10月中旬に新潟の金城山へ、電車とタクシー使って登りに行ってきました。ルートは観音山コースの往復。
知名度はそこまで高くはないかもしれませんが、ここはずっと前から一度登って見たかった山。特に紅葉の穴場として紹介されることが多く、秋のシーズンを狙っていました。
山頂が低山とは思えないほどの迫力ある岩峰なので、まさに紅葉との相性がばっちり。タフな登りで思っていた以上に疲れましたが、岩と紅葉のコラボは素晴らしかったです。
今回の山は新潟の金城山。「きんじょうさん」って読みます。
それほど名が知られている山ではないかもしれませんが、山と高原地図にもちゃんと載っている越後の山です。近くの有名どころとしては、巻機山や八海山とか、あのあたり。
標高1369mと決して標高は高くない山ですが、山頂の岩稜帯の迫力はかなりのもので、紅葉に彩られた風景が絶品でした。
登るルートはいくつかありますが、今回は最も登りやすいとされる観音山コースを選択。低山ながらも高低差1100m以上あるので、なかなかのタフガイでしたよ。
2020年10月21日【新潟】金城山(観音山コース)日帰り登山
金城山へ公共交通利用で登る場合、最寄り駅となるのが六日町駅。都内から朝発で向かうと、最速で8時20分頃の到着になります。
朝の六日町駅。今回歩くのは金城山の観音山コース。距離は長めですが、一番整備されていて歩きやすそうだったので選びました。
ここから登山口までは6.5kmほど。徒歩だと1時間20分くらいですが、行きはタクシー使いました。(帰りは徒歩)
バスを使う場合は「上田郵便局前」というバス停が最寄になるようですが、あいにく良い時間帯のバスがなかった。
六日町駅からタクシーに乗って観音山登山口へ。時間は15分ほどで料金は2790円、PayPay使えました。
ちなみに、タクシーの運転手に「金城山の観音山登山口」って言っても通じなかったので、上田郵便局前バス停まで行ってそこを左折、って感じで案内しました。そうすると写真のような登山口が見えてきます。
マイカーの場合は、少しわかりづらいですが写真左奥の方に5台ほど停められるスペースがあります。
こちらが登山口。観音山コースというだけあって、観音様が入口におりました。
木彫りのゲートをくぐって登山道へと入っていきます。
この日は平日、駐車場にも車は一台もなかったので、おそらくまだ誰も入山してない。クマが怖いので熊鈴鳴らしつつ、いつもよりも独り言多めで行きます。
しばらくは整備された道を歩いて行きます。登山道脇には一定の感覚で石仏が祭られていました。
すぐに展望台に到着。
登山口には槻岡寺というお寺もあって、ここら辺は参拝客向けに用意されてるものなのかな。休憩用のベンチが置いてありました。
展望台からの眺め。見ての通り、街中から少し上がってきたところ。
この金城山。標高こそ1369mしかないですが、登山口も低くて200m台からスタートになるので、高低差1100m以上を強いられます。実際かなりタフな登りで、ここ最近の登山の中では一番疲れたかもしれない。
この登山後から3日ほどは筋肉痛に苛まれたよ……
仏像が道しるべ。
登山道を奥へと進んで行きます。
開けた場所に到着。山頂広場となっていますが、登山道としてはまだ二合目です。
ここから先、山頂まで三合目、四合目……、という具合に刻まれていきます。
仏様のたまり場になっていました。
ここまでがお寺の参拝客向けに用意された道なのかもしれません。ここから先は石仏もなくなって、ただひたすら登山道が続いていきます。
改めての入山。
まだ山頂まで高低差1000mはあるので気合入れますが、しばらくは緩やかな尾根道が続きます。
こんな調子で着くの?って思うかもしれませんが、中盤以降に一気に急登を強いられるので覚悟すべし。
二合目から15分ほどで三合目に到着。
ここまでは足慣らしといった感じで全然余裕。
三合目からも緩やかな登り道。
道は明瞭で歩きやすいのですが、厄介だったのが所々に張り巡らされたクモの糸……。登山道を横切るように張ってる奴もいて、それがもう気持ち悪くて「うげっ……」でした。
ヤマップを見た限りでは前日にこのルートを歩いている人がいたんだけど、一夜で再構築されたのか……。ストック持っている場合は盾にしながら進みましょう。
三合目から10分ほどで四合目に到着。
心配になるほど緩やかな道ですが、ここら辺から徐々に傾斜がきつくなってきます。
四合目あたりからの展望。
先ほどに比べるとだいぶ標高を上げてきました。
ここら辺からロープが垂れ下がった箇所も出てきます。
写真の撮り方が悪いので分かりづらいですが、実際のところは結構傾斜がきつくて、特に地面が落ち葉で滑りやすいので、このロープにはかなり助けられます。
上の方に行けば鎖場も出てくるので、この山に登るのであれば手袋は必須。
登山口をスタートして1時間ほどで五合目に到着。数字的には半分来ましたが、体感的には30%くらいに思っていた方がいいです。
ここから先が体力削れるところ。
ロープの箇所も増えてきて、一気に高度を上げるシーンも増えてきます。
その甲斐あって、登山道は瞬く間に紅葉に色づいてきました。
観音山コースは写真のような尾根道が多く、頭上が開けて日差しも届くのでかなり明るい登山道です。登山道は広くはないですが、藪をかき分けて進むようなシーンもなく、最初から最後まで明瞭な1本道が続きます。
六合目に到着。五合目から六合目の区間が一番短かった気がします。10分かからずに着きました。
山頂辺りが見えるようになってきましたが、噂の岩稜帯はちょうど反対側なので、山頂まで登らないと岩という岩は見えません。
そして常に日差しが当たっているような状態なので、かなり暑い……。この日は麓も20℃以上あったので、体感的には夏山とあんまり変わらなかったです。
七合目に到着したのは朝の10時過ぎ。なんてことの無い樹林帯の広場ですが、ここら辺が唯一「森の中」っていう感じで、日差し遮られて涼しい空間でした。
頭上を見上げれば美しい黄葉の樹々。そこから差し込む光も黄金色になっている感じがして、この七合目の雰囲気が個人的には割と好きでした。
ここまで、まだ誰とも会わずに静かな登山が続きます。
七合目から先は鎖場も多くなってきます。
落ち葉の下に滑りやすい岩が隠れていることもあるので、特に下山時はお気をつけください。
七合目から少し登ると分岐点に到着します。
自分が登ってきたのが標識では雲洞コース。右の大月・五十沢コースというのが地図上では「滝入コース」と表記されているルートです。
滝入コースは他の方の記録を見る限りでは、渡渉ポイントや岩場があってかなり滑りやすいとのこと。
北側に見えてきた山は八海山。
日本二百名山の1座で、金城山以上に山頂の岩峰歩きが有名な山。八海山も最初に登ってからだいぶ経つので、そろそろ再訪したいところです。
この後も鎖が設置された箇所が随所に出てきます。
道が崩落している箇所もいくつかありますが、逆に鎖やロープが良い目印になるので、迷いそうなポイントは全然なかったです。
七合目から25分ほどで八合目に到着。
若干疲れても出てきてペースも落ちてきたので、少し休憩。
良い眺め。俯瞰してみると、山肌が紅葉しているのが良くわかります。
観音山コースはずっと登りが続きますが、ロープや鎖場はあるし、要所要所で展望も開けるので、歩いていても単調さを感じさせないのがいいところ。
八合目を過ぎて少し行くと、水場への分岐がありました。
水場まで60mと書かれています。疲れと暑さで思ってた以上に水分消費してたけど、見た感じ、行く先が茂みに覆われていたのでやめました。
川の流れる音は聞こえていたので、すぐ近くだとは思います。
見上げる紅葉が美しい。
正直なところ、登っている段階では金城山の紅葉の凄さというのはいまいちわからなかったですが、山頂に行くとその神髄を見ることができます。
やっぱり金城山のハイライトは山頂の岩稜帯。
標識としてはラストの九合目に到着。
あとは山頂を残すだけ。
九合目のすぐ裏手は大雨によるものなのか、派手に崩落している箇所がありました。
数年前の大雨の影響で、一部のコースはいまなお立ち入り禁止になっています。
そしてようやく見えてきた金城山の岩稜帯。
山頂近くになってようやく金城山の岩峰を見ることができるようになります。
スタートして約2時間。時間的には短いですが、後半一気に登らされた感じで、なんだかすごく疲れたよ……
最後の鎖場。
これを越えれば、そこが山頂。
こうして11時ちょうど、金城山山頂に到着。久しぶりにお初の山の登頂となりました。
山頂付近もカラフルに紅葉していて秋の装い。
結局、登山口から山頂まで誰にも会うことはありませんでした。こんなことって、今まであったかな…?(道中、誰にも会わないって案外初めてのことだったかも)
そして目にする岩峰と紅葉風景が、素晴らしいのなんのって。
ここに来て唐突に現れた感じの巨岩の群れ。その周りを彩る紅葉と合わせて見事な景色が広がっていました。
断崖絶壁の山頂から見下ろす紅葉も良い色づき。
高いところは苦手だけど、怖いもの見たさで何度も覗きたくなる。
そして正面奥に見えている高い山が巻機山。山頂に雄大な湿原有する山で、巻機山の紅葉もいつか見てみたいです。
巻機山の奥は群馬県側になるのですが、のっぺりとした雲が覆っていました。全国的に快晴予報が出ていたはずだけど、谷川エリアは外れだったのかも。
金城山の山頂はこれほどのスペースです。
そこまで広くはないですが、誰もいないので心置きなく休める。
写真右側は断崖絶壁になっていて、足を踏み外したら終わるのでご注意ください。
山頂には着きましたが、金城山で訪れるべき場所というのはこの先にあります。
細い岩の稜線を伝って奥へと進んで行く。道はしっかりしていますが、片側は切れ落ちているので、ここも慎重に。
う~ん、点在する巨岩と紅葉のコラボが最高に綺麗だ。
この前の月山とはまた違う紅葉風景。東北のような派手さはないけど、カラフルに彩られたこの景色もまた素晴らしいじゃないか。
あの岩場のいくつかは登れるようになっていて、絶好の展望スポットになっているところもあるのですが、まずは岩場を素通りして先へ。
岩場をやり過ごして先へ行くと、1ヶ所だけ視界が開けるポイントがあります。そこからのアングルがこれ。
これが金城山で良く見る岩峰と紅葉の景色です。金城山と言えば大抵ここから眺める風景が使われていますが、それも納得の景色。
断崖絶壁の岩峰と紅葉をバッチリと拝めるスポット。これが街のすぐ近くにある里山だっていうだから凄いわ。
さらに先へ行くと、金城山避難小屋がありました。
基本的には日帰りで登る山なので利用する人はそれほどいないとは思いますが、造りは割としっかりしていました。
中を覗いてみたけど結構綺麗。
これくらいなら全然抵抗なく泊まれそう。
避難小屋から引き返して再び山頂方面へ。
やっぱりこのアングルからの景色がいいわ。低山とは思えない迫力がある。
都内近郊で言うと、秩父の二子山あたりと近しい雰囲気かも。秩父界隈の山が好きな人は、おそらく金城山は猛烈に好きになると思います。
正面に見えるのが山頂の岩場。断崖絶壁で見事に切れ落ちているのがわかります。
その右手前の岩場を見ると、何やら石碑らしきものが見えました。あそこも登れるようになっています。
断崖絶壁の下に広がる紅葉風景。
山頂付近の紅葉は見頃でしたが、中腹あたりはもう数日後がピークと言った感じでしょうか。
全山紅葉が見たい人は、10月下旬ごろに訪れるのが良いかもしれません。
どっしりと置かれた巨大な岩。
パワースポットと言われても納得してしまいそうなほど、力強さを感じます。
花崗岩のような優美な姿とはまた違う、荒削りな感じがまたいいのよ。
ありえないところに鎖が張られていますが、これはいったい何だろうか?
間違っても登山道ではないのでご注意ください。
先ほど気になった石碑がある岩場に到着。
左から三霊山、八海山神社、摩利支天、と刻まれていました。
ちなみに数年前の記録を見ると、本来はここには4つの石碑があったようですが、左から2つ目の石碑はどうしたのかなくなっていました。御嶽神社、と刻まれていたそうです。
この石碑の手前の岩場が平らで休憩するには絶好の場所になっています。
誰もいなかったので、ここでお昼休憩にしました。
片側は断崖絶壁の紅葉、もう片側は麓の街を一望。
霞んでいますが、目にする方角には日本海が広がっています。
地味ながらも、金城山が紅葉の穴場というのが良くわかりました。
こういう里山が身近に欲しい。平日であれば人も全然登らないような、それでいて山頂からの展望がバッチリで、岩と紅葉が楽しめるような。
越後にはこの手の隠れた名峰がまだ色々とありそうなので、巡り甲斐があります。
金城山か眺める巻機山。
巻機山の前衛とも言われている金城山ですが、この山単体でも十分面白いですよ。高低差を考えたら巻機山と登り応えは大して変わらないので、あんまり舐めたらあかんけど。
金城山の岩峰、奥に見えるのが八海山。
八海山の岩稜帯はこの金城山の比ではなく、しっかりと岩場を鎖使って昇り降りするので、岩好きの方にはお勧めです。八海山も紅葉綺麗だしロープウェイ使えば体力的にはそれほどきつくなく登れます。
山頂からの展望を存分に満喫して下山。
山頂で休んでいたら流石に誰か登ってくるだろうと思ったけど、誰一人登ってはきませんでした。
いくら平日とはいえ、こんな貸し切り登山は初めて。
来た道を引き返す。
眼下に見える街、あそこまで自分の足で下山していきます。
下山は下山で鎖場やロープ箇所が厄介でしたが、それ以外の尾根道は快適なもんでテンポよく下りていけます。
八合目を過ぎたあたりで、ようやくこの日唯一の登山者とすれ違いました。
帰りは二合目までカウントダウン。
所々で待っている急斜面で変に力んだからなのか、おそらく下山が原因でこの翌日からしばらくは凄い筋肉痛に襲われましたよ。
帰りは結局、1時間45分ほどで下山完了。
登山口前はこんな感じで田んぼが広がっています。マイカーであろうが公共交通であろうが、金城山はスタート地点が低いので、全部自分の足で標高を稼ぐしかありません。
終わって見れば足がガクガク、タフな山でしたよ。
田園風景広がる長閑な道を歩いて行く。
1日を通して良い天気でした。
麓から見上げる金城山。
写真ではわかりづらいですが、山頂付近が色づいているのがここからでも良くわかりました。
山頂のあのゴツゴツした岩峰たちは、残念ながらここからでは見えなかったです。
バス通りに出た。
バスの時刻まで1時間ほどあったので、駅方面に向かって何の気なしに歩いて行きました。
登山口からの最寄は上田郵便局前というバス停ですが、待ち時間があれば道なりに15分ほど歩くと中之島入口というバス停があるので、そこで待つのがいいかと思います。待合室あるし、すぐ裏にセブンイレブンがあるので時間つぶせます。
途中でバスに乗ろうと思ったのですが、それより先に「金城の里」という看板が見えたので、そちらに行くことにしました。
日帰り入浴施設で、露天風呂はないですが350円で入ることができます。設備綺麗で空いていたので満足でした。
温泉入っている間にバスを逃し、そしてGoogleマップを見たらここから六日町駅まで徒歩35分ほどとなっていたので、結局駅まで歩いて帰ることにしました。
ちなみに帰りにバスを使う場合は、六日町駅近くに「湯らりあ」という日帰り温泉があるので、ここが良さそうです。
あんまり広くはないみたいですが、源泉かけ流しなのでいいんじゃなかろうか。
こうして15時半頃に六日町駅に帰還。結局、この日バスを使うことはありませんでした。
帰りは登山口からずっと歩いてきたので、1日を通して考えるとなかなかの歩数になったと思います。
ここ最近は過去に登った山ばかりだったので、久しぶりにお初の山に登れたし、紅葉も見頃だったので、個人的にはかなり満足度の高い山登りができました。
新潟の金城山、なかなかの高低差があるので侮れない山ではありますが、岩と紅葉のコラボは噂通り素晴らしいものがありました。
日本百名山とか二百名山とか、そういうのに選定されているわけではないですが、こういった隠れた穴場な山も開拓していきたいです。
【日程】
2020年10月21日
【コースタイム】
8:50 観音山コース登山口
9:00 二合目
9:15 三合目
9:30 四合目
9:45 五合目
9:55 六合目
10:05 七合目
10:30 八合目
10:45 九合目
11:00 金城山(~11:40)
13:25 観音山コース登山口
14:10 金城の里(入浴)
15:25 六日町駅
コメント
みやっちさん
こんにちは。
金城山、私も昨年初めて行きました。
私は11月上旬に行き、ちょうど6-7合目辺りのブナ林の黃葉がすごく綺麗でした。
山も全山紅葉してて、綺麗でした。
公共交通機関で日帰りで行けるとは!思ってもみなかったです。
紅葉と岩峰の感じは良かったのですが、登山道がすごい滑って非常にデンジャラスな山でした^_^;
みやっちさんの時は大丈夫でしたか?
私は4回くらい尻もちをつきました。
ゆかぽんさん、こんばんは。
11月上旬であればまさに紅葉の盛りですね。全山紅葉を見れたとは羨ましいです。
私は山頂の紅葉に合わせて行ったので、岩場の周りは綺麗でしたが中腹あたりはまだこれからという感じでした。10月下旬~11時月初旬がベストかもしれませんね。
おっしゃる通り、金城山はなかなかデンジャラスな道でしたね。確かに下山は滑りやすかったです。
幸い転ぶようなことはなかったですが、その反面、滑らないように変に力んでしまったのか、翌日からしばらく筋肉痛に苛まれました……(汗
なかなか侮れない山だなと思いましたよ。
こんにちは。
標高1500mにも満たない山でこれは凄いですね。
それでいてこれほどの快晴下で誰にも会わないとは、何とも贅沢な登山ですね笑
ろっぴさん、こんばんは。
金城山、侮れない山でした。断崖絶壁の山頂と紅葉の景色は素晴らしかったですし、鎖場やロープもあって登り応えもありました。
思えば、山頂まで誰にも会わなかった登山はこれが初めてかもしれません。新潟ということでクマの存在が少し怖かったですが、静かな登山を楽しめて良かったです!