ニッコウキスゲの大群生で有名な福島県の「雄国沼湿原」へ行ってきました。
時期は7月初旬。ちょうど満開を迎えており、黄色い絨毯の如く美しい湿原を染めるニッコウキスゲが圧巻の光景!本当に凄い規模でした。
ルートは電車・バスを使っての裏磐梯高原からの周回。猫魔ヶ岳にも登れて、湿原ハイキングと登山を存分に楽しめた1日でした。
本格的な夏山シーズンとなる7月。
個人的には一番好きな季節でもあります。冬の雪山にも登るけど、自分は断然夏派。寒いの苦手。
そんな大好きな夏に行きたかったところが今回の「雄国沼湿原」。
夏はどうしても1泊以上の縦走をメインに考えてしまうので、お手軽な湿原ハイクというのは後回しになっていましたが、今年ようやく行けました。
噂に聞いていたニッコウキスゲの群生、すごかったです。
2022年7月2日 雄国沼湿原~猫魔ヶ岳 日帰り登山
福島県の雄国沼湿原。位置的には磐梯山のすぐ近くで、湿原だけを目当てに行くのであれば会津若松側の金沢峠から歩くのが一般的です。
ただしニッコウキスゲの時期はマイカー規制が敷かれ、なおかつ公共交通のアクセスもあまりよくないので、今回は裏磐梯高原から行くことにします。
もう何度目かのJR磐越西線・猪苗代駅。
なんかここ数年は毎年訪れている気がします。
駅から眺める福島の盟主・磐梯山。
見えているのは磐梯山の表側で、これから雄国沼へ向かうために反対の裏側へと行きます。
猪苗代駅から裏磐梯高原までは路線バスが通っているのでそれを利用。本数もそれなりにあるので助かります。
途中、五色沼などの観光名所も通るので、乗車時間になる頃には結構な乗客の列ができていました。
乗車時間40分ほどで終点の裏磐梯高原駅に到着。
本当ならそこからタクシーで登山口まで行くつもりだったのですが、タクシーが停まっておらず、呼ぶのも面倒なので歩いて向かうことにしました。
この舗装路歩きが地味に長かったですが、お金を節約できたと前向きにとらえてひたすら進みます。
1時間ほど歩いて雄国沼登山口に到着。
標識に3.3kmと書かれていますが、高低差が大してないので、ここまで来ればあとは1時間半ほど雄国沼まで着きます。
道もかなり緩やか。
のんびりとしたハイキングコースとなっていて、梅雨明け早々の新緑が綺麗でした。
1時間弱で雄国沼休憩舎に到着。
雄国沼のほとりにある大きな小屋。晴れた週末とあってたくさんの人が休憩していました。
一見すると山小屋のようにも見えますが、無人の避難小屋で売店の類などもないのでご注意を。
休憩舎から雄国沼までは直線距離ではすぐなのですが、湖畔を迂回していくことになるので、湿原に行くまで地味に時間かかります。
標識に従って、金沢峠方面へ進む。
すでに見えている雄国沼。
見えてからが遠かった。(と言っても15分程度ですが)
こんな感じの森の道を進んで行きます。
そして森が開けたところがようやく湿原の入り口。
標識にある通り、湿原の木道は一方通行になっているので順路に沿って進みましょう。
進み出していきなり目に飛び込んできたのがニッコウキスゲの群生!
これでも十分凄い規模ですが、これはまだ序の口。
本当の群生地はさらに進んだところにあります。
夏の到来を告げる満開のニッコウキスゲ。
大きく羽を伸ばして太陽の光を存分に浴びるように咲いている。
雄国沼も水が澄んでいてとても綺麗です。
沼というより湖と言ってもいいくらい、広さもなかなかのもの。
奥に進むにつれて、どんどん群生の規模を増すニッコウキスゲ。
どの花も満開で、凄い景観!景色がどんどん黄色くなっていきます。
そして雄国沼最大ともいえるニッコウキスゲの群生地に到着。
まさに黄色い絨毯という表現がぴったりの、どこもかしこもニッコウキスゲ!
これほどの規模は初めて見たかもしれない。
まだ蕾の花がありつつも、ほぼ満開と言っていい開花状況。
良いタイミングで来れました。例年であれば6月末から7月中旬にかけてがピークで、満開のニッコウキスゲを楽しめるようです。
沼と言いつつも、ここは猫魔ヶ岳の火山活動によって造られたカルデラ湖。
その場に立つとそれがよくわかり、周囲を低い山が取り囲んでいて、この湿原一帯が窪地になっています。
今日、これから登る猫魔ヶ岳がおそらく右奥の高い山。
ニッコウキスゲのお花畑に敷かれた1本の木道を歩いていく。
確かにこの幅であれば、一方通行にしないとすれ違いもできない。
ハイシーズンど真ん中だったので本当に人が多く、どこかのテレビ局の取材も来ていました。
湿原に池に木道、そしてお花畑。
尾瀬に近しい雰囲気です。
足元のスギ脇にこの群生。
後ろからどんどん登山者がやってくるので、屈んで写真撮ってさっと移動。
木道しかり、狭い稜線しかり、すぐ後ろにつかれるとどうにも急かされている感じがして苦手。
ここではニッコウキスゲが完全な主役ですが、湿原には他にも花が色々と咲いています。
レンゲツツジなんかも有名らしく、まだ少しだけ赤い花が残っていました。アヤメなんかも綺麗に見れて、ワタスゲもチラホラ。あとはもう少し時期を遅らせるとコバイケイソウの群生も見れるようです。
透き通った水が美しい雄国沼。
まさに花と水の宝庫ですね。湿原の雰囲気とかは尾瀬に近く、ぜひ四季を通して来てみたいです。
小一時間で周回完了。
お目当てのニッコウキスゲを存分に堪能できました。
本日の目的はこれでほぼ達成したようなもの。晴天下でいいもの見させてもらいました。
雄国沼休憩舎に戻ってきて休憩。
気温もかなり上がってきて、お腹が空いているのに菓子パンとかはあまり喉を通らない。何を持っていってもあんまり食べる気がしないのが、夏の登山の悩ましいところ。(なんかスッと食べれるおすすめの行動食とかありませんかね?)
ここからは猫魔ヶ岳方面へ。せっかくきたので近隣の山にも登っておきます。
右奥に見えている山がそれかな。見た感じ高低差もなさそうだったので余裕かと思っていたのですが、実かここからの登りがかなりきつかったです。
しばらくは湖畔を周回。
対岸には先ほどまでいた湿原が見えています。ニッコウキスゲの黄色もはっきりとわかる。
樹林帯に入ってからが状況一変。
道は明瞭ですが、湿地帯だからなのかぬかるみが激しくてかなり歩きづらかったです。
2箇所ほど渡渉ポイントもあったので、大雨直後は避けたほうが良さそう。
大して高低差はないはずなのに、猫魔ヶ岳が本当に遠くに感じた。
猫石まで残り1.0kmと見えてからも結構長かった気がします。
視界が開けてくると、先ほどまでいた雄国沼を一望できるようになります。
こうしてみると、やっぱり大して登っているようには見えない高低差。体感値とのギャップがえらくある道でした。
展望ポイントの猫石に到着。
雄国沼の展望が良い場所なので、休憩するならここがおすすめです。
猫石から猫魔ヶ岳までも一苦労。
あっという間かと思ったらそうでもなく、下って登るアップダウンが待ち構えているので、ここもかなり疲れました。
アップダウンを登り切ったところがようやく山頂。
標高の1404mの猫魔ヶ岳。初登頂になります。
標識の脇にはネコの置物が添えられていました。
猫魔ヶ岳まで登ってくると、今度は南側に猪苗代湖を望めるようになります。
透き通ったブルーの湖を見渡せる、絶好の展望台。
そしてここまで登ってきてようやく見えたのが磐梯山。
緑豊かに見えますが、反対側には火山特有の荒々しい姿を隠し持つ山。
実際に登ってみると、その二面性を体感できると思います。
猫魔ヶ岳からは磐梯山方面へ下山。
ここはひたすら下るだけだったのであっという間でした。
降りてきたところが八方台登山口。ここから猫魔ヶ岳を経由して雄国沼へ行く人も多く、駐車場にはすごい車の数でした。この下の第2駐車場の方もほぼ満車に近い状態で、ハイシーズンは前日入りしないと停められないのかもしれません。
この八方台は磐梯山の登山口でもあり、道路を挟んだ反対側が登山道の入り口になっています。磐梯山を最短ルートで登れるのがここ。
小学校の遠足なのかな?ちびっ子たちが降りてくる真っ只中でした。
本当なら磐梯山の登山道に入って銅沼経由で降りるつもりだったのですが、猫魔ヶ岳の登りが想定上に辛く、追加で登る気力もないので道路をそのまま下山することにしました。
そしてこれも地味に長くて、素直に八方台からタクシー呼べば良かったと軽く後悔。
1時間ほど歩いて裏磐梯高原駅まで戻ってきました。
灼熱の中での舗装路歩きが辛すぎたのでここで小休止。カフェやレストラン、売店などが色々と揃っている裏磐梯物産館があるので、休憩するにはちょうどいい場所です。
売店で買った会津山塩ソフトクリームが身に染みた。
糖分と塩分を同時補給、うめぇ!
ここから温泉へと向かうためにもう少しだけ歩きます。
裏磐梯物産館の裏手がちょうど五色沼の入り口になっているので、観光も兼ねてここを通って行く。
磐梯山の麓に広がる有名観光地「五色沼」。
エメラルドグリーンの神秘の泉が点在する、癒しスポットになっています。
五色沼から眺める磐梯山。
沼の大きさや水の色は様々で、観光客でも回れるように遊歩道が整備されています。
熊がたまに出るらしく、熊鈴付けろという看板が随所にありました。
五色沼の1つ、弁天沼。
オーシャンブルーの輝きがひときわ美しい池。樹々で日差しも遮られて、清涼感ありました。
五色沼については過去の磐梯山登山で大いに語らせてもらったので、今回は軽めに留めておきます。
1時間ほどの五色沼ハイキングコースを歩いて、出口にあるのが五色沼バス停。
ビジターセンターから少し離れたところにあるこの三角形の建物が目印です。
ちょうどバスが来る時間でしたが、温泉に入りたいので少し移動。
五色沼バス停から徒歩5分ほどのところにあるのが、こちらの裏磐梯温泉センター。ここの存在をこれまで知らず、今回初めて利用しました。
露天風呂はなかったですが、裏磐梯界隈では安めの日帰り入浴700円。人も全然いなくて快適に入れたので満足です。
こうしてバスに乗って猪苗代駅まで戻り、電車で帰宅。
お疲れさまでした。
今回の登山の目的でもあった雄国沼のニッコウキスゲ。
想像以上の群生で、ただただ圧倒されました。
日本屈指の規模を誇るそうなので、機会があればぜひ一度は見てみてください。猫魔ヶ岳や雄国山など、近隣の山も合わせて巡れます。
【日程】
2022年7月2日
【コースタイム】
8:50 裏磐梯高原駅
9:40 雄国沼登山口
10:25 雄国沼休憩舎
10:40 雄国沼
11:30 雄国沼休憩舎
12:40 猫魔ヶ岳
13:20 八方台登山口
14:40 裏磐梯高原駅・五色沼
15:50 裏磐梯温泉センター
コメント
雄国沼のニッコウキスゲ!想像以上です。
綺麗な写真ありがとうございます。
絶対良いからと勧められますが、観光で行くとシャトルバス停留所からなが〜い階段があって、次の日筋肉痛になると言うので
こわくて手が出せません
猫魔ヶ岳は、スキー場としか思っていなかったです。表磐梯は冬晴れでも猫魔は急に吹雪く事もあって、名前が怪しいもんなって思っていたら、猫石に人を喰らう化け猫が住んでいたという伝説がある様です。
また美しい景色を期待しています。
ほんとの空さん
こんばんは、コメントありがとうございます。
雄国沼は今回初めて訪れましたが、噂通りニッコウキスゲの群生が素晴らしかったです!これまで見た中では一番の規模だったかもしれません。
猫魔ヶ岳は一見すると大して登らなそうに見えたのですが、急登が続いて思っていた以上に疲れました。途中に猫石という巨大な岩があったのですが、何とそんな伝説があったんですね。
冬場だと麓のスキー場から登っている記録もあったので、次は季節を変えて訪れてみたいと思います。