栃木県宇都宮の岩峰、古賀志山へ登ってきました。
宇都宮市街地からも近いことから、年間を通して多くの人に登られている古賀志山。ルートも多岐にわたり、一説によると100ものコースがあるんだとか……
標高583mという低山ではありますが、岩がひしめく山でもあるので、コースによっては鎖場やロープ、ハシゴを幾度となく昇り降りして岩場を攻略していく必要もあります。今回は古賀志山を熟知したお仲間さんに案内してもらい、赤川ダムから中尾根コースで古賀志山へと登り、さらに御嶽山~赤岩山と岩の稜線を歩いて周回してきました。
ちょうど紅葉も綺麗だったけど、とにかく岩場と格闘することが多く、最後まで色々と魅せてくれた山でした。
最近の悪天続きと仕事でなかなか休みが取れないので、ここらで過去の思い出でも。数年前のお話になりますが、秋に登った古賀志山の登山記録を載せておきます。
間もなく冬を迎える11月初旬、宇都宮に住むお仲間さんに誘われて何も知らずに案内されたのが、今回歩いた古賀志山・中尾根コース。中尾根コースというのも帰ってから調べただけなので自信がないけど、たぶん歩いたのは中尾根コース(笑)
詳細は記事内で語るとして、低山とは思えぬ岩場と鎖場・ロープが続くアトラクション感満載の山でした。たぶん歩いたコースが一般ルートではなかったからだとは思うけど、秩父の二子山あたりと近しい雰囲気を感じたクレイジーマウンテン、なかなかおもしろかったです。
※一応バリエーションルートなので、歩く際はご注意を
2015年11月1日 古賀志山~赤岩山 紅葉登山
小まめに更新しているように見せているこのブログも裏では結構サボっていて、特に連日登山が続く夏から秋にかけては記事にせずにすっ飛ばしている山行も多いので、こういう暇なときに溜まっている思い出話を小出しにしていこうと思います。
11月1日、宇都宮餃子祭り開催中の最中、宇都宮のお仲間に誘われて行くことになった古賀志山。栃木県内では割と名の知れた低山、そんな程度の知識しかないまま行くことになりましたが、これがまた低山とは思えないデンジャラス&クレイジーマウンテンだとはこの時は知る由もなく……。
宇都宮駅で拾ってもらい、宇都宮市街地を走らせること20分、早くも見えてきた前方の山が古賀志山。
今回の案内人であるたくみ先生曰く、古賀志山は「宇都宮の宝」だそうです。
赤川ダム近くの駐車場が古賀志山登山の開始拠点。
古賀志山は市街地からもアクセスしやすく、かつここはロッククライミングの練習場があったりサイクリングコースなんかもあったりするので、週末ともなれば季節問わず賑わうそう。
ちょうど紅葉シーズンでもあったので、登山者の数も多かったです。
見事な秋晴れの中、赤川ダムより登山開始。
スタート地点より、いきなり絶景をお目にかかることができます。
赤川ダムから眺める古賀志山と紅葉風景
11月に入ってようやく北関東の低山まで紅葉が下りてくる頃。すでに高い山では雪が降り始める季節ですが、街に近い低山ではまだまだ綺麗な紅葉を見れる時期で、特にこの赤川ダム周辺の色づきは見事でした。
古賀志山を熟知するたくみ先生に案内されるまま、登山道を奥へと進んでいく。
一般的な標識に従わずに、わずかなピンクテープが残る方向へ進んでいるあたり、今回歩くルートが一般ルートではないことに気づく。
帰って調べてみたところでは、今回歩いたのは古賀志山の”中尾根コース”。古賀志山はルートがとにかくたくさんあって、北コースや南コースと言った簡易な名称しかついていないので、正直よくわからんかった……
で、やってきたのがこの岩場。ここが今回歩くルートの取り付きポイントだそうです。
古そうなロープが垂れ下がった、いかにもバリエーションルートな感じ。
案内人に連れられて1人ずつ登って行く。
一見すると傾斜がきつくて高度もそれなりにありそうけど、足場はしっかりしているしロープもかなり立派なもんなので、見かけよりは割と簡単。
倒木もあって、いかにも手つかずのルートと言う感じですが、これはこれで良い足場にもなったり。
クライミングの真似事をする程度の岩場としてはちょうどいい楽しさです。
市街地からほど近い低山なのに、このアトラクション感満載のコース!
恐るべし、古賀志山。なかなか楽しいじゃないか~
垂直に無造作に垂らされたロープ(笑)
岩場を素直に直登するならそれなりの装備が必要だけど、いい感じで脇道があったりするので特にハーネスやら何やらは持たなくとも登れます。
ロープはあるし足場もしっかりしているので、岩場苦手の自分でもかなり安心感を持って登れる。
ラクショーとか考えがちだったけど、ここを下れって言われたら相当へっぴり腰になってただろうから、あんまり大声で余裕なことは言えないぜ、、
岩の道なので随所に展望の開けるところがあります。
山肌を見ればご覧のような紅葉。一面黄色く染まって、高山のような派手さはなくても綺麗な眺めでした。
樹林帯に入ればごく普通の低山の道。
一応、このコースはバリエーションルートの1つらしいけども、踏み跡は割と明瞭で所々に目印も用意されてました。
樹林帯に入ってからも岩場は続く。
ここら辺は、ごく普通の登山者が適度に楽しめる岩登り。自分みたいな岩場苦手でも怖いと感じさせるような場所は皆無。
登山道を明るく照らす紅葉がまた心地よい。
空気は冷えてるけど日差しは暖かく、この長閑な雰囲気がいかにも低山といった感じ。
古賀志山の稜線歩き。
ここから先もまだまだ岩場は続く。
傾斜のきつい岩場にはほぼ確実にロープが設置されているので大変助かる。
加えて1つ1つの岩場はさほど長くもないので、大した高度感も感じずに登れます。
稜線の途中にはこんな岩の展望台もあったり。
展望台からの眺め。眼下に見える湖がスタート地点の赤川ダム。
宇都宮市街地からさほど離れた位置でもないけど、周りの景色は山だらけ。
見たところ周辺は緑生い茂る山ばかりなので、この岩だらけの古賀志山は少し特異な存在なのかもしれないです。
こちらは高原山かな。高原山と言えば5月のツツジの季節に登りに行ったことがあるけど、その群生は稀に見る規模で本当にすごかった!
記録を見る限りでは紅葉も綺麗らしいけど、ぜひともツツジの季節にもう一度足を運びたい山です。
白樺の避雷針を左から巻いていく。
稜線をひたすら歩いて、ここら辺が確かどこか別のルートとの合流地点。一見すると道っぽいようなところがたくさんあるので、これが遭難を引き起こすポイントなのかもしれない。
木漏れ日差し込む森歩きも乙なもの。
低山には低山なりの良さがありますね。
もう何度目かの岩登り。
例によって足場がしっかりしているので、ロープに頼らずとも難なく登れるレベル。
山肌を見ると古賀志山が岩の山だというのがよくわかる。
麓にはロッククライミングのゲレンデもあって、かなり人気の場所らしいです。下山後に立ち寄ってみたけど、たくさんの人が練習してました。
なかなかダイナミックな倒木も登場。
古賀志山山頂が近づくと、展望の良い稜線。
ここらへんが伐採エリアと呼ばれてる場所のようです。
日光方面の展望。鉄塔が目につくあたりがいかにも低山だけど、はるか奥まで山だらけ。
遠くの雲がなければ男体山あたりまで見えていたと思います。
ここら辺は周りを覆う樹々がないので、気持ち良い開放感。
一時岩場を忘れて、しばし気楽な散歩道が続きます。
富士見峠に到着。地図を見る限りでは、ここが一般ルートの1つ北登山道(北コース)との合流地点。
古賀志山は本当にたくさんのコースがあってよくわからんけど、一般ルートとして気軽に歩ける道はそう多くはないらしい。ピンクテープやら踏み跡が入り乱れて、逆に遭難も多いんだとか……
ここまで来たら山頂もすぐ。
おそらく北コースのような正規ルートで来れば、ロープが設置された岩場なんて登ることなく、こんな感じの樹林帯が続くと思われます。
古賀志山到着。標高は582m。
最初の岩場に取り付いて、ゆっくり歩いて2時間ほどの登山コースでした。
標高600mにも満たないチビ山だけど、展望はなかなかのものがあります。
登山道では全然人に会わなかったけど、人気の山なだけあって山頂は賑やか。続々と人も押し寄せてきたので軽くお昼休憩して先に行くことにしました。
来た道は戻らず、そのまま先へ。標識に書いてある通り、御嶽山・赤岩山方面へと向かいます。
古賀志山山頂近くにあった鳥居。
この先もまだまだ幾度となく岩場を昇り降りするので、ここらで安全祈願。
御嶽山までの縦走路は一般コースにもなっているので、岩場も大したことはないです。
こんな感じでハシゴも設置されてます。
先頭を行くたくみ先生から「梯子は使うな」とお達しを受けたので、あえて左側から巻いて登って行く。すれ違う人は不思議そうに見ていたが……(笑)
すぐにお隣の御嶽山に到着。標高は古賀志山より少し下げて560m。
古賀志山とは反対側の日光方面の展望が開けていましたが、休憩するにはそれほど広くはない山頂でした。
ここからさらに中岩・赤岩山方面へと進んでいく。
一応標識はありますが、ここから先はバリエーションルートと言っても差し支えないほど、また一段と激しい岩の昇降が待っています。特に赤岩山から先は危険個所もあるので、のんびりハイキングで終わりたいならここらで引き返すのが無難だと思います。
何度目かの岩場。ロープ使わずに登れば、クライミングまがいのことは出来るほど。
低山でこれだけ岩遊びが楽しめるとは、珍しい山だ。
岩場の合間には秋を感じさせる風景もあったり。
緩急がつくコースは飽きがこなくて時間を忘れて楽しめます。
何度か岩場を乗り越えて、標識にもあった中岩に到着。こんな感じで開けて展望台になっています。
たくみ先生が何に対して手を振っているかというと……
空には無数のパラグライダー!後で立ち寄るけど、この山にはパラグライダー場もあるんです。
衝突しないか心配になるほど、たくさんの人が宙を漂っていました。
なんか、顔に見えるぞ
上空のパラグライダーを見上げながら、引き続き岩の稜線を歩いていく。
ここら辺は紅葉も綺麗で、周りの展望といいなかなかのもんでした。
岩場は登りがあれば当然下りもある。
当たり前だけど岩場は下降の方が難しいですね。登りは余裕だったけど、ここらで自慢のへっぴり腰っぷりを披露することになりました。
下りてきた岩場。なかなかの高さがあったので、自分が苦戦したのも納得であります。
二尊岩。ここら辺には確か名前のついている岩がいくつかあった気がします。
赤岩山到着。標識は立派ですが、こちらまで歩いてきている人は誰もいませんでした。
大半の人はやはり御嶽山で引き返すようです。
赤岩山からの下山路はやや迷いやすいです。踏み跡も不明瞭でピンクテープもわずかしかないので、あらぬ方向に行かないように要注意。
少し下るとこのパラグライダー用のモノレールが現れるので、これがよい目印になります。
最悪、このレールを辿って行けば下に降りられる。
こちらが赤岩山のパラグライダー滑走路。
まさに一人のライダーが飛び立つ瞬間でした。
ε=ε=ε=ε=ダッダッダッ!
テイクオフ!
しばし空を遊覧して、麓のあそこへ着地するみたい。
見ている分には気持ちよさそうだけど、高い所はあまり得意ではないのでやりたいとは思わない……。
スタッフと思われる方はモノレールでゆっくり下っていきました。
自分たちはここからまた登山道に戻るけど、この先でやばい所があった……!
それがこちら。天狗岩ってところになるのかな。
ここは左右が切れ落ちていて、本当に危険。写真じゃ伝わらないだろうけど、落ちたら怪我じゃ済まないような高さです。
距離は短いけど平均台のように狭くてロープもないので、ここは結構緊張した。本日一番の核心部と言える場所でした。
よく確認してないけど、おそらく迂回コースも用意されてるはず。
古賀志山を存分に楽しんでほしいという案内人の粋な(?)計らいで、なかなかクレイジーな体験ができました。
こちらまで来ると、鋭利な岩肌もたくさん見れて、古賀志山全体が岩山だというのをまざまざと感じることができます。
一人ではまず歩けなかったルートだし、良い経験させてもらいました。
最後までロープのお世話になった古賀志山登山。
急なので降りるスピードも早い。
14時、赤岩山登山口である風雷神社の鳥居に到着。
ここからは林道をひたすら赤川ダム方面へ歩いていきます。
ずっと稜線縦走してきた分を戻らなきゃいけないので、意外と距離はありました。
こちらが上からも見えていたパラグライダー着陸場所。時刻ももうじき夕方を迎える頃なので、続々と降りてきてました。
長い林道歩きの途中、案内人に連れてこられたのがこちら。
古賀志山のクライミング練習場。
本物の岩場を前に、たくさんの人が岩に取り付いてた。
岩自体が横に広いので、至る所で練習してました。写真では見切れてるけど、さらに上にも人がいます。
こういうのは絶対に無理。情けない姿をさらけ出すだけなので、クライミングの類はおそらくのめり込むことはないだろうな。。
こうしてスタート地点の赤川ダムまで戻ってきました。
クライミング練習場でしばらく見学していたので、時間は16時過ぎになってました。
朝見た時よりも赤川ダムのほとりの紅葉が色づいている感じがして、これがまた良かった。
紅葉は夕暮れ時がまた一段と映えますね。
古賀志山と夕日。
低山ではあったけど、日帰り登山としては十分歩き応えのあるコースでした。
古賀志山に関しては一般ルートであれば、初心者でも十分登れる親しみある山ですが、ひとたび選択するコースを変えるとこんな感じの岩場・鎖場たくさんの岩登りと化します。
聞くところによると古賀志山は遭難も多い山らしいので、この中尾根コースに限らず歩く際は十分お気を付けください。
昔の記憶もだいぶ残ってるもんなので、こんな感じで暇なときはたまに過去の記録も差し込んでいこうかと思います。
(ランキング参加中↓)
【日程】
2015年11月1日 快晴
【コースタイム】
9:20 赤川ダム駐車場
9:40 北登山道入り口
11:50 古賀志山
12:30 御嶽山
12:50 中岩
13:20 赤岩山
14:00 登山口
16:00 赤川ダム駐車場
コメント
こんにちは。
関東は雨続きでホントに今年は気候が変ですね…
近場で岩場のアスレチックな山、良いですね!
楽しそう!
でも知ってる方の案内が無いと行けなさそうですね(T-T)
蔵出し記事、また宜しくお願いします!
次回も楽しみにしています。
ゆかぽんさん、こんばんは。
梅雨明けはしてなかったんですね。8月の方がしっかり雨が降っている気がします(^_^;)
すっかり体力も衰えつつありますが、昔の登山を振り返る良い機会な気もしてます。数年前の古賀志山の記録でしたが、低山とは思えない岩に満ちた山でかなり印象に残っている山行です。こういう山がホント近くに欲しいですね~
これからも合間に昔の記事を差し込んでいこうかと思ってます。昔の記事が登場したら「最近山に行けてないんだ…」と思ってください(笑)
これはとても面白そうな山ですね!
岩場好きとしてはぜひ登ってみたいトコロですが、バリエーションルート
とのことなので、ソロでは危険でしょうか(考)
それにしても今夏はぐずぐずなお天気続きで、まともに登れていません。
お盆に東北、月山は月山八合目(弥陀ヶ原)から登りましたが、途中から霧&
霧雨で終始真っ白でした(泣)
それでも池塘が点在し、花々が咲き乱れ、正に極楽のような素晴らしい景色
でしたので、これが晴天だったら、そのまま天国に行けそうです(笑)
翌日の鳥海山は荒天予報のため断念しました。
今年中にリベンジできるかなぁ?
登れないときの蔵出し記事も楽しみにしております。
みやっちさんの記事で妄想登山・・・もといイメージトレーニングに励みます(笑)
みうさん、こんばんは。
バリエーションルートなので安易には勧められないですが、岩場好きには穴場として猛烈に紹介したいというジレンマです(笑)
低山ではありますが、登山はもちろん、パラグライダーやクライミングなど人それぞれ自分なりにアウトドアを楽しんでいたので、古賀志山は皆に愛されてるんだろうな~と思いました。いいですね、こういう山は。
そしてみうさん、月山登られましたか!天気が悪かったのは残念でしたが、それでも花の楽園を体感できたんですね。晴れたら本当に天に召されるほどですよ(笑)
弥陀ヶ原方面からは登ったことがないので、一度歩いてみたいコースなんですよね。おそらく姥沢側からではお目にかかれない湿原風景が見られると思うので、とても気になってます。
鳥海山も残念でしたが、中途半端に悪天候で登るのも消化不良に終わると思うので、ぜひ次のチャンスを待って晴天登山を勝ち取ってください!
初めまして。コメント失礼いたします。最近記事を拝見するようになりました。
一緒に登山しているような楽しい気分にさせていただいています。
コロナ禍であまり遠出ができず、今年は日光白根山が唯一の高山登山でした。
古賀志山にいらしてたんですね、いらっしゃいませ(笑)
この山はコースによってはとても易しいコースもあるので、地元では登山を始めようという
初心者の練習コースになっていたりします。岩登り、大好き(^^♪
また、市街地に近い所にあるので、冬の間も天候にあまり左右されることなく登ることができるので、
まだまだ冬山に挑戦できない私(登山歴3年ほど)でもトレーニング登山をすることができます。
守る会の方々が整備してくださるのでありがたいです。
春から夏にかけても、カタクリやつつじなどの花を見ることができて、また違う表情を見ることができますよ。またぜひおいで下さいね
rai-raさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
古賀志山、もう6年前のことですが、低山とは思えぬ岩に満ちたデンジャラスな山だったのをよく覚えています。
コースもたくさんあるそうで、あのような山が近くにあると確かにトレーニングには打ってつけですね。市街地からそう離れていないにあのような岩登りが体験できるとは本当に驚きました。
花も咲くのであれば、ぜひ春の時期にも訪れてみたいです。カタクリと言えば3月下旬頃ですかね。また機会があれば遊びに行きたいと思います。