守屋山 雪山ハイキング 八ヶ岳にほど近い南アルプス最北端の展望の山 

守屋山 雪山ハイキング 八ヶ岳にほど近い南アルプス最北端の展望の山 

南アルプス最北端に位置する標高1651mの守屋山(もりやさん)へ登ってきました。

諏訪湖の近くにそびえるこの山は、北アルプス、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳といった有名山域を一望できる、絶好の展望スポット。登山時間もそこまでかからず、危険個所もないので、1年中登ることができます。冬は初心者を連れての雪山ハイキングにも最適で、隠れた穴場だと思います。

まだ雪がたっぷり残る3月。天気も安定して春の兆しも感じる陽気の中、のんびりと登ってきました。開けた山頂からの贅沢すぎる展望が印象的で、もっと有名になってもおかしくない山だと思う。

ここもまたお勧めしたい初級向け雪山の1つです。

 

絶好の展望台、雪の守屋山―――

 


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昨年の山行記録ですが、1つおすすめの山を見つけたのでご紹介しておきます。

八ヶ岳近くにそびえる標高1651mの守屋山

 

あまり有名な山ではないかもしれないですが、”花の百名山”、”展望の山百選”に選ばれている山で、さらには”南アルプスの最北端”という肩書を持つこともあります。

南アルプスの最北端というと、入笠山だと思っていたんだけど、この山を指す場合もあるらしく、実は隠れたブランド力を秘めている守屋山。

 

地図上で見ると、こんな場所にあります↓

入笠山よりもさらに北。もう南アルプスというよりは、限りなく八ヶ岳エリアに近い位置にあります。山と高原地図だとこの山のルートは載っていないのだけど、こうして地図上には明記されているので、その存在だけ少し気になっていたお山。

調べてみたら、山頂からの展望はかなり良いというなかなかの評判。

 

南アルプス、八ヶ岳、北アルプスがこの山の周囲を取り囲むようにそびえているので、展望は確かに期待できそう。

 

そんなわけで、昨年の3月中旬に登ってきました。

結果的に言えば、のんびり雪山ハイキングにはうってつけの山。展望はもう言うことなしだし、雪もたっぷりあってかなり遊べました。雪山初心者を連れていくにも十分適している山だと思います。

 

~~ 2015年3月15日 冬の守屋山 雪山登山 ~~

地図を眺めていて自分の全く知らない山を探り当てるのは、名峰に登るのとはまた違った喜びがある。守屋山を見つけた時もそんな感じでした。雑誌に載るような有名店じゃないけど、地元の人しか知らないような安くて旨い定食屋ってたまにあるでしょ。あんな感じ。

 

この山に登るには都内からでも朝発で十分間に合う。現地に近づくにつれて八ヶ岳が空に浮かぶように大きく見えてきた。この付近に登りに来るときは夜発が多いから、行きの高速道路から山を眺めるっていうのは少し新鮮。

今年は暖冬で雪が驚異的に少ない八ヶ岳。今年もこれくらい真っ白くなってほしいものです……

 

朝9時30分、杖突峠(つえつきとうげ)の無料駐車場に到着。ここが守屋山の登山口。意外と車が停まってたし、大型バスも停まってたのには少し驚いた。

マイナーな山を見つけてちゃったぜ!とか思ってたけど、意外と有名だったのなら恥ずかしすぎる(笑)

 

登山口の目印となるのが、この発電所の巨大ソーラーパネル。これがあるってことは、ここら辺の晴天率が高いってことですよ(たぶん)。

この日も都内を出発したときは曇ってたんだけど、長野県に入ったら青空広がってました。順調に発電できているようで何より。

 

巨大ソーラーパネルの脇に登山口があります。標識はしっかりと書かれているので、登山口についてしまえば後は迷うことはないかと思います。

守屋山の登山ルートは大きく2つあって、杖突峠コース立石コース。立石コースは奇岩が点在する岩巡りコースになっています。今回は杖突峠コースから登って立石コースで降りる周回ルートにしました。下山口が少し違いますが、国道を数分歩けば戻ってこれるので十分周回できます。

 

9時半過ぎに登山開始。この杖突峠がすでに標高1247mあります。山頂が1651mなので、400mほどの高低差。雪山ハイキングにはこれくらいがちょうどいい。普通に歩けば2時間かからずに山頂に到着できます。

 

登山脇にあったコテージのような円形の建物。

 

登りで歩くのは座禅草コース。杖突峠からスタートするこのコースが守屋山では最も一般的なルートだと思います。

 

 

登山道の木道にもたっぷり雪が積もってる。

この木道脇に、春になるとコースの名前にもなっている座禅草(ザゼンソウ)が咲くそうです。時期はだいたい4月から5月。この座禅草のおかげで、守屋山は「花の百名山」にも選ばれている山。隠れたブランド力あります。

 

守屋山登山道入り口。横にはキャンプ場もありました。

大きな標識に山火事注意の赤い幟もあって、なかなか華やかに出迎えてくれます。

 

花の百名山ということで、ザゼンソウ以外にもたくさんの植物がみられるそうで。今回は雪山ハイキングとして勧めるけど、春先ものんびり歩くには面白そう。

 

アーチをくぐって登山道へ。ここから登りになりますが、最初はやや急斜面。

 

降雪直後ならラッセルの良い練習にもなりそうな斜面。余程の大雪でもなければ軽アイゼンだけで十分だと思います。

 

急登が続くわけではなく、こんな感じの気持ちのいい尾根道もあります。

かなり歩きやすい。

 

登ったり平坦な尾根を歩いたり。今は雪道が埋まっているけど、雪がない時期だと1ヶ所だけ鎖場もあるようです。

 

この守屋山に登ったのは2015年3月15日。時系列で言うと、この1週間前に鳥取まで遠征してあの伯耆大山へ登った頃。大山でこの年の雪山はだいたい満足したので、これくらいの雪山ハイキングがちょうどよかったです。

 

 

何度かの登りを終えると山頂まで延びる主尾根に出る。

 

この尾根を辿っていけば早くもピークに到着します。登り始めて1時間ちょっと。

ゆっくり歩いても2時間あれば到着できる距離です。

 

10時45分、守屋山山頂に到着。守屋山は双耳峰になっていて、西峰と東峰があります。こちらは東峰

山頂はそれほど広くはないけど、ご覧のように360度のパノラマ展望。眺めは近隣の名峰に劣らぬ一級品。

 

まず、ひときわ真っ白に見えるのが北アルプス。守屋山自体は南アルプスに区分されていながらも最北端に位置しているので、北アルプスも限りなく近い。肉眼でも槍ヶ岳の角を容易に捉えることができました。

 

左奥に見えるのは乗鞍岳。この2週間後にあの山へ登りに行くことになりました。

 

こちらは登ってきた尾根道。奥に見えているのは八ヶ岳の山々。蓼科山から赤岳まで横一列に並んでます。

距離としてはこの八ヶ岳が一番近いので、守屋山は何となく八ヶ岳にグループ分けしたくなる。

 

山肌の白さで目を引いたのは霧ヶ峰かな。この2か月前に美ヶ原のスノーシューハイクをしたけど、なかなか広大な雪原で面白かったので、冬の霧ヶ峰もぜひ歩いてみたいところ。

 

こちらは南アルプス三銃士。左から甲斐駒ヶ岳、北岳、仙丈ヶ岳。南アルプスの中でも比較的簡単にアプローチできるあたり、人気トップ3はおそらくこのお三方なんだろうなと勝手に思ってる。

このうち、雪の時期に登ってみたいと思っているのは仙丈ヶ岳。いつか無事に登って山レポ書ける日が来ればと思ってます。

 

北、南と続くからにはもちろん中央アルプスもバッチリ!

右の真っ白な山が、前回のレポで語った木曽駒ヶ岳。木曽駒ヶ岳は去年の冬はロープウェイの(倒木による)事故があって、冬のシーズン中はずっと運休。この守屋山を登っている時には「今年はロープウェイ動かなくて登れなかったぜ……」って悔しがってたけど、2015年最後に登れるとは思ってもみなかった。巡り合わせってのはわからんもんですな。

 

期待はしていたけど、この山頂からの展望が見事すぎたのでパノラマ写真載せておきます。まさにアルプス&八ヶ岳の展望デッキでした。

 

八ヶ岳方面

 

北アルプス

 

ひとしきり展望を楽しんで、次に向かうのは本当のピーク、西峰。右奥の真っ白な丘がその山頂で、東峰より20m高い標高になります。

 

そう思って、西峰に歩みを進めようと思ったら……

 

 

おっ!?

なんともかわいいワンコ登場!雪山がよく似合う柴犬じゃないか~

右から登ってくる方が飼い主。先にせっせと登って、ご主人が登ってくるのを律儀に待っていました。

 

柴犬はホント吠えないし穏やかですね。くるんとしたしっぽがかわいい (^q^)

寒そうな素振りも見せずに雪山ハイク楽しんでました。息も全く乱さず疲れを感じさせない健脚っぷりも見事!

 

柴犬のぷりっケツと北アルプス。

雪と柴犬のモフモフコラボは最強です!

 

暖かい陽気は春の訪れも感じさせる。この後にもまだ乗鞍岳の雪山登山には登ったけど、標高の低い山ではもう冬が終わりを迎えようとしてました。

 

守屋神社奥宮の祠。この山は山岳信仰の結びつきも強く、麓の諏訪大社と関りも深いので、調べてみると面白いかも。

 

柴犬のご登場もあって東峰で結構時間つぶしたけど、いよいよ西峰へ。守屋山の最高地点はあちらになります。

 

西峰までは気持ちのいい雪の稜線。ピンクテープも親切なほどについています。

 

途中にあったのがカモシカ岩。雪で埋まっているので岩がどこかはわからないけど、この場所によくカモシカが現れるようです。

 

西峰山頂手前に建っていたのが、このラビットハウス。 右のウサギのイラストが愛くるしい。

建物は小さいしトイレとかもないけど、数人休憩できるスペースになってます。この日は先客がいたので、特に入ることもなく山頂へ。

 

11時20分、守屋山山頂・西峰に到着。こんもりした丘の頂です。

標識に書いてあるけど、「日本展望の山 100山」と謳うほどの展望に優れた山。実際にこの山から、好条件であれば日本百名山が30以上も見れるそうです。

 

展望は東峰とそこまで変わらないけど、相変わらずの絶景。眼下には諏訪湖も見えます。

ここからの夜景も綺麗そう。

 

西峰から先ほどいた東峰。森林限界を超える高さではないけど、どちらのピークも360度の展望が見れるあたりは、さすが展望の山という感じ。

 

西峰で標識撮っていたら、いつの間にか柴犬くんも登頂を果たしてました。

しれっと黄昏ポーズを決めるあたりが憎めない(笑)

 

団体さんが続々と登ってきたので、西峰ピークでは軽く展望を見て、ラビットハウスの手前でお昼休憩としました。

一見すると展望のいい西峰に見えますが、これは雪の力があってこそで、無雪期は西峰よりも東峰のほうが展望が良いそうです。こんもり積もった雪を消し去ってみると、確かに西峰は周りの樹木に視界を奪われていそう。

こういうところも冬山ならではの特典。

 

下山は立石コースへ。まずはいったん東峰まで戻ります。

街から近いのもあって、地元の人にとっては里山感覚で登れるみたい。もう何十回と登っている方もおりました。こういう山が近場にほしいです…

 

東峰からの中央アルプス。中央アルプスも驚くほど近かった。

 

 

周囲の展望に別れを告げて再び樹林帯へ。しばらく歩くと分岐があるので、今度は登ってきた道とは違うルートへ行きます。

帰りにも結構人とすれ違って、思っていたよりも登山客が多かったです。

 

東峰の手前に分岐があるので、そこを立石コースへ。トレースバッチリついていたのでわかりやすかったです。

 

 

分岐のすぐ先が真っすぐに延びた急坂。クネクネと蛇行して降りていく。

スキー場の斜面のようにここだけ雪の滑走路が敷かれてた。

 

胸突き八丁という名前がついているこの急坂。登るのは結構しんどそうで、途中にはこんな励ましのお言葉も。

 

坂を下りたところが一休平という休憩ポイント。少し行った先に前嶽というピークがあるけど、特に立ち寄る必要はないかと思います。

 

数分の距離だったので行ってみたけど、こんな感じの展望ない場所でした。

 

一休平から先へ。ここから先が立石コースの見所ゾーンになります。

 

まずあったのは浅間の滝。たいした大きさではないけど、岩肌に流れる水が凍って軽い氷瀑になっていました。

 

次のポイントは石畳岩。目の前が開けた展望デッキになっています。

 

なかなかいい眺め。南アルプス方面の展望が見渡せます。

 

ここから先はお岩巡り。まずは鬼ヶ城。巨岩の脇を通っていきます。

 

夫婦岩

 

平成のビーナス!突然の横文字、どうした(笑)

平成というのは良くわからないけど、樹木が上に向かって手を広げているように見えたあたりにビーナス感はありました。

 

立石。コースの名前にもなっている岩で、祈りをささげるものらしい。

 

確か小さい石を投げて、見事岩の上に着地させてから祈るんだった。

岩の間は崖になっているので、あまり近づきすぎないように注意。

 

途中、いくつか省略したけど、岩巡りコースはこんな感じのラインナップになってます。平成のビーナスだけが、やはり少し異質だな。

 

 

こうしてあっという間に登山口に降りてきました。

国道に出たら左に歩いて行って、最初の駐車場まで戻ります。徒歩15分くらい。

 

最初に見た巨大ソーラーパネルが見えてきたら今日の山登りもおしまい。朝遅くに登り始めて昼過ぎに下山という、のんびりモードの雪山ハイキングでした。

 

帰りの中央道からも見れた八ヶ岳。今年は1月になってもまだ全然雪が積もってないけど、たくさん降って冬の八ヶ岳もまた登ってみたいものです。

 

そんな思いも抱きつつ、サクッとご紹介してみた昨年冬の守屋山。

がっつり雪山登山には物足りないけど、雪山初心者を連れて行ったり、のんびり軽アイゼンで雪と戯れるには最適な山だと思います。八ヶ岳やアルプスに登るつもりだったけど、寝坊して登れなくなった……とか、天気が午前中しか持ちそうにない……とか。そんな時の代替案にもいいかも。

 

展望はとにかく一級品!立地が良すぎます。南・中央・北アルプス、八ヶ岳から離れすぎず近すぎず、360℃名峰たちに囲まれていました。展望の良さと雪山でも手軽に登れるあたりは、入笠山に近いものがあると思います。

 

この守屋山、地図にもルートが記載されない陰に隠れた山だけども、良い山だったのでぜひ名前は覚えて帰ってね(笑)

花の百名山にも選定されているので、雪のない時期でも楽しめそうです。

 

以上、展望と可愛い柴犬が印象的な守屋山でした。

 

少し短いけど、今回はこれでおしまい。

 

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【日程】

2015年3月15日 快晴

【コースタイム】

杖突峠駐車場(9:30) — 守屋山・東峰(10:40~11:00) — 守屋山・西峰(11:20~12:00) — 立石コース分岐(12:30) — 立石(13:20) — 杖突峠駐車場(14:00)

 

 

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