7月の夏山シーズンに北アルプスの上高地から南岳へテント泊登山に行ってきました。
梓川ほとりのトレイルや穂高連峰の眺めも良かったですが、今回特に素晴らしかったのが天狗池からの逆さ槍!水面に映る鏡の槍ヶ岳が絶景でした。
高山植物もたくさん咲いていて、稜線にある南岳小屋キャンプ場も空いていて快適でした。ここのロケーションはやっぱり最高!
2023年7月30日【北アルプス】上高地~南岳 テント泊登山
北アルプスの南岳。
5年前に初めて登った時に、山小屋とテント場のロケーションにひたすら感動!槍ヶ岳にかけての稜線歩きも楽しくて、ここはぜひともまた登りたいと思っていました。
2日間の休みができた7月下旬にいざ決行、5年ぶりの南岳登山へ。
新宿からの夜行バスに乗って、やってきました上高地。
バスを降りて凛と冷えた空気で一気に目が覚める。この感覚が上高地に来たなぁ~という気持ちにさせてくれます。
水を500mlだけ汲んで出発。上高地から槍沢まではほぼ平坦で道中に山小屋もたくさんあるので、水は必要最低限で十分です。
早朝の河童橋。まだ観光客もおらず、ひっそりとしてます。
靄がかかった穂高連峰の山岳風景が幻想的でした。
河童橋から長いトレイルの開始。しばらくはこんな平坦な道をひたすら進んでいきます。
小梨平を過ぎたあたり、木漏れ日が差し込む朝の森が神秘的な情景。
まさに絵本に出てくるような美しい森の小道です。
明神館に到着。まだまだここら辺は観光地という雰囲気。
シンボルがあの尖った明神岳。ここから見る分には槍ヶ岳に負けないくらいの鋭利な姿でカッコいい。
芝生のテント場が魅力的な徳沢。綺麗な山小屋とカフェがたたずむおしゃれ空間。
朝の陽ざしが差し込む雰囲気が森のオアシスのようでした。
水場、トイレ、売店、レストラン、一通り揃っています。名物はソフトクリーム。
さらに歩いて横尾に到着。徳沢から1時間ほどです。
久しぶりに上高地に来ると、「あれ?徳沢と横尾ってどっちが手前だったっけ?」となるのですが、私だけでしょうか。
ここも河川敷にキャンプ場があり、水場やトイレ、売店に自販機と揃っています。
これから始まる北アルプス登山の重要な拠点。
横尾で道は二手に分かれて、この横尾大橋を超えて行けば紅葉で有名な涸沢へと行きます。
奥穂高岳、北穂高岳を目指す場合はこの横尾で水もしっかり持って橋を渡って行きましょう。
自分はこっち。
槍ヶ岳へと向かうべく、もうしばらく平坦な道を歩いていきます。
すぐ傍らに流れるのは梓川。
上高地あたりでも水はとても綺麗なのですが、上流に行けば行くほど透明感も増してエメラルドグリーン色に。
この清流を見ながらのトレッキングがまた気持ち良いんです。
槍沢ロッヂに到着。南岳に向かう場合、この槍沢ロッヂが最後の山小屋になります。
この先がっつり登るし、途中に水場もないのでしっかり水を汲んでおきましょう。
気温も上がってかなり暑くなって来たのでここで一息。下山してきた方と少しお話しましたが、この前日も梅雨明けらしい青空で良い景色が見れたそうで。
自分も早く高いところからの景色が見たいぜ。
ババ平のテント場を過ぎると、いよいよ本格的な登り坂に。ババ平にも水場があったので一飲みして挑んだのですが、もう汗が噴き出るわ噴き出るわ。
景色が良いのが救いですが、2.5Lの水とテント装備が重荷となって身体が悲鳴を上げております。
ヘトヘトになりながら、天狗原の分岐に到着。
左に行けば南岳、右に行けば槍ヶ岳です。
南岳方面のガレ場へ。岩だらけですが、マーカーがちゃんと記されているので、迷うようなことはないです。
照り付ける日差しが強烈。岩も熱々で、座って休もうもんなら数秒でお尻が焼き上がります。
進むにつれて高山植物も咲き出して、特にチングルマの群生が随所にありました。
すでに穂の姿になっているものが多くて、2023年は本当に梅雨が短かったなぁ~と。
晴れてくれるのはうれしいですが、この影響で山小屋各地で水不足になったのは深刻な事態でした。2024年の梅雨入りも遅いし、今年はどうなることやら……
進んでいくと北アルプスのシンボル・槍ヶ岳が見えてきます。
相変わらず尖ってますね。
あの頂に立つのはこの翌日。今日は見るだけです。
天狗原の分岐を過ぎてから人も全然いなくなって物寂しい雰囲気。南岳ルートを歩く人はあまりいないんですかね。
足元に咲く花が癒し系でした。
ひたすら登って、このルートの最大の見どころポイントともいえる「天狗池」に到着。
驚いたのが池が姿を現していたところ。例年ではまだ雪の下に埋まっていてもおかしくない時期で、5年前のほぼ同時期に来た時も完全に雪に埋まっていました。
これも温暖化の影響なのか何なのか。雪解けも早かったようです。
そしてこちらが天狗池からの槍ヶ岳。
池に写る鏡の「逆さ槍」がここでしか見れない唯一無二の絶景!
5年前には見れなかった景色、こうして見れて大満足であります。
何度も撮ってしまう天狗池からの逆さ槍。
天狗池は秋の紅葉シーズンが特に有名なので、ここからの紅葉の絶景もいつか見てみたいです。
いや、それにしても、7月で池が姿を現しているとは思わなかった。
天狗池からの景色は無事に見れたものの、登りはむしろここからが本番。
傾斜も一気に増して、岩場をひたすら登って行きます。
背後を振り返ると、常念岳方面を一望!
背後から湧き上がるモクモクした雲が夏らしい景色です。
尾根に取り付いて見上げる南岳の稜線。
だいぶ標高を上げたつもりですが、向かうのは3000m級の山。そう簡単には登らせてくれず、まだまだきつい登りが続きます。
標高が高いからか、息も上がってペースも上がらず少し歩いては立ち止まっての繰り返し。
水分の消費量も著しく、そのくせ食欲がなくてあんまり食べれないんだから困る。ここら辺が昔からの課題。
右手には常に槍ヶ岳が見えていたのが救いです。
マーカーに従って這いつくばるように岩を登っていく。
ここが本当に過酷でした。5年前はこんなに疲れてなかったはずと思うと、体力の低下が悲しくなってきます。
前のようには歩けないと思わないといかんな。
左手には北穂高岳。
ゴツゴツした雄々しき姿が勇ましいっす。
後ろを振り返れば歩いてきた道と表銀座方面の山並み。
眼下に広がる氷河公園と合わせて北アルプスの雄大な山岳風景が望める素晴らしいところです。
暑さにやられてグミばっかり食べてますが、グミって夏山登山には欠かせない。食欲なくてもグミだけは食べていられる。
岩場の核心部に突入。
穂高連峰の岩稜エリアと比べれば、そこまで難しいところはないです。
道も明瞭で危険個所も少なく、体力勝負なコース。必要なのは技術ではなくパワー。
終盤に差し掛かると鎖場やハシゴなんかが出てきます。
ここら辺まで来ると体力がすり減って辛いところだとは思いますが、稜線も近づいているということなので頑張りましょう。
こうして登りに登って稜線に到着。
すぐ目の前に見えているのが、本日の目標としていた南岳です。
御覧のように南岳は穂高岳のような鋭利な感じはなく、ずんぐりむっくりした穏やかな山容しています。
5年ぶりの南岳に登頂。
標高は3033mで日本で17番目に高い山です。
北は槍ヶ岳、南は穂高岳に囲まれているので、この南岳自体はxx百名山に数えられているわけではないですが、立派なピークですよ。
南岳の山頂直下にあるのが南岳小屋。
稜線に建てられた絶好のロケーションで、テント場も用意されています。
こちらも5年ぶりの南岳小屋。
テント泊の受付を済ませます。時刻は15時でしたが、あまり人の気配がなくて静かでした。
マイホーム設営。
テント場も空いていて、この日は結局10張にも満たない数でした。
夕暮れ時の南岳小屋。
山頂まですぐだし、本当に素晴らしい場所に建っています。
南岳小屋のテント場って、もっと人気が出ていいと思う。
今回は残念ながら夕暮れ時にガスってしまい夕日は見れず……。陽が沈む直前で雲が流れて雲海を見れたのがこの日の最後の絶景でした。
波打つ雲が美しかったです。
ちなみに5年前に見れた南岳からの穂高岳と槍ヶ岳がこちら↓
2018/7/13-15 【北アルプス】南岳~槍ヶ岳~双六岳 テント泊登山
雲海の果てに沈む夕日と合わせて絶景でした。
今回は夕日の代わりに天狗池からの槍ヶ岳を見れたからまぁ良し!同じ時期の同じコースでも、目にする景色がだいぶ違って面白かったです。
天狗池からの逆さ槍、非常に良かったのでぜひ見てみてください。そのあとの登りが大変ですが、稜線からも素晴らしい景色が待っておりますぜ。
ヘトヘトになりながらたどり着いた南岳小屋で1日目が終了。
【日程】
2023年7月30日
【コースタイム】
5:50 上高地
7:20 徳沢
8:10 横尾
9:30 槍沢ロッヂ
12:30 天狗池
14:50 南岳
15:00 南岳小屋
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