冬の三頭山(奥多摩) 雪山登山

冬の三頭山(奥多摩) 雪山登山

奥多摩三山と呼ばれている「大岳山」、「御前山」、「三頭山」。その最高峰の三頭山(標高1531m)に登ってきました。

すでに大岳山御前山には登っていたので、この三頭山を登れば奥多摩三山制覇となります。

 

雪の後を狙って挑んだ登山ですが、そこには想像以上の雪景色が待っていました。

 

奥多摩三山のラストを飾る、雪をまとった三頭山へ―――

 


【日程】

2012年3月11日

【コースタイム】

小河内神社BS(9:10)→登山口(9:30)→イヨ山(10:20)→ヌカザス山(11:00)→鶴峠分岐(11:45)→三頭山・西峰(12:15)→→昼休み→→三頭山・中央峰&東峰(12:45)→ムシカリ峠(13:10)→三頭大滝(13:35)→都民の森(13:55)

 

 

今回も行く場所に色々と悩みました。最初はお気に入りの「秀麗富嶽十二景」から選ぼうと思ったのですが、天気がちょっと微妙で富士山が期待できなさそうだったので、急きょ変更。単独登山のためにストックしておいたプランの1つ、三頭山を引っ張り出してきました。

 

三頭山にアタックする場合、最もポピュラーなのは都民の森を基点とするコースだと思います。それでもよかったのですが、せっかく単独なのでガッツリ登りたいというのがあり、今回は奥多摩湖側から登るコースを選択しました。こちら側からだと、標高差1000m近くあるので、そこそこハードな登山が楽しめます。

 

朝8:35奥多摩発(鴨沢西行き)のバスに乗って、小河内神社BSで降車。ここが登山のスタート地点となります。

 

自分と一緒に高校生くらいの集団が降りました。ここで降りない人たちは雲取山でしょうか・・・?

 

バスを降りると目の前に広がるのが奥多摩湖と通称「ドラム缶橋」。この橋を渡った先に登山口が待ち構えています。

※このドラム缶橋は通行できるか事前に確認しておく必要があります。去年のこの時期は湖の渇水で通行止めになっていたそうですが、今年は大丈夫とのこと。

 

階段を降りてドラム缶橋へ。この橋、結構長くて地味に面白かったです。途中で釣りをしている人もいました。

 

向こう岸に着いたらいったん登って舗装道へ。まだここは登山道ではありません。

自分がこちら側に来た時に橋を振り返ったら、まだ高校生たちはバス停にいました。若さゆえの余裕ってやつですかね。(その後も結局、あの高校生たちと会うことはなかったなぁ・・・)

 

アスファルト道へ出たら右へしばらく進みます。

そういえば、バスの中で1つ珍しいことがありました。奥多摩湖BSに差し掛かるところで、運転手がいきなり減速して「みなさん、カモシカがいますよ」と。あいにく自分の座席とは逆だったので見ることはできなかったですが、どうやら子どものカモシカだったようです。奥多摩にもいるんですね、カモシカ。

 

初めてカモシカに出会えるかも!、と期待して歩を進めていると・・・

 

猿がいました。野生のサルです。しかも1,2頭ではなく、20匹近くの大群でした。前後に自分以外誰もいないので、流石にちょっとビビりました。(あの高校生たちと一緒に来ればよかった・・・汗)

・・・が、人間に慣れているのか自分に全く興味がないのか、ほとんど見向きすらされませんでした。(これはこれで拍子抜け、、ってか何か悔しい!)

一応オレンジのアウター着てるし、サルたちの目に入っているはずなんだけどな~。

 

、、などといろいろありましたが、無事に登山口に到着。こちらが登山口です。アスファルト道が思いのほか長かったので、何回か地図を確認してしまいました。

 

山頂まではおよそ1000m。さっそく急な上り坂から始まります。ここに来るとサルの鳴き声も聞こえなくなったので、一安心。

 

しばらく行くと雪登場。このあたりはまだ標高が低いので、ベチョベチョの湿り雪といった感じ。

 

最初のチェックポイントであるイヨ山までは、特に面白いことはなし。湿った雪道をひたすら登ります。曇っていて寒そうに見えますが、登りが続くのでかなり汗だく。。

 

1時間ほどでイヨ山到着。標識があるだけの場所です。

 

先週の北横岳で消化し損ねたウイダ~。登山には必需品ですね。序盤でかなり体力を持って行かれたので慌ててチャージ!

 

イヨ山からヌカザス山まではアップダウンがあります。このコースで一番きついのはおそらくここ。急な上り坂が何個も待ち構えているので、踏ん張りどころです。逆に、ヌカザス山までたどり着ければ、ピークは越えたようなもの。

 

真っ白な曇り空ですが、見方によっては黒と白のシルエットが綺麗で、これはこれで美しい。

 

ヌカザス山が近づくにつれて、雪もどんどん深くなっていきます。

 

イヨ山から40分ほどでヌカザス山に到着。ここで標高は1175m。スタートから山頂までの標高差で言ったら、もう半分は越えてます。(結構疲れた…)

 

ヌカザス山を越えたあたりから、太陽が顔を出しはじめました。ヌカザス山から先で全く疲れを感じなくなったのは、この太陽のおかげだったのかも。

 

木のトンネル。腰を低くして疾走しますw

 

見上げればいつの間にか青空も。俄然、テンション上がる↑

 

山頂が近づくにつれて、雪もかなり深くなってきます。↑こんな感じ。場所によってはひざ下まで雪が積もってます。

 

ここ2,3日雪が降ったようで、木の積もり様からもその量がわかりますね。

雪の後を狙ってきた登山ですが、まさかこれほどまで積もってるとは思わず、うれしい誤算。奥多摩でこれほどの雪山が体験できるとは思いませんでした。

 

こちらのコースは人気がないのか、雪もあまり踏まれていなくてフカフカの新雪を一人猛ダッシュ!枝に積もった雪が崩れ落ちて何度か雪をかぶったりしましたが、それはそれで楽しい。(たまに痛いくらいの量が降ってきましたが。。。)

 

そんな感じで、ヌカザス山以降一人はしゃぎながら進んでいたら、いつの間にか山頂についてました。

 

こちらが三頭山山頂。三頭というだけあって頂上は3つありますが、山頂といったら大抵はこの西峰を指します。

 

山頂はそこそこ広くてベンチも何個か置いてあります。日曜なのでたくさん人がいるかと思いきや、山頂にいたのは3,4人ほどでした。

 

この西峰からは富士山が綺麗に見えると書いてある。・・・なるほど、それは素晴らしい!

ということで、いざそちらに目を向けると・・・

 

・・・ですよね~(笑)

富士山の「ふ」どころか近隣の山も見えません。。時々青空が覗くのですが、それは自分の真上なので、今日は展望は諦めたほうが良さそう。。

 

景色は残念でしたが、ここまで来るのにガッツリ雪山を登れたのでひとまず満足。風もなく穏やかな中でお昼ご飯を食べましたが、あまりやることがないので早々に出発。

 

向かうべきは避難小屋方面なのですが、せっかくなので中央峰、東峰にも行ってみることに。

 

こちらが中央峰。西峰から徒歩5分。

 

こちらが東峰。中央峰から徒歩30秒。

どちらも展望もなく、西峰に比べてあまりにやる気のない山頂。。とりあえず通過するだけといった感じですが、

 

東峰のすぐ脇に展望台があります。運よく、真上にはうっすら青空が見え始めたころ!

これは、もしかして・・・!!と思い、足を運んでみると・・・

 

惨敗。。。これ以上ない見事なくらい真っ白です。

三頭山「雪山用意してやったから、展望諦めろ」、、、とでも言われたような感じ。

 

仕方ないので、下に貼ってあった展望写真を見て、その気分に浸る。(何だ、この敗北感は・・・)

本来ならこの展望台から、奥多摩三山の残り2つが見渡せるようです。

 

写真と想像で景観を楽しんだところで、下山開始。当初の予定では西原峠まで行って沖の平BSに降りるルートを考えていたので、そちらに向かいます。

 

こちらは多少踏み固められていましたが、それでもフカフカな雪道。凍結した場所はなさそうなので、下りもアイゼンつけないで問題なさそう。

 

途中の分岐点、ムシカリ峠に到着。ここから西原峠方面へ進む予定でしたが、看板の「三頭大滝」の文字を見て心が揺れました。せっかく来たのだから三頭大滝も見たい!・・・だけどこちらに進んでしまうと、すぐにバス停にたどり着いてしまう。。。

結構悩みましたが、ここは初めて来たということで三頭大滝を見て帰ることに。進路を変更して都民の森を目指します。

 

こちらの道に入ると霧が出てきました。ここは本当に東京か!?と思わせるような雪景色。

 

風が全くなく、恐ろしいほどの静寂な世界。写真で見るとちょっと不気味な感じがしますが、実際にその場に立つと静かで幻想的でかなりリラックスできます。

 

滝に向かっているだけあって、途中から川が流れ始めます。何度か渡りながら進むと、

 

割としっかりした登山道になります。・・・人の話し声がチラホラ聞こえてきて、正直若干嫌な予感がしましたが、、

 

車&工事中のオッチャン達。静寂な世界から一気に現実に引き戻される瞬間です。(勘弁してくれ~)

 

現実に引き戻されましたが、雪景色の中、突如現れた吊り橋にまたメルヘンの世界に逆戻り。この景色は素晴らしい!

 

この吊り橋は滝見橋。その名の通り、三頭大滝を拝められる橋です。

進んでいくと・・・

 

三頭大滝がお目見え。落差約33mと、想像以上に大きい滝でした。これは一見の価値ありだと思います。(横の写真じゃ全貌が入りきらなかったですね。。)

 

滝を見たら、もう後はすることなし。都民の森を目指します。この道は周回コースとなっているようで、団体客と何度もすれ違ったり、車が横を通り抜けたりと、ハイカー姿の自分が浮く存在になりつつある場所でした。

 

ただ、最後の最後で展望スポットがあり、そこからの眺めはなかなかでした。こうしてみると、ここ数日で結構雪が降ったんですね。

 

こうして都民の森に到着。登りの時間を考えたら、あっという間の下山完了でしたが、この時点でまだ標高1000m以上あるんだから納得。400m程度しか降りて来てないんですね。

 

この日は天気があまり良くないためか、都民の森も閑散としてました。適当に都民の森を散策して、バス停へ。

 

こちらが駐車場&バス停。閑散としていた割に、ツアーバスや車が結構止まっていました。

 

予定コースが変更になったので、バスの時間がわからなかったですが、運のいいことにちょうど出発間際の14:11のバスがありました。

 

今日は流石に炭酸よりも暖かい飲み物がほしかったので、慌ててホットレモンティーを買ってバス乗車。

都民の森から数馬までの連絡バスは無料です。数馬までは10分ほど。

 

数馬に着くと、いい感じで武蔵五日市駅行きのバスに接続してくれます。ここでバスを乗り換えて武蔵五日市駅へ。どちらもバスは空いていて余裕で座れました。

数馬から武蔵五日市駅までは約1時間(910円)

 

こうして15時半ごろに武蔵五日市駅へ。別にバカにしているわけじゃないですが、武蔵五日市駅が思ったよりも立派でちょっと驚き。

 

当初の予定とは違い、都民の森を経由したので大幅なコース短縮となりましたが、無事に帰途へ。

 

三頭山も制して、これでようやく奥多摩三山制覇!去年の5月に御前山を登ったので、10ヶ月費やしての達成となりました。

あくまで個人的な感想ですが、つらさ的には「大岳山<三頭山<御前山」だったと思います。御前山に登った時はまだ歩きなれていなかったというのもあるし、季節やコースの関係もあるので一概には言えないですが、御前山の急坂が一番つらかった印象があります。それだけに、今のレベルでもう一度御前山を登ってやりたいという気持ちもありますがw

 

雪山を狙って挑んだ三頭山ですが、期待以上に積もっていて本当に面白い登山となりました!奥多摩でこれだけの雪山に出会えたことは、ある意味で運がよかったと思います。展望は残念でしたが、今回はガッツリ雪山に登れたってことで満足でした。

 

帰り際にもまた雪が降り始めたので、もうしばらくは奥多摩周辺でも雪山が楽しめるのではないでしょうか?

これがラストチャンスかもしれないので、雪山登り足りない人はお早めに行ってみてください。

 

 

 

 

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