富士山 バスで行くご来光登山

富士山 バスで行くご来光登山

前回の初登頂から2年、、、もう二度と登らないと誓ったはずの富士山に再び挑戦しました。(前回の富士山はこちら

やっつけの装備で登った1回目の登頂・23歳の夏。準備、計画もろくにせず、若さと気合だけで登ったはいいものの、頂上に着いたのは午前3時。日の出までの2時間、真冬並みの極寒で死にかけた記憶は今もトラウマに。。。

あれは本当に成功と言えたのか、、、そんなトラウマを打ち崩すべく、「綺麗に、安全に、スマートに」を今回のテーマに、完勝を収めるべく挑む、25歳夏の再戦。



【日程】

2011年7月22日~2011年7月23日

【メンバー】

4名

【コースタイム】

コース:吉田ルート

▼行き

JR新宿駅西口バスターミナル発(16:50)→富士スバルライン5合目(19:00)→→→夕食・体慣らし→→→5合目出発(20:35)→6合目(21:10~21:15、休憩5分)→7合目(22:00~21:15、休憩15分)→鳥居荘(22:45~23:00、休憩15分)→8合目(23:40~0:00、休憩20分)→白雲荘(0:40~1:00、休憩20分)→本8合目(1:30~1:50、休憩20分)→8合五勺(2:30)→9合目(3:00~3:10、休憩10分)→山頂到着(4:15)

▼お鉢めぐり&帰り

山頂到着(4:15)→ご来光(4:45)→→→朝食タイム→→→お鉢めぐり開始(6:10)→剣ヶ峯(7:10)→吉田・須走下山口(8:00)→下山開始(8:20)→吉田、須走分岐点手前で昼寝休憩(9:00~9:30)→分岐点(9:35)→7合目公衆トイレ(11:05~11:15)→6合目(11:45)→富士スバルライン5合目(12:20)→バス発(14:00)→JR新宿駅西口バスターミナル着(16:10)

 

そもそも、今回の富士山挑戦のきっかけは、登山仲間や会社の先輩が富士山挑戦を熱望していたため。みんなで一緒に行こうということになり、2か月くらい前から計画を練り始め、準備開始

 

いろいろ考えて、今回は山小屋に泊まらない「深夜発の夜行登山」。あまりお勧めできないプランらしいのですが、前回の山小屋泊で、すし詰め状態で眠れなかった苦い記憶があるため、今回は山小屋に泊まらずに一気に登ってしまおうと、、でご来光を見てしまおうと、いうわけです。

 

出発はJR新宿駅。ここから富士スバルライン5合目までの直行バスが出ているため、それに乗ることに。夜行登山となるため16:50発、現地19:30到着予定のバスをチョイス。

この時間のバスは夜行登山となるためなのか、、バスの大半は外人さんでした。グローバルな車内。
金曜の夕方だったため、渋滞もなく予定より早く19時過ぎに5合目に到着。

 

2年前の5合目とは打って変わってこの静けさ。。。予想以上に閑散としていてちょっと寂しげ。地震の影響もあって、今年は登山客も少なめとのこと。

 

天気はあいにくの曇り。富士山の全貌を見ることはできません。

 

1年で一番日が長いこの時期。ちょうど夕暮れ時でしたが、、残念。(……ただ、この時天気は登り坂だったようで、徐々に雲が取れてきます。満天の星空が待ち構えていることは、この時はまだ知る由もなく)

 

駐車場は7割ほど埋まってる状態。やっぱり客が少ないのか、、、

 

レストランが開いていたのは1軒のみ。しかもメニューはうどん、そば、カレーだけ。。これも客が少ないからなのでしょうか。とりあえずカレーで登山前の腹ごしらえ。

 

夕食を食べ終わる頃には、高速バスが続々到着。どうやら自分たちの到着が早すぎたようで、5合目もちょっとずつ賑わってきました。

 

高山にも慣らすため1時間半ほど5合目にとどまり、20時半過ぎにいよいよ出発。16時間にも及ぶ、戦いの始まり~~

 

まずは登山口を目指します。ここまではほぼ平坦な道のり。この看板以降からいよいよ登り坂が続きます。

 

初の夜行登山。自分と仲間のヘッドランプの明かりを頼りに進みます。他のパーティーの明かりもなんだか心強い。

 

30分ほどであっという間に6合目に到着。まだまだ序の口とあって、みな口数も多め。

 

6合目以降から、徐々に後発のパーティーも増え始め、登山道もにぎやかになってきます。ペースは様々で、さっさと登って頻繁に休憩するグループもいれば、ゆっくり淡々と進むグループも。自分たちは後者のカメさんタイプ。

 

6合目以降、序盤は砂礫のジグザグ道でしたが、徐々に火山らしい溶岩の岩肌が姿を現します。

 

スタートして1時間半。何の問題もなく7合目に到着。ここまでは余裕でしたが、ここからいよいよ山小屋から出てくる登山客とも合流し、登山道が混雑してきます。

 

立ち止まりはしないものの、登山客の列ができ始めてきました。予想していたよりも早い混雑……

 

7合目からは本格的な岩肌道が続きます。鎖も登場し、手を使いながら登ることに。

暗い夜道のため、写真も思うように取れないのが残念。仕方ないので、山小屋の1つをリポートww

8合目手前にある東洋館。ここは群を抜いて綺麗でした!真新しくて、山小屋とは言えないほど立派。泊まるならここがおススメかも。(2年前にこんな山小屋、あったかなぁ。。)

 

8合目付近、ご来光目当てのツアー団体もこの時間から動き始めるので徐々に渋滞が発生。。

 

スタートして3時間。当初の予定よりも1時間以上早く8合目に到着。

 

8合目付近は最も山小屋が集中する場所。山小屋前はご覧のような賑わい。
8合目の時点で標高は3100m。徐々に寒さも増してきます。幸運なことに風もほとんどないため、まだまだ元気。……

とは言え、ここから9合目までが長い。。。前回の登山でも十二分にその長さを味わっているため、ここは下町の夜景で気分を紛らわす。

目で見るとすご~く綺麗なんだけど、やっぱり7年前に買ったデジカメではこれが精いっぱい。。この日は雲もかかっていなくて本当にすごかったんだけど…

仕方ないので、奇跡的に写真に収められた月の幻想的な変化をご覧あれw

標高の影響か、最初は真っ赤な月が見えてとにかくビックリ!徐々にオレンジ色に染まり、気がつけば見慣れた月に戻っていました。

 

月以上に感動したのが、満天の星空!前回も見ましたが、やっぱり標高3000m越えでの星空は別格です!惜しむはカメラにその絶景を収められないこと。。。

ただご安心を!うちのパーティーにはアマチュア界の天才カメラマン、ささっき~が同行していますw愛用の一眼レフの本領発揮!

月と星が見事に映ってます。さすがは一眼レフ。(撮影者・写真提供:ささっき~)

 

無風だった絶好のコンディションも8合五勺を過ぎるあたりから、徐々に風が出てきました。

前回の極寒で死に掛けたトラウマがあるため、早めに着込んで迎え撃ちます。↑バンダナをネックウォーマー代わりにしている最中。(撮影者・写真提供:ささっき~)

 

渋滞で思うように進まないながらも、どうにか最後の山小屋「御来光館」に到着。ここから山頂までは、もう山小屋はありません。

 

御来光館の少し先で休憩。さすがにみんな疲れが見え始めてきます。もうひと頑張り!!

 

ここから先はさらに渋滞が激しくなります。立ち止まることもしばしば。。。思うように進めなかったのはつらかったですが、結果的にこの渋滞が早すぎたペースの緩和と適度な休憩を生み出していて、よかったのかもしれません。

 

9合目の通称「惑わしの鳥居」。前回、もう少しで頂上だと錯覚させたのがこいつです。実はここから頂上まではまだ1時間ほどの道のり。。。

 

午前4時近く。後ろを振り返ると空が白み始めてきました。もしかして、ご来光まで間に合わないのでは、、と若干焦る。

焦ったものの、午前4:15。スタートして実に7時間半をもって頂上に到着!こちらが本物の鳥居です。

 

とりあえず頂上の証。御来光まで20分と、これ以上ないくらいのベストタイム!前回の「極寒の中2時間耐えしのぐ」体験はせずに済みそうです。しかも風もほとんどなく、コンディションは最高!天候に恵まれてよかった、よかった。

 

どんどん頂上に人がなだれ込んできます。9合目以降、バラバラになったパーティーでしたが、みなどうにか無事に御来光前に到着!お疲れ~

 

夕焼けと錯覚しそうな光景。暗かった空も黄金色に染まり始めます。

 

みなシャッターチャンスを待ちます。自分たちも絶好のポジションでスタンバイ。

そして、午前4:45。その時は訪れます……

運よく目の前に朝日が顔を出しました。これぞ日本一から見るご来光!

 

黄金色の太陽と雲海が幻想的な光景を作り出しています。今までの苦労が報われる瞬間!これがあるから登山はやめられないっw

周りからは「バンザーイ!バンザーイ!」の声も。みんな感無量みたいです。

初登頂の仲間たち。初めての富士山で、しかも深夜の耐久登山でしたが、見事にやってくれました。流石やね。

 

 

太陽が出てきたとはいえ、まだまだ寒い頂上。ここは温かい朝食を食べるに限る。

 

これぞまさしく「富士そば」!沸点が低いためか、そこまで熱々ではありませんでしたが、冷えた身体には最高です。

 

朝食を食べ終わる頃には、空もすっかり青色に。また、違った美しさがあります。

 

あれだけいた人だかりも、まばらに。みな、お鉢めぐりや下山へと動き出しているようです。

改めて頂上の証!「浅間大社奥宮」

 

時間もあるので、前回できなかったお鉢めぐりをすることに。富士山の真の頂上は「剣ヶ峯」。吉田口ルートからだと、火口のちょうど反対側に位置しています。

火口も今回初めて見ましたが、こんなに深かったとは…。所々に雪も残っています。2回目登ってよかったかも。

火口を沿うように進みます。一周1時間半ほどの道のりですが、7時間以上の登りのあとでは結構きつい。

剣ヶ峯への途中で、運よく「影富士」を撮ることができました。綺麗な三角形。

 

剣ヶ峯までの高低差は50m程度。ですが、なんせ標高3700mの世界。すでに高山病にかかりかけているメンバーもいるので、ゆっくり進みます。

 

午前7時すぎ。本当の日本最高峰に到着。記念撮影ポイントは順番待ちで長蛇の列ができていました。

 

御来光とは反対側の景色。晴れ渡っており、海も見えます。今回は本当に天気に恵まれてました。

 

帰りは他の登山ルートを回ります。まずは、富士宮ルート。

頂上はかなり開けて広々とした雰囲気。御来光は、ここからだと見づらそうです。

 

続いて最も難易度が高いとされる御殿場ルート。

富士宮ルートのすぐ隣です。

 

ここで記念写真撮影~

(写真提供:ささっき~)

 

金峰山で生まれた勝利のジャンプwあの日、富士山山頂からもやると誓った約束を今果たす。(撮影者・写真提供:ささっき~)

 

 

午前8時。2時間近くかけて、ようやく1周してきました。影富士も見れて満足!太陽もすっかり高い位置にあります。

そしてここからいよいよ下山開始。砂埃との戦いが始まります。

 

 

富士山下山の醍醐味とも言われている「砂走り」。赤い砂礫が舞うため、ザックカバー、バンダナ、サングラス、マスクで完全防備(はたから見るとかなり怪しい出で立ちですが。。)

 

この砂道、6合目までひたすら続きます。とにかく長くて景色も変わらないので、心が折れないように気合を入れる。

雲もなく風も穏やか。視界も良好ですが、日差しが強いので日焼け止めをお忘れなく。

 

不眠で登り続けたので、さすがに眠い。開けた場所で30分ほどの昼寝休憩。さわやかな風が気持ちいです。(そういえば、前回もここで昼寝したっけ)

昼寝タイムを終え、下山再開。相変わらず終わりが見えません。

はるか下まで見通せてしまうため、その遠さが丸わかりなのがつらい。砂埃も相変わらずすごい。。

7合目の公衆トイレを過ぎて、写真のような落石シェルターが見え始めたら、砂道の終わりも近いです。

 

6合目手前。登りと下りの合流地点。時刻は12時前なので小屋を目指すグループ・ツアー団体とちょうど鉢合わせる時間帯です。

 

そして11:45、ようやく6合目に到着。行きは真っ暗だったので、昼間に来ると印象がだいぶ違いました。

 

あとはもう平坦な道が続くだけ。森林限界にずっといましたが、徐々に背の高い木々が姿を現し、標高が下がってきたことを教えてくれます。(それでも標高2300m越えですが。。)

 

 

ここで馬登場。これぞリアル馬力!お金を払えば馬に乗って5合目まで帰ることもできます。

 

スタートして、実に16時間。午後0時すぎに5合目に戻ってきましたぁ~。暗闇の中、出発したのが遠い昔のようです。

 

2回目で初めて5合目から富士山の全貌を見ることができました。あんな高いとこまで登ったのかぁ、としみじみ実感。

 

出発時とはまるで違う賑わい!記憶にある5合目はまさにこれです。5合目はこうでなくっちゃ!

バスの出発まで1時間以上あるため、休憩、お土産、散策をすることに。5合目には、500円4分のシャワーサービスもあります。

こちらも前回スルーした、小御嶽神社。神社側からしても出発前の祈願で来てほしいところだとは思うのですが、自分は下山後に見学。

普通のちっこい神社でしたが、「勝男木くぐり」なんてものがありました。隅っこに備え付けられたドラム缶はちびっ子たちのアスレチックと化していましたけどね……

 

お土産も買い、14時発の高速バスに乗り帰途につきます。

帰りも全く渋滞せずに16時過ぎに新宿に到着。新宿の喧騒で日常へ戻ってきたと実感。

 

かなり早めの打ち上げ。登頂達成を祝いつつ、反省会。今回初めて高山病を味わったメンバーもいて、よい経験になったんじゃないでしょうかね。

初の夜行登山となりましたが、無事に全員で登頂達成!みなさん、本当にお疲れ様でした。

天候にも恵まれ、当初の目的である「綺麗に、安全に、スマートに」を一応達成できたので、自分としても満足。お鉢めぐりもできたしね。

日帰り夜行登山、かなりハードですが、山小屋に泊まらない分、安く済ませられるので1度挑戦してみるのもアリかと思います。自分はもう絶対に登らないと思いますが。。

 

 

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