白毛門登山で利用した群馬県・上越線の土合駅。
ここの下りホームが地下100m近くの場所にある日本一のモグラ駅で、462段の階段を上り下りしなければたどり着けない摩訶不思議な駅です。改札からホームまで10分もかかり、薄暗いトンネルや階段はちょっとした遺跡感もあって洞窟探検のようでした。
秘境感あふれる観光スポットであり、谷川岳や白毛門登山の最寄り駅でもあるので、下山後にでも立ち寄ってみてください。
JR上越線の「土合駅」。
登山を親しむ人にとっては谷川岳や白毛門の登山口ともいえる駅ですが、ここは観光地としても有名な駅。
その肩書きが「日本一のモグラ駅」。
駅としては異常ともいえる、はるか地底に造られたホーム。ここだけしか味わえない、不思議な空間が広がっていました。
こちらが土合駅の駅舎。
三角形の入り口がトレードマークで、ここが地底深くに掘られたホームへの入口です。
入口に掲げられている「日本一のモグラ駅」という勲章。
土合駅と言えば谷川岳の最寄り駅なので、登山者にとってもかなり馴染みある駅です。
駅舎に入って右手が切符売り場。
……ではなくこれはかつての名残で、ガラス張りの向こうは併設されたカフェになっています。
無人駅であり、改札の出入りは自由なので、観光として訪れた場合でも地下のホームまで見学に行くことができます。
改札を抜けたこちらの通路、ここだけでも昭和の雰囲気漂う味わい深い光景。
下りホーム方面の通路。
改札を通って左手のこちらが地下迷宮へと続く道。
越後湯沢・新潟方面の標識に従って進んで行きます。
ちなみに高崎方面の上りホームは普通に地上にあるので、モグラ駅を見たいなら下り方面へ行く必要があります。
地下への入り口に行くまでも、すでにゾクゾクする雰囲気。
通路をしばらく歩いた先の、あの真っ暗な穴が地下へと延びる階段の入り口です。
この通路のど真ん中に設置された三角形の衝立。
これは地下から吹き上げられた風を左右に分散させるための緩衝用。
地下のホームを列車が通過する際、突風がこの地上まで吹き抜けてくるので、それに備えてのものです。
普通の駅ではまず見れない代物。
そしてこちらが地下のホームへと続く階段。
その数462段!
恐ろしいことに、入口からは底が見えない……。
(自分が初めてこれを見た時、HUNTER×HUNTERのハンター試験の階段が頭に浮かびました。)
改札からホームまで、普通に歩くと10分以上かかります。
なので、都会感覚で出発ベルが鳴る間際に飛び込み乗車なんて到底できやしません。……というか、改札からは出発ベルさえ聞こえません。
1Fに待合スペースがありますが、下り電車に乗るのであれば最低でも発車時刻の10分前には動き出しましょう。
薄暗いトンネルですが、スマホで撮るとだいぶ明るく撮れたので載せておきます。
実際はここまで明るくなくて不気味なほど薄暗いです。テーマパークのアトラクション感覚のドキドキ感味わえますぜ。
ちなみに階段の右側に砂地の溝がありますが、これはエスカレーターを作ろうとした名残。結局造られず、エレベーターすらないのでホームに行くには歩くしかありません。
この長い階段、下るならまだいいですが、登るとなると一苦労。
高低差も80m以上あるので、観光客にとっては軽登山。途中にはこんな感じで休憩用のベンチも用意されています。
観光目的で地下のホームを見学する場合は、当然登って戻らないといけないので、登り返す覚悟がある場合のみ行きましょう。
下から振り返って見ると、これまた恐ろしい景色。
地上の出口は遥か彼方。この駅を日常的に利用する人がいたら、たまったもんじゃないですね。
まさに秘境ともいえる地下洞窟。本当によくこんな駅造ったなぁ~と心底思います。
明るくして撮れたスマホ版。(最近のスマホのカメラ、凄い……)
私が最初にこのモグラ駅を利用したのは、2015年10月の谷川主脈縦走時。この時は高崎駅から土合駅へ来たので、地下ホームに到着後この階段を目の当たりにして呆気にとられたのを覚えています。
電車利用の場合は、すでにここから登山が始まっていると思っていい。
こうしてひたすら階段を下ってトンネルを抜けた先がホーム。
週末の午後ということもあって観光客がチラホラといました。
こんな場所に独りぼっちだったら、それこそホラーですね。
駅のホームはこんな感じ。
ここも薄暗いトンネルで、かなり独特な雰囲気あります。
遺跡とか洞窟とか、そういう類が好きな人にはたまらないかもしれません。異空間ですよ、これは。
御覧のように、電車はちゃんと来るのでご安心を。
これに乗って自分は越後湯沢経由で東京へと帰ったわけですが、この地下深くまで来た電車がどのようにして地上まで出たのか、線路の造りにも興味ありました。
秘境ともいえる日本一のモグラ駅・土合駅。
昭和の雰囲気漂う駅舎から、遺跡のようなトンネルと階段を抜けてたどり着く摩訶不思議なプラットホーム。
気分はさながら洞窟探検!
ぜひ機会があれば見てみてください。非現実的な光景がここには広がっています。
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