冬の富士山登山 日本最高峰の地で雪上訓練

冬の富士山登山 日本最高峰の地で雪上訓練

2013年、1発目の登山の舞台となったのは、正月と縁のある「富士山」。元旦明けの1/2に経験者に連れられて行ってきました。

今回の目的は、ピークハントではなく、バックカントリーと雪上訓練。登頂は二の次。…というか今の自分の実力じゃ、ボード背負っての富士登頂は無理だろうって思ってたんで。。。状況に応じて無理せず行けるところまで行って帰ってこようってことにしました。

夏の富士山は2回登ってますが、冬富士はもちろん初めて。”白い魔境”と呼ばれる冬富士、その恐ろしさも垣間見て、いろいろと良い経験のできた山旅でした!

 

”白い魔境”、冬富士で2013年幕開け―――

 


【日程】

2013年1月2日

【コースタイム】

馬返し(7:20)→1合目(7:30)→2合目(8:10)→3合目(8:30)→4合目(8:55)→5合目(9:25)→5合目佐藤小屋(10:10)→6合目(11:00)→→雪上訓練→→下山(11:45)→5合目佐藤小屋(12:30)→馬返し(13:50)

 

 

まずは、改めて明けましておめでとうございます。2013年の登山もいよいよスタートしました。

初登山の舞台となったのは、自分でもまさかの富士山!説明いらずの誰もが知っている日本最高峰ですね。昨年は他の山から何度も眺めていた富士。感慨深さもありつつ、元旦に初富士どころか初日の出さえ拝まないまま、富士そのものに足を踏み入れちゃいましたw

一番の目的はピッケル、アイゼンを使っての雪上訓練、余裕があって上の方まで行けたらバックカントリー、絶好のコンディションだった場合のみ登頂。そんなスタンスで挑みました。今回ばかりは下手したら死ぬんで、少しの無茶もしないですw

 

明け方6時、富士吉田市に入って吉田口のスタート地点へ。浅間神社、中の茶屋を越えて、馬返しまで車で行っちゃいます。

 

この馬返し、30台ほど停められる駐車場があるのですが、路面が凍結しているとここまで入ってくることができず、もっと手前からアタックすることになります。この日はまだ全く凍結してなかったので、無事に馬返しまで来れました。

駐車場は5,6台の車が停まってたかな…

 

冬装備万全にしてボードも担いで、7時過ぎにアタック開始!夏とはまるで違う、人っ気のない富士山の山頂目指して、3人で挑む!!

 

鳥居をくぐって登山道へ。ここは一応、0合目。標高は1500m弱なので、ここから山頂までの標高差は2000m以上あります。

 

この小屋が1合目。馬返しまで車で来てしまえば、1合目はすぐ着きます。雪もまだほとんどなし。

 

富士山を0合目から登るのは初めてだったけど、なるほど下はこんな道になってるわけね…。ごく普通の樹林帯がひたすら続きます。

 

2合目に到着。このあたりから徐々に道が凍結し始めました。まだアイゼンを付けるほどじゃないけど、雪ではなく氷なので滑らないように注意。

 

ボードを背負っての登山、、、ブーツも担いでいるのでしっかり歩けるか不安でしたが、特に問題はなかった。重さに関しても、テント泊の時よりは軽かったしね。

 

標識はしっかりしているので迷う箇所は全くなし。ちなみに小さくて見えづらいですが、標識には「山頂まで8.7km、462分」って書いてあります。なかなかの距離だねw

 

3合目に到着。見事に崩壊してしまっている小屋がありました。この時点ですでに風がかなり強く、確かこのあたりで山頂まで行くことは止めにしました。ちょうどこの日の翌日に富士でも遭難があったって言うし、安全第一で行きますよ~

 

ボードを担いでいると、こういった倒木や道幅の狭い箇所が厄介。あとザックを降ろしづらいってのと、ザックの中身を取り出しづらいっていう、、、いろいろと装備で改良の余地があったね。これも良い経験。

 

4合目を過ぎたあたりでアイゼン装着。ご覧のようにツルッツルの氷でした。この先、前ヅメも必要になってくるので軽アイゼンでは無理。10本以上は必須です。

 

除雪車。この車道を越えれば5合目の佐藤小屋はもうすぐ。

 

何組かのパーティーとすれ違ったのですが、みんな「上は風が強いから気を付けて」と声をかけてくれたけど、大丈夫です!すぐそこまで行って引き返すのでw

風がとにかく強くなってきて、山頂どころかボードで滑るのも諦めました。行けるところまで行って雪上訓練に専念することに。

 

登り始めて3時間ほどで5合目の佐藤小屋に到着。0合目から5合目までは初めて歩いたけど、思ったより距離は短かった印象。ボード背負ってゆっくり歩いたので3時間かかりましたが、軽装備だったら2時間強で着けるんじゃなかろうか。

道も急坂は全くなくて、緩やかな登りがひたすら続いたので歩きやすかったです。

 

ここから先、樹林が消えて風もダイレクトにぶつかってくるので、とてもボードを背負って登れる状況ではなく、、、。ここで荷物デポって、軽装でアタックすることに。とにかく風が強烈で体感温度がかなり低くなるので、防寒はしっかり!!ボード背負ったままだったら、本当に吹っ飛ばされそうでした…

 

ここまで来れば展望も開けて、富士吉田の街並みがしっかり見えます。若干かすんでいるけど、雲1つない青空~!下界は穏やかそうだね。

一方、こちらの向かう先は・・・・・・

 

上は強烈な風が吹き荒れ、雪が巻き上げられて雪煙になってた。。。これはビビった!ホントすごい光景が目に前にあった!!怖かったけど美しくもあって、、、何とも言えない感動でした。あの上は、極限と呼べる世界なんだろうね…。

 

横を見れば、富士スバルラインで来た時の吉田コース5合目が。夏の富士登山が思い出されて、なんか懐かしいなぁ~

 

急ぐ必要もないので、雪崩の仕組みなどを教わったり。富士山は雪が降っては風で巻き上げられて、、雪の層がわかりやすかったね。

 

ここでようやくスバルラインコースと合流。6合目の手前になります。

 

夏場は混んでる道も、流石に冬場は誰もいない。。富士山は混んでるイメージしかないので、まるで別世界に感じました。

 

”白い魔境”とはよく言ったもので、本当にその通りの姿だった。。。白く吹き荒れる雪煙がとても強烈で、夏の観光地と化した富士山とはかけ離れた姿。こんな光景は滅多に見えるものじゃないから、本当に来てよかった!素晴らしい景色でした。年初めにいいもの見れたわー!

 

この時期はまだ雪も少なく、風で雪が舞ってしまうので、一面アイスバーンでした。これに強風が加わるから、アイゼンとピッケル装備してても、心もとないくらい。。

 

小屋の陰の手ごろな斜面を見つけて、雪上訓練。基礎中の基礎である滑落停止訓練。

 

ピッケルも使い方がわからなければ、ただのつるはし。いざって時に使い方がわからなかったり身体が動かなけりゃ意味ないんで、何十回とこの基本姿勢を繰り返す。

 

本当に滑落したときは、これに荷物背負ってるだろうし、パニックになるだろうから、せめて練習では完璧にしておかないとね。これから雪山行ったら毎回練習しようと思います。

 

今回は6合目を少し超えたあたりまで登りました。風も風速20mを越えてたし、体感温度もたぶんマイナス20℃くらいあったんじゃなかろうか。。

雪訓で昼ごろまで時間つぶして今回は帰りました。山の恐ろしさを見せてくれた冬富士。何とも言えない不思議な世界で、しっかりとその光景を目に焼き付けてやった!今回はボードで滑ることはできなかったけど、次回は滑ってやりたいね。登頂はそのあと。

 

樹氷が広がる雪山とはまた違った美しさがあったな。。。新年最初の山に富士山、、、実はこの前日に結構ビビってたりもしたけど、来てよかった。新年早々素晴らしいもの見れました。

 

12時過ぎ、下山開始。収穫多し!また、何度でも来てやるさ、富士山め~!

 

荷物回収して馬返しへ。案の定、ザックの中のおにぎりは凍ってたww

風が強いと、とにかく体温の低下が激しいってのがよくわかりました。手袋なんて外せないし、顔出してたら簡単に凍傷になるね、、、

 

帰りは単調な下り坂なので、5合目から馬返しまではそれほど時間かからないです。降りている最中にも2,3パーティーとすれ違ったけど、佐藤小屋に泊まるんだろうね。

 

下に降りて来てもまだ風が強かった。。いったい山頂の風速はどれほどだったんだろうか・・・。雪山の恐ろしさを目の当たりにしたよ・・

 

入口にいた猿の石像。無事をお祈りしてくれてたおサルにも感謝。

 

14時前に無事に馬返し帰還!持ち慣れていないボードを背負ったのもあって、結構疲れた~。途中で引き返したのに、すごい充実感!

 

帰りは1ヶ月前の杓子山でも寄った「紅富士の湯」へ。ものすごい混んでた……。正月と言えばやっぱり富士山なのかね~。

極寒からの温泉だったんで、いつも以上に気持ちよかった!お湯最高!!温泉から富士を眺め、絶対にまた来てやると心に誓い、東京へ。まぁ、今回はこのくらいにしといてやるかなww

 

 

 

2013年は1発目はだいたいこんな感じです。前回の入笠山とはまるで違う、ガチで山と向き合ったけど、とにかく収穫が大きくて今後の糧になる登山でした!

ボードを背負っての山登りの感覚が少しわかったし、装備の配置や扱いもまだまだ甘かった。体力も落ちてる気がしたし、充実した登山をするならまた鍛えないといけないな。。。

でも、まぁ第一目的としていた雪訓は果たせたし、極寒の山がどんなものかを肌で感じれたのは大収穫。あと、3人けがなく無事に帰って来れたしねw これが大事!

それと、今回0合目から歩いたことで、富士吉田ルートに関しては0合目から山頂まで一通り歩けました。0合目から5合目までは距離が長いだけで、それほど辛くはなかったですよ。

 

本当ならもう少し詳細に書きたかったんだけど、今回、写真を撮った枚数が非常に少なかったとです。というのも5合目以降はオペレートする手も寒いし、気温が低くてカメラのバッテリーもなくなってたし、、撮った写真は全て載せた感じですので、これくらいのレポが限界ですw

 

冬富士、見るより先に登ってしまったけど、傍から見た景色とはまるで違う極限の世界が広がってました!

 

2013年もいよいよスタート!今年もどうぞよろしくお願いします。

 

 

おしまい

 

 

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