【北アルプス】唐松岳~五竜岳 雲海とご来光の絶景 テント泊縦走登山(2日目)

【北アルプス】唐松岳~五竜岳 雲海とご来光の絶景 テント泊縦走登山(2日目)

7月の北アルプス唐松岳~五竜岳、1泊2日のテント泊縦走登山。

2日目は日の出前に五竜山荘を出発して五竜岳へ。山頂から眺める雲海とご来光、そこに浮かぶ唐松岳~白馬岳の稜線、鹿島槍ヶ岳や立山~剱岳など北アルプスの名峰、神々しいほどの朝陽に包まれた世界観にひたすら感動しっぱなしでした。

下山は遠見尾根を経て五竜エスカルプラザからゴンドラを利用。十郎の湯の温泉を楽しんで、白馬五竜バス停からバスと電車に乗って東京へと帰りました。

2日間の唐松岳~五竜岳縦走、今回も大いに充実した山歩きができました。

 

朝日と雲海に浮かぶ唐松岳~五竜岳の稜線

 


 

1日目の続きから。

初日に八方尾根から唐松岳に登って、牛首の稜線を歩いて五竜山荘へ。風もなく暖かい夜で、深夜に眺める星空が綺麗でした。

2日目は日の出前にテント場を出発して、重い荷物は置いて五竜岳までを往復。前日の午後からガスってしまったので、こうして2日目に登ることになったわけですが、これが結果的には良かったのかもしれない。

山頂まではほんの1時間程度の道のりですが、そこで目にした雲海とご来光、眩い光に包まれる神々しいまでの世界観に度肝を抜かれた山歩きとなりました。

 

夏の唐松岳~五竜岳縦走登山、後半戦の始まり。

 

2018年7月20日~21日 唐松岳~五竜岳 テント泊登山2日目

1日目に五竜山荘に到着したのが13時過ぎ。五竜岳に登る時間もありましたが、ガスが抜けそうになかったので2日目に回して、山荘に着いてからはひたすらのんびり過ごした1日目でした。

寝るのも早くて、まだ明るい17時ごろには寝落ちてた気がする。

五竜山荘から五竜岳へ

合間合間で軽く目を覚まして星空を眺めたりしたものの、10時間近い睡眠を確保して元気いっぱいで2日目へ。4時過ぎというまだ薄暗い時間帯に必要なものだけ持ってテント場を後にしました。

目指すのは五竜岳山頂。五竜山荘からであれば1時間もあれば到着できる距離です。

 

朝焼けと唐松岳~白馬岳

ご来光前の刻々と変わる朝焼けの空が美しい。

背後には1日目に歩いてきた唐松岳とその稜線が雲の上にぼんやりと浮かぶ。

 

五竜岳登山

この日も午後から雲が上がってきたようですが、明け方は天気も良くて五竜岳の山頂をしっかりと捉えることができました。

唐松岳とは違ってどっしりとした岩の山。五竜岳は6年前に一度だけ登ったことがありますが、その時はガスっていて展望も全くなかったのでほとんど記憶に残っていない山。

この道も一度歩いたはずですが全く覚えておらず、逆に初登頂的な感覚で新鮮な気持ちで臨めたのは良かった。

 

雲海と朝焼け

長野側は見事なまでの雲海

まさに雲の海という字のごとく、地平線の彼方まで雲が敷かれておりましたよ。

 

唐松岳~五竜岳 テント泊登山

五竜岳山頂まで黙々と登って行く。五竜岳自体は岩山ですが、序盤はまだ普通の登山道。

岩山らしい登山道に入るのは中盤くらいからになります。

前日と同じくこの日も猛暑となった1日。明け方の標高2500m地点でさえ、すでに半袖で歩けております。

 

五竜岳の鎖場

徐々に鎖場が出てきたりもしますが、ここら辺はまだまだ余裕。

というか、この先も鎖を頼りにすれば難しいところはほとんどないのでご安心を。道しるべ用のマーカーも親切なくらいにつけてくれてます。

 

五竜岳のモルゲンロート

もう間もなくご来光という時刻、朝日より先に目の当たりにしたのが五竜岳のモルゲンロート

朝陽の光によって赤く染まる神秘的な光景。これも山泊したからこそ見れる景色の1つ。

 

朝焼けに浮かぶ白馬岳

後ろを振り返ればさらに絶景。

雲海とご来光を従えてそびえる唐松岳~白馬岳。こちらも朝陽に包まれて神々しい風景。上に広がる雲の奥行き感も素晴らしいっすな。

 

五竜岳の岩場

空もだいぶ明るくなったところで五竜岳の岩稜帯へ。

ここら辺も全く記憶になかったけど、特に難しいところはなかったです。

 

朝日と雲海に浮かぶ唐松岳~五竜岳の稜線

雲海からのご来光、そしてそこに浮かぶようにそびえる白馬連峰。

1日目に歩いてきた唐松岳とその稜線もバッチリ見えてます。

 

雲海と朝日

日の出も綺麗でしたが、雲海の広がり具合が特に印象に残った朝でした。

雲の上を歩いているとはまさにこのことかと思うほど、見渡す限り雲上の世界。

 

五竜岳登山道の鎖場

 

五竜岳登山道の岩場

その後も鎖場などが出てきますが、難所と呼べるようなものはほとんどなし。

ただ道幅が部分的に狭いので、ゆずり合わないと通れないような箇所がいくつかあります。早い人だとこの時間から下山を始めている人もいて、所々ですれ違い待ちも発生していました。

 

朝日と雲海に浮かぶ唐松岳~白馬岳

朝陽に包まれた白馬岳。

振り返る度に陽の光が増して、神々しさが増幅されている。

 

五竜岳の岩稜帯と雲海

登ってきた五竜岳の岩稜帯も光に照らされて、幻想チックな雰囲気に。

 

五竜岳 八方キレット分岐点

山頂まであと少しというところで、鹿島槍ヶ岳方面との分岐点に到着。

ここまで来れば四方の視界が開けて、360℃の大パノラマを堪能できます。

 

五竜岳から眺める鹿島槍ヶ岳

五竜岳から眺める鹿島槍ヶ岳。6年前に初めて五竜岳に登った時は、あちらの鹿島槍ヶ岳から縦走してきました。

この間には八峰キレットという鎖場やハシゴが連続する難所があるのですが、まだ青っちい駆け出しの頃だった手前、岩に対してそこまで警戒心もなく(=何も考えず)歩けていた感じ。無知の怖いもの知らずって最強だなと思った。

今歩いたら盛大なへっぴり腰スタイルを披露することになると思うけど、この八峰キレットも終始ガスっていたのでいまいち覚えておらず、ここもいつか再挑戦してみたいところではあります。

 

五竜岳から眺める立山~剱岳

こちらは立山~剱岳。唐松岳からも見えていましたが、他の北アルプスの山と比べても雪の残り具合が多いのがわかります。

ちゃっかり影五竜も映し出されていて、富山側も良い景色が広がっていました。

 

五竜岳からの雲海と朝日

五竜岳山頂から眺める朝日と雲海。

数分単位で刻々と変化する空模様、雲色の変化も絶妙でこの時間はどうしても立ち止まって景色に浸ってしまう。

 

五竜岳山頂へ

 

五竜岳山頂

五竜岳山頂に到着。地図通り、五竜山荘からちょうど1時間でした。

6年ぶりですが、前回は展望が全くなかっただけに初めて訪れたような感覚。

 

五竜岳山頂からの雲海とご来光

何度も見てしまうが、長野側のこの果てしない雲海風景がとにかく素晴らしい。

朝陽に染まる黄金色の雲が目に焼き付きます。

 

五竜岳山頂からの唐松岳~白馬岳

五竜岳から望む白馬方面の展望。

前日に登った唐松岳もここから見るとだいぶ低く見える。そして八方尾根は雲海に吸い込まれるように雲の下に延びていました。

 

五竜岳山頂の登山者たち

 

五竜岳山頂からの鹿島槍ヶ岳

五竜岳からの鹿島槍ヶ岳。猫の耳のように双耳峰になっているのがここからだとよくわかります。

その背後にも北アルプスの名峰群がずらりと並ぶ。

 

五竜岳山頂からの裏銀座~槍ヶ岳方面の展望

左奥に見える尖った峰。この位置からでも槍ヶ岳の角は容易に捉えることができました。

1週間前の槍ヶ岳~双六岳ではあちらを歩いていた。2週続けて北アルプスを訪れるなんて何年ぶりだろとか、ふと思った。そこまで北アルプスをご贔屓しているわけでもないけど、やはりこうして遠くまで山が連なっているのを見ると、そのスケール感には感服されられます。

 

白馬岳~唐松岳~五竜岳の稜線と雲海

 

朝の五竜岳山頂

風もなく穏やかで暖かい山頂だったので、しばらく居座って景色をぼんやりと眺めてた。

朝の空の色は瞬く間に変化して、黄金色の空模様は数分で青空に早変わり。

 

五竜岳山頂からの雲海

ゴールデンアワーが終わると、同じ景色でもその雰囲気はだいぶ変わる。霧がかかる山のシルエットが洗練された感じで、これはこれで幻想的。

身体も完全に目が覚めて、また1日の始まり。

 

五竜岳山頂からの鹿島槍ヶ岳

 

五竜岳山頂から五竜山荘へ下山

景色を十二分に楽しんで下山開始。

五竜山荘のテント場まで戻ります。

 

五竜岳の鎖場と岩場

 

五竜岳の岩場

鎖場と岩場を慎重に下りていく。

五竜岳の岩場自体は高度感こそありますが難しいところはそんなになくて、続々と登ってくる登山者とのすれ違いタイミングに注意するくらい。

 

五竜岳の岩場

 

五竜岳登山 唐松岳に至る稜線

雲海は相変わらずですが、空の色が変わるだけで山全体の雰囲気もだいぶ変わる。

 

五竜岳登山 雲海と登山者

眩しいほどに光り輝く雲の海。

雲上を歩いているという優越感に浸りつつ、反射板のように照り付ける日差しに焦げ付きそうだったので、慌てて日焼け止めを塗る。

 

五竜山荘と唐松岳

 

五竜岳 岩のトラバース路

岩場のトラバース路。

山頂直下の鎖場よりもむしろこういうところが厄介でした。雪のシーズンはどうやってここら辺は通過するのだろうか…?

 

五竜山荘と雲海

ご来光を過ぎても続々と登ってくる登山者たち。

稜線に立つ登山者のシルエットがまた良い絵になってますな。

 

五竜山荘

6時過ぎに五竜山荘に戻ってきました。

暗闇からスタートした甲斐あって良いもん見れたぜ。

 

五竜山荘テント場からの五竜岳

今日はもう下山するだけなので、ゆっくりテント撤収。

前回の登山でもそうだったけど、最終日が楽な行程っていいわ。時間に追われることなくゆっくりとした朝を過ごせる。

 

五竜山荘前のカール

前日ガスっていて見れなかったカール。

小屋前の景色ですでにこのスケール感よ。テント場も割と空いていたので、居心地の良い時間を過ごせました。

 

五竜山荘から遠見尾根で下山

五竜山荘からは遠見尾根で下山。

唐松岳方面に少しだけ戻って、こちらの標識から尾根に入ります。

 

遠見尾根分岐から眺める唐松岳

前日に登った唐松岳を見納め。

この区間の稜線も登り返しはありますが、岩場とか鎖場とかバリエーションもあってなかなか楽しかったです。

 

北アルプス・五竜岳

こちらは五竜岳。2回目でしたが、目新しい景色ばかりで初めて登ったような感覚で登頂できました。

冬の五竜岳にも若干興味あり。登頂できるかどうかは別として、今立っているここまでならこれそうな気もするので、間近で雪の五竜岳もいつか見てみたいです。

 

遠見尾根と雲海

遠見尾根に入る。ここも6年前に歩いている尾根ですが、例によってほとんど覚えていないのでどんな道なのか楽しみ。

出だし早々、雲に吸い込まれるように連なる尾根の感じが良かったです。

 

遠見尾根の鎖場

遠見尾根は最初の方は岩場多め。鎖が取り付けられているところもあったり。

変に滑りやすい岩があったりもして、五竜岳山頂の岩場よりもむしろこっちの方が歩きづらかった気がする。

 

チングルマ

 

チングルマの穂

遠見尾根も花の宝庫。

特にチングルマが綺麗で、花と穂の姿を同時に見ることができました。まだ季節は7月中旬ですが、開花が早い高山植物はすでに終盤を迎えているものも多い。

 

遠見尾根の岩場

 

遠見尾根の階段

この後もしばし岩場とか長い階段とか。

遠見尾根ってこんな道だったっけか……。全然覚えてないや。

 

遠見尾根から見上げる五竜岳と鹿島槍ヶ岳

遠見尾根から見上げる五竜岳と鹿島槍ヶ岳。

稜線上よりも一段下がったここら辺からの方が、五竜特有の岩々しい風格を感じ取れました。

 

遠見尾根から見上げる五竜岳の稜線

遠見尾根は最初に一気に標高を下げる感じなので、先ほどまでいた稜線があっという間に見上げる位置に。

ある程度下りきると、岩場らしいところもなくなって比較的緩やかな尾根道となります。

 

遠見尾根登山道

道は割と緩やかですが、この遠見尾根は道幅が狭い。そして意外と長い。

途中に西遠見山大遠見山など開けるポイントはありますが、基本的にはこのような狭い1本道が続きます。

休憩できそうなポイントがあったら迷わず休むべし。

 

遠見尾根・中遠見

標高を下げるにつれて、雲の上から下の世界へ。

これから目指すゴンドラもすでに動き始めた時刻で、この中遠見山に差し掛かる頃には前方から続々と登山者が登ってきました。

 

遠見尾根の稜線

小遠見山を過ぎたあたりからの尾根道。完全に樹林帯に包まれる箇所もそう多くはなく、基本的には展望を楽しみながら歩ける道になっています。

ただここも途中に水場が一切なく、雲の下に入ったはずなのに隙間から日差しが照り付けて猛烈に暑い。。。今日も変わらず灼熱登山となってます。

 

遠見尾根・地蔵の頭

写真ではほとんど映ってないですが、この日は土曜日ということでかなりの登山者が登ってきていました。

間はだいぶ端折って、写真は終盤の地蔵の頭

 

地蔵の頭からゴンドラ乗り場へ

ここまで来てしまえば、白馬五竜スキー場のリフトも見えてきます。

夏には高山植物園として解放されているので、ここら辺からは観光客の姿もチラホラ見えるようになってきます。

 

アルプス平・コマクサ群生地

白馬五竜スキー場のゲレンデトップに広がる高山植物園に到着。

一番のメインはコマクサ群生地

 

コマクサの群生

人工的に植えられているものですが、ここではすごい数のコマクサを見ることができます。

 

白いコマクサ

中には白いコマクサもあったり。

数が多すぎて、コマクサの希少性が若干薄れるのは致し方無いところか……

 

ニッコウキスゲ

ニッコウキスゲなどの群生も。

天然ものではないにしろ、植物園というだけあってかなりの花の数を見ることができました。

 

五竜岳ゴンドラ乗り場

こうして9時過ぎ、白馬五竜ゴンドラ乗り場(アルプス平)に到着。

帰りも文明の利器を駆使して下山。麓にスキー場があると、おいしいところだけを頂けるので楽ちんです。

下山はかなり省略して書きましたが、このゴンドラ乗り場から五竜山荘までを登るとなると6時間近くはかかるので、できるだけ早めに出発した方がいいです。この時間にゆっくりと準備運動しているツアー団体がいましたが、正直ちょっと遅い気がした。

 

五竜岳テレキャビンゴンドラ

ゴンドラは片道1000円。もれなく冷たいおしぼりが付いてくるので、登山後の火照った身体にはありがたい!

下山は途中から灼熱地獄だったので、この日もずいぶんと汗かきました。

 

五竜岳エスカルプラザ

ゴンドラに乗って地上の五竜エスカルプラザに到着。

ここには「竜神の湯」という入浴施設があるのでそれに入ろうかと思ったのですが、なんと浴槽故障で営業停止していたので近隣の温泉施設へ行くことに。

 

十郎の湯

やってきたのが、タクシーに乗って10分くらいの所にある『十郎の湯』。朝10時からのオープンだったので少し待ちましたが、誰もいない一番風呂をゲットできました。

風呂上がりの牛乳、うまし!

 

白馬五竜バス停

こうして温泉でリフレッシュして、白馬五竜バス停へ。十郎の湯から徒歩15分くらいの距離ですが街中の暑さが尋常じゃなかったのでタクシー使いました(ワンメーターで来れます)。一度山歩きを終えると、途端に歩くことを嫌がるワシ。

ここからは新宿までの高速バスもありますが、午前中の良い時間帯のがなかったので長野駅までバスで移動してそこから電車で帰りましたとさ。

 

こんな感じで1泊2日の唐松岳~五竜岳縦走登山が終了。

これまでの北アルプスの縦走と比べると、2泊の行程としてはやや短めだったと思いますが、2日間ともそれぞれ違った世界観に浸れたので大いに充実した山歩きができました。

 

八方池に映る白馬三山

2日目の五竜岳からの朝焼けと雲海も素晴らしかったですが、やはり一番印象に残ったのは1日目の八方池からのこれ。登山界ではかなりベタな景色かもしれないですが、やっぱり一度は見ておきたかったところ。噂の鏡の白馬岳をようやく拝むことができました。

 

唐松岳から頂上山荘と五竜岳

唐松岳~五竜岳については適度に鎖場もあってルートのバリエーションも豊富なので、初めての山泊まりで歩くにも良いかもしれません。

個人的には紅葉時期も興味があるので、このルートはまたいつか歩こうと思います。

 

【日程】
2018年7月20日~21日 1泊2日

・2日目

4:20 五竜山荘
5:15 五竜岳
6:20 五竜山荘

8:10 中遠見
9:20 五竜エスカルプラザゴンドラ乗り場

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