4月に金時山~丸岳~芦ノ湖へ箱根外輪山縦走登山に行ってきました。
山頂からの富士山の展望はもちろん素晴らしかったのですが、それ以上に感動したのが稜線に咲くマメザクラ!登山道の至る所に群生が広がっていて、満開の桜がとても綺麗でした。
電車・バスの公共交通だけでもアクセス可能なコース。
春のハイキングにお勧めです。
「この季節にはここに行きたい」
ここ最近、自分の中で登山ルーティンが出来つつあって、時期によって登りたくなる山域がある程度固定化されてきています。
そのルーティンに組み込まれているのが箱根~伊豆エリア。
穏やかな気候の中、のんびりと海や富士山を眺めたい欲に駆られるのか、毎年4月頃にここに行きたくなります。
今年選んだのは初めて歩く箱根外輪山稜線(通称:箱根ガイリーン)。猛烈にお勧めしたいコースとなりました。
2023年4月9日 金時山~丸岳 箱根外輪登山
4月9日の日曜日。
久しぶりに朝4時台に起床して、小田急線に乗車。終点の小田原駅を目指します。
電車内はたくさんの登山客がいましたが、丹沢界隈に登る人がほとんどだったようで、小田原駅で降りたハイカーはあまりいませんでした。
始発便の桃源台行きバスも、週末というのに空席が目立つほどガラガラ。
1時間ほど乗車して仙石バス停で下車。
箱根界隈は公共交通網が充実していて、バスもかなりの本数出してくれています。
新宿から高速バスも出ているので、それを利用するのも良いかもしれません。(週末は高速道路の渋滞が怖かったので自分は利用しなかったですが)
仙石バス停から登山開始。まずは金時山を目指します。
ルートはいくつかありますが、最短で稜線に出たいという思いで最寄りの矢倉沢口(→)から登ることにしました。
この階段が登山道入り口。
この登山口は昔来たことがありますが、もう10年以上前。道中がどんなだったか、ほとんど覚えていません。
登山道は明瞭で特に急登と呼べるような箇所もなし。
金時山は都心近郊の中でもかなり人気が高い登山スポットですが、始発便で来たからか、不思議と誰にも会いませんでした。
20分ほど登って矢倉沢峠に到着。
シャッターが閉められているのはうぐいす茶屋。日中は営業しているそうですが、朝早くだったのでまだ営業してませんでした。
そしてここから早くも稜線区間。
道は二手に分かれて自分は左手の金時山方面へと向かいます。
右手に進めば明神ヶ岳方面。そちらの稜線もなかなか面白いのでお勧めです。
金時山山頂へと続く稜線。
この背丈の高い笹(ハコネダケ)は、箱根外輪山の名物ともいえる風景。
この笹のトンネルを見ると、箱根に来たなぁ~っていう感じがします。
背丈の高い笹なので展望が遮られるのが難点ですが、時たまこんな感じで開けた場所が用意されています。
眺望はすでにこの時点から申し分なし!
振り返って見るとひときわ存在感を放つ山が、箱根山の最高峰・神山。
日本を代表する活火山の一つであり、山頂付近までロープウェイも整備されていて大涌谷などは観光地としても有名です。
噴煙のようなものがここからでも見えました。
道は登り坂がありつつも、時折平坦なところもあって非常に歩きやすいです。
そして何より、ここに来て登山道を彩る素敵なお花が登場。
こちらの豆桜(マメザクラ)。
例年4月中旬から下旬に見頃を迎える山の桜で、富士山~箱根エリアで見ることができます。
今日の目的の1つがまさにこのマメザクラ!序盤早々にご登場いただきましたが、本当の群生はこの先の丸岳あたりにあります。
金時神社コースとの合流地点に到着。
ここから一気に人が増えて、自分の知っている金時山の雰囲気になりました。
人気の観光地ということもあって、老若男女、家族連れもたくさん登ってます。
特にちびっ子の馬力は凄い。持ち前の俊敏性で岩場なんかもスイスイ登ってました。
あの軽快さが欲しいわ。
午前9時過ぎ、本日1つ目のピークである金時山に到着。
山頂は広くてトイレや茶屋などが用意されています。
こちらが山頂からの展望。
金時山の展望と言ったらやっぱりこれ!山頂のまさかりと富士山の絶景よ。
金時山はその名の通り金太郎伝説発祥の地とも言われている山。山頂のシンボルに、巨大なまさかりはピッタリです。
昔は写真撮影用に、実際に担げるサイズのまさかりも置いてあったんだけど、撤去されたのかな?見当たりませんでした。
山頂からの展望は本当に素晴らしくて、開放感抜群です。
左奥に見えている湖が本日のゴールでもある芦ノ湖。そこへつながる峰々がこれから歩く箱根外輪山稜線(箱根ガイリーン)です。
右奥には愛鷹山も見えております。
山頂で一息つくなら、この金時娘の茶屋をどうぞ。
売店も兼ねていて、特にここの「なめこ汁」は金時山の名物にもなっています。たまにテレビの取材なんかもされてますね。
腰を下ろしてしばし朝食休憩。
まだ時刻は朝の9時過ぎですが、すでにたくさんの人が登ってました。
山頂は広いので休憩場所には困らないと思います。富士山はもちろん、岩場から眺める箱根市街地~芦ノ湖方面の展望は絶品ですぜ。
先も長いということで、小休憩の後に登山再開。
ここからは乙女峠方面へと向かいます。
今日の箱根外輪山コースはこの金時山が最高峰になるので、ここからは下りメインになります。
随所にアップダウンがあるのでまだまだ侮れないですが、平坦な箇所も多いのがこのルートの良いところ。
登山道も明るくて、樹林帯に入って視界が完全に遮られるということもあまりありません。
雰囲気ありありのトンネル。
30分ほど下って長尾山に到着。
ここも開けた場所で開放感ありますが、周囲を背丈の高い樹々が覆っているので残念ながら展望はありません。
展望を求めるならさらに下ったところ。
ベンチが見えてきたらそこが絶好の休憩&展望スポットです。
ここが金時山登山口の1つでもある乙女峠。
御覧のように展望台が用意されていて、その正面には見事な富士山が待ち構えています。
乙女峠から眺める富士山。
4月でもまだまだ雪は多い。頭が真っ白の姿、富士山はやっぱりこうでなくっちゃ。
乙女峠からスタート地点の仙石バス停まで下りることもできますが、まだまだ先へ。
引き続き丸岳方面の外輪稜線を歩いて行きます。
そして、ここからが凄かった。
頭上に咲く綺麗なマメザクラ。
乙女峠付近もポツポツ咲いていたものの、稜線を進むにつれて花の数がどんどん増していきました。
道もこんな感じで非常に歩きやすい。
しばらく平坦な道が続いて、ここら辺が1つの群生ポイントになっています。
街の桜が終わりかけの頃に咲き始めるマメザクラ。
ちっこくて可愛いのぅ。
名前はわからないですが、この白い花もたくさん咲いていました。
細かいアップダウンを経て鉄塔が見えてきたら、そこが丸岳。金時山からもこの鉄塔は良く見えてました。
富士山も山頂手前からバッチリ見えてます。
こちらが標高1156mの丸岳。
御覧のようにベンチが用意されていて、ここも休むには最適なピーク。
丸岳からの展望!
富士山とは反対側が良く見えて、箱根山・神山や芦ノ湖を一望できます。金時山から南下してきたので、さっきまでよりも間近に見ることができます。
噴煙が見えているのは大涌谷あたりかな。(立ち入り制限って解除されたんだっけ?)
丸岳の雰囲気、凄く開放的でとても気に入りました。
そこから先の稜線も非常に気持ちよく、ここら辺は伊豆稜線歩道に近しい雰囲気を感じます。
箱根外輪稜線。特にトレラン勢からは箱根ガイリーンとも呼ばれ親しまれているハイキングコース。
写真には映ってないですが、すれ違ったり追い抜かれたり、走っている人も結構いましたね。
確かにこのコースは平坦なポイントも多くて、走りたくなる気持ちは良くわかる。
さきほどから、マメザクラが尽きることがなく咲いている。ここも桜の名所の1つだったんですね。
この日一番の群生ポイントはこの先にありました。
道も整備されていて歩きやすい。
細かいアップダウンはあるので、高低差のトータルは意外とありましたが、体感的にはそこまで上り下りさせられてる感じはなかったです。
開放的な展望は疲れを忘れさせてくれる。
眼下にはゴルフ場やキャンプ場もあって、まさにここら辺一帯がレジャー空間。
その先にあったマメザクラの群生ポイント。
丸岳を過ぎて富士見台までの区間が特に綺麗に咲いていました。
桜を見たいなら、このあたりが特にお勧めかと。
丸岳から20分ほどで富士見台に到着。
「富士山と芦ノ湖を見れるのはここだけ」と看板に書かれてあるフレーズ通りの場所です。
芝生が広がっているので、一息つくポイントとしてもちょうどいい。
この先も歩きやすい稜線は続く。
この道、本当にいいな。
しばらく歩くと、道路と並走するようになって車の音が聞こえてくるようになります。写真の分岐点は右に下りていくと長尾駐車場に出ます。
こんな感じで途中、何ヶ所か右手に道路まで下りれるポイントがあるので、時間があれば寄り道してみてください。
こちらが長尾駐車場。
奥の建物は綺麗なトイレになってます。自販機もあるので、長い縦走のトイレ休憩に最適。
ここはちょうど箱根スカイラインの入口。
ツーリングやドライブの方の絶好の休憩ポイントにもなっていて、富士山の展望も見事!
標高は957m地点。まだ結構高いところにいます。
再び縦走路に戻ってハイク再開。
この背丈を覆う笹が出てくると、やっぱり箱根っぽい。
何度かのアップダウンを経て、本日最後の絶景ポイントが見えてきました。
目の前の山ではなく、その手前に広がる草原っぽいところ。
こちら。公園のように広がる丘の上の芝生。
富士見ヶ丘公園。
本日一の展望台は間違いなくここ!レジャーシートでも敷いて小一時間昼寝したいくらいの開放感抜群のポイントです。
遠くには駿河湾の海も見えました。
今日歩いてきた稜線も一望できます。
ちょうど中央に見えているピョコっと突き出ているのが、丸岳にあった鉄塔。
箱根ガイリーン、見所多くて最高です。
すぐ下にスカイラインが見えている通り、バイクや車であれば簡単に来ることのできる公園です。
すぐ近くに道路が通っているところも伊豆稜線歩道っぽいですね。
ここからまだまだ箱根ガイリーンは伸びていて、三国山、山伏峠と続いて行きますが、今回はここまで。
湖尻水門方面へ下山して行きます。
目指す先には、ずっと遠くに見えていた芦ノ湖。
神奈川県最大の湖で、周辺にキャンプ場やレジャー施設がたくさんある人気の観光スポットです。
箱根駅伝でも有名な湖ですね。
下山路はあっという間。
芦ノ湖自体が標高700mを超える場所にあるので、下り始めてから登山口までは割とすぐでした。
桃源台バス停まで歩いて行く途中、芦ノ湖の湖畔に寄り道。
ボートに乗って釣りをしている人がたくさんいます。
芦ノ湖キャンプ村。
ロッジが立ち並ぶ大型キャンプ場で、テントサイトもありました。
こうして桃源台まで歩いてこの日の登山が終了。
桃源台は箱根ロープウェイ乗り場にもなっていて、あの有名な大涌谷に行くことができます。
周囲に観光施設もあるので、バスを待つ間の暇つぶしはいくらでもできますぜ。
マメザクラを求めて歩いた箱根外輪稜線。
初めて歩いたコースでしたが、かなり気に入ってしまいました。桜はもちろん、展望の良い稜線がとにかく歩きやすくて気持ち良かったです。
金時山も悪くはないですが、個人的には丸岳~富士見ヶ丘公園の区間が特に気に入ったので、良ければ歩いてみてください。
【日程】
2023年4月9日
【コースタイム】
8:15 仙石バス停
9:15 金時山
10:10 乙女峠
10:50 丸岳
11:10 富士見台
12:00 富士見ヶ丘公園
12:50 湖尻水門
13:10 桃源台
コメント
こんにちは。初めまして。
この記事と同じ日に全く同じコースを歩いていたので嬉しくなってコメントしました。(長尾峠Pのトイレも寄りました)
わたしもマメザクラに感激しつつ歩いていました。
富士山もピカピカでしたね。
https://kobitoku.hatenablog.com/entry/2023/04/12/115235
kobitokuさん、初めまして。
コメントありがとうございます。
ブログ読ませいて頂きましたが、全く同じコースですね!しかも歩いた時間も割と近いような。
この日は天気も良くてお互い良いタイミングで登れましたね。歩きやすい稜線に加えて、マメザクラの群生がとても綺麗で本当に気に入ったコースとなりました。
ぜひまた行きたいと思います。
みやっちさん 超お久しぶりです(^^;)
変わらず歩かれていて、うれしく思います。
箱根外輪山に注目されるとは、さすが! 私もまた、最後に書かれている丸岳以南がgoodに激しく同意
2年前の4月なかばに逆コースを歩きました(金時山はパスして、乙女峠から御殿場に) 晴れた日で、南アルプスなど展望最高! でもマメザクラは…… 10日違うと散っていた?(4トラベルに旅行記あります)
エヘン(ちょっと自慢)
ここを歩いて、箱根外輪山完踏となりました。みやっちさんと違い鈍足なので、トータル4~5回かかりましたが。最後にこんな楽しいコースが残ってたなんて、ラッキーです(^o^)
昨春、定年退職しました。前後して、同年代(60歳代なかば)の訃報が相次いで、人間の寿命なんて分からないと思うようになりました。
私はあと30年は生きるつもりなので(笑)、ご心配無用ですよ
ねもさん、お久しぶりですね!
コメントいただき嬉しいです。そして箱根外輪山の完踏おめでとうございます!
箱根外輪山は今年の春に登ったコースの中でも特に気に入ったものとなりました。金時山が有名ではありますが、この稜線の真骨頂は丸山以南にありましたね。
マメザクラと富士山の展望を思う存分見れて大満足の1日でした。今回は桃源台下山でしたが、まだまだ稜線は続いていたので、私もねもさんと同様に完登目指していつの日か稜線を端から端まで歩き通したいです。
ねもさんもどうか素敵な山ライフを!これからもねもさんの近況と経験談が聞けることを楽しみにしてますよ。