奥大日岳(北アルプス) テント泊登山 ~~立山と剱岳の大展望~~

奥大日岳(北アルプス) テント泊登山 ~~立山と剱岳の大展望~~

剱岳編の続き)

前回の剱岳を終えた後の話です。割とスムーズに剱岳を登れたので、有り余った時間でその日のうちに奥大日岳も登ってきました。

立山、剱岳と登って、正直”おまけ”程度の感覚で登るつもりだったんだけど、これが意外や意外に大ヒットの山でした。山頂そのものよりも、そこに至るまでの穏やかな稜線と室堂一帯の展望が素晴らしく、とても気持ちよく歩けました。

山頂からの剱岳の展望と夕日で真っ赤に染まった立山、2泊3日の山旅の締めとして、最後に良いもの見させてもらいました。

 

旅の締め、奥大日岳から見た立山アーベントロート―――

 


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立山~剱岳の縦走記録も今回で終わり。最後は奥大日岳です。

剱岳に登って降りてきたのが午前10時すぎ。渋滞も覚悟で昼過ぎになるかもと思っていたけど、予定よりも早くテント場に戻ってこれたので、その日のうちに奥大日岳も登ることにしました。

ネームバリューでは立山、剱岳に劣るけど、次にまた登りたいと強く思えたのは、この奥大日岳だったな。コースタイムも登り3時間弱と、手軽なトレッキングとしてはちょうど良いレベル。奥大日岳、室堂にお越しの際はぜひ登ってみてくだされ。

 

~~ 2日目の後編、奥大日岳 ~~

まずは前回の続き、剱岳下山後の剱澤キャンプ場からスタートね。

 

10時すぎの静かなキャンプ場。この日も日中は夏の陽気で、テントの中は覚悟していた通りサウナ状態でした。。。

のどもカラッカラだったので、水浴びしつつしばらく休憩。

 

お昼ご飯も食べてゆっくりテント撤収。11時を過ぎると続々とテント担いだ登山客がやってきたので、11時半前に出発。1日しかいなかったけど、水も豊富で剱岳の展望も抜群。とても快適なキャンプ場でした。

名残惜しいけど先へ進む。

 

帰りは別山方面ではなく、剱御前小舎への坂を登っていきます。

降りて来る人だらけで登っているのは自分くらいだったけど、ここでちょっとした出会いが……。

すれ違う中にどこか見覚えのあるカープのユニフォームを着たハイカー発見。恐る恐る声をかけてみると、、、昨年の夏の白馬岳登山で隣にテントを張っていて、おしゃべりさせてもらった方でした!1年ぶりの再会。山での出会いっていいもんですな!

 

そんな素敵な出会いもありつつ、斜面を登って剱御前小舎へ。1人で歩いていると結構声かけられるもんで、「剱岳どうでした?」とか「天気良かったんじゃない?」とかすれ違いを待つ間にいろいろとお話し。名前もわからない相手だけど、人見知りな自分でも山なら不思議と話が弾む(笑)

 

小屋からの眺め。右に見えるのが大日三山と呼ばれる山々で、手前がこれから登ろうとしてる奥大日岳。ここから稜線伝いに歩けるけど、そこそこの登り返し。。。

本当ならこのまま奥大日岳へ直行するつもりだったけど、ふと室堂方面を見てみると、、、

 

真下に雷鳥沢キャンプ場。今年5月、自身初の雪上テント泊をした場所。

良く見りゃ、すでにテントが結構張られてる。12時の時点でこれだから、夕方になるとかなり混みそう、、、。3連休の中日だし当然っちゃ当然か。

 

このまま奥大日岳に登ってテント場に行くか、先にテント場に行くか。

身体と相談してみたら、暑さで早くもテントの重さに悲鳴あげてたので、、、

 

雷鳥坂を下ってテント場へ直行。荷物を置いてから奥大日岳に登った方が楽だもんね。もう、去年みたいに重いの背負ってなんて歩けないわ。。。

この雷鳥坂が意外や意外に急で、登ってくる人みんな息上がってた。。自分もガレ場を滑らないように注意してたから、結構疲れる。。この坂、なかなか侮れないですぜ!

 

昼の太陽がダイレクトに照りつけて、体感温度はもう完全に真夏日。。9月下旬とは思えんな。

でも展望は最高!この日も立山は青空の下、映えてました。

 

麓を見ると、紅葉もボチボチ始まってました。まだ緑が多いですが、実際に近づいてみると、、

 

色とりどりの紅葉、かなり綺麗でした!この翌週当たりから見ごろになったみたい。

 

下から見るとこんな感じ。標高差はそんなにないと思ってたのに、結構疲れた。地図にも書いてあるけど、浮石多いのも要注意。

あの上まで登れば正面に剱岳というご褒美が待ってるってわけよ。

 

川を渡って雷鳥沢キャンプ場へ。奥に見えるのが最初に登った浄土山。あの山も、なかなかよかった。

 

13時、雷鳥沢キャンプ場に到着。上で見た時よりもさらにテントが増えてる感じがしたけど、ここのキャンプ場はとにかく広い!!立山の直下にあるキャンプ場、ロケーションは言うことなし。大自然を堪能できます。

ちなみに、積雪時はこんな感じ↓

雪の時期でもこれだけのテントの数。ここがいかに人気でアクセスしやすいキャンプ場かがわかるな。

場所もまだ余裕で確保できて、テント設営。帰りが遅くなりそうだったので、端っこにひっそりと建ててみた。

 

時刻はまだ14時前。まだまだ歩ける時間なので、予定通り奥大日岳へ。川沿いをしばらく歩いて正面の山を目指す。

 

川沿いから木道に入って、稜線まで登る。

この木道が本当に歩きやすかったよ。いたって普通の道だけど、これまでがずっとガレ場続きだったんで、膝に優しいのなんのって…。人も少なく、のどかな道でした。

 

ここからの展望もまた抜群。特に目につくのが噴煙あげる地獄谷。室堂の展望デッキよりこちらの方がはるかに良く見れます。地獄谷のビュースポットとしてもオススメ。

 

稜線に出たらしばし平坦な道。今回の山旅の中で、自分好みのハイクができたのがこの奥大日岳でした。剱岳とはまるで正反対の平和な登山道。だから余計にリフレッシュてきたのかもしれんね。

 

稜線に出ると剱岳も再び登場。

そういえば、この連休の前後に山友さんも何人か剱岳に登ってたんだけど、みんな無事に登頂できたようで。よかったよかった。

 

稜線上も紅葉がチラホラ。右奥の奥大日岳まで距離はそこそこありそうだけど、手前のピークなどは巻けるのでアップダウンもそんなに多くはないです。

 

周囲の展望が良すぎなので、ゆっくり立ち止まっては振り返る。正面に立山、地獄谷に歩いてきた尾根道。

 

奥大日岳までは危険個所は全くなし。登山道もよく整備されているので、ホテルに泊まった観光客でも、多少頑張れば十分登れる山だと思います。

実際、ラフな格好をした方ともすれ違いました。

 

奥大日岳。手前が山頂だと思ったけど、実は立ち入り禁止になっていて、本当の山頂は左奥のボコッと飛び出た部分。お間違えのないように。

 

室堂方面。削られた大地、その上に走っているのが立山道路。富山側からのアルペンルートです。遠くに霞む薬師岳も幻想的。見るもの全てが感動する。

 

登りも荷物が軽いので、かなり楽チン。時間帯が遅いからか、すれ違う人が多少いる程度で、本当に静かな道でした。立山、剱岳は前後に登山客がいる状況だったから、まるで雰囲気が違う。

 

山頂の稜線に出た。ピークだと思っていた方面はこんな感じで立ち入り禁止マークが。山頂はもう少し先。稜線沿いにしばらく歩いて行けば着きます。

 

稜線をさらに先へ。この時間帯だけ、ちょっと雲出ました。

 

15時半、あっという間に山頂。岩場の狭い山頂でしたが、剱岳方面の展望がすごかったです。

 

雲の上に浮かぶ岩の殿堂、剱岳。登りはじめはまるでなかった雲が、この時だけ湧いてきました。これはこれで絵になる。

ここからのアングルだと、剱岳が文字通り剣のように尖って見えます。別山や剱澤キャンプ場からだともう少し丸っこく見えたから、本当の剱岳の姿はこれなのかも。天を貫く剣のいでたち、カッコ良すぎでした!

 

山頂にいたのは10分ほど。大日岳の方面は少し粘ったけど、結局雲が取れなかったので引き返すことに。

 

来た道をそのまま戻る。16時近いので、この時間になるとほとんど人もおらず、前方に一人歩いているくらいでした。

 

少しすると、雲も全て取れて再び剱岳。遠目でもよくわかる岩の山。

 

剱岳と別山。

 

立山と浄土山。手前に地獄谷。

奥大日岳に登れば、こんな風景を見ながら帰ることができます。まさに展望の山。個人的には、登るのであれば立山よりも奥大日岳のほうがオススメです。

 

16時を過ぎると陽もだいぶ傾いてきた。紅葉とまではいかないけど、早秋の風景が広がっててよかったよ。

 

誰もいない稜線。立山・剱岳では味わえなかった静けさ。

 

あたりの草原が黄金色に染まり始めて、すごい綺麗でした。

せっかくなので、この木道で夕日を待つことに。

 

木道に座って眺める立山。紅葉が燃えるように赤く、白い立山の山肌が黄色く輝き始めた。

 

17時20分、日没の瞬間。

 

立山のアーベンロート。

夕焼けで山が赤く染まる現象。夕焼けまでしっかり見れた山行は久しぶりで、今回の旅で一番感動した風景。最後に素晴らしいものに出会えました。

 

17:40、テント場に戻る。4時半から剱岳に登ったことを考えると、十分歩き楽しんだ1日でした。行動中、テントもほとんど置いて歩けたので、疲れもそんなになかったです。のんびりした登山で終わったけど、すごい充実感。

 

この日は雷鳥沢キャンプ場に1泊して、翌日は帰るだけに。夜の冷え込みもそこまでなく、快適に寝つけましたとさ。

 

~~ 3日目 ~~

山登りは2日目で終わったけど、最後にほんの少しだけ3日目を。

 

5時半に起床。テント場でこれほどゆっくりな朝を迎えたのは初めてかもしれない。帰るだけってのは何とも気楽でした。

この日から天候が崩れるって言う予報だったけど、朝の時点ではまだ月も見えるほど晴れてました。

 

ゆっくりテント撤収して、みんなが山へ向かう中、自分は室堂ターミナルへ。観光スポット巡って帰ります。

 

展望台からの地獄谷。周回コースは有毒ガスレベルが危険のため、通行禁止になってました。

 

奥大日岳。手前が雷鳥荘。室堂一帯は遊歩道が敷かれているので、普通の靴でも散策できます。

 

ミクリガ池と水面に映る立山。このミクリガ池のほとりに建つ「みくりが池温泉」は日本最高所(標高2430m)の温泉宿です。

 

標高2500m地点に敷かれた遊歩道。立山、剱岳と日本の名峰が立ち並ぶ山間に手軽に来れる立山黒部アルペンルート。山に登らない人も一度は訪れてみるべき場所だと思います。

 

7:20、スタート地点の室堂バスターミナルに到着。始発のバスが到着する時刻で、どんどん人が流れ出てきました。

帰りの準備をしているとちょうど7時半に臨時便が出るってことなので、それに乗車。次にいつ室堂に来れるかわからないけど、次回来ることがあっても奥大日岳にはまた登りたいと思ってます。

 

ちなみに写真の道は富山側へ抜けるアルペンルート。たぶん一度は写真で見たことがあると思う、「雪の大谷」ができるのがあの道です。

 

少し寂しい気もしないではないけど、登りたい山には一通り登れたので満足!室堂を後にしました。

 

帰りもトロリーバスやロープウェイを乗り継いで扇沢へ。帰りは要所要所の接続が良い上に、早朝なので帰る人も少なくて待ち時間もほとんどなかったです。

 

扇沢駅に到着。帰りのバスもちょうど待機していたので乗車。9時前に扇沢を後にしました。

 

途中の大町温泉郷で降りて、過去に何度も利用した薬師の湯へ。朝風呂、ほぼ貸切状態で最高でした!

 

こうして1時間後のバスに再び乗って、信濃大町駅へ。そこから電車を乗り継いで東京へ帰りました。

 

 

以上、サクッと奥大日岳と3日目の記事でした。立山~剱岳~奥大日岳の縦走記録もこれでラスト。

積雪時の5月に室堂に来た時、今年中に立山・剱岳を登ろうと心に決めてたけど、無事に果たせてよかったです。天気にも恵まれて最後にして最高の夏の思い出となりました。どの山から見る景色もよかったけど、一番楽しめたのは、やっぱり奥大日岳だったかな。立山・剱岳は人が多かったからってのもあるけど、穏やかで静かな稜線をゆったり歩くのは、まさに自分好みでした。夕焼けに赤く染まるアーベンロートも見れたしね。

メインの剱岳も無事に登れたので、今回の山旅は本当に言うことなし!突発で決めた割には上出来の内容でした。

 

ひとまず2013年の夏山シーズンはこれでおしまい。去年に比べたら格段に少ないけど、1つ1つが濃いものだったので、まぁこれでいいのさ。

 

次回からは紅葉登山ね!実はすでに2つほど登り終えてるんだけど、それは追々書いて行こうと思います。

3回にわたり読んでくれた方、コメントくれた方、ありがとうございました!これからもよろしくお願いします。

 

では、また。

 

立山~剱岳~奥大日岳 縦走の旅 (完) ―――

 

 

【参考コースタイム】

2013年9月21日 晴れ時々曇り

剱澤キャンプ場(11:20) — 剱御前小舎(12:00) — 雷鳥沢キャンプ場(13:00) — (幕営) — 出発(13:50) — 新室堂乗越(14:15) — 奥大日岳(15:30) — 新室堂乗越(17:00) — 雷鳥沢キャンプ場(17:40)

 

 

 

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