【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 電車とバスで行く縦走登山

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 電車とバスで行く縦走登山

6月の初夏の季節に御田ノ神湿原〜刈田岳〜熊野岳〜蔵王温泉を電車・バスの公共交通利用で縦走登山してきました。

ワタスゲやチングルマ咲く花の湿原から迫力の火山風景へ。エメラルドグリーンの御釜が綺麗でした。

グリーンエコー号を使えば無料でライザスキー場まで行けます。下山後には温泉も入れて夏の蔵王登山を満喫できました。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

 


最近、ブログの更新が遅れに遅れて、ハロウィンの季節に初夏の登山をアップするという事態になっていますが、気にせず行きます。

6月の蔵王登山です。つい先日、紅葉時期にも蔵王へ繰り出しましたが、これは4ヶ月以上前のお話。

  

2023年6月17日【蔵王】御田ノ神湿原〜刈田岳〜熊野岳 縦走登山

今回で5回目の蔵王登山。

東北の中でもかなりの回数登っているで山となりました。

かみのやま温泉駅

蔵王の良いところは公共交通でのアクセスもしやすい点。

今回利用するのは昨年の雪山シーズンの樹氷登山でも使ったかみのやま温泉駅からの無料シャトルバス。

 

かみのやま温泉駅からグリーンエコー号乗車

その名も「グリーンエコー号」。かみのやま温泉駅から蔵王ライザワールドスキー場まで無料で送迎してくれる神様のようなバスです。

事前予約不要なところも有難いですが、マイクロバス仕様で乗客も割と多く、この日もちょうど満車という状態でした。乗り切れなかった場合にどうなるのかは、いまだにわかってないです。

ちなみに冬の樹氷シーズンは「ホワイトエコー号」と名前を変える、細かいこだわりもあります。

 

グリーンエコー号で刈田駐車場へ

9時半頃にかみのやま温泉駅を発ち、終点の刈田駐車場に着いたのが10時半ごろ。

標高1600mほどに位置する蔵王エコーラインにある大型駐車場です。刈田岳の標高が1757mなので、山頂まで高低差200mを切っているというゴール間近という場所。

楽ちん登山です。

 

【蔵王】御田ノ神湿原入口

刈田岳は目の前ですがすぐには向かわず、まずは刈田駐車場から少し戻ったところにあるこちらへ。

ここが今回の目的地でもある「御田ノ神湿原」入口です。

 

【蔵王】御田ノ神湿原の木道と雲海

こんな感じで、刈田岳山頂直下の懐に木道敷かれた湿原エリアが広がっています。山の上なので見渡す奥は雲海。まさに雲上の楽園です。

6月の初夏の季節は、ここが高山植物の最盛期を迎える頃。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

【蔵王】御田ノ神湿原のワタスゲ

お目当ては、このワタスゲちゃん。

6月に猛烈に見たくなる花の1つです。ホワホワした姿が美しく、耳かきを彷彿とさせる見た目ですね。

 

【蔵王】御田ノ神湿原 木道わきのワタスゲの群生

【蔵王】御田ノ神湿原のワタスゲ 湿原ハイキング

こんな感じで木道わきにたくさん咲いています。

ワタスゲの名所は全国にいくつもありますが、ここ御田ノ神湿原もその1つ。初めて訪れましたが、見事な群生っぷりでした。

 

【蔵王】御田ノ神湿原・ワタスゲの群生

雨上がりだったので、ホワホワせずに艶やかな髪質のワタスゲも結構ありました。

寝ぐせみたいで可愛いです。

 

【蔵王】御田ノ神湿原の木道から眺める刈田岳

木道は周回できるようになっているので、ぐるりとのんびり1周。

奥に見えている平らな山が刈田岳。ここから見るとあんまり火山という感じがしないですが、あの裏側は別世界です。

 

この御田ノ神湿原も湿原として歩いたのは初めてですが、雪山の時期には毎回足を踏み入れていて、それはそれは全く違った景色が広がっております。

 

冬の蔵王 樹氷・スノーモンスター雪山登山 広大な雪原

2022/3/4【東北】蔵王 樹氷・スノーモンスター雪山登山

 

冬に訪れたら一面白銀の雪原。

なるほど、雪の下にはこういう水と花が豊かな湿原が広がっていたんだな、と5回目の蔵王登山で初めて知りました。

 

蔵王ライザワールドスキー場から眺める樹氷・スノーモンスター

冬の蔵王は樹氷のメッカ。

雪の偉大なモニュメントを拝める凄い場所なので、良ければ雪のシーズンにも訪れてみてください。

 

【蔵王】御田ノ神湿原のチングルマ

湿原にはワタスゲ以外にも高山植物が咲いていて、チングルマの群生もそこら中に見ることができます。

 

【蔵王】御田ノ神湿原のヒナザクラ

こちらはヒナザクラ。駐車場に近い場所のエリアでたくさん見ることができました。

 

【蔵王】御田ノ神湿原のコバイケイソウ

こちらはヤングコーン……、ではなくコバイケイソウの子どもたち。

数年に一度開花する花で、2023年は当たり年というわけではなかったようですが、チラホラと見ることができました。

 

【蔵王】御田ノ神湿原・避難小屋

御田ノ神湿原の奥にあるのが避難小屋。この小屋も、冬に訪れると入り口は完全に雪で埋まっていて、屋根あたりがわずかに顔を出す程度です。

ここが湿原の折り返しポイントなので、来た道を戻ります。

 

【蔵王】御田ノ神湿原・ワタスゲのお花畑

ホワホワと咲く白いワタスゲ。

ワタスゲも今年は当たり年という感じではなかったようで、ピーク時はさらに凄い規模の群生になるようです。

ここはチャンスがあれば来年も来よう。

 

【蔵王】御田ノ神湿原から歩いて刈田岳へ

駐車場まで戻って、刈田岳まで短い山登り。

すぐ右横には観光客向けにリフトも用意されていますが、流石にそれを使うと何しに来たんだって話になるので歩いて登ります。

 

【蔵王】刈田岳の遊歩道

稜線に出ると、そこはきっちりと遊歩道が整備された観光エリア。

登山服姿の人よりも普段着の人の方が圧倒的に多いです。

 

【蔵王】刈田岳ハイキング

まずは奥に見えている刈田岳へ。

危険箇所や迷いポイントは皆無です。

 

【蔵王】刈田岳~熊野岳登山

あちらに見えるのは熊野岳。標高1841mで蔵王連峰の最高峰です。

後で行きます。

 

【蔵王】刈田岳~熊野岳登山 エメラルドグリーンの御釜

刈田岳や熊野岳以上に存在感を放つのが、あちらの御釜

エメラルドグリーンの水をたたえる蔵王のシンボルです。

 

【蔵王】刈田岳山頂・蔵王刈田嶺神社の鳥居

刈田岳の山頂に到着。

山頂にあるのが蔵王刈田嶺神社

巨大な鳥居が印象的ですが、この鳥居を見るとどうしても冬のモンスター化した姿を思い出してしまう。

 

冬の蔵王 樹氷・スノーモンスター雪山登山 刈田岳の雪の鳥居

スリムな姿からは一転して、ごっつい筋肉質な鳥居です。

雪をかぶると全く違う姿になるので、ここも樹氷登山と合わせてみてほしいところ。

 

【蔵王】刈田岳山頂

刈田岳山頂はこんな感じで広々としているので、大人数のツアー団体が押し寄せても問題ないキャパシティになっています。

360℃展望が良いので、休憩するにも打ってつけ。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

刈田岳山頂から眺める御釜。

6月でもまだ所々に雪が残っています。

 

【蔵王】刈田岳山頂から眺める南蔵王

こちらは御釜とは反対側の南蔵王エリアの展望。

屛風岳~不忘山へと続く縦走路で、この道は自分もかなり好きでお勧めしたいルートです。

先日の紅葉登山もここを通って蔵王温泉スキー場のドッコ沼まで歩きました。(その記録も後ほどアップしたいと思います)

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

刈田岳山頂から向かい側の熊野岳へ。

観光客でも刈田岳、熊野岳であれば道も整備されて歩きやすいので、双方を登る人が結構います。

登山初心者でも安心して歩ける区間。山登りしたいなぁ~とか言っている友だちがいたら、ここへ連れてくれば山の魅力に取りつかれること間違いなしです。

 

【蔵王】噴火注意喚起の看板

とは言え、ここはれっきとした火山エリア。

噴火の危険がないわけでもなく、道中にはこんな注意喚起の看板がいたるところにあります。

また、場所がら風の通り道なので、夏場でも風が強いと結構寒いです。防寒着はお忘れなく。

 

【蔵王】エメラルドグリーンの御釜(五色沼)

熊野岳へ向かう道中、御釜を間近で見れる場所があるのでぜひ立ち寄ってください。

エメラルドグリーンの美しい御釜。別名「五色沼」とも呼ばれていて、光の加減によってその色彩が様々に変化します。

この日も雲の陰影がちょうどあったので、微妙な色の移り変わりがとても綺麗でした。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

熊野岳までは1時間ほどの稜線ハイク。

横に広く、山の上にいるのを忘れそうになる景観です。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

蔵王の面白いところが景色の変貌が著しいところ。

序盤の湿原や刈田岳あたりは緑も多かったですが、熊野岳に近づくにつれて徐々に荒涼とした火山らしい風景へと変わっていきます。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

刈田岳とは反対側から眺める御釜。

何度見ても飽きない景色、やっぱり蔵王好きです。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

火山帯を歩くとどうしても抱いてしまう「火星っぽい」という印象。

火星のことなんて全然知らないけど、この日もやっぱり火星っぽいと思ってしまいました。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

【蔵王】熊野岳山頂

こうして蔵王の最高峰・熊野岳に到着。

ここからの展望も非常に良いので、ぜひ色々と眺めてみてください。

 

【蔵王】熊野岳から眺める地蔵山

特にここに来るとさらに北側が見えるようになってきます。正面の山が地蔵山

見ての通りあの山も緩やかで登りやすいです。

熊野岳からの下山ルートが岩場エリアなのでそこだけをお気を付けを。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

岩場を下りてきて眺める熊野岳。

山頂の縁が実は切り立った崖になっていたのが、ここに来て初めてわかります。

見る角度によって山の姿が全く異なるのも登山の面白いところ。

 

【蔵王】熊野岳からいろは沼へ

地蔵山に向かう途中で1つの分岐があります。

今日はもう1つ行きたいところがあったので、地蔵岳へは登らずにここを左に進んで行きます。

目指すは「いろは沼」。

 

【蔵王】御田ノ神湿原〜蔵王温泉 ワタスゲ咲く夏の縦走登山(電車・バス利用)

ここは過去に一度も歩いたことがなく、今回初めて歩く区間。

ハートマークの雪渓が印象的でした。

 

【蔵王】いろは沼登山ルート

道は迷うポイントはなかったですが、途中所々ジャングルのような茂みがあったりして、そこまで歩かれているルートではない感じでした。

道中、誰とも会わなくて異様な静けさ。念のための熊鈴をチリンチリン鳴らしながら下山しました。

 

【蔵王】いろは沼登山道から眺める熊野岳

時折開けるポイントから見た熊野岳がカッコ良かったです。

このアングルからの姿は初めて見ました。鷲が羽を広げているようにも見えます。

麓には滝がいくつもあったりして、熊野岳は見る方角によって全然印象違いますね。

 

【蔵王】いろは沼の湿原と木道

こうして分岐から下山すること40分ほど。

突然視界が開けて木道の湿原に出ました。ここが「いろは沼」。

ここも当然ながら初めて訪れた場所です。見ての通り池塘が点在していて、水と緑が豊かな空間。誰もいなくとても静かでした。

 

【蔵王】いろは沼の池塘にいたサンショウウオ

池を良く見るとサンショウウオがたくさん泳いでいました。

水が綺麗な証拠ですかね。

カエルの鳴く声もゲロゲロ聞こえましたが、姿は見えませんでした。

 

【蔵王】いろは沼のタテヤマリンドウの群生

湿原ということで花も豊富。

ここもワタスゲの群生地ではありますが、特に綺麗だったのがタテヤマリンドウ。至る所に群生があって、綺麗な青色の花を咲かせていました。

 

【蔵王】いろは沼

蔵王のいろは沼。ここも初夏の季節は高山植物が咲く素敵な湿原なので、良ければ訪れてみてください。

 

【蔵王】いろは沼からロープウェイ乗り場へ下山

いろは沼からはスキー場のコースを下山して行きます。

スキー場は登るのは大変だけど、下るのは非常に楽。展望も良くて気持ちいいです。

 

【蔵王】蔵王ロープウェイ・樹氷高原駅

蔵王ロープウェイの樹氷高原駅に到着。

蔵王は夏場でもロープウェイを運行してくれているので、ここから文明の利器を使って一気に下山します。

お疲れさまでした。

 

【蔵王】蔵王温泉・新左衛門の湯

下りたところが蔵王温泉。毎度のことながら「新左衛門の湯」で日帰り入浴を楽しんで蔵王縦走登山を締めました。

 

【蔵王】刈田岳~熊野岳登山 エメラルドグリーンの御釜

御田ノ神湿原から刈田岳~熊野岳~いろは沼を経て蔵王温泉へ。

電車・バスの公共交通利用だからこそ歩けるルートかもしれませんが、初夏の湿原に咲く高山植物を満喫しつつ、蔵王の御釜など見所をしっかりと抑えて蔵王温泉まで楽しめる。

日帰り登山としてはかなり満足度の高いコースでした。

 

ワタスゲが見たくなったら蔵王もありだと思います。良ければ歩いてみてください。

 

【日程】
2023年6月17日

【コースタイム】
10:30 刈田駐車場
10:40 御田ノ神湿原(~11:40)
12:10 刈田岳
13:30 熊野岳
14:40 いろは沼
15:00 蔵王ロープウェイ・樹氷高原駅

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