RICOR(リコー)の高級コンデジ・GRⅢ(GR3)を購入して登山やら旅行に行ったので、簡単なレビューと作例のご紹介。
個人的にはすごく良いカメラだと思っていて、趣味の登山に関してもいろいろな恩恵を受けています。ただ、その反面で不満な点もいくつかあるので、一個人の所感として軽く参考にしてもらえればと。
まずRICOH GRⅢ(GR3)というのがどういうカメラなのかというところから。
現物がこちら↓
『RICOH GRⅢ』
一眼レフでもミラーレスでもなく、コンパクトデジタルカメラです。2019年3月に発売されました。クールで最高にカッコいいこのデザインよ!
このカメラの大きな特徴なのが、コンデジでありながら単焦点レンズが搭載されていること。つまりズームができないわけです。
ズームができないのはマイナス要素ではありますが、その分画質にこだわったカメラ。画角は固定されるけど、その画角であればできる限り高画質で撮影しますよ、っていう思想です。
GRⅢ(GR3)という名前からもわかる通り、GR、GRⅡ(GR2)というのも存在します。RICOHのGRシリーズというのは、結構コアなファンが根付いていることでも有名。
GRⅡが発売されたのが2015年の7月。2017年くらいから後継機のGRⅢが出る出ると噂されていて、ずっと待ち続けていた私。
ようやく今年の3月にリリースされて、発売直後に購入しました。
購入してから現在までの約4ヶ月、登山のお供としては日数で15日くらい、撮影枚数は5000枚ほど。このブログの記事では、2019年3月23日~24日で登った南アルプス・烏帽子岳から、GRⅢで撮影した写真が登場します。
まずはそんなGRⅢの写真をつらつらと。
断っておくと、カメラに超絶詳しいわけでもないし、RAWで撮影して現像というテクニカルな技術も持ち合わせていないので、全部JPEGで書き出しています。PCに取り込んで、多少明るさ補正する程度。
この記事でもGRⅢの詳細な仕様とかは書かないです。というか書けないです。よく理解しないで使っている部分も多いので……
正直なところ、これまで使っていたカメラと比較して、飛躍的に写真が綺麗になったかって言われるとそうでもないです。
GRⅢの1つ前のカメラがNikon D5500、その1つ前がSony α6000です。そのさらに前が確かLumixのミラーレス、その前は……、もう覚えてません。
D5500もα6000も特に欠点もなく良いカメラでした。
10万以上するGRⅢを手に入れておきながら撮れる画にそこまで向上が見られないわけですが、個人的には買ってよかったと思えるカメラです。
その最大の理由は「軽さ」!
もうこれに尽きる。これを求めて買ったようなものだし。
先代のD5500がカメラ本体とレンズ合わせて500g弱だったのに対して、GRⅢはたったの257g。ほぼ半分です。
D5500自体が軽量一眼レフなので、一般的な一眼レフと比べたらかなり軽いほうですが、そこからさらに軽くなったので、もう登山においてはえらい違いでした。
機動力が全然違います。
これまでは首にぶら下げる形で持ち歩いていたのですが、やっぱり歩行中はそれなりにストレスありました。岩場とかだとカメラを傷つけないようにしないといけなかったし。
それがGRⅢでは全くなくなりました。ザックにはこんな感じで取り付けています。
グレゴリーのこのケースがぴったりなのでおすすめ。
もう首からブランブランさせて歩く必要もなく、この登山中のストレス軽減は個人的に非常に大きかったです。
そしてもう1つはっきりと違いが現れたのが、夜景・星空撮影。
これはカメラの設定やらレンズによってD5500やα6000でも同等の画が撮れるのかもしれませんが、自分のような細かな設定がめんどくさいタイプでも、シャッタースピードを変えて撮影するだけでこれくらいのものは簡単に撮れました。
GRⅢが明るいレンズだからなのか、詳しいことはよくわかりません。何が言いたいかというと、星空撮影の楽しみが増えました。1泊以上のテント泊や小屋泊の際に、夜起きてもっと写真たくさん撮りたいぞと。
こういう気持ちにさせてくれただけでも非常に大きいGRⅢ。要するに自己満ですが、カメラって案外そんなもんでしょ。
あと、軽量なので日々の散歩とか街歩きでも気軽にカメラを持ち出して撮影できるようになりました。もともとGRシリーズのコンセプトが「スナップ」なので、むしろこういう使い方がメインであるべきなのかもしれません。
写真撮影の頻度が格段に上がったのも大きいところです。
ただ、当然ながらこのカメラも完ぺきではないわけで……。フェアにGRⅢのイマイチなところも話しておくと、まずバッテリーがしょぼいです。これは事前にわかっていたことですが、特にバッテリー最強(だと思っている)のNikon機種から変更したのでその差は歴然でした。
登山の感覚でいえば、日帰り登山でバッテリー1つは正直心もとない感じ。2つでもギリギリ、3つあってようやく安心というレベルです。自分の場合、標準的な日帰り登山では写真をだいたい200~300枚、多い時で500枚近く撮るのですが、150枚を超えたあたりでバッテリー表示が赤になって催促してきます。
なので、日帰り登山でも予備バッテリーは絶対に必要。動画も撮影するならなおさらです。
さらに、自分の場合はゴールデンウイークに10日間のニュージーランド旅行が控えていました。この時、買ったばかりのGRⅢのみで行ったのですが、さすがに海外旅行で電池切れという状況にはしたくなかったので、以下のような布陣で臨みました。
純正バッテリー×3, サードパーティのバッテリー×4、計7つ。
純正バッテリーの値段が結構高いので、予備軍は互換バッテリーです。サードパーティのバッテリーは今のところ問題なく使えてはいますが、あくまで互換性があるだけなのでそこは自己判断で。
ニュージーランドでは2泊3日のルートバーントラックが最長のトレイルで、その間充電は一切できませんでした。結果的にはバッテリー4つ分を使い果たしたので7つはさすがに多すぎでしたが、でもこれくらい持ってないと安心できない。
重さから解放された反面、バッテリーの貧弱さがストレスになったわけです。なので、精神安定剤の意味で、自分は多めにバッテリーを持つようにしています。それでも重量としては全然軽いし。
もう1つの欠点が画角の狭さ。正直なところバッテリーよりもこちらのほうがデメリットに感じています。
D5500では最初は標準レンズを使っていて、途中から画角の広いレンズを使うようになりました。「AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR」という広角レンズで、上の写真もそのレンズで撮影した1枚です。去年の蔵王連峰縦走のときのやつ。
このレンズを経てのGRⅢだったので、画角の狭さがとにかく目立ちました。「あれ、前まではもっと広くとれてたのにこんなに狭いの」と。やはり登山の風景写真だと、広い画を撮りたいという欲求が自分の中にはあります。
バッテリーに関しては予備を保持すれば問題ないですが、こればかりはどうしようもないです。一応、GRⅢには広角で撮影できる「ワイドコンバージョンレンズGW-4」というオプションレンズも発売されてますが、これをつけてしまうと重くなるうえに、コンパクトカメラケースに収まらなくなるので今のところ買ってないです。
4ヶ月ほど使ってみた現在までの所感としてはこんなところです。
今後についてはまだ未定ですが、当然しばらくはGRⅢをメインで使うことになるかと思います。
ただ、冬の雪山登山については微妙。何よりバッテリーが耐えられるか未知数なので、今シーズンの冬山で試してみようと思ってます。
このGRⅢの軽量化による機動力向上が最大限に発揮されるのが夏のテント泊。つまりこれからの時期だと思っているので、またしばらく使ってみていろいろと思うところが出てくれば語ろうかと思います。
長々と書いてしまったけど、GRⅢでの登山はもちろん可能ですし、この軽さでこれだけの画が撮れるのかっ!!っていう感動は得られると思います。山登りで荷物を重くしたくない、それでもそれなりに綺麗な写真を撮りたい、って方にはお勧めかと。
ただし、充電環境が整っていない山で使うのであれば、予備バッテリーが複数必要なのはご愛敬。
あまり内容のない雑感な記事ですが、読んでいただきありがとうございました。
コメント
みやっち様 貴重なカメラの情報有難うございます。今までの投稿を見てどんなカメラを使っているのだろう、と思っていました。私とおなじN社のD5500だったのですね。私のものより写りがいいのは腕のせいでしょうか。そして、いつも間にかGRⅢに替わっていたとは、うかつにも気が付きませんでした。単焦点は写りはよいのですが、望遠が欲しいときにはちょっとネ。そこは足と頭脳でカバー!
これからの写真にも期待してます。
koji – kamさん、こんばんは。
たまには山行記録以外も書いてみようかなと。そして、私と同じD5500をお持ちでしたか。
軽くていいカメラですよね。GRⅢを使って改めて思いましたがNikonのバッテリーはやはり最強だと思います。全然減らなかったですもん。
単焦点は確かに山では不便に感じる時もありますが、機動力を活かして足でカバーして行きたいと思います!
みやっちさんこんばんは、三連休はみやっちさんのブログに張り付いてしまいました笑
レイクテカポの星空を見て、星景写真が進化してる!?っと思いましたが、GRシリーズは暗闇に強いと聞いたことがあるので、やはり明るいレンズは正義ですね笑
ちなみに星を撮るならRAW編集はやられたほうが絶対良いですよ!
ワードプレスを使いこなしているみやっちさんなら、RAW編集なんて楽勝だと思います^ ^b
カメラネタも楽しみにしてます!
someiさん、こんばんは。
貴重な連休をこのブログに割いていただきありがとうございます!
やはり星を撮るならRAWですかね。正直なところ、何も考えずにこれだけの写真が撮れたので、少しもったいないことしたかなとも思いました。せっかくの海外でしたし……。
気が向いたらちょっと色々とそこらへんも頑張ってみようかと思います(笑)
梅雨の雨に泣かされていますが、GRの恩恵を絶大に受けるであろうテント泊に早く行きたいです!
10万以上するんですね~。私にはとても手が出ない値段です~~~・・・・・・。
でも単焦点レンズはいいですね。まずコンデジを使っていて、ズーム機能ってまず使わないですからね。
ズームすると手ブレがひどくなりますし。
高級コンデジを使われていたんですね。軽量もうらやましいです。
こんにちは、はじめまして。
GR3の購入を検討していて辿り着きました。知りたかった情報があれもこれも載っていてとても助かりました。ありがとうございます。
風景写真、夜景がどれくらいどんな風に撮れるのか気になっていて、性能の詳しい情報より、実際の使用感や、撮影した写真を見たかったのですごくありがたいです。
バッテリー対策や風景を撮る際の画角についても気になっていて、その点に触れられいるのも助かりました。
テカポの写真がすごく綺麗ですね、
私も2回、キャンパーでNZを旅しました。その時はスマホしかなくて、今度は初心者でも手軽にこの風景を綺麗に撮れるカメラをと思って検討しているところでした。
ルートバーントラックも歩いてみたいです。
長くなってすみません。
知りたかったことがたくさん書いてあって、嬉しかったので、お礼をお伝えしたかったです。
ありがとうございました。
みそまるさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
参考になったようでうれしく思います。この記事を書いたのはもう1年以上前ですが、いまだにGRⅢは現役で、登山に行ってはバシバシ撮っています。
風景写真については過去のカメラとそこまで大差はない気がしますが、夜景の綺麗さはかなり体感できたところです。記事中でも書いていますが、何よりも軽さがいいですね。どこへでも気軽に持って行けるので、写真を撮る枚数も以前より格段に増えました。
みそまるさんもNZに行かれたことがあるんですね。自然の豊かさ、美しさにはかなり衝撃を受けました。湖も透き通るくらい綺麗で、海外に行けるようになったらぜひともまた行きたいと思っています(次は北島をメインで)。
GRⅢの他にも良いカメラはたくさんあると思うので、色々と比較して決めていただけたらと思います。参考にしていただきありがとうございました。
みやっちさん
ご返信ありがとうございます。
GR3について、参考にさせていただきます。
普段の生活でも、旅でも荷物を少ない方がいいので、軽さ、コンパクトさはとても魅力的ですね、
NZは本当に天国のように綺麗で、初めての旅ですっかり虜になりました。
日本の登山はやってみたいのですが、体力的に自信が無く、でも、NZでいくつかトレッキングコースを歩いてトレッキングが好きになってしまいました。
北島のMercer Bay Loop Walkは断崖から見える海が絶景で、でも初心者でも歩けて、すごくよかったです。
ルートバーントラックの記事も早速読ませていただきました。
絶景がたくさんで、記事を読みながら大興奮してしまいました。シェアしていただいてありがとうございます。
想像していたよりアップダウンは少なそうなので、ちゃんと体力をつけて、NZに行けるようになったら歩いてみたいです。
みそまるさん
「Mercer Bay Loop Walk」を検索してみましたが、断崖絶壁の迫力が凄いですね。トレッキングルートあるようで、なかなか面白そうです。
思えばNZでは湖は見ましたが、海は一度も見なかった気がするので、次は海辺あたりも歩いてみたいですね。あと、北島ではトンガリロ国立公園とかですかね。行きたいところが尽きません。
こちらも貴重な情報ありがとうございました。
みやっちさん
トンガリロ国立公園すごいですね!雄大な景色で、蔵王のお釜さんを思い出しました。今までの旅行では訪れていないので、次回は行ってみたいです。
また、NZに行ける日が待ち遠しいですね、