山梨県の秀麗富嶽十二景へ、笹子駅~本社ヶ丸〜清八山〜三ツ峠山〜三つ峠駅というルートで縦走登山に行ってきました。
距離が長く高低差もそれなりにありますが、電車のみのアクセスで駅から登山が楽しめるコースです。山頂からの展望も素晴らしくて、富士山や南アルプスが綺麗に見れました。
マメザクラもたくさん咲いており、ゴールデンウィークでも空いていたので意外とこの時期の穴場かもしれません。
2024年5月3日【秀麗富岳十二景】本社ヶ丸~清八山~三ツ峠山 駅から登山
今年のゴールデンウィークは近場の山へ。
我が心のふるさと、秀麗富岳十二景に行ってきました。ルートは10年以上前に一度歩いた、本社ヶ丸~清八山~三ツ峠山というちょっぴり長めな縦走コース。
あの時の体力に比べたら格段に落ちていますが、何とか歩き通せました。
スタートは笹子駅。
この駅に来るのも久しぶりです。笹子駅は秀麗富岳十二景を歩き回る上では欠かせない駅の1つであり、ここを起点にNo4の笹子雁ヶ腹摺山・滝子山、No12の本社ヶ丸・清八山などへ行くことができます。
今回のターゲットはそのNo12の本社ヶ丸・清八山コンビでございます。
駅からは少しだけ舗装路歩き。線路沿いに沿ってこちらの道を進んでいきます。
思い返してみると、秀麗富岳十二景をすべて登り切ったのはもう12年前も前のこと。登山初期の初々しき懐かしい思い出です。
その年の春に登ったのが本社ヶ丸~清八山で、あれ以来の来訪。
舗装路を10分ほど歩いたこちらが登山口。標識に従って登山道へ入っていきます。
前回はGPSなんて持っていなくて紙の地図を頼りに駅前の尾根からがむしゃらに取り付いたので、ここから登るのは初めてです。
今は先人たちの軌跡を辿って行けばいいので便利な世の中になったものです。
道は序盤から急登。
かなりの傾斜をジグザグに登っていきます。本社ヶ丸は秀麗富岳十二景の中でも体力勝負な山の1つで、山頂までひたすら急登が続くと思って挑んだ方がいいです。
もう、ひたすら急登。
展望もなく、唯一の癒しは新緑の瑞々しいフレッシュグリーンな景色か。
だいぶ端折りますが、ひたすら登って庭洞山に到着。
標識がなければ通り過ぎてしまいそうな、ピーク感の薄い登山道途中にある山頂でした。
ここからしばらくは緩やかな道のり。
つかの間の癒し区間です。
この後、一度林道と合流。
左に進んで、すぐ先に再び登山道へ入る標識があります。
そしてここから再び急登。
本日の第2ラウンド開始です。(先に言っておくと、山頂まで第4ラウンドくらいの急登勝負があるので要覚悟)
しばらく登ると、工事中の鉄塔に出ます。
ここが、このルートでは最初に景色が開けたポイントでした。
その後も第3ラウンドへと移行しての急登勝負。
岩場が出てきて先ほどまでの登山道とは少し雰囲気が変わってきます。例によって登り一辺倒ですが、岩場が出てきたということは山頂に近づいているということなので前向きに捉えましょう。
角研山に到着。ここも展望はない無慈悲な山頂ですが、この先にある鉄塔ポイントが最初の絶景ポイントになっています。
それがこちらの鉄塔。
ここはよく覚えている場所で、12年前に初めて本社ヶ丸に登りに来た時に、ここら辺で奇跡的なまでの雲海を見れました。
感動的な風景というのは10年以上経っても覚えているもんですね。
視界が一気に開けて周りの山々を見渡せるようになります。
見えているのは大菩薩嶺あたりの方面。
雲1つない快晴で、2024年のGW後半は幸先の良いスタートとなりました。
その後、平坦な尾根道を混じえつつ単調な登り坂を進んでいく。
笹子駅から本社ヶ丸まで、高低差にして1000m以上あるのでここは本当に体力勝負な山だと思います。
つらい反面、山頂にはそれが報われる景色が待っていますぜ。
ひたすら登って、こちらが本社ヶ丸の山頂。
秀麗富岳十二景のNo12に選定されている本社ヶ丸(ほんじゃがまる)です。
名前は可愛いですが道は過酷。それでも秀麗富岳なだけあって山頂からの富士山の展望は見事です。
さらに特筆すべきは、南アルプスの展望!
GWでもまだたっぷりと雪を残す3000m級の峰々。青空の下で白く輝いていました。
12年前に来たときはなかった十二番山頂の新しい標識。
山頂からの展望はもちろん、急登を制したからこそ得られる達成感がとても気持ち良い。
山頂で朝食休憩をしたのち、清八山方面へ進んでいきます。
ここら辺は岩場なので要注意ですが、岩場だからこそ展望が開けるポイントも随所にあります。
その1つがこちら。本社ヶ丸から少し下ったところに突き出た岩場の絶好の展望デッキが用意されています。
岩場から眺める富士山の展望。
左に見えている鉄塔が後ほど訪れる三ツ峠山の山頂。
一見、三ツ峠山までの距離が近そうにみえますが、山頂直下に急な登り返しが待っているのでなかなか侮れない道です。
南アルプスの展望が相変わらず素晴らしい!
白根三山の真っ白い姿の加えて、左に視線をずらせば赤石岳~聖岳も綺麗に雪をかぶっています。
南アルプス南部の山域は今年チャンスがあれば行きたいと思っているので、その名峰たちに向かって拝んでおきました。
本社ヶ丸山頂はそこまでスペースがあるわけでもないので、混雑していたらこちらの岩場の展望デッキもおすすめです。
周囲の山肌を見ても、本社ヶ丸が岩の山なんだというのがわかる場所です。
そんな展望台を経て、清八山に到着。
こちらも本社ヶ丸と合わせて秀麗富岳十二景No12に選定されているピークです。
岩場の山頂なだけあって、こちらも富士山の展望が見事です。
体力がまだ持ちそうだったので、当初の予定通り三ツ峠山方面へ縦走することにしました。
ここから先、かなりタフな登り返しが待っているので、本社ヶ丸~清八山の周回コースであれば、清八山手前の分岐を下って笹子駅へ下山しましょう。
それでも十分達成感を得られるだけの魅力がこのルートにはあります。
この後しばらくは下り坂。稼いだ標高がモッタイナイと感じている間に大幡八丁峠に到着。
ここから先はのどかな稜線が続きます。
ここら辺からマメザクラも綺麗に咲き出しました。
5月のゴールデンウィークでも見ることのできる山の上の桜。ちっこくて可愛いのぅ。
登り返しを経て到着したのが大幡山。
すいません、この山の存在は全く記憶になかったです。
そして本当の急登はこの先です。
三つ峠山までの登り返し地点に到着。
ここから本日のファイナルステージの急登勝負に入ります。出だしからロープが設置されている通り、かなりの傾斜を登らされます。
ひたすら登って、鉄塔が見えてきたら三つ峠山最初のピーク、御巣鷹山に到着。
ここは特に面白みもないので先へ進みます。
三つあるピークの最高峰・開運山はあの鉄塔の向こう。
なだらかで良く整備された道を歩いていきます。
ここら辺からマメザクラの群生がたくさん見れました。
春の三ツ峠山は麓の桜が有名ですが、ゴールデンウィークあたりになるとマメザクラの開花と重なるんですね。知りませんでした。
三つ峠山の山頂は人工物多め。
各局の中継局がひしめいているのは、立地の良さからなのか。
この鉄塔やら建物が良い目印となって、三つ峠山は遠くから見てもその存在がよく分かるようになっています。
12時少し前に三つ峠山の最高峰・開運山に到着。
三つ峠山の山頂と言えば、大抵はここを指します。
この立派な石板の山頂標識も有名。
三つ峠山は日本二百名山に選定されていて、アクセスの良さもあって非常に人気の山なんですが、今日は驚くほど人がいない。
こんな静かな山頂は初めてでした。
この山頂からも南アルプスが良く見えます。
雲が少し出てきた程度で済んだ青空!翌日以降も快晴が続いたので、今年のGWの天気は当たりでしたね。
少し下に見える開けた平地も絶好の休憩スポットになっています。
富士山ももちろん一望!
静岡側から少しだけ雲が出てきましたが、富士山もこの日ずっと顔を出してくれていました。
山頂から少し下ったところにあるのが、山小屋・四季楽園。隣には三ッ峠山荘という別の山小屋もあって、どちらも宿泊可能です。
三ッ峠山荘の方では、出張パン屋さんの販売イベントが開かれていました。GWだけの期間限定らしいです。
事前に知っていたらお腹開けておいたんだが、先ほどの開運山で持ってきた菓子パンを食べてしまったのが悔やまれる。
山荘横に停まっていたジープ。
タフな見た目がカッコいい。
山頂からも見えていた開けた休憩スポット。
ここもこんなに空いているのは初めて。GWは混んでいるかと思ったら、逆に空いていたのが驚きでした。
少し奥へ進んで木無山へ。登りは一切なくて平坦な道の横移動です。
時間もあるし、せっかくなのでピークだけ踏んでおきます。
ここら辺も登山道わきにマメザクラがたくさん咲いていました。
知らなかったのですが、三つ峠山はマメザクラの群生もあったんですね。
三つ峠山最後のピーク、木無山に到着。
登山道分岐のところにこの標識だけが置かれていて、あまり山頂感はありません。
展望もそこまでないですが、木無山に来る途中に岩場に出れるポイントがあってそこが絶景ポイントになっています。
それがこちら。
断崖絶壁の突き出た岩場で、手すりなどもないので立ち寄る際はお気を付けください。
富士山の絶好のビューポイントです。
そして麓の街も一望。
正面に見えている山の中には3月末に登った都留アルプスもあるんでしょうね。
1ヶ月ほど前なのに、もうずいぶん昔のように感じます。
お昼も過ぎたので、三つ峠駅へ向けて下山開始。
ここからはひたすら下り道ですが、三つ峠山の真の姿を見れる場所がこの先にあります。
それがこちら、三ツ峠の屏風岩。
実はこんな巨大な岩山だった三ツ峠。ロッククライミングとしても有名な場所で、この日もクライマーが何人か岩に取り付いていました。
自分みたく本社ヶ丸・清八山方面から縦走してきた場合、ここで初めて三つ峠山の正体に触れられます。
屏風岩の絶壁脇の道を進んでいく。
岩から湧き水でも出ているのか、上から水が滴り落ちて岩肌を濡らしていました。
その後、樹林帯に入ったらひたすら下り道。
途中、崩落ポイントがありましたが、木をくぐって通過できるようになっていました。足元が悪いのでお気を付けください。
たくさんの石仏が立ち並ぶ三つ峠山の八十八大師。
標高を下げて行くと、再び綺麗な新緑ゾーンへ。
朝の7時からだいぶ歩き通してきたので、ここら辺まで来ると膝がガクガクになってきました。
登山口に下山しても駅までの林道歩きが長いので、気を抜かないようにしましょう。1時間以上かかるので、面倒であればタクシーを呼んでもいいかもしれません。
途中にキャンプ場があるので、トイレはそこのを利用できます。
さらに下っていくと、三ツ峠グリーンセンターという施設があります。
ここで日帰り入浴も可能なので良ければお立ち寄りください。
こうして三つ峠駅まで歩いて本日の登山が終了。
いや~、長かったです。かなり疲れましたが、12年前に歩いた道を再び歩けて達成感もありました。まだまだあの頃の自分には負けんぞと。
秀麗富岳十二景の中でも体力勝負なNo12の本社ヶ丸・清八山コンビですが、山頂からの展望はとにかく素晴らしいです。
富士山はもちろん、南アルプスや八ヶ岳の展望が見事なのでどうぞそれを楽しみに登ってみてください。
個人的には三ッ峠山のマメザクラの群生がかなりの収穫でした。ゴールデンウィーク中でも桜を楽しめてなおかつ駅から登山なので、混雑や渋滞を気にする必要もありません。
天気にも恵まれて楽しい秀麗富岳十二景登山でした。
【日程】
2024年5月3日
【コースタイム】
7:10 笹子駅
8:40 角研山
9:30 本社ヶ丸
10:15 清八山
11:50 三ッ峠山
14:30 三つ峠駅
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