も楽しめるので、かなりおすすめです。
2023年10月14日【蔵王】不忘山〜刈田岳 秋の紅葉登山
ハクサンイチゲの群生でも有名な南蔵王の不忘山。
前回訪れたのは2018年の6月。まさにハクサンイチゲが満開となる季節で、遥か北の地蔵山までの縦走登山は、それはもう素晴らしいものでした。
この縦走コースは絶対にまた歩きたいと思い、今回は季節を変えて秋の紅葉シーズンに行ってきました。
スタートとなるのは不忘山登山口のみやぎ蔵王白石スキー場。朝の6時半ではまだ駐車場が閑散としてました。
今回の縦走コースを歩く場合、登山口と下山口が全然異なるので、マイカー利用だと少し厳しいかもしれません。公共交通利用だからこそ歩けるルートとも言えます。
スキー場まではバスがないので、白石蔵王駅に前泊して朝一のタクシーでやってきました。駅からの料金は6000円くらい。この出費に見合うだけの景色は用意されてます。
しばらくスキー場のゲレンデコースわきを登って行きます。
出だしがスキー場という登山ルートはたまにありますが、スキー場の登りってやっぱりしんどい。初心者コースの傾斜でもあっという間に太ももが悲鳴を上げます……。
20分くらい登ったこちらが登山道入り口。
すでに体力削られてますが、ここから仕切り直して頑張ります。
序盤はごく普通の樹林帯。木々もまだ緑の葉が生い茂ってました。
同じ時刻に歩いている人がいなかったので、熊鈴ジャラジャラ鳴らしながら進んでます。東北は熊が怖い。
40分ほど登ると景色が一変!
空が開けてくると同時にあたり樹々もカラフルに染まり出しました。
途中にあった弘法清水という水場。
このあたりの紅葉がまず最初の絶景。綺麗に色づいてます。
そこからしばらく登ると森林限界を突破して一気に展望が開けます。
そしてここからの展開が凄い。
山の斜面を彩る華やかな紅葉風景。
赤や黄色、緑も残ってなんともカラフル。
登ってきた方面を見下ろす。
白光してまぶしい写真になっちゃってますが、はるか奥には海が広がっています。
カエル岩に到着。
名前の通り、カエルに見えるからカエル岩。確かにカエルに見えます。ちっこい子どもカエルもいますね。
カエル岩から山頂までは15分程度。
すぐ近くですが、ここから先の景色が本当に凄いことになってました。
山全体が紅葉する圧巻の景色!
まさに全山紅葉。凄まじい色づきです。
これから歩く稜線も見えてきました。
穏やかな稜線と派手な紅葉風景、これぞまさに東北の山という感じ。
この先もまだまだ縦走が続きますが、この日歩いた中ではこの不忘山山頂直下が最も赤色が強くて燃えてました。
ハクサンイチゲで有名な不忘山ですが、ここは紅葉の名所でもあります。
こうして5年ぶりに不忘山に到着。
山頂からは360℃の展望が待っています。
山頂にきて初めて見えた東側の展望。
山間に敷き見つめられた雲海、その果てに見えている山脈が朝日連峰です。あちらの紅葉も凄まじいことになっているんでしょうね。
朝日連峰の紅葉も素晴らしいので非常にお勧めしたいところです。アクセスが難しいけど、いつかまた行きたい。
これから向かう屏風岳への縦走路。
なんとも歩きやすそうな平坦な稜線が待っております。
やっぱり目を引くのがこちらの景色。
写真だとあまり伝わらないかもしれませんが、色付きが本当に濃くて華やか。
これを見れただけでも、遥々東京からやってきた甲斐があったってもんです。
誰もいない山頂でしばし休憩。
不忘山の山頂はそれなりに広いので、多少混雑しても座って休む場所には困らないです。
朝食休憩の後に行動再開。まだまだ先は長いので頑張ります。
これから穏やかな稜線が待っていますが、そこに行くまでに登り返しがあります。部分的に急登で一部手すりが設置してある箇所もあるので、滑らないようにしながら進みましょう。
進むにつれて紅葉も派手になってきます。
本当にカラフルで、絵の具で着色したかのような異常なまでの色付き。すごい景色です。アルプスの紅葉ともまた違う華やかさが東北の山にはありますね。
登り返しの先にあったのが南屏風岳の山頂。
ここでまた一息。刈田岳まで6.5kmとまだ長いですが、ここから先しばらくは急な登りはなくなります。
南屏風岳から先の縦走路。
ここでまた景色が一変して、左奥にはようやく蔵王のホットスポットともいえる刈田岳~熊野岳の火山帯が見えてきました。
右のこんもりした丘が次の屏風岳。見ての通り非常に緩やか、楽勝ですね。
歩いてきた道を振り返って見る。左奥の山が不忘山、右手前のこんもりした山が先ほどの南屏風岳です。
ここら辺で刈田峠登山口からピストンする登山者ともチラホラすれ違うようになってきました。
屏風岳手前に分岐があります。右へ行けばスタート地点の蔵王白石スキー場に戻ることができます。
マイカー利用ならこの周回登山が一般的。
私は刈田岳へと向かいますが、ここはぜひともいったん右に曲がって少し先へ行ってみましょう。素晴らしい紅葉風景が待っているから。
少し先へ行くと水引入道というピークが眼下に見えてきます。
不忘山の紅葉の一番の名所と言われているのが、まさにあちらの水引入道。こうして俯瞰して見るだけでも、山肌が信じられないくらいに真っ赤に染まっているのがわかります。
今回はこうして眺めるだけですが、いつか水引入道の紅葉の中も歩いてみたいです。
来た道を戻って再び縦走路へ。分岐からすぐに屏風岳に到着しましたが、ここは展望がほとんどなかったので先へ進みます。
その先にあったのが芝草平という湿原。
木道敷かれた道に小さい池が広がる穏やかな場所です。草紅葉が綺麗でした。
さらに進んでようやく刈田岳を正面に捉えました。
ここから下って登り返した先が登山口。刈田岳手前に道が蛇行している線が見えるかと思いますが、あれが蔵王エコーライン。刈田岳であれば、山頂のすぐ近くまで車で行けてしまいます。
刈田峠登山口に到着。蔵王エコーラインの周りに広がる紅葉も綺麗でした。
車は全く写ってないですが、秋の紅葉シーズンとあって行き交う車は多かったです。
ここから刈田岳までは道路を突っ切るように続く直登の登山道を登って行けばいいのですが、これが結構な急登なので要覚悟。前回もそうでしたが、ここの登りは疲れました。
その登りの果てにたどり着いたのが刈田岳。
山頂の神社と鳥居を見るたびに思い出す、冬の蔵王登山。
2022/3/4【東北】蔵王 樹氷・スノーモンスター雪山登山
鳥居も樹氷と化す、冬の蔵王は摩訶不思議ワールド。パンチの効いたこの巨大な雪のモンスターも、雪がない時期に見ればこそ一層迫力を増します。
蔵王は夏、秋、冬来てますが、どの季節もいいですね。
刈田岳山頂からの景色と言えばやっぱりこれ。
蔵王山のシンボル、エメラルドグリーンの御釜です。そこだけ異質も言える輝きを放つ神秘の火山湖、周りを取り囲むドーム型の火口も迫力感を増して素晴らしい景色です。
ここまで来ると観光客の方が多いくらい。
山頂直下まで車で来れるので、普段着姿で登っている人もたくさんいます。やべぇ~、すげぇ~という声があちらこちらから。
蔵王もこれで登りに来るのは6回目。だいぶ慣れ親しんだ山になったのもあって、ベテラン風を吹かしたくなる自分がいたりします。「君たち、御釜の迫力に驚いたかね?晴れて良かったのぅ」と。
蔵王山頂レストハウスで少し休憩。売店やトイレ、自販機などがあるので、ここは大事な休憩ポイントになります。まだこの先縦走は続くので。
紅葉ハイシーズンとあって、刈田岳山頂の駐車場は満車で観光バスも多かったです。
一休みして登山再開。目の前に見える熊野岳へと向かいます。
ここら辺は北アルプスの立山室堂にも近い雰囲気。観光客でも歩けるように道が良く整備されてます。
途中で御釜に近づいて、湖の全容を観察。
若干不気味にも見えるくらい、濃いエメラルドグリーン色してますね。
何度見ても圧倒されます。
熊野岳までの道は荒涼とした火山風景。
前半の華やかな紅葉が広がった南蔵王縦走路とは、また全然違った景観がここには広がっています。
色々なフィールドを楽しめるのも、この縦走ルートの魅力の1つです。
熊野岳に到着。
標高は1841mで蔵王連峰の最高峰がこの山になります。
熊野岳から北を望むと、本日最後のピークである地蔵山が見えました。
ロックガーデンの岩場を下って登り返しになります。岩がゴツゴツしているので気を付けましょう。
こうして本日最後のピーク、地蔵山に到着。
不忘山からここまで15km以上の縦走路。少し飛ばした箇所もありましたがここまで6時間以上、結構疲れました。
地蔵山から少し下れば蔵王ロープウェイの山頂駅。
疲れたら当然ここで終わりにしてロープウェイで下山するのもありですが、もう少し歩けるよって方は、ぜひこの先のドッコ沼まで行ってみてください。
ロープウェイ山頂駅をスルーしてゲレンデを下山。
樹氷原コースを下って中央ゲレンデ方面へ進むとドッコ池に行けます。スキー場とはいえ、下山路を間違えると大変なことになるので、ここら辺は良く地図を見ながら進みましょう。
こうして進んだ先にあったのが、素晴らしく綺麗な紅葉に囲まれたエメラルドグリーンの池。
こちらがドッコ沼。
蔵王中央高原にある神秘の泉で、その美しさから観光名所にもなっています。
ここの絶景が、このシンメトリーの景色!
池の周りを彩る紅葉、それを池が鏡となって反射する光景がこの上なく美しい。
スキー場の片隅にあるドッコ沼、蔵王登山のついでに時間があればぜひ立ち寄ってみてください。
池の周りの紅葉が本当に素晴らしい。
登山服姿は自分くらいでほとんどは観光客でしたが、これは確かにロープウェイに乗ってでも見たくなる景色だと思います。(道は狭いですが、車でも上がってこれるようです)
こうして蔵王中央ロープウェイの山頂駅まで戻って、ロープウェイで下山しました。
ドッコ沼からここまで、帰りが登りになるのでご認識おきください。
結果的に本日の登山はスタートもゴールもゲレンデの登りで締めることになりましたが、見たい景色はすべて見れたので満足です。
蔵王登山の締めは定番になりつつある「新左衛門の湯」で日帰り入浴を楽しむ。
蔵王温泉は他にも日帰り入浴をやっているところがあるので、色々と巡って見るのも良いとは思ってるのですが、一度気に入ってしまうとそこに定着してしまうタイプの人間でございます。
こうして蔵王温泉から山形駅行きのバスに乗って新幹線で東京へと帰りましたとさ。
不忘山~刈田岳~熊野岳、秋の蔵王連峰縦走登山でした。
このルートは2回目でしたがやっぱり面白かったです。景色の変化がめまぐるしくて、それでいて圧巻の紅葉風景が広がるので、もう最高の一言!本当にお勧めしたいルートです。
秋のシーズンはドッコ沼の紅葉も非常に綺麗なので、良ければ合わせて行ってみてください。
【日程】
2023年10月14日
【コースタイム】
6:45 みやぎ蔵王白石スキー場
8:30 不忘山
9:50 屏風岳
11:30 刈田岳
12:20 熊野岳
12:45 地蔵山
13:40 ドッコ沼
14:15 蔵王中央ロープウェイ山頂駅
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